「なんて痛いカラーリングなんだ・・・」

これが私が購入したSC79、箱なしの2020年の新色、マットブラックバリスティックメタリックを最初に見たときの感想でした。

マットバリスティック
(最初見たときは、カッコいいと言うより、こりゃバットマンのバイクじゃねーか!の一言でしたね。)

私は本年度の6月、雷に打たれたようにストリートトリプルRSを購入してるんですが、その理由ははっきり申し上げて「外装色がウルトラマンカラーだった」からです。あのデザインとカラーリングの組み合わせは、まさに「悪いウルトラマン」、つまりニセウルトラマンそのものです。その時の購買意欲の盛り上がりはもの凄くて、「バイクの色って、やっぱとても重要な要素なんだな~」というのを改めて感じた次第です。

ことほど左様にバイクの外装色って無視できない重要なものです。これに惹かれてバイクを買っちゃうこともあるし、色のイメージで、購入者の中でのバイクの立ち位置や、人からの見られ方が決まったりもしかねない。

私なんて、アフリカツインのカラバリで青白と赤を見る度に「これガンダムとシャアザクじゃん!」っていつも思いますもん。

アフリカツイン
(最近とにかく山のように見るアフリカツイン。相当売れてるんじゃないでしょうか?ちなみに色は、ほぼ青白ガンダムカラーの奴ばかりですね。)

納車の時に「コイツ・・動くぞ・・!?」っていいたければ青白を購入し、オフロード走ってコケたときに「ヘルメットがなければ即死だった・・」と言いたければ赤を購入するっていう棲み分けですね。

話は逸れますが、シャアって一般的には赤い彗星って呼び名で、赤のイメージがありますが、シャア専用機の機体色は実質ピンクです。昔ピンクのクラウンがありましたが、あれに匹敵するくらいの珍妙な色ですよ。

ズゴックにピンクはまだわかるんですよ。見ようによってはカワイイですから。でもザクは山賊顔に山賊装束のこれ以上ないオッサン専用機です。私が塗装屋だったら「大佐どの・・マジですか?・・(ゴクリ)」って塗る前に5回くらい確認しちゃうと思う。

ガンダムが放映されてた頃、私はまだ小学生で純真だったんで、あの色のザクを見ても「これホモカラーですよね!」なんて思わなかったし、周りが「赤だ!」「赤だよ!」「赤だって!!」ってしつこくいうもんだから、「ちょっとピンクっぽいけど、あれが未来人の色感覚なのかな・・」って誤魔化されてた。

でも今は違う。私が色盲でない限り、「あれはピンクである」と断言できる。

シャア小差
(ノーマルスーツまでドピンクのシャア。もう私には危ない奴にしか見えない。ここまでしてキャラを立てる必要がどこにあるのか?鬼気迫るモノを感じる。)

昭和の頃ならともかく、ガールズ&パンツァー以降、この色の機体に視聴者が求めるモノって戦闘能力じゃなくて、ズバリ「かわいさ」でしょ?今時ピンクの塗装色に誰も3倍のスピード求めてませんから。

「ジーンさ~ん、右に展開して下さ~い」
「スレンダーさんは後方に待機で~す」
「いや~~ん、スカートの中見えちゃう~っ」

ていいながら、ヒートホークを敵の脳天に突き刺してくってイメージです。つまりシャアは今をときめく鬼滅の刃風にいうと「桃柱」なんです。呼吸は当然「桃色吐息」。耳元でオッサンに「はぁ~~~ん」ってやられたら無残は逃げ出し、我妻くんは泣きだし、伊之助は発狂し、胡蝶しのぶはSM女王に大変身ですよ。

こんなの数年後我に返った時「認めたくないものだな・・根本的なあやまちというものを・・」ってつぶやきながら、自決用のロープ持ち出すくらいの黒歴史になる。

ピンク
(アムロにくっついていく桃柱のシャア。腐女子の妄想がはかどりそう。前後の流れを知らずに絵ヅラだけ見ると、「やだ、この人達これから一体ナニはじめるの?」って思いますよね。)

大人になって、いろいろな世界を見て穢れてしまうと、いい大人がこの色を選択した背景事情や心理状態を考えちゃうんで、とたんに闇が深くなるんです。「シャアと側近のアカハナとの関係ってどうなのかな・・?」なんて考えて夜も眠れなくなる。

一年戦争の頃のシャアは、服脱ぐとピンクのブラジャーつけてるんじゃないか?と私は勘繰ってんですよね。「うちのシャアがこんなに可愛いわけがない!」ってタイトルつけたくなるほど妄想がはかどりますね。そう、あの色が私をしてシャア・アズナブルを必要以上に深掘りさせる原因になっちゃてるんです。

このように乗ってる機体の色って乗り手の性癖を映し出す非常に重要なものなんです。

だから一番無難なのはそのメーカーのイメージカラーを選んでおくこと。カワサキのライムグリーンなんて冷静に考えれば相当変な色で、自家用車でこんな色選んだら「グリーンゴブリンの熱烈なファンの方ですか?」っていわれると思うけど、バイクだと「カワサキか・・」と言われるだけで、乗り手にまでダメージいかないわけです。しかしイメージカラーと離れて冒険すればするほど、乗り手の感性部分が強くなり、ブッ飛んだ色味になってくると、さらにその傾向は強まるわけです。

最近多くのメーカーがマットブラックに赤の差し色のバイクをチョコチョコ販売してるんですが、マフラーやフロントフォーク、ハンドルバーにはシルバーやゴールドの差し色が入っていたりするし、小排気量車は車体が小さくて押し出しが控えめなんで、そこまで「うわぁ」ってならないわけですよ。加えて、走るときにはそこにライダーが乗っかるわけですから、真っ黒なイメージはかなり中和される。だからこそ、「ああ、マットカラーもなかなかいいじゃん。つや消しもヒネリが効いてるよね!」くらいの印象におさまるんです。でも、このSC79は笑って見過ごすにはデカすぎる。

ゴールドウイングはそもそもが巨大なフルカバードバイクですから、外装をマットブラックに塗るだけで、超巨大な黒い塊になる。

加えて、このバイク、ありとあらゆる所を徹底的にダークに仕上げちゃってる。普通のバイクに比べてメタルに輝く部分が非常に少ないっつーか、もうほとんどない。とにかく黒以外で艶があるとこってブレーキディスクと、一部のボルトくらい。もうこの時点でサイコガンダムですよ。

この巨体でここまでやっちゃうと、外装のカラーバリエーションの一つっていうよりも、「特定の属性を目指しちゃいました!」って風に見えちゃうんです。じゃあコレどんな属性なの?って聞かれたら。そんなの「メンヘラ系中二病・・」としか言いようがない。

S79-7
(SC79のメイド服デザイン。なんせ中二病カラーに20㎏のダイエットですから、F6Bよりスリムで露出度高めのフーターズ系小悪魔メイドなデザインとなっております。)

大体、この手のカラーリングを味方が纏って出てくると、「イタい台詞を連発して斜め上の独自路線を突き進むタイプ」で扱いに困る。「俺は誰とも群れるつもりはない・・」といいながら、主人公が戦ってる近場で待機し、ピンチになるとすぐ介入してくる。一人を気取るけどトモダチいないんで、ちょっかいかけるくらいしか基本やることないんですよ。「なんなの?お前、ホントは寂しいの??」ってツッコみたくなる。

一方、主人公が、このカラーリングだと、完全にダークヒーロー系になるんですが、ダークヒーローも相当イタい。しかも、主人公で物語の中心だからイタさ5割増しです。ダークヒーローは悪と戦う動機が個人的な復讐のケースが多く、考え方も非常に面倒くさい。「ありがとう。アナタは正義の味方ね!」っていうヒロインのセリフに「私は正義の味方じゃない。悪の敵だ。」なんて頭痛がするほどイタい台詞をあわせてくるなど「こじらせ感」が凄いんです。ドロドロしたものを内に抱えて苦しんでおり、そのストレスを暴力で発散するという、今の私にはめんどくさすぎて到底近寄りたくない人種。

敵側で出てくれば、ハカイダーとかカッコいいキャラもいるんですが、残念ながら悪党側なんで「根本的にアタマがイカレてる」んですよね。よって、例外なく誅される末路が待っている。

結局のところ、ヒーロー側にせよ悪党側にせよ、ロクなもんじゃないってことになってるんです。

この黒×赤系の色はアメリカじゃクールなのかもしれませんが、残念ながら日本じゃ中二病そのもの。乗り換え前のF6Bも赤×黒のモチーフだったんですが、アレはフツーのバイクだった。しかし、こっちは違う。

「色面積を逆転させて艶消すだけで、こんなにイタくなっちゃうんだー」

って棒読みのつぶやきが出ちゃう。

ただ、ゴールドウィングの王道色の中で、攻めたカラーなのは間違いないし、私自身も「内面はイタい人間」だという自覚はあるんで、色味自体は嫌いじゃない。発売当初は馬の色を模したという「ハカマ履いて暴れん坊将軍やるしかない」という珍奇ブラウンもありましたが、あれも嫌いじゃなかった(即ディスコンになりましたが・・)。

2018_HONDA_GOLDWING_Braun
(このブラウン、私結構好きでした。良い色なんじゃないかと思ったんですが、私の好むカラーなだけあって、ほとんど売れなかったようですね。)

なんだかんだいって、私がこの色を選んじゃうのは予定調和というものでしょう。結果、珍奇な乗り手に、珍奇なマニュアル、珍奇な塗装色という三珍合体になってしまいました。

まぁ落ち着くとこに落ち着いたわけですね。大変だ大変だと言われてるマット塗装のお手入れにもバイク乗りとして少し興味があるので、これからはこのサイコガンダムと共に地方の広域農道を駆け抜けていきたいと思います。

皆さん新型のSC79のインプレを期待してるのかもしれないですが、インプレするならせめて2000㎞くらい走ってからにしたいので、とりあえず、もうしばらくお待ちください。