
前回のブログに引き続きディアゴスティーニのビクトリーです。これ完成まで120号だったんですけれども、正直途中で挫折した人はかなりの数に上るんではないでしょうか?私はそのような方々に同情すると共に、モデラーでも何でもない一般人にもかかわらず、この苦行に耐え、最後まで完成させた人には尊敬の念を禁じ得ない。素直に「あなたは偉い。」といいたい。
ガレキでも何でもそうですが、ブログにしてしまうと、大概苦労を感じさせず、「俺こんなの朝飯前。」的な感じに見えてしまいます。しかし、声を大にして言いたい。「決してそんなことはありません!!」(バンバンバン!!←机を叩く音)。
模型歴が相当期間になる私も、昨日模型を作り出した子供達も、完成までに乗り越えなくてはならないハードルは皆同じ。経験なりに仕上がりが違うだけです。水鳥が優雅に泳いでる水面下で必死に足を動かしているように、ブログではイマイチ伝わらないかもしれませんが、すごく苦労してヒーコラ作ってるんです。
でも、こういう誤解は世の中とても多い・・。
例えば真夏にバイクに乗っていると、道行く人に「バイクは夏は涼しくていいよねぇ。私も乗りたいなぁ」なんて言われます。でもよく考えて下さい!バイクは股間に「エンジンという火鉢」を抱えている。夏涼しいわけがない。気温35度とかになると走っていても熱風しか来ないので、上から照りつける太陽と下から立ち上るエンジンの熱と相まってまさに地獄。「くそおぉぉ!暑い!!」とシールドを上げて叫ぶと、そんなときに限ってナイスなタイミングで「大きめの虫」が口に飛び込みパニックっている間に急カーブに突入し究極の地獄絵図に・・。でもこんな状態でも傍から見てるギャラリーには「爽やかにコーナーを駆け抜けていく一台のオートバイ」に見えちゃうのです。実に切ない。
話は戻りますが、この「週刊ビクトリーを作る」はこんなの話が違うじゃないか!と涙目になって叫びたくなるくらい、序盤の難易度・仕事量と中盤以降の難易度・仕事量が違うのです。

ちなみに涙目になるくらい話が違う!と思ったのは、学生の頃、高田馬場で写真撮影時のレフ板持ちのバイトを引き受けたら、雑誌「さぶ」の撮影現場で「君モデルになってくれないか?」と勧誘された時以来です。
帆船模型経験者で模型大好きの私ですら中盤以降はヒーヒー言っているというのに、帆船経験者でもなく、モデラーでもない一般人の方には相当なハードルだったのではないでしょうか??
そりゃ、私だって過去に木製帆船模型作っているわけですから、創刊号のようには簡単にいかないことはわかっていました。しかし創刊号ほど作るの楽勝だと、経験者ですら「ディアゴスティーニ様に任せておけば今後もきっと楽勝なのね!」的な気持ちになってしまう。
ほとんどの方が「創刊号のレベルでコツコツ作り上げればインテリアとしても最強レベルに強まった1等戦列艦が完成する。家族からもお父さん凄い!と賞賛の嵐!!俺スゲー!!」と思ってしまったことでしょう。
でも、作っているのは木製帆船模型の中でも難関中の難関の1等戦列艦なわけであり、完成までに必要な労力をディアゴスティーニ様が減らしてくれるわけでは全くないというか、そんなことは不可能なわけです。そして、帆船模型の最大の難所と言われている船体の外板張りは中盤以降、リギング(マストの帆)張りは後半にやってくるのです。
当然の結果として、ある時期から「夏休み最後の日に工作の宿題が残っている」的な状態が延々続くという事態になりました。そして多くの方がこの宿題過多状態に音を上げたのではないか?と、そう思うわけです。

序盤と中盤以降が具体的にどう違うか、については次のブログで。
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