前回の足まわりのインプレから随分間が空きましたが、今回は我が愛車ザラブ嬢(ストリートトリプルRS)のシャーシのインプレです。

ザラブ嬢のシャーシは凝った形状のアルミツインスパーフレーム。MOTO2のベースエンジン積んで走りをアピールしてるだけに直進方向の縦剛性は相当なものです。こちらの動画の12分頃を見てもらえばわかりますが、ザラブ嬢の最高速は241km/h。そこら辺でリミッターがかかって、後は239~241km/hをいったりきたり。

(最高速の240km/hだと6速でも12500回転くらい回ってるんで、リミッターがなくてもそこら辺が限界域でしょう)

ちなみに、この動画はベタ伏せで最高速まで持っていってますが、前傾程度の立ち乗りだとラスト10km/hは風圧とエンジンパワーがどっこいになっちゃって、一気に加速が鈍ります。この速度域ではパワーピークの11750回転をとっくに過ぎちゃってるんで、まぁしょうがないんですけど・・・・なーーんていうのはあくまで私が真夏の深夜に見た夢の中でのお話ですんで~、決して真にうけないでくださいね!

ちなみに6速100km/hは5000回転くらい。結構高いよね?って思われる人もいるかもしれませんが、そもそもが高回転型エンジンですので、この程度の回転域だと回してる感はありません。基本滑らかでストレスはないです。

このようにザラブ嬢は直線番長やってる限り、シャーシがヨレることはありません。フロント周りの剛性感と安心感もデイトナの血を引くだけあって、このクラスのネイキッドバイクとしては素晴らしいと思う。

ホイールベース短くてキャスター角はそれなりに立ってますが、フレーム剛性高いし、変態ブラジャー型ヘッドライトの形状が効いているのか、フロントがリフトすることもなく、直進安定性だって問題ない。アクセル全開にすれば射出された矢のようにトップスピードめがけてブッ飛んでいきます。

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(彫刻のように非常に凝った形状のフレーム。縦方向は踏ん張り横方向は適度にしなやか。フロントまわりの岩のような剛性感は完全にSSです。)

一方、ガッチリ固めた縦方向とは別に、コーナリングでは、ガチガチな感じがないところも素敵。私のいつも走ってるダム横の狭いワインディングは急な切り返しばかりなんでそんなにスピードでないですが、その領域でも楽しく走れるっていうのは、タイヤも含めて横方向の柔軟性があるからですね。

公道で楽しむスポーツバイクなら、性能はガチだけど速度感ゼロで、公道走行全般が徐行運転、というフレームもダメだし、速度感があってすっごい楽しい一方で、マスツーリングでは置いていかれてボッチ旅っていうフレームもダメだと思う。高性能だけど、しなりもあって楽しめる。そんなカバー領域の広いバランスがとれたフレームが一番良いですよね。

最近のスポーツバイクのシャーシってガチガチにするだけじゃなくって、いろんな所を肉抜きしつつ適度にしならせることを考えてるので、昔に比べるとホントよく曲がり、公道で楽しめるようになったな~と思います。

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(スイングアームやフレームのところどころがゴッソリ肉抜きされてます。各パーツを切った盛ったしながら、軽量化と高剛性と乗り味のバランスを図ってるところは、まさに現代のゼロ戦ですね。当然、装甲厚もゼロ戦並でコケたら大惨事になる気がする。)

コーナー入り口で荷重が自然にフロントサスに乗って、そこから3気筒らしく軽快に倒れ込み、ギュルギュルと曲がり始める。立ち上がりでアクセルをワイドオープンしたとしても、トルクの出方が自然なんで、リア荷重になりすぎることもない。

とにかく慣性マスが小さく、ジャイロ効果が少ない3気筒を思いっきりフロントに寄せておいての車重188㎏ですから、400ccも真っ青な機動性があります。

ただ、いくら乗りやすいといったところで、やっぱ外車ですんで、ホンダやカワサキの大型バイクのように、お気軽にうりゃーと倒していけば曲がれちゃうという「自在コーナリング」ではありません。もうF6Bなんかは「カンガルーのお母さんの腹袋に入って首だけ出しているような気分」になるほど、守られ感の強い安定安心の挙動ですが、ザラブ嬢にそこまでの優しさはない。

大型初心者でも乗れはしますが、私は勧めません

本領を発揮する領域で走らせようとすると、しっかりとメリハリつけて体重移動しなくちゃならないし、コーナーでのアクセルオンオフによる車体制御もしっかりやらなきゃダラダラ走るだけになる。高負荷にフォーカスしたサスペンションは、適当な入力じゃ中途半端にしか曲がってくれないから、ある程度走り慣れてる人向けだと私は思います。

乗り手が積極的に曲げる要素が強いんで、しっかり乗れてる人には凄く楽しいはずですが、乗り方確立してないとキツいし、初等技術磨くにもパワーありすぎでビギナー向けとはいえないと思う。

私自身もそうでしたが、ビギナーの頃って自分の限界に夢を見がちなんで、いきなりトップレベルのバイクでオラつこうとするんですよね。

ド素人がガンダムやエヴァに乗っていきなりエースになるという日本アニメのお約束パターンが脳内にこびりついてるんです。

私のようなアニオタには特にこの傾向が顕著で、勘違いして最新鋭機種にまたがり、扱いきれずに「アニメと違うぅぅううううーーーー」と叫びながら見事に轟沈していくというのがお約束なんです(笑)。

私が免許取った頃は、中免最速マシンは2スト250レプリカで45馬力でした。しかし、そのレベルでも多くの悲劇が繰り返されていたわけですから、それ考えると、ビギナーにスポーツバイクの100馬力オーバーなんてのはあり得ないですよね。

今はいきなり大型とれますから、上限はもう200馬力級。バイクって商材だから、金さえあればどんなもんでも買えるんで、「好きなバイク買え!」っていうのもある意味で真理ではあるんですけど、コーナリング技術ってシートカウルの上で踊るダンスみたいなもんですから、200馬力級のパワーがあるバイクで峠攻めるなんてのは、ダンスコンテストレベルの激ムズハード曲でミスなく踊るのと同じくらいの難題です。

「フフ・・華麗に舞うぜ」なんて格好つけながらビギナーが200馬力で出陣しちゃうのは、「この出撃から帰ってきたら結婚が待っている」とか、「岬の断崖絶壁付近で犯罪を自供しはじめる」レベルのぶっとい死亡フラグですよ。

パワーのあるバイクはそれなりに重いし、ものっ凄いスピード出るんで、高いレベルの操作を繊細かつ正確、高速に処理しなきゃ、乗れてるね!って感じにならない。今はトラコンやABSがあるけど、一昔前は人の感覚だけで制御してましたんで、コーナー出口で不用意にガバッと開けるとリアが簡単にズルズルいっちゃって「アヒャーーーー」なんてのはもう日常茶飯事だった。

高出力のスポーツバイクはサスに高い負荷かけてようやく本領発揮するように設定されてるんで、しっかり走らせようとするとスベらない範囲でアクセル開けていかなきゃならない。バイクが求めてくるレベルが高くなればなるほど、乗り手の経験と技術と度胸が追いつかなくなって、結果フラストレーションがたまる一方なんですね。

もうメディアがハッキリ言わないんで、私がハッキリ言いましょう。

「ビギナーが乗れる200馬力のバイクなんてこの世にはありません!」

200馬力のV-MAXで、店出た瞬間ケツ滑らせてハイサイド、納車最速廃車伝説を作った現人神(あらひとがみ)もいましたからね。

乗り出し260万円が数秒で木っ端みじんですよ。気の毒ですがV-MAXでいきなりガバ開けすればこうなるよ・・って、そんな世界です。

ベテランだって200馬力をホントの意味では楽しむことなんて到底できませんよ。もう所有感だけ。「大丈夫!トラコンあるから!!」って言われてもですね。トラコンは補正機能であってコケないための機能じゃないですから。トラコンつけてコケないんだったらMOTO GPなんて全員完走ですよ。

このクラスをNC750みたいに優雅に乗るっていうんならいいんです。でも、そんな乗り方が無理なようにバイクが作られてますし、バイクが飛ばせ飛ばせと言ってくるから、多くの人が誘惑に負けて「スポーツライディングだ!」ってことになっちゃうわけですよ。

大型バイクに28年近く乗ってそれなりにムチャしてきた私ですら123馬力のザラブ嬢で十分すぎる(つーかてんで使い切れません)と感じてるのに、いきなり200馬力って、「いきなりステーキかよ!グラムいくらの肉塊になるよ!」ってこっちがドキドキする。

将来プロダンサーになるような逸材でも最初は簡単なダンスの見よう見まねからはじまり、「ハレ晴れユカイ」あたりを完コピしてから、ワルツやレゲエダンス、ポップダンス、ブレイクダンスなど、徐々に難易度をあげていくってのが妥当で常識的な流れじゃないかと思うんですよ。(「最初のがおかしいだろ!」っていうツッコミは聞かない。)

(ダンスをたしなむアニメファンなら必ず踊れるハレ晴れユカイ。アニメダンスのバイブル。これを踊れなければ話にならないともいえる。センス溢れる京アニの作画をクレジットなしの完全版でお届けします。・・お前は踊れるのかって??は?私をナメてんですか?)

(おまけのカーニバルファンタズム。タイプムーン好きとしてこれは外せないアニメ版高速盆踊り。選曲が旧いのばっかりなのは私がオッサンだからです。)

プロライダーじゃないんだから競技レベルのダンスを踊れなくてもいいわけだし、踊る必要もありません。楽しく各々が好き勝手なダンス踊ってりゃいいんです。みんな仕事で金稼いでて、その主戦場でプロらしく競争してるわけで、趣味で乗ってるバイクでリスクを上積みして人に勝つ必要なんてないわけですよ。

30年以上いろんなバイクのシートの上で踊ってきたけど、お気楽ダンスで止まってます。趣味のバイクでやる公道走行なんて、気晴らしのストレス発散なんで「どうだ!俺の年季の入ったハレ晴れユカイを見とけ!!」でいい。

「ニセウルトラマンそっくりのバイクに乗ったアニオタがシートカウルの上で昔ながらのアニメダンスを踊る」

これが私のライディングの実態なんです。

ハレハレユカイ4
(ダンスの決めポーズといえばこれ。サタデーナイトフィーバー。当時のダンスシーンを席巻したトラボルタのポーズも、今ではほぼパロディネタと化してる。結局どんなにカッコつけても30年も経過すればネタになるのみなんです。ということで、私のブログはハナからネタ方向に全振りなんですね。)

で、そんなクソみたいなレベルでもストリートトリプルRSのシャシーは十分楽しめます。直線でMOTO2エンジンを全開で味わいたいライダーのために縦剛性は締め上げてありますが、ワインディングレベルでもちゃんと満足できるように横剛性は落としてる。よく考えられた見識の深いシャーシです。

それでもスポーツモードの8000回転以上などまず公道では使い切れないんで、パワー的には正直「660ccのSで十分でしょ?」って思う。この熟成シャーシと95馬力の3気筒を搭載して99万円でしょ?なんていいバイクなの?ホワイトカラーもカッコいいですしね。公道ではこっちのサスの方が調整いらないし、使い勝手が良いかもですよ。

ストリートトリプルS
(トライアンフのホームページからSモデル。もうハッキリいってこっちで十分。田舎じゃトラ自体が珍しいんだから、誰も違いなんざわかりません。エロパワーを象徴するブラジャー型ヘッドライトで公道を颯爽と駆け抜ける。変態なら買うしかない。)

ザラブ嬢の3速は40km/hくらいから170km/hくらいをカバーしちゃうんで、私が走る峠じゃほぼ3速オートマ状態で超タイトコーナーで2回ほど2速に入れるだけですよ。このRSを「公道で使い切れちゃいます」とか、「スピードトリプルより遅いから~」なんていう人は、公道は卒業してもっと上を目指しましょう(笑)。

ということで、ザラブ嬢のシャーシ編は終了です。あいかわらずアニソンぶっ込んだり、斜め上のたとえ話で「ナニ言ってるか全然わかんない」と思いますが、素人の個人ブログなんで何卒、この程度でご容赦下さい。