最初に断っておきますと、このブログを書くにあたって、私は全てのモトブログを見たわけじゃありません。一部の試乗動画とそれから派生するものをみただけにすぎないんです。でも、モトブログって面白いやつは本当に面白いですよね。突然逃太郎さんが作ったヤエー選手権なんか最高ですね。

モトブログ全日本ヤエー選手権(←こちら私オススメのモトブログ。クリックで飛びます。「とりあえず怪光線を出していこう」という発想が斬新。)

でも、一部の特殊な人は別にして平均値で見るならば、モトブログは「なかなか大変な世界だな・・。」って感想をもってます。

「いやいや、クソブログ量産者のお前になんぞに検証されたくないわ!!!去れ!カス!悪魔!!」

と罵倒したい気持ちは良くわかります。でも、そこは抑えて。私のブログが底辺階層であることは、十分わかっています。しかし、私のような「底辺駄文書き」から見ても、モトブログは、いろいろ大変だな~と。

動画って利点と欠点があるけれど、個人製作のモトブログは金かけずに映像作品を制作してるから、動画の弱点が非常に目立つんです。これは批判じゃなくって、一視聴者のモトブログというカテゴリーそのものに対する意見です。だからモトブロガーの皆さんもあまり深刻になることなく読んで欲しいなぁと思うわけです。

その1 絵作りが大変。

モトブログはどう見ても製作に時間と金と手間がかかります。テキストみたいにチャチャっと書いてポンと上げるってことはできない。

休日にバイクのメットにカメラとマイクつけて、しゃべくりながら運転し、それを編集してアップしてって、相当な初期投資とスキルがいると思う。ホント作ってる人は偉いですよ。テキストと違って動画の強みは「目や耳で楽しむことができて、圧倒的に情報量が多い」ことですけど、逆に言うと目や耳を楽しませるような絵作りをしなきゃならない。

「Woka Riderさん」なんかは凄くテンポにこだわってるし、ダレないようにちゃんと動と静のバランス取って編集してるから非常に面白いんですが、あこまでいくとある種の才能ですからねぇ・・。まるで優秀な映画監督みたいですよ。ボカロも「こいつもうプロじゃね?」と思ってたら、やっぱりプロになってる人もいますから、どこの世界にも人類の革新っていうか、ニュータイプは存在してるんです。しかし、それと私のような無才能の一般民兵を一緒にしてはいけない

多くの一般民兵の方々の動画見てると「やっぱ最高のネタは立ちゴケなんだよなぁ・・」と感じる。だって立ちゴケって、素で面白いから作り込む必要がない。人の無様な姿は、一服の清涼剤、要はメシウマなわけですよ。

だから、私が「モトブログでとにかくアクセス稼げ!」って指令を受けたら、5分くらいのモトブログにして、ホラー映画みたいな音楽つけて、あらゆるシュチュエーションで立ちゴケしていきますよ。

開始2分くらいのところで、「ああ~~~」って情けない声と共に立ちゴケし、「うわぁああぁあぁあああ!もうイヤだぁあああ!!」と毎回アレンジされた絶望の叫びを入れ、壊れた部分の大アップで5分の動画が終わる。

で、回を重ねるごとにバイクがボロくなってくんですよ(笑)。ウィンカーなんて、ゾンビの目玉みたいにタレちゃってるのをガムテで止めてあったりして・・。モトブログの題は「100日後には廃車になるワニ」。これで人気モトブロガーになれないかな・・と思うんですが、構想するだけで実行は困難ですよね・・。

ことほど左様に、モトブログはインパクトのある絵作りとシュチュエーションが大事なんですけど、そんな絵はもはや日常とはいえないところが大問題。日常領域で素敵な絵作りをしなきゃならないのが、モトブログの難しさの一つですね。


その2 尺が長い。

モトブログはおしなべて長いんです。私のテキストブログもダラダラと長いですが、上から下まで読んだってせいぜい5~6分。スクロールすれば、最後まで一気見することもできます。「こいつダメだ」と思ったら見た瞬間直帰すればいい。

一方モトブログは短いもので5分、長いもので30分越え。この「時間拘束」がモトブログの特徴であり、難しいところだと思う。30分の長丁場を一人語りの漫談で潰すってなると、素人では絶対間がもたないですよ。

もうね。ナウシカの大ババ様クラスのツカミ、話芸、ボケを習得する必要があるんです。ちなみに私、ナウシカの大ババ様の大ファンなんですが、実際、大ババ様は凄いです。まず名前がありません。この時点で只者ではない。しかも登場していきなり「まだ生きとったんか・・」ってとんでもないツカミが炸裂。「年食いすぎて基本的人権がない」んですよ。風の谷ヤバくない?天国に一番近いっていうか、認知の狭間にいるから怖いものもない。クシャナに説教、ユパも呼び捨て。ほとんどしゃべらないけど、一旦しゃべり出したら最後オイシイとこ全部もってきますからね。まさに、「魔法の言霊」ですよ。

とかくモトブログは「ここから面白くなるのかもしれない!」って思ってるうちに淡々と終わるものも多いんで、同じ宮崎アニメでも「ゲド戦記」の方になってる。まぁゲド戦記みたいに90分あるわけじゃないし、金も取られないからいいんですが、いずれにせよ長尺物は間を持たすのが大変です。・・あ~、でもこれはヤバいですね。ブーメランになって自分に刺さってますね!偉そうなこと言って自分のブログのことだよコレ。もうやめよう!!おしまい!!!

問題点その3 リアル。

ここら辺から問題の深刻度が少しずつ増してきます。次に問題となるのは、モトブログのリアルさ。リアルなことって情報伝達においては素晴らしく有利な一方、個人にとってはそれは大きな足かせになる。

私のブログはテキストで綴られていますが、テキストは「ただの記号」であり、それ自体に特徴があるわけではありません。テキストだけじゃ誰が書いたか、ウソかマコトかわからない。真実性が薄いから、揚げ足もとりにくいし、圧も影響力も低いんです。

テキストって重厚なリアルさを出すのが難しい反面、虚構世界をお手軽に構築するのは大得意。年齢や性別、人格、職業、ありとあらゆることを指先一つで偽ることが可能です。老若男女分け隔てなく擬態することも自由自在。だからね。ここからしばらく幼女になってお話してみるよ♡お兄ちゃん♡。

あのね。テキストに比べるとね。動画ってもの凄いリアルで大変なの。ヘルメット被っててもモトブロガーさんの体つきや地声、服装なんかで年齢やどんな嗜好の人なのか、どの程度のライディングスキルなのかがわかっちゃうでしょ。

モトブログって、テキストだったら隠すことができる情報がダダ漏れなんだよ。だからね。やり過ぎちゃった時の批判がもの凄いの。

テキストならちょっとくらい困ったこと書いても「いやん♡本気になっちゃ♡冗談だから許してね♡」でおしまいだけど、モトブログはリアルな証拠映像がバッチリ残ってるから、逃げられないの。

たかがモトブログって気楽に考えてると酷い目に遭っちゃうかも。わかってる?それはともかく、さっきから、なんでスカートの中覗いているのかな?お兄ちゃん。(ジト目)

どうですか?この幼女風の語り。完璧でしょ?これ以上この語りを続けると、右上のバツマーク押されそうなので止めますが、こういうわけわからんこともテキストだからできるんです。モトブログで中年男が幼女に擬態して語りはじめたら、「キモすぎ!おまわりさんこの人です!」ってコメが溢れて、即座に通報されますよ。社会的にジ・エンドです。

リアルな常識の範疇で映像作ろうとすると、そんな凄いものはできない。個性出すのに「CGで女の子でも入れようか」って考えたって、動画ですからねぇ・・。作るのに何時間かかるんだと。私みたいにイラストならお遊びの延長で製作可能ですが、アニメ動画はそうはいきません。編集にもセンスと手間がかかるんで、大変ですよね。

tousatu7
(私みたいに美少女フィギュア製作を趣味にしている人間が小型カメラを購入すると、周囲から上記のようなコメントが出されてしまうことが予想される。何をするにしろ日頃の行いが大事なんですね。)

その4 大人の事情。

私がモトブログで一番感じる特徴は「試乗インプレがみんなどこか似てるなぁ」ってこと。モトブログで人に見てもらおうとすると、試乗動画が鉄板だと思うんですが、ほとんどの動画がバイクを褒めてるだけなんで、みんな似てくる。昔どっかの有名作家が「幸せの形は皆似ている。しかし、不幸の形にこそ個性があるのだ。」なんてことを言ってましたが、実際、ブロガーの個性って、割と否定的でシニカルな評価の中に出てくると思うんですよ。

この世のバイクに完璧はないんで、どんなバイクにも絶対に欠点があるし、個人の印象も千差万別。それが全部似通ってるってのは、マイナス部分をぼかしてプラス評価しか動画にしてないからです。好き勝手書けるのがアマチュアコンテンツの良さなのに、モトブログには好き勝手に毒を吐いてるインプレがほとんどない。試乗レベルでどこまでわかるのか?って問題もあるんですが、明らかに悪いところをインプレしてないですね。

なぜかっていうと試乗型のモトブログは「褒めるしか選択肢がない」んです。だから不特定のバイクの試乗コンテンツとしては、ある意味終わってる。私が以前このブログで指摘したように、バイクのインプレで毒を吐けるのは原則として自分のバイクだけです。自分が身銭切ったバイクについては、オーナーがどう書こうが、それは全て正しい意見。買ったバイクをどのように評価しようが、どう切った貼ったしようが、それは所有者の権利の一部だし、説得力もあるんです。だってそれに見合う金払ってんだから。メーカーも購入者の意見は絶対に無視できない。どんなに腹が立ってもバイク取り上げることはできないし、売買代金もらう以上、「次からお前にはもう売らないぜ!」ってこともできないんです。

でも、自分所有でないバイクはしょせん「人様のもの」。人のものを借りておいて欠点をあげつらって毒を吐くって、かなりのリスクですよ。スーパーの試食コーナーでタダで商品の味見して、「これクッソ不味いね!」って食レポしてるようなもんです。やられた方から見れば「何だこいつ、タダ食いしといて、ナニ言ってくれちゃってんの?もう二度と食わせねぇ!」ってことになるわけだから。自分所有以外のバイクの試乗インプレっていうのは、常にそういう宿命を背負ってるんです。

そういうシロモノを人様に覚悟決めて提示するときって、責任追求されないことと、影響力が低いことがとても重要になる。要は「面割れしないことと、叩き潰す価値がないこと」が大事なんです。ネットという巨大な意識の集合体の中ではブロガーなんてカスみたいなもんなんですよ。ハマダラアカイエ蚊も周囲を飛び回って、チクチク刺してるうちはまだ許しても良いけど、20㎝になって飛び回ったら全力で殺すしかない。昔の2ちゃんねるとかの匿名掲示板が殺伐とした言葉の刃で丁々発止できたのも、書き込んだ人物が特定されないことと、そこが便所の落書きみたいな、限りなく真実性が低い場だからできたことです。

一般的にテキストブログは書き手の匿名性が高い。バイク借りて、ブログで本音をぶちまけても、書いてるのが誰なのか、ディーラー側では特定することがまずできません。こいつかなぁと思っても確証がない。でも、モトブロガーってそうはいかないですよね。ディーラーでバイク借りて試乗動画上げる過程で確実に人物特定されちゃいます。試乗するときにヘルメットに変なカメラつけてブツブツ言ってるからディーラでも印象に残ってるし、声も姿もバッチリ動画に映ってるんですから。しかも、動画を数多く作れば作るほど、影響力と動画からの収益が増してきて、それを失うわけにいかなくなるから、ますます手足を縛られちゃうわけですよ。

そんな状況のモトブロガーにインプレの自由なんてありません。

今後も試乗動画をネタにしてアクセスを稼ぎたいと思えば、新型バイクを試乗できる環境を維持しないと話にならないわけで、試乗動画をメインにしてるモトブロガーは「ディーラーからバイク借りられなくなったら動画が撮れないから終了」なんです。モトブログ試乗インプレは、いつしかディーラーとの関係維持が生命線になっちゃってる。

私がディーラーだったら、試乗車にケチつけるようなモトブロガーには次から試乗車を貸さないですからねぇ。ある意味モトブロガーはディーラーに爆弾付きの首輪をつけられてる状態ですよ。だから、その試乗記は、大人の事情でヨイショ動画にならざるを得ないんですね。出版社という後ろ盾があるメディアの世界でも、ヨイショしまくる提灯記事に溢れてるわけですから、一般民兵が大人のルールで縛られてしまえばその結論は推して知るべしですよ。

個人製作っていうのは、本来は自由で束縛のないものであるべきなのに、結果的にメーカーのマーケティングに利用されてるような形になってる。つまり、一部のモトブロガーは完全にプロ化しちゃってるんですよね。プロとしてやるんだったら、ブログ系はリスクばかりで割に合わないですよ。

ユーザーが求めてるのは、常に「忖度のない本音」だと思うんです。多くのメディアが書けない本音部分こそ、アマチュアに求められてることだし、アマチュアの存在価値だと思う。でも、一部モトブログは匿名のアマチュアコンテンツなのに、それと対極の商業主義に手足を縛られてる。私はこれがイヤでアフェリエイト全部外しましたんで、ブログをどんなに書いても収益はゼロ。これすっげー気持ちいいんですよ。無収入の代わりに、好きなことを書き倒すという自由を得られる。こういうところが、アマチュアブログの本質的で根源的な部分じゃないかと思ってますね。

まとめ

これまでいろいろなことをダラダラ述べてまいりましたが、モトブログって、凄く情報量が多く、その点ではテキストなんて足下にも及ばない素晴らしい世界です。でも、その情報量の多さ故に、自由度が制限され、深刻な災いを招くこともある。虚構を埋め込むのも難しいし、リアルってつまりは日常なんで、ハプニングでもなければ基本つまんないものなんです。それを作り手がどう面白くするかがモトブログの技術であり難しさ。一方、テキストブログは脳内で作られた形のない虚構から、できるだけリアルを産み出そうとするところに難しさがある。

この2つのブログは、どちらも個人の主張を発信するものなんですが、私から見ると似てるようでまったく違う、利点と欠点が正反対なんですよね。私はテキスト廃人だから、モトブログ見ると、こりゃ大変だなぁと思うんですが、モトブロガーからこちらの世界を見ると、「動画なら秒で伝わることを表現するのに、ひたすらテキスト打つ方が大変でしょ?」ってことになるのかもしれませんね。