このシリーズ、皆様のお役に立つ模型道具紹介ではなく「ただの漫談」になってるのではないか?と心配になってますが、最後は組立編。

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フィギュア製作におけるリカバリー不能な破滅的大惨事はほぼ「この組立過程で起こる」といっても過言ではありません。必然私のブログも経験した大惨事の報告とその防衛法に特化したものとなってまいります。

組立に必要なもの①→タミヤエポキシ系二液混合接着剤。

前回のブログで仮組みしているので、最後はその仮組手順どおり接着剤をつけて組み立てるだけなんですが、これが簡単なようで大事な作業です。塗装が綺麗に終わり、後は単純な組み立て作業を待つだけ。フィギュア製作も峠を越したという安堵感と「早く完成品が見たい」という気の焦りが加わり、大惨事につながっていきます。

キャスト素材のガレージキットはプラモ用のリモネン接着剤は全く通用しないので、キャストをきっちり固定できる接着剤探しをしなくてはなりません。一番メジャーなのは瞬間接着剤ですが、これは塗装を水ぶくれのように剥がします。塗装に影響のない接着剤は何か?と申しますと、それが今回ご紹介するエポキシ系2液混合接着剤。
A液とB液を混ぜ合わせることで固まりはじめ、完全に固まると堅い飴のようなものになります。固いというより強固に粘るというイメージで、瞬着と違い耐荷重限界を超えるとパキンと分離するのではなく、ぐにょーっと伸びてくる感じ。

1/6クラスのフィギュアの重いパーツをこの接着剤だけで固めようとすると重力に負けてパーツが下がってくる恐れはあります。ただ1/8くらいのフィギュアの軽いパーツはまったく問題ありませんので、この接着剤で大概のモデルはまかなえると思います。

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タミヤを使う前はホームセンターで購入した汎用のエポキシ系二液混合接着剤を使用していました。しかし、接着工程は本当に大事なのでいつしか品質保証のあるタミヤのものを使うようになってます。価格は写真のラベルでは428円。

場所によっては諸般の事情からリスクをとってプロ用の高強度の瞬間接着剤や、流し込み型の瞬間接着剤、前回のブログで紹介したMr.SSPの4タイプを使い分けます。しかし、先ほど申し上げたとおり、瞬着は塗装溶解のリスクがあるのでフィギュアの接着は基本2液混合。瞬着やSSPはリタッチが困難な肌部分以外、服とか、リボンとか、バイクとか、重火器とかに限定して使用します。その際にも直接接着部分に塗らず(あやまってどばっと出て流れ落ちないように)、なにかの容器に接着剤を数滴落としてから爪楊枝などで少量塗りつけるのが吉です。

初期の頃は全ての接着面に瞬間接着剤に使ってました。しかし、ある日接着後にふとフィギュアの太ももを見るとなんと接着剤が「はみ出している」のに気づいてしまったのです。結果「フィギュアの玉のお肌がゴジラ肌に」という取り返しのつかない事故が起こってしまいました。やっちまったのがかなりのレアキットだったので、もう6畳間の隅に向かってバタフライで高速突進したくなるような身もだえ感を味わうこととなりました。

また、先日のブログにも書きましたが指にほんのわずかな接着剤が残っているのを知らず、フィギュアの肌に触れてしまい指紋型の「邪神の烙印」が刻まれるケースも経験しています。

こうなったらさらなる大惨事になる可能性が高く、その割に成功率の低い「接着箇所を無理矢理引っこ抜いて再塗装」ミッションに全てを賭けるか、「ピンポイントで原水爆実験の放射能を浴びた」という「トンデモ設定」を後付けし、精神の敗戦処理と魂の救済を行うかのどちらかになります。

これはマスキングを剥がす時に一緒に塗膜を持って行かれる「皮剥の刑」と異なり、塗装完了後ほぼ組み上がっている状態での悲劇なのでショックレベルとリカバリー難易度が段違い。基本死亡です。まさにこの台詞がふさわしい。

「王大人(ワンターレン)死亡確認」

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この時の精神の動きをわかりやすく表現しますと「最後の仕上げにとアラホラサッサーと元気よく押したボタンが自爆スイッチ」→「ドクロ型のキノコ雲」→「全国の女子高生のみなさ~ん、さよ~なら~」→「SAN値ゼロ」→「発狂」→「邪神ショゴス現る」→「即死エンド」という感じ。

この接着剤ハミ出しのトラウマが強すぎて、瞬間接着剤を使用すると過呼吸気味になって心拍数が上がり、まだ何も起こっていないのに「SAN値がガード削り技を喰らっているように徐々に減少する」という生理的問題も生じています。

接着剤はみ出さないように注意して組めばイイだろ?とおっしゃる方。そんなことわかってんですよ!でもミスと事故は必ずあるんですよ。そして私はミスしやすんですよ!晩酌の後のほど良い気分で模型作ることもあるんですからっ!!え?酒飲むな?アルコール止めろ?いやですぅ。

このような悲劇を防止するための二液混合接着剤。万が一ミスってはみ出してもティッシュで拭いとけば塗膜は健在。この「おお神よ、神の慈悲よ」と拝みたくなる安心感。ただ、当たり前ですが、むやみにはみ出して良いわけではありません。二液混合接着剤には光沢があるので、「はみ出し部分がテカってしまう」という問題点があるのです。しかしその程度、塗装が剥がれ「処しませ、ゴジラ肌」になるより100倍、いや1000倍マシ。

「何?ここ光ってるよ?」と聞かれたら「サンオイルの拭き残しを塗装で表現したんですよ!」とか「若者らしい脂肌じゃないですか。」といっときゃいいのです。「局部的に放射能を浴びまして」という設定より、よほど自然です。

この組立過程においては、もう一つ重要なアイテムをご紹介したいのですが、ブログが凄く長くなるので、もう1回に分けたいと思います。

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(ブログにあまりにも華がないのでヨーコさん貼っときます)