(なんか光の加減とか、全然うまく撮影できません。)
博麗霊夢製作記その2です。前回のブログで前方の陰陽師風味と後方のまいっちんぐなパンツモロ出しとの折り合いがつかず「顔描きの方向性を完全に見失った」わけですが、とにかく表情をなんとか決めないとキット製作自体まったくすすまない。なんせ私は顔を描きたくて作っているようなものなのですから。顔のイメージを決めて全体の方向性を確定しないと塗装色すら決まらないのです。
実は描きたい顔が決まらないというのは案外珍しい経験で、普通はキットの完成写真見て、「こういうの作りたい」という衝動が湧き上がってきて購入するわけですので、顔なんて意識せずともだいたいイメージが決まってて小さな修正のみで描けていくんです。だから、キット見て表情の迷宮に入るなんてのは珍しい。
しかし、悩んでるだけじゃ先に進まないので、まずキットの顔の検証から初めていくことにしました。そもそもなんで私がこんなに顔について悩んでいるのかというと、後ろのパンモロだけが理由ではなく、今回の霊夢さんが「顔描きについては完全にフリーハンド」だからなんです。つまり、キャスト原型は目の部分について「モールドがまったくない」完全な「こけし状態」なんですなー。結構ガレキ作ってきたつもりですが、このこけし状態というのは1/8くらいのフィギュアでは案外に少ないかも・・。
(目に窪みのないこけし状態です。)
このため目については、位置から目の形からもうなんでも好き放題やれちゃう。そう「自由度が高すぎる」わけです。自由度が高すぎるが故に「目が定まらない」という苦悩。やりがいはあるんですが、「さぁご自由に」と言われると「うーん」と筆が止まる。やっぱり少しくらい制約があった方が人間踏ん切りがつくんでしょうね。当然製作難易度もかなり上がります。
顔が全くのこけし状態なのを考慮してか、このキットには「瞳デカール」がちゃんとついてくる。でもこの瞳デカールもちょっと曲者っぽい。
このデカールは白目部分が透明になってるのですが、このタイプの透明デカールは目の窪みがないと大変。通常のガレキなら目の窪み部分が指定されてるのでそこを白く塗装してからデカールを貼りゃいいんですが、今回は「瞳部分の窪みなどない」ので、白目の範囲を事前に「正確に位置決め」しなくてはならない。修正が困難な一発勝負の塗装で、これはめちゃめちゃ難易度高い。私はコレやるくらいなら自分で顔描いた方がいいなー。
白目の部分をこんなもんかな?と塗装する→瞳デカールを貼ってみる→イマイチ位置が気にくわない→白目を塗装してあるから目の位置動かせねぇええええぇえええぇ→滝のような涙と共にディラックの海(シンナーの池)へ。
(画像処理で目を貼り付けてみました。)
「おおっ・・見えるぞ見えるぞ未来が・・・この予定調和の未来がシュタインズ・ゲート境界面から我が水晶玉に映し出されておるわぁああぁあ!!」というわけで「私には瞳デカールをうまく貼れるだけのスキルがない。」というお告げが別の世界線からガンガンに聞こえてきます。
あと私が瞳デカールを使わない理由がもう一つ。このキット付属の瞳デカールが「完成見本写真の目と微妙に一致しないんじゃないのか?」という疑念です。確かに完成写真とデカールだけ見るとほとんど同じに見える。しかし、長年の私の絵描きとしての第六感が「これ多分微妙に違うんじゃないか」と告げている。実際画像処理であわせてみてもイマイチしっくりこない。目尻に向かっての曲率が少し違う気がするんだよなぁ。あとこの顔のバランスで目を細めに設定するとおでこがそれに対して広くなる気もして、「もう少し目が縦長の方がいいのかも?」とも考えだしました。
まぁとりあえず、イメージをいったんリセットして、自分のイメージで気楽に描いてみようと試してみたのが、この下書き。
「おおー、、割といい感じなんじゃないかなー?」これこそ私の内面世界からわき上がってきた顔なのか・・。自由に描けば自分の好きな顔になるのは当たり前なんですが、原型とのバランスもある。とりあえず、おでこの広さとのバランスを考えて目を縦に伸ばして描いてみたんですが、目を大きく縦長にするとなつかしの漫画・アニメ感がグッとでてくると共に年齢は中学生から小学生くらいの設定に落ちつき「かわいい系」になっていきます。これならリボンパンツとも相性いいんでないかな・・。
最近は顔の大きさに対してバランス型でスクエアな目が定着してますが、80年代から90年代のアニメは全体的に目が大きかったですね。こういう大きな目は最近のアニメで重要視される微妙な感情表現はしづらいんですが、目がでかいから表情にメリハリがあってドタバタ劇には映えるわけです。
巫女さんに古めのかわいい目を採用すると博麗霊夢というよりも「奇々怪々の小夜ちゃん」になるような気もするけど、それも悪くない。そもそも小夜ちゃんは日本の巫女キャラの元祖でありゲーキャラでは霊夢の前身。今存在する巫女キャラは誰も足を向けて寝られない神のような存在です。
(小夜ちゃん懐かしいです。キャラの可愛さに対して難易度は全然可愛くなかった・・)
奇々怪々はかなりのムズゲーでしたが、昔は小夜ちゃんの「やられモーションの可愛らしさ」になかなかやめられずコンティニューを繰り返すと共に、小夜ちゃんのサカキで「右に左にシバかれたい」というダークな欲望を抱いた子供たちも多かったことでしょう。
ということで、この路線で行くことに決めました。
題して「奇々怪々小夜風味博麗霊夢」
これで、表情の方針が固まりましたので、いよいよ塗装に入っていこうと思います。
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