今回ご紹介いたしますのは、「ふしぎの海のナディア」からヒロイン、ナディアです。

もう若い人は古すぎて全くわからないはずですので、このフィギュアの紹介はさすがに封印しようか・・と思っていたのですが、私のブログの閲覧履歴を見ますと「ほとんど40代以上で若い人は全く見ていない!!!!!」ということが明らかであり、(まぁ今時の若い人は多分ガレキに興味はないと思いますので、しようがないんですが・・)その点は問題なさそうなので気にせず紹介することにいたしました。

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(2004年発売のナディア。えらい古いモデルですが、このポージングは見事。ディスプレイはミリタリージオラマ模型の手法を転用した森のベッド風)

ナディアと言えば20代の方はわからなくても、40代で知らない人はいない。製作は在りし日のガイナックス。褐色肌の健康美人の元祖で、これ以降私を含め「褐色萌え」のオタを多数生み出すこととなった元凶ですが、肝心のアニメは前半及び終盤の作画レベルと中盤の作画クォリティの差がもはや「詐欺とか放送事故」ともいえるレベルで、今放送したら大炎上確実な「壊れアニメ」でした。

ヒロインのナディアは男性受けする健康的なお体で「止め絵や雑誌の宣伝用イラストで見るとヤバいくらい魅力的」だったわけですが、反面アニメで動いたときの性格は相当極まっており「おい・・ちょっと・・これは・・」と絶句する言動が非常に多かったように思います。

その放漫すぎる天然口撃に「主人公のジャンが可哀想」と感じた女性も多く、「女は容姿が良く健康なお色気があれば男をジャイアントスイングしても許される」という恐るべき真実をいたいけな少年少女にリアルに提示してしまった罪深い作品だったわけです。

そういえば大学時代、漫研サークルで酒を飲みながら「ナディアいいよね・・。」と男性陣が話していると、「はぁ?コイツのどこがいいの??」と酔った女性陣に噛みつかれ、「ああん??どこがいいの??この女の一体どこがいいの???」「さぁ言ってみろ、言ってみろぉ~!」とアミバ様のように迫られたことがありました。

イメージ 2(この作品、なんとか仕上がったのですが、褐色肌の表現に四苦八苦。ディラックの海の往復回数が一番多かった作品かもしれません。)

かなり厳しいツッコミに、いまいち答えが見つからず、思わず「・・に・・肉体・・」とガチの回答をしてしまい、「死ね!」「最低!!」と一喝されてしまうというシャレにならない悲劇すら生じていたのです。(それに対して主人公の「ジャンはいい子」というのは男女とも共通認識でした。)

庵野監督の女性トラウマをアニメにぶち込んだナディアはそれまでのヒロインと比べると「女の業」を相当背負っており、ファンですら「たしかに魅力的だが面倒くさすぎる。こいつと結婚したら多分人生10カウント。」「アトランティスの最後の生き残りがこのお方とは・・古代文明終了・・・」と感じさせてしまうような特異なヒロインだったといえるでしょう。

しかも親父のネモに至っては「ノーチラス号のクルーをはらませる。」というNHKアニメでは許されないほどの外道ぶり。「主砲だけでなく股間砲まで乱射していた。」ということが最終回で判明し、宇宙規模の戦いの裏で展開されていたドロドロの愛想劇に視聴者を唖然とさせつつ、なんとも言えない余韻を残し最終回を終えるわけです。

まぁ、いろいろ話題を振りまいた問題作「ふしぎの海のナディア」の話はこれくらいにして、このキットの紹介を。このキットは2004年のワンダーフェスティバルで販売されたものです。このナディアは当時ナディア造型の第一人者とも噂されたチェリーブロッサムの桜坂美紀様の作品、その後あまりの出来の良さに市販塗装済みフィギュアにもなりました。

先にも申し上げたとおり「黙っていればいい女」のナディアですので、フィギュアとの相性も最高。このフィギュアもナチュラルで魅力的なサーバル系ヒロイン、ナディアの良さが前面に出たものとなっております。

ポージングもありそうでないもので「イヤラシい」の一歩手前で踏みとどまるというなかなかのさじ加減。「グラマーだけどもエロくない。」という点では高橋留美子の描くラムちゃんに通じるところがあります。Vispo片桐さんのフェロモン大放出系とはえらい違い。女性が作ったからなんでしょうねぇ・・。

次回からは、具体的な製作過程を報告していきます。