それでは新たに私のガレージに収まった、トライアンフ「ストリート・トリプルRS」のインプレッションをしていきたいと思います。

これまでF6Bとダイナについてはいろいろとインプレをしてきたわけですが、このストリート・トリプルが当ブログはじまって以来の新車購入報告なんですね~。

へっちまんの素人模型の記念すべき最初のブログは2016年1月でしたが、その前後から1台もバイクを買っていなかった・・・我ながらこれで、よくバイクのブログやってきたよなって感じです。

それはさておき、まずはストリートトリプルRS(長いので以下「ストトリ」と簡略記載します。)のグレード紹介から。

ストトリは現在 S、RーLow、RS と三つのグレードがあり、一番お安いSと中間グレードのRーLowの価格差が20万円、RーLowとRSの価格差もこれまた20万円と、グレードごとに結構幅のある悩ましい価格設定になってますので、通常は皆さん予算の範囲内でいろいろと検討されるんでしょうが、私はストトリに関してはそんなこと一切検討せず色だけで購入しちゃったので、後日、付属する豪華装備を「ほほう、ほほう」と眺めていくことになったんですよね。

実をいいますと、私はこれまでバイクの最高級グレードって購入したことがないんです。トップグレードって装備は凄いけど価格も凄いんで、「バイクを味わうにはベースグレードで十分でしょ?」っていう考え方をしてきたわけです。

トップグレード買うくらいなら、「もう一ランク価格設定の高いバイク買うわ。」ってことだったんですよね。例えば現在CB1300にもノーマルグレードとSPがありますが、ノーマルグレードが151万円、SPが188万円で、SPはブレーキがブレンボ、フロント&リアのサスがオーリンズという最高級カスタム仕様になっている。でも、この価格だとBMWやドカティなど、洋モノの同排気量のベースグレードも選択肢に入ってくるんです。

正直ノーマルサスとノーマルブレーキでも公道では十分過ぎるほど動作するし、ニッシンやトキコもブレンボに負けないくらい信用してますんで、この場合は迷わずお安いノーマルグレードを選択するのが私のこれまでの商品選択だったわけです。

今回「ニセウルトラマンにクリソツ」というトンデモ理由でトップグレードを指名買いしてしまい、その装備品にビビっているというのが正直なところです。

たとえて言うなら、「サバゲーの装備を希望したら米軍海兵隊特殊部隊の制圧用特注装備を支給されてしまった」くらいのビビリ度ですね。本物もらったけど、性能の半分も使えないぜ。フハハ。 

ニセウルトラマン5+1

それでは実際どんな装備がついてるかをご紹介しましょう。

フロントブレーキ
310mm径ダブルフローティングディスク、Brembo製M50 4ピストンラジアルモノブロックキャリパー」

リアブレーキ
「220mm径シングルディスク、Brembo製シングルピストンキャリパー、切替式ABS」

フロントサス
「Showa製41mm径倒立ビッグピストンフォーク(BPF)、調整式プリロード、リバウンドダンピング&コンプレッションダンピング調整機能」 

リアサス
「 Öhlins製フルアジャスタブルSTX40ピギーバッグリザーバータイプRSU 」

これ、トライアンフのホームページからコピペしてきたんですが、あまりの高級感にブログで使ったことないゴールドにしてしまいましたよ。

そもそも一つ一つの「パーツのネーミングが長すぎるんだが!??」超高級料理店の訳わかんないメニューみたい。「名古屋コーチンのローストアスパラ添え、フォアグラのソース・幸せの香り」的な感じで「よくわからんが、なんかスゲぇ!」って圧倒される。

「・・お前、メチャクチャバイク歴長いのに、ブレンボも味わったことないの?・・プッ、貧乏人・・」

な~んて言う人もいるかもしれませんけど、私に言わせりゃ最近ですよ。こんなにパカパカブレンボつくようになったの。昔は住友製のヤマンボとかありましたけど、のブレンボの2ポットは高嶺の花で、フロントに一番安い奴2つ入れるだけで50万円くらいかかったんですよ。あまりに高いんで、片方にだけブレンボ入れて仮面ライダーWにしてやろうかと真剣に考えたこともあるくらい。

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(その昔、一方がブレンボのゴールドキャリパー、もう一方が純正の黒トキコというブレーキ版「ルナ×ジョーカー」も考えた。「安いし、絶対目立つよ!!超個性的じゃん!」と燃え上がったこともあったんですが、ショップの「危ないから絶対止めろ」の一言で鎮火。)

じゃあってことで純正でブレンボついてるモデル探そうにも、そんなのMVアグスタか、ドカティの頂点モデルくらいでしたんで、しがないバイク屋勤めでは購入対象にすらならない。

「あっ、ブレンボ様であらせられますか?・・・いや・・サーキット走るわけでもありませんので・・え?ブレーキタッチが極上?お前もどうかって??いやいや、滅相もない。私などカックンブレーキで柔らかい股間を鍛えておる次第でして・・・。ハハハ・・」

などとつぶやきながらすり足で距離を取る感じですよ。

そんな男にいきなりブレンボのモノブロックM50キャリパーなんてトンデモないもの与えちゃダメでしょ??このキャリパーって昔パニガーレが採用してたブレンボ50周年記念のやつなんですが(現在はドカのモンスター等のトップモデルにも採用されてるようです。)パニガーレって新車が乗り出し300万円近い富豪御用達のバリバリのレーシングモデルですよ。そんな最高級モデルのブレーキキャリパーが私に支給されるなんてヤバいって。

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しかも、このバイク、マスターシリンダーとクラッチまでブレンボなんですぜ!ブレーキ周りのブレンボセットで30万円くらいのお値段になっちゃうでしょ。写真見るだけで「ひいいいいい!!」ってなりますよ。

このストトリ嬢は装備や車体、エンジンのデキを考えると180万円くらいの価格でもおかしくないんですが、排気量が大きくて価格も安いヤマハのMTー09という強力なライバルの存在のおかげで日本での価格が非常に抑えめになってる感じですね。

しかし、良い装備がお安くついているからって喜んでちゃダメ。良い装備ってメンテ費用とかコカしたときの修理費、維持費がクソ高いんですよ。コケてブレーキレバー曲がるだけで何万飛ぶんだ?っていう怖さがある。

フツーの国産バイクやハーレーはコカすとそこが社外の良いパーツに変わったりするんですが、最初から最高級パーツ仕込まれちゃうと、「コカすたびにグレードダウンしたパーツが入っていく」という逆回転状態になりかねないわけです。最高級グレードが「貧乏パーツで汚染されていく」という事態は、ある意味もっともミジメ。資本主義の残酷物語に他ならない。

バイクってのは新車で買うときはピカピカのバイクに心トキめいてるから出費がキツく感じない。でも、維持費はそうはいきませんから。バイクがヤレてくるのに反比例して、交換パーツの出費は増えるわけですから、ボディーブローのように効いてくるんですよ。

ボクシングの世界では「ボディーブローでダウンすると二度と立てない」っていわれてるらしいですが、バイクの世界でも維持費でのダウンは再起困難です。回復よりも削りの方が上回った場合の厳しさはまるで弱パンチでのハメ殺し状態。ハードヒットの強打は気持ち良くもなれますが、弱パンチは苦しみしかないんです。

サスだって「純正無銘サス」しか乗ってこなかった男に、どんだけ盛ってくるんだと。私の常識では「男は黙ってカヤバかショーワ!」だったんですよ。調整機構などもってのほかですよ。にもかかわらず、こいつときたらどうですか?フロントもリアもフルアジャスタブルときてる。こんなのブルジョアすぎんだろ!

もうオレどうなっちゃうの?オレになにを求めているの?と不安になる。ロートルに強まった装備は完全な死にフラグ、敵の母船に突撃するお約束の未来しか見えない。なんでそうなるのか?「ぶっちゃけジジィは未来に不要」だからですよ。華々しく散るのがオッサンの花道なんです。

飲んだくれは最後に役に立ってポックリ逝けよと。それが「インディペンデンス=デイの隠されたテーマ」なんですよ。そんな常識の中、この過剰装備の居心地の悪さときたら・・。この後どんな展開が待ってるの?と思うと冷や汗が止まらない

説明書見ると「プリロードは絶妙の位置になってるからアホのお前らは絶対変更しないでね!!」って記載されてますが、伸圧減衰のセッティングは好き放題だし、調整幅も広い。最強と最弱試しましたが、相当変わりますよこれ。

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(当初こんなとこにあるマイナスネジどうやってまわすんじゃ、ハンドルどこつけとんねん!ゴラァアアア!って思いましたが・・)
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(リアのシート裏にあるこのアタッチメントで・・・)DSC_0794(いや~ん素敵。減衰ネジがクルクルと造作もなく回せるの♡。こんなものがあるとはこの海のリハクをもってしても・・)

ダイナのサスセッティングでも感じたことですが、サスの調整がちゃんとできると自分とバイクとのマッチングは爆上がりするんです。良いものって結局のところ「自分の感性や嗜好にピッタリ合ったもの」じゃないかと思うんですが、その部分をユーザーに丸投げして委ねる調整式サスは、手間さえ惜しまなければより良い素敵なフィーリングを提供してくれる。このストリートトリプルも納車から毎日のようにサスの減衰いじってますが、これが面白いんです

調整は相変わらずの沼ですが、調整自体はリアもフロントすっげぇ簡単。トリセツにセッティング例ものってるし、とっちらかってもすぐ戻せるので気軽にいじくろうって気になる。リアのプリロード動かすな!!って決め打ちされてるのも逆に楽。

思えば昔は「調整機構などめんどくさい!!要は走れりゃいいんだ!とにかく気合でツッコんどけ!!」とばかりにただがむしゃらにコーナーに飛び込むだけでした。

それだけでもう十分楽しかったしお腹もふくれたんです。良くコケたけど、一番熱くて一番楽しんでたのは多分この頃。

フルアジャスタブルサスは確かに良いんですが、乗り手が「手間暇かけて良くしよう」っていう心境になって、ようやく調整機構が生きてくる。僅かな部分のマッチングに沼のような金と時間をかけていく世界です。「そんなの面倒くさい」って人にはベースグレードのツルシの方がいいかもしれない。速いライダーは特段バイクを選びませんし、面倒くさがりも多いです。

だから、良いものや高いものイコール最高っていうのは完全なる間違いなんですが、私を含め、人は技量に見合わない「オーバースペックという名の無駄遣い」をしがちなんですね。

今回はインプレ第一回目なのでストリートトリプルの装備品についてアラアラと感想を述べてみました。次回は何にしようかな・・。気が向いたらまたアップします。

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(ストリートトリプルというモデル名は長すぎるので、「ザラブちゃん」という愛称をつけました。なぜこのネーミングなのかは、ブログ「遊星から来た兄弟」をご覧下さい。)