今回はストリートトリプルRS(通称ザラブ嬢)のチェーンメンテです。


4年くらいバイクのブログ書いてきて、オイル交換のブログはあるのに、チェーンメンテを初めてお送りするってのも、なにか不思議な感じがしますね。


なんで今までチェーンメンテがなかったのか?っていいますと、その理由は簡単で「ダイナもゴールドウィングもチェーン駆動じゃなかった」からですね。ゴールドウィングはシャフトドライブだし、ハーレーはベルトドライブですからねぇ・・。GROMとモンキーには油入れてましたけど、この人達滅多に乗らないし、ブログにほとんど登場しませんし。

でもザラブ嬢はまっとうなチェーンドライブ。久しぶりに、こまめなチェーンメンテが必要になるバイクなんです。

ハイパワーバイクの一番のメカ的問題点は、とにかく負荷がかかること。特に駆動系は大排気量車のパワーとトルクがガンガン掛かるわけですから、それを支えるチェーンメンテは必須になります。ちなみにストリートトリプルのマニュアルには「300㎞ごとに油差してね。」ってかいてある。

ただ、いちいち距離換算してられないので、現状は給油2回で1回差してます。これだとまぁ大体350㎞~400㎞で1回注油って感じになりますかねぇ。私は晴れた日で路面乾いてる時しかザラブ嬢乗らないので、チェーンはほとんど綺麗なままなんですが、チェーンメンテはサボり出すと際限ないですから、どんなコンディションで走ろうが、給油2回で注油と心に決めてる。今走行距離約5000㎞ですから、もう13回くらい注油してる勘定になるでしょうか。

なんでチェーンに油差すのが大事かっていうと、接触型の金属パーツって「油ギレすると一気に摩耗してしまう」からですね。

バイクにエンジンオイル入れずに走る人はいないと思いますが、チェーンに油をあげない人って結構いるように思うんですよね。

バイク店で買い取りやってたときも、買い取ったバイクを仕上げる時に、センスタかけてリアタイヤ回すとチェーンが錆びてたり、しなやかさがなくなってゴリゴリいってるバイクがソコソコありました。やっぱりバイクは後輪浮かせて手で回したときにどっかの魔女っ子みたいにシャランラ、シャランラと回ってくれないと気持ちよくない。

エンジンは内部でピストンが超高速移動してますから、オイル入れないとあっという間に焼き付くんでオイル入れない奴はいない。チェーンはエンジンほど熱を持たず高速にならないので、焼き付いたりはしませんが、そのかわり摩耗するんですよね。どこが?スプロケットとチェーンの接触面です。油を差さないと、ここの噛み合わせに潤いがなくなるから、後輪の動きがギスギスになる。特にハイパワーバイクはもう剛性の塊みたいなチェーンに剛性の塊みたいなスプロケットですから、接触面はチェーンとスプロケが全力の殴り合い状態です。そこにはちゃんと油を入れてやらないと、あっというまにダメージが蓄積して、両者リングアウトになってしまう。

確かにチェーンの寿命は凄く長くなってるんですよ。ズボラな人のためにチェーンメーカーはメチャメチャ努力してるし、技術は日進月歩ですから。シールチェーンでチェーン内部に油貯めてノーメンテでもチェーン自体はギシギシにならないものを開発してる。だからチェーン部分のパワーロスは明らかに減ってるんです。

でも、いくらチェーンメーカーでもスプロケットとチェーンの接触面はどうしようもない。だってこんなとこオイルの貯めようがないですから。チェーン同士のコマの扇動部分はOリングでシールすれば解決するけど、「じゃあスプロケットとの接触面はどうすんの??」っていうと、特段策がないわけですよ。地道に外から油入れるしかないんですね。

結局潤滑って一部が良くてもダメなんです。動くところ全部に綺麗に油が回らなきゃならない。駆動系にドライブチェーンを使っている以上、我々は定期的な注油から逃れることなどできない。

昔から「シールチェーンにチェーンメンテは必要ですか?」とか、「どれくらいで油を差せば良いんですか?」って議論は結構あるけど、大概は「やりたくないなぁ」「めんどくさ」って思ってるから、そんな質問が出てくるんです。

でもはっきり言いましょう。

「金属面同士が激しく接触している以上、油を差さないという選択肢はない。」

馬鹿力でガチ殴りをしてくるラオウと戦うときは、雲のジュウザみたいに体中にローション塗りたくるのが一番だし、AVでも、後始末がどんなに大変だとしてもローションプレイはなくならない。なぜかって、「接触面は潤滑が良ければ良いほどダメージが少なく、気持ちがいい」からですね。我々は注油することによって、バイクでもこの真理を追求しなければならないのです。

最下層の奴らが使う対人兵器に油差してると思うからやりたくなくなるんで「美少女の足にローション塗ってる」と脳内変換してしまいましょう。ヒヒジジイと言われてもいいんです!大事なのは世間体よりモチベです!!

「いやいや、めんどくさ!スプロケとチェーンの寿命が縮んでもせいぜい2万円程度でしょ?ダメになったら変えりゃ良いじゃん。」という人もいるけど、そういう人に限ってダメになってもなお放置です。いえね。そば屋のカブならそれでもいいですよ。毎日時速30㎞程度でテクテク岡持運んでるだけなんだから。でも中型以上のバイクってパワーがあってチェーンに負荷がかかりますからね。もしチェーン切れたり、伸びて外れたら、何が起こるかわかりませんよ。ヘタすると異世界転生のフラグが立ちますよ。

前世で不幸な過労死なら転生後にチートスキルで無双できるかもしれないけど、メンテサボって転倒事故じゃ、転生してもカマセ犬。特に趣味の大排気量車にはちゃんと油入れましょう。せっかく高額のバイクに乗ってるのに、こんなところで走りの質を落としてたら本末転倒です。

チェーンデスマッチ・pen入れ3
(コスチュームの関係で、ボディラインが綺麗に出ているザラブさん。そろそろ夏のヘッダーも書き下ろさなくてはならないので、胴のくびれとお尻を練習です。)

事ほど左様に、メンテに関しては諦めが肝心。どんなに厭でも、ガソリン切れたら給油しなくちゃいけないように、チェーンにも定期的に注油しなくちゃいけません。もう機械モノにつきものだと思ってシコシコやるしかないんですね。

ちなみにどーしても「チェーンに油差したくない!!面倒くさい!!」っていう人は、シャフトドライブかベルトドライブのバイクを買うしかない。こいつらはほぼメンテフリーです。でもね。

関取みたいなツアラーばかりになっちゃいますけどいいですか?




・・ということで、前置きはここまでにして、ここからは私が日頃やってるチェーンメンテを簡単にご報告しときます。

まずチェーンメンテに絶対なければならないもの。それはチェーンクリーナーとチェーンルブです。そもそも注油するのに「油がなくては話にならない」わけですからルブは絶対にいる。中には「ルブなど不要!オリーブオイルで!」っていう奇特なグルメ野郎もいるかもしれない。そりゃ差さないよりは100倍マシですが、油飛んでコケても知りませんから。コケたときには路面との摩擦で香ばしく食欲をそそる匂いがすることでしょう。

あとチェーンクリーナーもいりますねぇ。古いチェーンオイルはいろんなヨゴレを吸い取っちゃって、ダークマターになってます。でもチェーンオイルってチェーンにまとわりついてなかなか落ちないのが役割ですから、汚れまくってもなお健気にチェーンに粘着してるわけです。新しい油を差すに当たってはこの汚れた油をいったんクリーナーでさっぱりとクレンジングする必要がある。

古いオイルの上からどんどんチェーンオイルを差していくなんてのは、女性が化粧を落とさず、上からさらにファンデ塗るようなもの。こんな杜撰なことでは美肌どころか「おてもやん」になるだけ。チェーンの美観のためにも、綺麗に落としてから注油していきましょう。
おてもやん
(こちら破壊力抜群、おてもやんマスク。もし私が半ヘルでハーレーに乗るとしたら、笑いをとるために是非これを装着したいと考えてます。最強。)


ちなみに私が使用してるのは、大同工業(D.I.D)のチェーンルブとチェーンクリーナー。この組み合わせはまさに鉄板。だってザラブ嬢の装着チェーンがD.I.Dですから。大同工業は私の地元石川県の大企業。車のエンジンのサイレントチェーンやバイクのスポークホイールは大体大同工業が作ってます。もうね。私としては地元企業に金落とす一択ですよ。ふるさと納税の精神です。ちなみに石川県には他に江沼チヱンというチェーン会社があります。ここのEKチェーンはカワサキが良く採用していますが、世界で初めてOリングをバイクに採用した偉大なる会社なんですね。いやもう、はっきり言っときますけど、バイク乗りは石川県に足向けて寝られませんからね。


チェーンルブ
(こちらチェーンを知り尽くしたD.I.Dのチェーンルブとチェーンクリーナー。チェーンがD.I.Dの場合、これがいわゆる純正品ってことになる。これを信用しないで何を信用するのか?)

ルブとクリーナーさえそろえば、後は必要なものはブラシと拭き取り用のウェスくらいですね。私は使い捨ての紙タオル使ってます。

道具がそろったら、次にしなければならないこと。それは「リアタイヤを浮かせること」です。まあバイクを前に押し出しながら、チェーンの位置をずらしつつ、少しずつ差していってもいいわけですが、それですと私の小さなバイク小屋を突き抜けてしまう。雨の日はどうすんだ?ってことになるし、頻繁に注油するから、継続するためにも面倒くささはできるだけ排除してお手軽にしていく必要がある。

かといって、バイクのリアタイヤを力業で持ち上げてぐるぐる回していくってのもねぇ。若い頃ならそれもいいんでしょうけど、この歳になると「ねぇ、50才にもなってタイヤ持ち上げるの?歳食っても力業なの?カール・ゴッチなの?ゴリラなの?って奥さんから言われそうなんで、ここはバナナを食しながらも、ゴリラではないことの証明に道具を使いたい。

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で、使うのがこちら。UNITのスイングアームリフト。約3500円。うーん安い。

これを適度な高さ調節して、スイングアームの下にかまして、レバー下に押し込むと後輪が浮く。素晴らしい!!「こんなんで危なくないのか?」って思われるかもしれないけど、チェーンに油差すだけなら、荷重がかかるわけでもないし、浮きさえすればいいので、これで十分。

タイヤが浮いたらチェーンの古い油をとります。チェーンのツナギ目はコマの色が違いますので、ここを目印にして、チェーンクリーナーを吹き付けつつ、ゴシゴシやりながらチェーンを1回転回していきます。
ここで注意していただきたいのは、フツーのバイクは上側にチェーンカバーがありますから、チェーンの注油は下でやるんですが、タイヤ回すときは必ず進行方向と反対方向に回さなきゃならない。もし進行方向に回してなんかのきっかけで軍手とか引っかかって巻き込んで、スプロケとチェーンの間に指とか挟んじゃうと骨潰れますからね

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(タイヤを回してチェーンを動かすときは必ず進行方向に対して逆向きに回して下さいね。チェーンメンテで気をつけるとこってこことタイヤに油つかないようにするくらい。やり方はお好みでどうぞ。)


あと、スプレーするとき、どうしても動いていくチェーンを追いかける形でクリーナーやルブを吹きがちなんで、進行方向に回すと、タイヤにルブがかかりそうになる。そうなるともう危険極まりないですから。メンテ時のタイヤはあらゆる意味で「進行方向の逆向きに回す。」のが鉄則です。

ちなみにチェーンクリーナーを吹いた後は、水でクリーナーを綺麗に流すのがベストなんですが、水で流すと乾くまでルブが吹けないし、ガレージの中で水を使うと当然水浸しになるんで、私はクリーナーをたっぷり吹いてブラシでゴシゴシしてヨゴレを浮かした後、紙ウェスなどでクリーナーとヨゴレをキッチリ拭き取ってからルブ吹いてます。クリーナーはケチらず使ってるので、これで十分綺麗になります。

で、ちゃんとオイル差した後は何が変わるかっていうと特段変わらない。この特段変わらない状態を維持するためにオイル差してるんです。逆に言えば、チェーンオイル差してるから、足回りがずっとより良い状態を維持しているんですね。

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(タイヤにルブがつかないってのを注意しつつ、右手でタイヤを回し、左手で優しく吹いていく。慣れるとセルフで給油してるレベルの簡単作業。)

昔から機械を長持ちさせようと思ったらとにかく潤滑をケアすることです。これはどんな機械モノにも当てはまる絶対的真理。潤滑に気を遣ってる人の機械ってバイクに限らずとっても調子が良いんです。バイクの日々のメンテナンスというのは詰まるところ「各部の動作確認・消耗品の補充及び交換・潤滑のケア」の3つなんです。

負担のかかる部分には、とにかく良い潤滑を。チェーンメンテの考え方はこれにつきると思ってます。