昨日エヴァを見てきました。

さらば_

いろんな意味でとにかく終わった・・。まさに終劇。ネタバレになるので多くは書きませんが、これまで広げていた壮大な風呂敷は綺麗に畳まれた。

錯綜し、隠されていた多くの登場人物の本音が明かされ、心の穴が綺麗に埋まり、最後に辿り着いたのは、すべてが収まるところに収まった「ネオンジェネシス」という理想世界。

多くの苦悩を乗り越え、多くの人達の協力と理解を得てシンジ君は「理想の世界線」に到達したわけです。

ただ、私にとっては全ての人が収まるところに収まって、幸せになる理想世界って逆にリアルじゃありませんでした。だって、この世にどこにもそんな世界はないと私は思ってるから・・。

細かい点でいろんな考察はあると思います。ただ、私にとっては、今回のエヴァはこれまで続けてきた「現実的な苦悩を内包した虚構世界」から、「すべての人が幸福という虚構で満たされた現実世界」に飛んだ感じがしました。どちらがリアルでどちらがリアルでないのか?綺麗な終わり方をしているのに、私の頭の中はモヤモヤしたままだったんです。

私は昔から日本のおとぎ話の「幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。」というフレーズがあまりピンときませんでした。ワクワクする大冒険をして、沢山の素敵な物語を紡いだ後にたどり着く「普通の幸せの定義」ってなんなんだろう?

大冒険の後でお姫様と暮らす平和な世界が、登場人物にとって真の幸せなのだろうか?っていう疑問を今もって抱え続けているんです。そして、シン・エヴァンゲリオンは私のこの疑問を綺麗になぞるような終わり方をしていたわけですね。

アニメであるにもかかわらず、あまりにリアルな苦悩を内包していたエヴァンゲリオンは、壮絶な戦いを経て、最後は苦悩のない世界に到達し、物語的にはめでたしめでたしとなりました。

ただ、そんな綺麗な終わり方を受け入れるには、私自身がどうにも駄目になりすぎてた。この映画で展開された予定調和的幸福という結論を「ああなるほど・・素敵だね」と、受け入れるような素直さが自分の中から消え失せてたんですね。

「それに共感できないのは、お前自身が捻くれてて幸薄い人間ってだけだろ?」って言われるとそれはまさにその通り。エヴァの呪いを引っ張りすぎて、理想主義的な終わり方を受け入れられるような年齢ではなくなっちゃったのかもしれない。

そんな私の個人的な感想はさておいて、映画としては凄い出来であることは間違いないです。戦闘シーンの盛り上がりには根が単純な私は素直に感動しましたし、映像表現も凄かった。2時間半があっという間でしたからねぇ・・。

いろんな賛否はあるでしょう。しかし、怒りを抱いて「金返せ!」という人はいないと思う。お金払って見に行く価値は十分にあると思いますから、皆さん時間を作って是非見に行って下さいね。