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今回は、過去に私の製作した作品の中からセイバー・エクストラをご紹介します。セイバー・エクストラとは、PSPのゲーム「FATE EXTRA」「FATE EXTRA CCC」に登場した「赤い服を着たセイバー」です。老賢者のように人生や政治の何たるかを語る割に、生前のトラウマから「主人公に犬のようになつきまくる」という堅いのか柔らかいのかよくわからないキャラ。

服の色から「赤セイバー」、声優の名前を取って「丹下」などと呼ばれています。この赤セイバーもそこそこガレージキットの造形対象にはなっていますが、この正調ともいえる男装ドレスのセイバーが思ったより少ないなーという印象。

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確かにこの衣装ですと、決めポーズと共にドレスのペチコートがヒラヒラとはためくことになりますから、作る側としては面倒でコストがかかるということなんでしょう。ペチコートは通常とても薄い生地なのですが、ガレージキットで再現するとどうしても厚みがでてしまいます。そこでペチコートの透けるような薄さを表現するために、多くのキットがペチコート部分に透明レジンを使用しています。

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これがコスト高の要因となっているのか・・。私が製作したボークスのキャラグミンも豪快に透明レジンのペチコートがはためいている一方で定価17000円と1/8キャラグミンの中では良いお値段がついています。

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このセイバーはペチコートの刺繍部分とセイバーの剣である「原初の火」の塗り分けが凶悪ですし、彼女は情熱的で真っ直ぐな人ですから服も武器も自分の中ではただの赤ではなく、メラメラと燃えるような発色イメージです。元皇帝さんですから、安物の生地を使っているはずもなく、赤には深みも必要で、情熱のイタリアンレッド単色でベッタリという訳にはいかない。

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あとキットには瞳デカールがついているのですが、これが個人的には今ひとつかなと・・そもそも原画のワダアルコさんの顔は、瞳にしてもなんにしても線が細く透明感を生かした「二次元だからこそ映える」作画だと思いますので、三次元造形にはワダさんの瞳は馴染みが良くないんじゃないかと。(瞳デカールは私は使ったことがないのでいいのですが・・。)また、口元もへの字に結びすぎていて、ちょっと凛々しすぎると感じます。赤セイバーの性格からすると、表情的には固すぎる感がなきにしもあらず。厳しい中にも、もうちょっと自信と余裕を感じられる表情が赤セイバーには似合うでしょう。


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しかし、それらの難点を差し引いたとしても、このキットで再現された赤セイバーの細身の体の造形バランスと原初の火を逆持ちして見得を切るポージングの隙のなさ。内面で燃え上がる感情さながらに舞い上がるペチコートなど、ポーズの内側から意思の力強さが伝わるような造形は多くの萌えフィギュアとは異なる力強さがあり、とてもよろしいというか正直好きなんですね、このフィギュア。

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バランス的にも上半身の広がりが腰で一旦収束し、スカート部分でまた広がっていくという上下にメリハリのあるものになっており、突き出した原初の火と広がるペチコートのおかげで前後にもメリハリがきいています。写真では、このボリュームと締まりの妙味がうまく再現できないので残念です。

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塗装ですが、服と原初の火の赤はMr.カラーの8番シルバーを下地にしてクリアーレッドを数回重ねて赤みが濃くなるまで吹き付け、透明感+厚みのある赤を表現してみました。その昔同じやり方で逆シャアのサザビーを塗ったのを思い出します・・

顔はへの字に結んだ口元を真っ直ぐに塗りで修正してます。目は・・前髪が目にかかるんで、当初想定したより顔立ちが暗くなるんです。眉も全部隠れてしまうので、表情も乏しくなる。このキットを作ってからは目に前髪がどの程度かかるか?を注意するようになりました。

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ペチコートは半透明の白色に塗ろうかどうか迷ったのですが、セイバー露出狂説と、漫画の方でほぼ透明に近い扱いをされている時もあるようなので、透明レジンそのままで仕上げました。塗料定着のためのメタルプライマーと後日変色しないようにUVカットのクリアーだけを吹いてます。ペチコートの金の刺繍は全て筆塗りです。これが一番しんどかった。原初の火の黒も筆塗りです。

なかなか苦労したキットでしたが、自分の製作した中ではまぁお気に入りの部類です。

ちなみに、このセイバーは息子のリクエストで製作したのですが、もうしばらくで続編のエクステラが発売されるとのことで我が愚息はヨダレを流す日々を送っているようです。

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