霊夢さんの製作ももう4回目のブログ。顔ができちゃうと一気に力が抜けるのは私のフィギュア作りのお約束。というわけであと2回ほどで終わろうと思います。
この霊夢さんの着衣である巫女服ってのは本来神に奉仕するための荘厳なものです。2次元では作家の画力と妄想力でどうとでもなるのでしょうが、さすがに3次元ですと結構アレンジしないとあんまりエッチくさくならない。(この霊夢さんは元絵の巫女服に中国の漢服のようなアレンジがされています。)結局巫女服はリアルにすればするほど本質的に色事から遠い装束になっていくわけです。
「だが、そこがいい!!教会や神社や仏閣の背徳感が萌えるのじゃあああぁあ。」というマイノリティーな方、神をも恐れぬ性欲をお持ちの方は、そのフランクフルトを至るところで思う存分振り回していただければ良いと思います。私はポークビッツなのでここで静かにフィギュアを製作します。
私は今回、そこら辺の違和感を消すためにリアルさを求めず、完全にゲーキャラ的な仕上げにすることとし、作例と正反対の「ドット絵の頃のゲーム画面的色彩」にしています。目指すは子供の頃のゲーム「奇々怪々の小夜ちゃん」的な雰囲気。
タイトーの奇々怪々の思い出と言えば、やはり小夜ちゃんの無双ぶり。「大日本印刷の輪転機でもこんなスピードでお札出せねーだろ!!」というくらいの札の高速乱射と、段幕ですら打ち消し相手をシバき撲殺する「さかきビンタ」で、「ギャルゲーのような顔して恐ろしい子・・」と言いたくなる暴れっぷりでした。
凶悪な攻撃が嘘のような愛らしくもあざといやられモーションも繰り出し、今で言う「ギャップ萌え」のはしりとして多くの子供達を虜にしておりました。フィギュアを作ってると、顔といい、コンセプトといい、結局は自分の子供の頃の影響が強く出てくるのかもしれない。このフィギュアもゲーム画面の中の人のような発色、仕上がりになってるでしょうか?
(スカートと髪飾りのマスキングは面倒くさかった。)
霊夢の特徴ともいえるスカートと髪飾りの化粧模様は地道なマスキング。赤下地に白の模様は筆塗りの発色では厳しいモノがありますので、さすがに無精な私でも今回はマスキングで処理してます。このサイズのフィギュアに0.5㎜くらいに切った細切りマスキングテープをチマチマ貼っていくのはもう内職感満載ですが、仕上がればそういう苦労も報われます。
髪の毛は茶系ベースで下地を作り、クリアーを混ぜたブラックをその上から塗装していく透過技法で塗ってます。基本黒なんですが光の当たり方によっては茶系もほのかに見える感じ。
塗装過程が終了するといよいよ組み立てです。このキットの最大の難所は首の固定。膝ぐらいまで伸びた髪が思いっきり舞い上がっているため、とにかく髪が流れる右方向にめちゃくちゃ重量が片寄ってるわけです。これがプラモデルなら素材軽いので何の問題もないのですが、ガレキ作ったことある人は首の接着面積だけでこの重量を支えるのがいかに大変かおわかりになるはず。
(通常の状態)
普通に組み上げるとあまりの髪の重量に、崩壊する綾波レイのように首からゆっくりと右にかしいでいきます。このまま2液混合接着剤が固まるとフィギュアは「可愛い顔してバイオハザード❤」状態となり、製作者の「SAN値も急速落下」し発狂することになります。
(首もげ再現図)
どんなに太い芯棒を打ち込んでも、首だけでは髪の質量を到底支えきれないため、首の傾きを抑制するために札を持つ左手と、左の触覚、それから顔を芯棒で強固に連結して首を固定する必要があるんです。頭に穴をうがつその光景はまるで「北斗残悔拳」のようでいたたまれませんが、こうしないと首がもたない。
(芯棒貫通の図)
(北斗残悔拳)
2液混合接着剤では強度負けして剥がれてくるので、やむなく塗膜に比較的優しい流し込み式の強力瞬間接着剤で顔と触覚、左腕を固定することにしました。ここがこのフィギュア本組みで最も恐怖を感じた作業でした。2液混合が保たなくて首が下がってきたときには背筋を悪寒が一気に突き抜け、正直チビリそうになってます。(先日のブログで顔の横に開いていた穴はここに1㎜芯棒を通すための穴だったのです。)
なんとか首を完成させましたので、次は体をさくさく組み立てて、ディスプレイ台を作り、霊夢さんを空に飛ばすための作業を行っていくわけですが、これは最後のブログで。
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