最近バイクのブログと模型のブログを交互に上げているわけですが、ここしばらく更新期間が長くなってます。理由はといいますと「まず仕事が忙しい」

「え?お前その知能で仕事してたのかよ??」と言われかねないくらいくだらないブログを書いていて何ですが、これでもまっとうな仕事に就いています。

最近は業務が土日まで浸食し、「バイクに乗る暇もあんまりなくブログなんて書いておられませぬ。」という極めて個人的な事情と、凡庸で長いブログを書き付けるにあたり「正直毎週そこまで話題がないっすよー。」(口を尖らせながら)という「タネの枯渇」が問題となり、更新が滞ってます。忙しくてもネタが豊富ならばともかく、忙しい中「便秘時の検便」のようにネタをひり出さなくてはならない。これでは更新が滞るのも当然なのであります。

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(今回のブログに何ら関連性のない、五日市警察署の啓発ポスター。アクセス稼ぎのあざとい写真。数年前なんとなく手に入れ、私のバイク小屋に掲示してあります。安全は大事だと思うものの、胸部プロテクターはつけたことはありません。)

ネタと言っても、所詮「いちバイク乗りの平凡な人生」。どんなに飾り立てても
波瀾万丈のブログネタが延々続くなどということがあるわけがない。

ネタの枯渇と時間稼ぎ(フルモデルチェンジした新型GLをネタに書いても良かったのですが・・)のため、今回はバイクそのものではなく、私の「バイク装束」について語ってみたいと思います。「あなた様の小汚いバイク用衣類のことなど全く興味ないんですけどー」という大方の意見は重々承知していますが、本ブログは私が気晴らしの文章を書くことが目的ですので、その点ご容赦ください。

これまでのブログを読んで頂いてもわかるとおり、私は模型においてもバイクにおいても、極めてめんどくさがりです。バイクを趣味にしている人間って案外めんどくさがりが多いんではないかと。バイクってメットと手袋はめて、「ていっ」っとまたがってエンジンかけて走るだけ。それで結構な充実感と爽快感が味わえる。スピード出す時も右手首のスナップを効かせるだけ。少年チャンピオン連載の某漫画のように「アニメソングを歌いながら狂ったようにケイデンスを上げる。」必要はないわけです。実にお手軽で、まったく手間がかからないところが素晴らしい。

私は、過去いろんな趣味を渡り歩いているのですが、妻や子供から「何でもできるが、一芸に秀でることはできない男。」と悲しくもうれしくない評価を頂いてます。簡単に言うと器用貧乏です。その道を極めようにも大体数年で飽きたり、冷めたり。バイクが趣味としてずっと続いているのは、気楽さ・お手軽さによるもの以外の何ものでもない。

そんなめんどくさがりがバイク装束を選べばどうなるか?即ちこれ「のび太君状態」になるわけであります。つまり毎回「同じ服を着て出撃ィィ」という状況になる。コーディネートなんて面倒なことは考えない。「所詮どんなに着飾っても、ヘルメットを脱いだらどこにでもいるモブ顔。」という心の声もある。

服で「一張羅」なんて言葉がありますが、たくさんバイク用ジャケットがある人は「これが一張羅なのだァ!」と提示して、その理由や他のジャケットとの違いなどをコマゴマと解説したりできるんでしょうが、「一枚しかなければそれが一張羅」なわけです。

一張羅の理由は「これしかないから。」というだけ。「バイク複数台持つんなら、着るものにももちょっと気を遣えや!」という意見もあると思うんですが、ぶっちゃけ「バイクには金をかけるが、自分には案外無頓着。」これは金の問題ではなくココロの問題。そんな私のバイク装束ですが、基本下半身はジーンズです。

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(私の一張羅。ラングリッツのマーク。実に格好いい。このデザインには永遠を感じる。)

夏は普通のジーンズで冬はウォームジーンズに登山用モモヒキという追加兵装を装着します。ジーンズはリーバイスとか、フラット・ヘッドとかいう一流メーカーにまったくこだわりはありません。エドウィンでもリーでもユニクロでもなんでもいい。どーせ高回転をシゴけばマフラーの熱で焦げたり穴が開いたりするし、夏場糞暑い中バイクで乗り回せば、ジーンズは褐色に焼けてしまう。そんなわけで高額ジーンズ購入しても寿命は短い。

ジャケットは基本革のライダース、いわゆる革ジャンです。なんといってもライダースはとりあえず着とけばなんとかなる。私は30℃くらいまでなら夏でも革ジャン着ていることが多いです。8月の暑い盛りにハーレーのお店に革着て行くと「暑くないんですかぁ??」と営業のおねぇちゃんに言われますが、「あー、暑苦しいですよねー。でも昔は真夏でも全身革ツナギだったんですよー。サービスエリアでは暑くて脱皮中の蝉のようなカッコで湯気上げてたんですよー」と。まぁ、その頃の革ツナギに比べればねぇ・・ライダーズは前も開けれるし全然涼しいといえます。

着ている革ジャンの銘柄は「ラングリッツ・レザーズ」「キャスケード」。カドヤやショットなどを経て、最後はやはりラングリッツ!と気合いを入れて購入し、もう10年くらい経ちます。特徴は・・とにかく価格が高い。購入には「清水の舞台から飛び降りて脳挫傷」くらいの勢いがいる。

購入した後もオレゴンで製造される革ジャンが来るまで約3ヶ月間「やめときゃ良かったのではナイカ??・・」と何度も後悔するくらい痛い価格でした。しかし、届いてみれば流石「一日6着しか生産しない(当時)」と言われていたラングリッツ。品質は見事なものでした。

耐久性もあり、雨にも強い。この10年で手首部分のジッパーを2回取り替えたくらいで、補修しつつ死ぬまで着られそうなので十分元とれそう。価格は10年前で吐血モノの34万円!!!(おぼぉ!!)。バイク買えるやんけ!名古屋まで行って身震いしながら代金を払い、仕立てたことが思い出されます。

革の鞄や革靴など革製品大好きな私としては、ライダースの最高峰と呼ばれるラングリッツを一生に一度は着てみたかった。選んだ理由はただそれだけ。まったくミーハーですね。

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(10年の刻を経て、結構クタクタのキャスケード。コレが自分の一張羅。といえるくらいは着込んでますし、今はライダースはコレしか持ってません。)

ラングリッツはオーダーメイドで何でもできるので、パテッドやポケットをたくさんつける人もいます。たしかに重装備感があって格好いいのですが、ポケットは裏当てをするので革がその部分厚くなってポケット部分の柔軟性が失われますし、何より意匠を追加すると革ジャンが重くなり、機能性は低下する。バイクと同じでライダーズは同じ機能なら軽い方がいいに決まってる。私自身は機能的なライダーズが欲しくてラングリッツを選んだので、機能を邪魔する意匠は全て排除してしまいました。

丸首のキャスケードをあえてドレスカラー(襟付き)にし、ラングリッツらしいアンブレラヨークや背中のピンストライブなどは全てカットしました。結果「これなんてラングリッツ??」というシンプルで何の変哲もないライダースとなり、しかもデザイン変更扱いで何故か価格も高くなるという「バッタもん化して価格は上がる」という意味不明ぶり。でも、それが自分の真摯な選択であったわけですから、相変わらず発想が斜め上を行っています。

選択した革質のライトウェイトカウハイドも選ぶ人は意外と少ないようです。ラングリッツはライトウェイトでもミディアムウェイトでもヘビーウェイトでも価格はまったく変わらないので、「厚い方が得」なように感じるのと、昨今は分厚く男臭いライダースが人気なんでしょう。

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(キャスケード背面。ラングリッツの特徴であるアンブレラヨークと3本のピンストライプはありません。後ろから見てもラングリッツとはまずわからない。アンブレラヨークは標準で付いてくるので外すと特注扱いになります。)

私に言わせればライトウェイトでも十分すぎるくらい革が厚いのですが、これがミディアムウェイトになると、昔第三京浜で狂乱していたときにに着用していたバトルスーツⅠくらいの分厚さになる。(ちなみにライトウェイトでもうちの妻をして「何この革ジャン重すぎっ!!バカか!?」と言われるレベル。)

もういい歳になり安全マージンを盛って運転している今の私にはいささか過ぎた装備です。ヘビーウェイトに至っては、バイク装束の範疇を超え、レザーアーマーのようなタフさになるので、多分あちらのアウトローが「フッ・・俺のライダーズはお前のナイフにも鉄パイプにもスペシウム線にも耐えられるっ!!フンガァアアァアアアア!!!」とバーサクヒーロー的に着ているんではなかろうか??

「革薄くすると冬場寒くないんですか?」という方もいらっしゃると思いますが、基本革ジャンって分厚い方が寒いです。以前冬山で「電熱ジャケットが止まって遭難しかけた」とブログ(そのブログ「冬物語~地獄変」はこちら)でも書きましたが、革ジャンは風を完璧に防ぐかわりに、徐々に冷たくなっていく。要は外気に触れると冷気を吸って革自体が「冷えピタ」のように凍てついていくわけです。結果、厚い革ジャンは「冷えピタの分厚い奴」になる。冷えるまでは間がありますが、一旦完全に冷えてしまえば薄いものよりさらに始末が悪い。だから、薄い方がいいともいえる。

あと、ラングリッツはオーダーメイド専業ですので、よっぽどのことがない限り中古品を買ってはいけないブランドです。革靴でも何でもそうですが、人が作ったオーダーメイドを他人様が着るというのは無理がある。革って基本伸びないですし。

吊しの既製革ジャンでは、いろんな方の体型に合うように、可動部分や胴回りなどかなり余裕を持って作ってある。結果細部を追い込むことができないので、ズンドウ型になりがち。革靴にたとえると餃子靴というやつです。これをしっかり釣り込んで、体に合うようにスタイリッシュ且つ疲れないよう最適化しようとすると、その人の体型を計測しオーダーメイドするしかないわけです。

ラングリッツは全ての製品が依頼した方の体型に合わせて作ってあるわけですから、平均体型にさらに余裕を持たせて製作されている既成のライダースと全然違います。よって中古を買っても「完璧に体に合う」なんてコトはまずない。必ず窮屈なところがある。着てすぐは大丈夫なように感じても、2時間、3時間とバイクに乗っているとやがて革にソフトに拘束されていいる部分に痛みが出て耐えがたくなってきます。

よく古着の革ジャンの宣伝に「アナタの体に合えばそれは最高のパートナーになる。」なんて言葉が踊ってますが、「んなもんねーよ!!」と声を大にしていいたい。だって自分の生活圏で周囲見渡しても、うり二つの体型の人なんて出会ったことないでしょ??つまりはそういうことです。

加えてバイク用は特にシビアです。なぜかというと長時間同じ姿勢をとるから。ちょっとでもキツかったりする部分があると非常に厳しい。体に合わないオーダーメイドのライダースを無理矢理着こむより、ブカブカの既製品の方が結果的に楽ですよマジで。

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(インナーに縫い付けてあるラングリッツマーク。これだけがラングリッツの証。)

結論としては革のライダースは万人にそれなりに合う吊しの既製品を買うか、それでなかったら金をけちらないでラングリッツやカドヤなどでオーダーするがの吉ではないでしょうか?万が一、体に合う中古品が運良く見つかったとしても、「オーダーしたらもっと快適になるんではないか?」との想いが頭をよぎった瞬間、ぬるま湯の中にいるようなむずがゆい気分になるはずです。ラングリッツは中古も高額で10万円から15万円くらいしますから、いい値段を払って、そんな妄執にとらわれるのなら、最初からスッキリとオーダーした方が良いんじゃないかと思ってます。

最後に、ラングリッツをオーダーしたとき、なぜか「ピッタリにしますか?余裕持たせますか?」と聞かれたので、「冬も着るので最低でもフリースジャケット1枚挟めるようにしてください。」とお願いしました。自分としてはそれが当然だったんですが、そういう質問が出るところをみると体にジャストフィットするものをオーダーする人が多いんでしょう。

また、腰回りの丈もバイクに乗ったときのことを考えてベルトが隠れるくらいに設定してます。短めに作った方が格好いいのかもしれませんが、耐寒は腹と腰が冷えたら終わり。私が求めたのはファッションとしてのライダースではなく、徹頭徹尾「バイクに乗ったときの機能性」でしたので、秋口から冬にかけて長時間のライディングに耐えるためには当然の選択でした。おかげで夏でも冬でもとりあえず上に着ておけばなんとかなる的な汎用性の高いライダースになりました。

今回は私の一張羅のライダースについてつらつらと長文を書いてみました。次は何を書こうかなぁ・・やっぱり新型のゴールドウィングの感想かな??