今年は寒いですね~。この時期って道路に雪がなくなっても、日陰のブラインドコーナーで路面が凍ってたりすると、簡単にぶっ飛んでしまうんで怖いですよね。

路面がちょっとでも黒ずんでいたりするとヤバイ。ブラックアイスバーンを踏んじゃうと、「路面とチュウ~♪ はじめての誅~♪」になっちゃうんで、とにかく気温が上がってこないと、バイクはリスクがでかいですね。ホント凍結路面とマンホールはバイクの鬼門ですから。

こんな状況だとバイクのブログを書こうにも、もうまったくネタがないです。現状ダイナとの接触はたまにバイク小屋でエンジンをかけてやるくらい。フルカバードツアラーのきんつば嬢は別にして、冬の間のバイクの楽しみって雪国だと眺めるくらいしかなくなっちゃう。ハーレーは盆栽バイクといわれるだけあって「磨いてればいいんじゃない?」っていわれればそりゃその通りなんですけれども・・。

そこで今回はまったく走らないインプレ、我がダイナに施されたカスタムペイントについて書いてみたいと思います。

DSC_0731(こちらタンクのペイント。ほとんどの塗装は文字についてはシール処理してるんで、その部分がシールの厚み分盛り上がったりしますが、こちらは研ぎ出しも完璧でクリアーの鏡面は完全にツライチになってます。)

実は私のダイナはこのブログ書き始めた時には、もうこの色になってたんですよね。にもかかわらずカスタムペイントについて書くのは今回が初めて。なんで今まで書かなかったかというと、うーん、特段の理由はないんですよね。ペイントした理由も「これまでカスタムペイントしたことないから一度くらいは・・」っていうある意味、ふんわりした理由だったんですよ。

それから今年で8年。いや、このペイントマジ丈夫。金沢市にある塗装屋さんなんですが、ハーレー純正と同じような、非常にねっちょりとしたウレタンクリアーを使ってるそうなので、耐久性や耐候性も純正と変わりないみたい。

DSC_0733(タンクを上から。深みのあるブラックに華やかなメタリックレッドの境界線のグラデの美しさよ・・。これこそ人の手による単品塗装のクォリティ。)

ハーレーの塗装って非常に艶やかで美しいわけですが、これは分厚くってコストのかかったクリアー層にあると私は睨んでます。ハーレーのベース塗装はフタル酸系エナメルらしいですが、エナメル特有の繊細な発色に、分厚くウレタンクリアーを重ねていくとハーレーの深みのある美しい塗膜ができ上がるってわけですね。

これがCVOになると塗装がキャンディになったり、クリアーがさらに何層にも分けて塗られたりで非常にコストがかかってる豪華仕様になる。皆さんCVOって「カスタムやエンジンチューンが凄いよね!」って思ってるかもしれませんが、私から見ればあの美しい塗装の方が圧倒的な価値があるように思えます。

実際、フェラーリやランボルギーニなどのイタリア製スーパーカーが、なんであんなに格好良く見えるかっていうと,そりゃもうスタイリングと塗装ですよ。

昔のランボルギーニ・カウンタックなんか交差点ごとに生ガスの逆流でエンジン火災が起きてないかをバックミラーで確認し、出火してたら消火器片手にコクピット飛び出して消火活動にいそしむようなシロモノですが、12気筒エンジンのハッタリと、乗り手の健康を無視して実現した流麗なスタイリング、目が潰れるような塗装、てんこ盛りの伝説、希少性の魔力などで、乗り手の心をガッチガチに縛ってるんですよ。

つまり、車やバイクの魅力って必ずしも性能ではないんです。性能なんて公道では使い切れないし、数年もすれば塗り替えられちゃうんだから、そんなのは刹那の価値にすぎない。名車を名車たらしめている要素は、ぶっちゃけ見た目と伝説なんですね。

私がカスタムペイントしようかって思ったのもバイクの維持なんて結局のところ「どこまで自分の好きを持続できるか」であり、好きを維持するためには「自分好みに染めちゃうのがいいんじゃね?」と漠然と感じていたからです。

ペイントしてから、ショップにバイク持ち込む度に、メカさんから「ああ、へっちまん専用機が来ましたね」っていわれる。黒ローライダーというハーレーのありふれた量産モデルに、カスタムペイントを施すだけで、あら不思議、へちま専用バイクになってしまうんです。

考えてみればシャアザクだって量産ザクとの違いはトサカと色使いだけ。日本サンライズは余ってたサイケな塗料と設定をちょろっと盛っただけで視聴者の記憶に焼き付く専用機を作ったわけで、ピンク色の持つパワーに着眼したのは見事としか言いようがない。ハンバーグ師匠のピンクハーレーだって、「クサした奴は次々と芸能界追放」というデスノートみたいなハーレーに進化しつつあるわけで、やはりカスタムペイントには良いにつけ悪いにつけ不思議なパワーが秘められていると思うんですよ。

その証拠に私の初代ダイナはこのカスタムペイントを施した翌日、最初のお披露目ツーリングの帰り道で一発廃車になっちゃいましたからね。いや儚すぎでしょ。カゲロウのような束の間の命でしたね。

そりゃもう凄い事故でしたよ。玉突き事故の真ん中で、我がダイナは車による無慈悲なサンドイッチラリアットでクシャリと潰れちゃったんです。カスタムペイントの持つパワーがネガティブ方向に逆噴射してしまったのかもしれない。

玉突きによって私のバイクに追突したプリウスのご夫妻によれば、私はムーンサルトプレスを自爆したレスラーみたいに一回転して宙を舞ったらしいんですが、その時の記憶はまったくない。何が起こった??」っとガバッと立ち上がったその先に、ダイナがゴロリと転がっていたという記憶しかない。

それにしても色塗った次の日に廃車って一体なんなの?

東一局初牌の西で親の国士無双にブチ込んだくらいの不運ですよ。ツイてないってレベルじゃない。皆さん読んでて、メシウマの極みじゃないですか?

サンドイッチマンの富澤のボケに「ちょっとナニ言ってるのかわからない・・」ってのがありますが、その時の私は呆然とダイナを見下ろしながら「ちょっと、なに逝ってるのかわからない・・」って呟やきたくなる、そんな感じでしたね。

結局、事故は10:0で玉突きの最初の追突車が全額弁償。まぁ当然だろ?って感じ。ショップの店長メッチャメチャ怒って保険会社と交渉してましたからね。そりゃそうでしょう、ショップ主催のツーリングで死人が出るところだったんですから。

DSC_0735(リアフェンダー。赤いメタリック部分の粒子感がおわかりになるでしょうか?)

追突の衝撃レベルからして死んでてもおかしくなかったわけで、上に放り投げられるんじゃなく挟まってたらお陀仏だったでしょう。そんな大事故にもかかわらず、事故慣れしすぎの私は気楽なもんで「店長~代車出して代車~♡」っておねだりして、代車のファットボーイを1ヶ月ほど乗り回してました。さすがに店の女性スタッフもあきれ顔で「あの・・へっちまんさん、あんな大事故の後でバイク乗るの怖くならないんでしょうか・・?」って聞かれたけど、これまでも散々事故してきたし、記憶がないんで怖いもなにもない。

結局私はショップの試乗車だった走行距離800キロのダイナを中古で買いあげ、そこに無事だったパーツを移植し、元のダイナを可能な限り復元するという選択をいたしました。追い金17万円くらい取られたけど、ほぼ新車になったからまぁ良いかなって感じでしたね。ペインターさんも、納品してあっという間に再塗装が入って、さぞやビックリしたことでしょう。それからもう8年。二代目ダイナとは長いつきあいになってます。

ちなみにこのペイント、黒をベースに赤のグラデーション塗装にしてるんですが、グラデーション塗装は市販車ではなかなかできない塗装なんですよね。

純正塗装でグラデ入ってるのってハーレーのCVOとか、ヤマハSRのサンバースト塗装くらいじゃないでしょうか?ちなみにSRは来年で生産中止みたいですが、ファイナルエディション・リミテッドはなんと黒サンバースト塗装なんですよ。欲しい人には多少高くても絶対サンバーストの方をオススメしときます。(って調べてみたらサンバースト塗装は既に売り切れちゃってるらしい。さすが皆さんお目が高い。)

とにかく特殊な塗装って手間とコストがかかります。量産車ではコストの制約でできないことでも、一品モノならやりたい放題。市販にはない塗装法で攻めていくのは当然なのです。お値段はビキニカウル、タンク、フロント、リアフェンダーで24万円くらいだったかな・・。吸排気系をカスタムするとすぐこのくらいかかるんで、訳のわからんマフラー入れるより、職人芸の極地であるカスタムペイントに金使った方が良いじゃんと思ったりしないでもない。

ちなみにダイナ嬢のカスタムペイントは赤黒ベースですが、私自身は赤より濃紺が好きで、赤は「自分の色じゃないなぁ・・」ってつねづね思ってるんです。

でも、バイクはなぜか赤いのばっかり買ってるのが不思議。バイクって彼女みたいな存在だから、自分のカラーとは違うモノを求めるのかもしれません。で、私はやっぱり「悪い女」的なバイクが好きなんだと思うんですよね。

私の物心ついた頃のTVアニメで好きだった女性キャラって、峰不二子メーテルドロンジョ様ですからねぇ・・。特にハーレーはドクロのイメージがあるんで赤黒で塗装すると、完全なドロンジョ様になるんですよ。そんなフザケた色選択したから、いきなりドクロベェ様にお仕置き食らったのかもしれませんけどね。

ドロンジョ2
(ダイナ嬢のドロンジョコスプレ、日米合体「ゴジラVSコング」みたいなもんでしょうか?)

ハーレーってアウトローなイメージ強いですけど、私の中でのダイナは、何かを背負ってとか、目を血走らせてとか、全然そんなイメージじゃない。「このスカポンタ~ン」「アラホラサッサ~」って言いながら、陽気に旅立ってく、そんな感じですね。

結局、輸入バイクに乗ろうが国産バイクに乗ろうが、私の性癖というか、個人的な好みはなんら変わらんわけです。私のバイク見渡したって、ダイナはドロンジョだし、ストリートトリプルはウルトラマンだし、ゴールドウィングはバットマンですよ。はいもうイタい色しかありませんね。

まぁ、そんなこんなで私好みの路線に完全に染まってしまってるダイナ嬢ですが、バイクなんて人がどう言おうと好きなように乗ればいいんで、私の中ではこれでいいんですよね。ただペイントすると、下取りはカスみたいになるんで、そこだけは覚悟が必要かも。いくら3倍のスピードになってもピンクに塗ったザクなんてシャアにしか需要がないように、自分好みに仕上げるカスタムペイントは自分にしか需要がないのは当然なんですね。

「いや、金かけて価値下がるってアホでしょ?」って人も多いと思いますが、結局カスタムペイントは市場価値を優先するか、自分の中の価値を優先するかなんです。

手放すときの市場価値を優先したり、将来的に乗り換えることを考えるんなら、カスタムペイントなんてしちゃいけない。そこら辺の割り切りと思い切りがカスタムペイントの真のハードルなのかもしれませんね。

DSC_0133+1
(まぁそんなこんなで、いろんな思い出の詰まったダイナですが、所有してきたバイクの中でもここまで割り切って自分仕様にしたバイクは他にない。そういう点でも特別なバイクといえるのかも
・・。)