ミュージカルの名作をヤバイ方向にもじったようなタイトルがついておりますが、中身はれっきとしたストリートトリプルRS(愛称ザラブ嬢)のブログです。

私はこれまで数多のバイクに跨がってまいりましたが、3気筒エンジンをじっくり乗り回したのは今回がはじめて。トライアンフがトリプル系を発売するまで、市場には3気筒バイクはほとんどなく、随分マニアックなエンジン形式だったわけですが、最近はヤマハが3気筒モデルをドンスカ出してて、すっかり馴染んできてますね。

この3気筒を採用したザラブ嬢の排気音の特徴はとにかく吠えまくってて勇ましいこと。戦闘意欲をかき立てるような男らしくて一本筋の通った音がする。バイクの排気音は基本どれも男らしいものですが、その中でも特に荒々しいというか・・

4気筒だと高回転で管楽器のような美しい排気音を味わえますし、2気筒はパルス感の効いた心地よい音を聞かせてくれますが、3気筒はあまり演出のない実直な排気音です。少なくともイケメン風とか、インテリ風の排気音ではありません。でも、なーんか懐かしい響きだなーって感じてたんですよ。

「うーん・・この音は・・昔どこかで聞いたことあるような・・」って思いつつ喉まで出かかってるのに出てこないというもどかしさがあったんですが、ある日「あ!これひょっとしてチェインソーの音に近いんじゃね?」ってふと気がついたんですよ。音に馴染みがあったのは、子供の頃は近隣で林業やってる方が一定数いて、そこかしこで、チェーンソーのエンジン音が鳴り響いていたからなのかもしれません。

ということで、「このバイクは走る林業なのです!」って斜め上の結論出して、さっさとブログ切り上げてもいいんですが、ここから訳わからない駄文がはじまるってのが、私のブログのお約束。当然これじゃあ終わりません。だって、私はアッシュ・ウィリアムズの大ファンなんですから・・・。

アッシュっていうのは、ブルース・キャンベル演じる往年の名作「死霊のはらわた」シリーズの主人公です。

アッシュ
(チェーンソーと言えばアッシュかレザーフェイスか?というくらいのホラー界のメジャーキャラ。クトルフ神話で有名な「ネクロノミコン」に取り憑かれ、死霊とひたすら戦うハメになるスプラッター・ゾンビ・キラー。別名「キャプテン・スーパーマーケット」)

「死霊のはらわた」シリーズは監督であるサム・ライミのセンスが全編にわたって爆発してるスプラッター・ホラーの名作中の名作ですが、邦題がまた秀逸。「はらわた」って普段あんまり使わないけど、死霊と組み合わされることによって生まれてくる汚物感が凄い。もうウンコに近いかもしれない。

タイトルが「死霊のホルモン」だったら、ここまでの訴求力はなかったはずで、
「・・はらわたってかなりのパワーワードだったんだなぁ・・」ってあらためて実感させられた次第です。

あとこのタイトルが秀逸なのは、もう内容がグッチャグチャのドロドロなのが容易に想像できるところ。スプラッターっていっても、「いくら何でも、こんなに血は出ないだろ!」ってほど血がドバァアアアって噴き出しますからね。道路の水道管破れました!ってくらい出てきます。「誇張表現も突き抜けると怖さを通り越して笑える」っていう歪んだ境地をサム・ライミが教えてくれたんです。

そもそもこの映画、コンセプトからしておかしい。だって死霊化した人間をはらわたが出るまでバラバラにするって発想自体が異常ですよ。理由は「そうしないと取り憑いた死霊が去らないから」ってもうバカすぎ。どんだけ力業なんだと。普通は浄化の呪文唱えるとか、魔剣で刺すとか、そんな設定つけるでしょ?そりゃバラバラにすれば、死霊も逃げるでしょうよ。取り憑いてるのが意味ないくらいの完全なオーバーキルなんですから。

で、最後のオチで死者の書である「ネクロノミコン」が燃えて死霊はみんな溶けていくんですよ。あのですね。本燃やして死霊死ぬなら、今までのバラバラ劇のバカ騒ぎはなんだったのかと心の底から問い詰めたい。

このシリーズ凄い人気になっちゃって3部作になってるんですが、そのなかでも「死霊のはらわた2」が私の大のお気に入り。見事なまでの低予算スプラッターホラー・コメディに仕上がってます。

制作費の都合上、目を引くようなビジュアルは作れないんで、アイディアとセンスで尺を稼いでいくわけなんですが、主人公のブルース・キャンベルがとにかく良い味出してる。

予算を使わず楽しませることに関しては、カリオストロの頃の宮崎駿と初期のサム・ライミが筆頭。一作目の「死霊のはらわた」の制作費なんて200万円ですよ?大型バイク1台分の予算で今でも語り継がれる伝説のスプラッター・ホラーができちゃってるわけですよ。

そう思うとやっぱりモノ作りは金じゃなくてセンスと情熱。下の動画見てもらえれば、サム・ライミの演出センスの素晴らしさがわかりますから。

(パントマイムとコマ落としでひたすら上映時間を削っていく。この間ブルース・キャンベルが小芝居と顔芸してるだけなんでほぼ予算消化ゼロ(笑)。フツーホラー映画でこんなのやりますか?控えめに言って天才でしょう。この後切り落とした右手部分にアッシュの代名詞とも言えるチェーンソーが装着されます。)

「チェーンソーなんて、所詮は林業従事者のための働く機械じゃない?」って思われてる方も多いかもしれませんが、「死霊のはらわた」に出てくるチェーンソーは対死霊用の聖剣エクスカリバーなんです。

え?ライフルや斧じゃだめなのかって?うーんやっぱり屠殺力というか迫力で一歩劣るんですよね。だってスプラッターホラーは肉片鮮血が飛び散らないといけないカテゴリーですから。

チェーンソーは痛みの伴う残虐演出にはうってつけだし、アメリカの山荘ならほとんどおいてあるという自然さもある。剥き出しの刃先が高速回転して「当たれば大惨事」ってのがアホでもわかるし、回転上昇に伴って切迫感を増していく音質も怖い。こりゃスゲェってのが音とビジュアルだけで伝わるんです。

ザラブ嬢はこのチェーンソーと同様「高速回転の暴力」をそのまま表現したような走りと音色なんですね。

こんな音とともにズギャーーンと加速されたら、
私みたいなスプラッター・ホラー好きはたまらない。アクセル開ければ気分はもうキャプテン・スーパーマーケット。真っ直ぐなトンネルなんかで高回転域に突入すると、高速回転の暴力性が炸裂し、死霊相手にチェーンソー振り回してるような快感がある。

これに気づいてから、私はこのバイクのちょっと変わった排気音を「最高じゃね?」と認識するようになったんです。外装カラーで「このバイク、ひょっとしてニセウルトラマンじゃないかしら?」って気づいてメロメロになっちゃったのと同じパターンですね。人間って好きなモノに似てる!って思った時点で嬉しくなっちゃうから単純ですよね。

チェーンソー3
(チェインソーのような強烈な回転音からキレまくりのパワーを吐き出す、ストリートトリプルRSの水冷並列3気筒DOHC12バルブ。全域で熱く、頼もしい。ちなみに死(タナトス)とエロスは凄く親和性がある。エッチなアングルのザラブ嬢がチェインソー担いでも特段違和感ないのはそのせいです。)

しかもこのバイク、低回転から高回転までずーっと吠えっぱなしなんですよ。4気筒だと高回転でむせび泣くような快音を発して、気持ちよさが加速度的に増してくんですが、ザラブ嬢の3気筒はどの領域から開けても「快感チェインソー音」が炸裂する。ユーロと同じ音量規制になったからでしょうか、「これホントにノーマル?規制ちゃんと通ってる??」って感じるくらい音量もご立派です。

スポーツバイクでマフラーからの排気音が熱いって必須の性能だと思うんですが、それが回転数を選ばずアクセル開けるだけでいつでも取り出せるわけですから、やっぱこのエンジンは街中でメチャアツのスポーツユニットだと思う。「ヴィイイイイーーーーン」っていう排気音に比例してアドレナリンが湧き出てきて、乗り手を猟奇的なスピードに駆り立てる。回転力をそのまま音に変換してる感じなので音圧で回転数がある程度わかるっていう利点もある。

このバイクで峠走ると、邪悪を成敗するようなスッキリした興奮を味わえます。ちょっとコミカルだけれども、ドキドキがあって爽快なのは、サム・ライミの映画に似てる。最近この「炸裂チェインソー音」が聞きたくてフラフラと山を目指しちゃったりしますから、いい音というより、中毒性がある音なんじゃないかなぁと思ってます。

必要以上にアクセル開けちゃうから、燃費が悪いのもそのせいかもしれませんが、バイク乗りはお馬鹿さんですから、特定の欲望には決して逆らえません。高齢者のバイクへの出費は、生きるためのお薬。いってみれば治療費みたいなものなので、国民健康保険の適用を求めたいたいくらいですね。