ほかのモデラーの皆さんは一体どんな気持ちでガレージキットを作ってるんでしょうか?

私は、えらそうに自分の模型を自慢するほどの技術はありません。逆に自分がいかにへたれで、臆病者かを正直に愚痴と共に吐露していくというのがこのブログのコンセプトですので、今回もそれに沿って愚痴りたいと思います。

これまで「かなりの数の模型」と「そこそこの数のガレージキット」を製作してきた私ですが、今でもガレージキットを作る時は正直怖いです。何個作っても製作というものに自信が持てません。

皆さん「鼻歌交じりに作ってるのでは?」「楽しんでるんでしょう?」そう思われるかもしれませんが、心の中では

「今度は大失敗して全てパァになるんではないか???」

という恐怖と常に闘い、オロオロしながら作っています。確かに模型作りは楽しいことは間違いないのですが、そこに恐怖も結構入っているのです。

その理由は簡単で、ガレージキットはとにかく「高価で」且つ「製作における安全マージンが低い」からです。

ガレージキットを購入する時は財布と相談しながらになるのですが、市販品の塗装済完成品は高くても大体2万円以内に収まるのに対し、自分で全てを塗らなくてはならない真っ白なお人形さんがそれと同等レベルかそれ以上の価格であるというのは、一般人の理解を超えています。

たとえば、私が大好きなvispo片桐さんのバイクと女の子組み合わせシリーズになりますと、大体1体3万円~4万円コース。それだけの価値があると思うのですが、金額的には血を吐くレベルです。
      
今度のトレフェスで発売された、桜とスクーターやCREA MODE 真辺さんの、ゲットマネー号もとてもいいです。でも両方購入すると6万円なんですよね・・。交通費と前泊料金を入れると10万円コース・・・吐血間違いなしです。
     
     
     
     
     
     

     
・・・・買ってしまいました・・・・

イメージ 1


イメージ 2

しようがありません。バイクと女の子の組み合わせは私にとってキラーアイテム。もう買うしかないのです。
     
  当然妻からはジト目ビームを照射されています。

しかもこんなに高価なのに追加パーツを購入することができません。キャストは素材として粘りますが、折れる時は割と簡単にポキっと折れます。仮組段階でフィギュアがぱたっと倒れて、細い髪の毛がボキボキ折れるなんてことがたまにありますが、そんなときのショックというか、寝倒れ感はハンパありません。デカールも失敗したらもうどうしようもないので、ビリビリしながら貼っています。とにかく製作における「安全マージン」が異常に低く、「相当のプレッシャー」の中で作業を強いられます。

またガレキは、ただひたすら下地処理という苦行系作業に没入する必要があります。煮たり削ったりしながらパーツの合いの調整などを行わなくてはなりませんし、組み上げも軸打ちしないと強度がありません。仕事の都合で製作時間が取れず、この苦行系内職作業に1ヶ月~2ヶ月くらいかかることもあり「女工哀史」とか、「甕棺墓」とか「御家断絶」的なネガティブワードが頭の中で渦巻くことがあります。

そのような思いをして作っても「市販の塗装済完成品フィギュアのレベルを超えることは容易ではありません。」ネットの画像で、もの凄く綺麗なガレージキットの完成品がアップされていますが、そういう方々はそもそも腕に覚えのある製作代行の方やプロのフィニッシャーの方々(あるいはセミプロ)ですから、自分もこんな風に作れると思うこと自体が間違い。そんな人達とフィギュアの出来を比べるのは、遠坂風に言うならまさに

イメージ 3

            「心の贅肉」

です。


自分が過去に作ったガレージキットの中にもしばらくして市販フィギュア化されたものがあるのですが、「はわわ・・ひょっとして市販の方が安くて出来が良いのではないか」と、落ち込むことも良くありますし、ゲーセンで100円のUFOキャッチャーにぶら下がっているそこそこ出来の良いフィギュアを見ると、「これらのフィギュアと世界が違う」と考えつつも、数百倍にもなる金額に何か割り切れないものが胸の中でざわめいてしまいます。

しかし、本来趣味というものの価値は「自分の中にしかない」はずで、要は「自己完結していれば良い」。そうはいっても「外の価値感を気にする弱さ」は捨てきれず、それが乱心の原因となるわけです。ただ、私の経験から言いますと、外に価値観を依存しても自分自身が幸せになれることはまぁありません。そのようなものは結局「心の贅肉」で、「自分は自分と割り切るべき」なのです。

しかしながら、私は解脱したお釈迦様ではありませんし、「わかっちゃいるけどどうにもならん」ということは世の中に一杯あります。アッチにフラフラ、こっちにフラフラと千鳥足で乱心を繰り返しながら、一個ずつ仕上げていくしかありません。

いずれ怖がらずにガレージキットが作れるような技術が身につくのか?・・そんなことは多分ないでしょう。ちゃんと完成するのだろうか?という不安と怖さは子供の頃小遣いをはたいてガンプラを買った頃から、ずっと変わらず現在まで常に持ち続けている恐れのような気がします・・・。