グリズリーパンダ、アルトアイネス製作記のその4です。

今回製作記に入る前に、なぜこの武装神姫は神姫が武器を持つ形ではなく、分離型サポートメカになっているのか?について少し考察してみたいと思います。

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(今回はコイツの製作報告のはずですが・・。)

アニメ版武装神姫を見る限り、神姫達は日常生活において非常に有能な秘書というわけでもなく、メイドのようにマスターの日常の世話をするわけでもない。どっちかというと、あんまり役に立たない「ポンコツ系ゆるキャラ」です。サポートアーマーを着ている神姫は武装ユニットとして高機能ですので、サポートメカから神姫を分離し、ゆるキャラが単独活動する意味はあるのか?という素朴な疑問がわいてくる。

しかし、一見この無駄のように思える武装分離は「キャラを萌え方向に振る」ために必須の要素といえます。武装神姫という名称をつけた以上、武装がなくては成立しませんが、ミリタリー的には武装強化し、ゴツくすればするほど「火力ゴリラ」となり、火力ゴリラとなった女性は「ビッチ」「ネタキャラ」に近づいていってしまいます。これを避けるために武装とヒロインを切り離す必要があるのです。

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(え?なに?このブログ・・というアイネスの声がどこかから・・)

武装をユニットとして丸ごと切り離してしまえば武装はゴツくし放題、神姫はキャラ立てし放題。これは萌えと武装の各々の魅力を追求しつつ、それを両立させるため考え抜かれた秀逸な結論なのです。

それでは「メカとはいえ戦闘女子が裸同然なのはいかがなものか?」という指摘についてはどうでしょう。これについても現在の武装系女子のありようをみれば、特段の違和感はありません。

日本の萌え系戦闘女子にガチの戦闘服などはもはや絶対要素ではない。極度に進化した萌え系戦闘シーンではダメージすら「服ビリ」で表現される。(服ビリとは攻撃によってダメージを負う度に「服がビリビリに破れていく」という世紀末表現です。)

相手を無力化するために「服のみを切る」のはルパン三世の石川五右ェ門の「またつまらぬモノを切ってしまった、、」が有名ですが、服ビリはこの発展応用型であり、日本古来の伝統文化「野球拳を戦闘型に昇華」したものともいえる。

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(艦これの代表的なダメージ表現。典型的な服ビリです。見る限り大変な衝撃のはずですが、世の男性の興奮に水を差さないよう、玉のお肌に一切のダメージは見受けられない。)

女性キャラの脱衣は本来R18的なシュチュエーションであり、お子様の教育にも悪いわけですが、戦闘によるダメージで服が破けてしまうのなら「これはもうしょうがない」。どこでもドアにおける「しずかちゃんのお風呂が出口」のようなもの。

完全にお約束と化していようが、あざとさ全開であろうが、それはあくまで「ラッキースケべ」。それにしても熱い戦闘とスケベ心を両立させるという「悪魔的ヒラメキ」には驚嘆の念を禁じ得ません。

初期の頃は「服ビリ」もそれなりに真面目なダメージ表現として導入されておりましたが、歴史と共にエスカレート。やがては「ラッキースケベが本体」となり、目的の変化と共に物理的合理性は失われていきます。結果、攻撃があたった部分以外も衝撃波で容赦なく破れていく。

「ああーーーっ」とか「きゃあーーっ」とかいう黄色い声と共に、ダメージを受けた部分の周囲が非常識な広さで豪快にチギれ飛んでいくわけです。(その後、どれほどの布地が残るかはレーティングによりけり。)

そこには森友学園など比較にならぬ、男性陣への過剰なるソンタクが存在しており、見る者も「アゴに手を当て目を細めつつ、わかりみ全開」で受け入れていくという暗黙の共犯関係が成立しています。

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(雄々しく立つ分離式ウィングメカ。本来であれば立派な製作記を書いてもらうべきなのでしょうが、製作者が私という不幸を呪うがいい。)

なお、最近は単に破っていくだけでなく、「何をどう破っていったらエロいのか?」という「見栄え品質に配慮した服ビリ」なども出てきて、熱き進化はとどまるところを知らない。この才能と情熱の無駄遣いが、日本を二次元文化の中心たらしめるゆえんであり、この現実を前にしては武装神姫のレオタード的露出は「かわいいもの」「破けないだけむしろ普通」ともいえるのです。

いつものように「模型と関係ない余談」が長すぎますが、ここから申し訳程度の製作記に入ります。

この分離型ウィングメカはシャープな造型のブラックボディに関節部分にシルバー、アーマー部分は赤で一部ホワイトのアクセントが入っています。構えるは赤い巨大剣。安定の赤、黒ベースの配色です。

塗装はそのストイックさを最大限生かし、重厚感を出すため黒立ち上げからシルバーを全体に吹いて、渋い銀色に染め上げた後、クリアーブラックを重ね吹きして黒鉄色にしています。かなり手間がかかるし面倒です。しかし、こうすることによって、いきなり黒で塗装するより、塗装面の独特の艶と鉄の質感、重厚感が出るように感じてます。

市販フィギュアと一品ものの最大の違いは、塗装品質。特に市販品は塗膜を重ねると行っても限界があります。しかし、ガレージキットならクリアーを多用した多重塗膜で勝負できる。メカ系はこれが非常に効くので、ここ大事だと思います。

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(重厚感を出すため、黒立ち上げ銀塗装からのクリアーブラック重ね吹きで処理してます。)

一番の苦労は足の部分が華奢でまともに立たなかったこと。重さの割に接地面積がとても少ない。この手の奴は私の経験からして問題を抱えるケースが多いです。ボークスのモーターヘッド、バンドールで苦労した記憶がよみがえりました。普通に製作すると結構前のめりになっちゃうので、足の部分を延長したり、かなり修正してます。

次回はアルトアイネスの顔描きです。