前回は顔の表情の下書きも終了し、塗装イメージも奇々怪々小夜ちゃん風味の博麗霊夢で攻めていこうと決定いたしましたので、その方針で各パーツを塗装していきます。まずは顔からです。
(今回は原型師のこだぬきさんのように野外で撮影してみました。)
鉛筆の下書きは何回でも修正できますので、気負いやストレスはまったくないんですが、問題はここから。いざ塗装を開始すれば大失敗→即ディラックの海(シンナー池)です。我が工房の誇る塗装膜分解装置「ディラックの海」はあまたの悲劇を飲み込みつつ、長年少しずつシンナーを継ぎ足し続けたため、もはや老舗のタレのように変色し、なにやら「怨念すら感じる色彩」に変化しています。「もう二度とこの腐海に沈めたくない」と心に決めつつ、フィギュア一つにつき平均3回はお世話になってしまう。
今回の霊夢さんは顔自体もかなり小さいですし、モールドなしということで顔描きの難度がかなーり高いため、いい加減な気持ちで挑みますと頭部を水拷問のようにディラックの海に漬けたり上げたりという状況となり、私自身も「大いなる哀しみを背負い続けた結果、夢想転生を習得してしまう」という「北東の拳(北斗+東方)」状態になってしまう可能性がある。(そのうち「テーレッテー」が発動し、怒った霊夢さんに殺される羽目になります。)
慎重を期して製作していこうにもキットは目にモールドがない「こけし状態」のため、「パーツのモールドに沿って」マスキングテープで白目部分をくりぬいて・・、といういつもの製作方法が通用しません。しょうがないので、鉛筆下書きの上からいきなりマスキングを「強引に直貼り」し、下書きの鉛筆線に沿ってカッターを入れ、マスキングテープを無理矢理目の形に型抜きいたしました。
「こんの不届き者ォォオ!玉のお肌にカッターの跡がつくであろうがああアア!!」といわれたって「やかましいィィィィイ!!美容整形は顔にメスを入れる覚悟も必要ォォオ!!!」と目を血走らせて逆ギレするくらいの緊張感とテンパりよう。
これは二晩ほど、どうやって顔塗ってくか悩んだあげく導き出した結論。もはや変えることはできぬ。フフフ・・邪念と緊張感でデザインナイフの先が震えるわ!!
(私はペンタックスの一眼レフなんですが、野外撮影は光量が十分で色も自然っす。)
マスキングテープを切る際に薄く刻まれるカッター跡はどうせ顔のアイライン描くときにほとんど消えちゃいますから問題ないし、再度白目を残すためのマスキングテープを貼る際のガイドにもなる。ここで一番重要なのは下書きどおりに白目の形を正確に抜くことであり、そのためには多少の荒っぽさもやむを得ません。
ここまでやってしまえば後はいつも通り。
①くり抜いた白目用マスキングテープをいったんはがして保管。
②鉛筆で描いた下書きを消しゴムで丁寧に消し、キャストが純白になるまで数回に分けてホワイトサーフェイサーを吹きつける。
③マスキングテープを白目の位置に再度貼り付けて肌塗装。
④マスキングテープをはがす。
⑤マスキングテープを貼っていた位置にホワイトサーフェイサーの白が残り、目をかく前のダルマ状態になってますので、アイラインと瞳の輪郭、眉毛を塗装。
⑥瞳を塗装。
3分クッキングよろしく過程を大きく省略して塗装済み写真です。途中でなんかアダルトな表情になりかかり、慌てて修正を施しています。
(大体の線を入れました。顔拡大してますが、実際はかなり小さいです。)
(色を入れてみました。なんか・・ヤバい・・この物欲しそうな誘ってる感じ・・中年のイヤラシさが筆に乗り移って・・もっと線を太くしないと・・・)
(線を整え、誘ってる感じを緩和。顔の横に穴があるのはなぜか?後日説明いたします。)
今思えばこの状態で1ヶ月ほど放置して瞳を可能な限り修正しておけばよかった。私は完成してから結構瞳をちょこちょこ修正する人なんですが、この霊夢さんは頭部の強度計算が姉歯さんもビックリのギリギリ設計で、完成後は「怖くて触ることができない」という状態になったため、瞳の修正ができていません。顔だけのときはこれでいいと思っても、髪や体を組み立てた後では感じ方も変わるし、時間の経過によっても評価は変わる。長いことディスプレイしているうちに、「やっぱこうした方が良かったかな・・」「こういう表現も試してみたいな・・」とどんなフィギュアでも必ずそう思う。そこで手を入れられるのと入れられないのでは欲求不満度が全然違うんですね。
(この構図・・デビルマンの美樹ちゃんの最後を思い出して切なくなる)
かの巨匠ダ・ビンチですら幾度もモナリザに手を入れたということですが、表情って満足いくまでああでもない、こうでもないと修正と検討を繰り返し続けることが醍醐味で、もう止められない止まらないのエビセン状態になる。
自分はある時期からそういう顔描きの魅力にハマってるからガレキフィギュアを選んでるんでしょうなぁ。キャラに萌えるだけなら今の市販完成品のフィギュアの方が私の作るモノよりよっぽどよくできていますし・・・(ちょっとイジけ気味)。
とりあえず、これでフィギュア製作の峠である顔がなんとか完成です。今後は体と下着を含む服を塗って、恐怖の本組み立てという流れになっていきます。
自分はある時期からそういう顔描きの魅力にハマってるからガレキフィギュアを選んでるんでしょうなぁ。キャラに萌えるだけなら今の市販完成品のフィギュアの方が私の作るモノよりよっぽどよくできていますし・・・(ちょっとイジけ気味)。
とりあえず、これでフィギュア製作の峠である顔がなんとか完成です。今後は体と下着を含む服を塗って、恐怖の本組み立てという流れになっていきます。
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