先日、友人達と酒を飲んでいました。この友人達は私の仲間で自分の趣味をよく知っているというか、まぁ同じ穴の狢の人間達です。これは、そのときの会話の一部です。
へちま「俺、模型はミリタリー、帆船模型と来て、ここしばらくはフィギュアを作ってるのよ。」
友「そーなんですか?どんなフィギュア?」
へちま「ガレージキット。主として女の子」
友「あー、ワンフェスとかキャラホビで売ってる奴ですか?」
へちま「そうそう。」
友「模型というのも、最後はそういうマニアックなところにいくんですねぇ。ちなみにちょっと、聞きたいんですが・・」
へちま「なに?」
友「魔改造とかするんですか?」
へちま「しねーよ!(怒)」
友「でも夜中にパンツとか塗ってると興奮するんでしょ??」
へちま「はぁあああああああぁぁああぁぁ????」
・・・このような例に限らず、フィギュアモデラーについて、そういう風に感じておられる一般人は多いんだろうなぁと思います。ヌード絵画を描いている人に「イヤらしいわぁ」という人がいるのと同じかも。
でも、それは違うんですよーバンバン(←机を叩く音)。
モデラーにとって、対象がパンツであろうが、むさい親父であろうが、戦車であろうが、塗ってる時に考えていることは、「思ったように塗れているか?ちゃんと色は出ているか?塗装がはみ出したりしてないか?」という、ただそれだけ。
徹頭徹尾、技術的な指向しかありません。そこに煩悩や色欲が入り込む余地などまったくないのです。それほど塗装というのは甘くない作業なのです。ましてや市販キットの数倍の価格がするガレージキットで失敗など許されません。特にパンツ等の下着は極めて重要なのです。
何故重要かっていうと、女性のフィギュアを見る人の目線ってほぼ決まってます。男が現実の女性を見る目線と何ら変わりありません。つまり、まず「顔」次に「露出した肌部分」「下着」という流れで初期目線が集中するわけです。ある意味「服など飾り、後回し」なわけで、いくら丁寧にマスキングして、きらびやかで美しいドレスを着せても見る側は例外なく「顔」「胸」「太もも」「下着」なわけです。
私が思うに色気のある女性造形がうまい造形師さんは、この「露出肌」「チラ見せ下着」を効果的に使ってます。フィギュアですからエロを前面に出しすぎては飾れない。ですので露出度を上げず、色気を上げることを考えているのでしょう。やっぱり色気があるものの方が人の目を引くし、売れますからね。
逆に作り手とすれば目線が集中する部分を丁寧に作り込むのは模型作り、ひいてはもの作りの基本中の基本であるわけでして、そこは失敗しないように気合いを入れなければならない。ですから「顔」「肌」「下着」は必然「ここは譲れません」な箇所になる。ここでちょっとでも失敗したら、リカバリーなど考えずシンナーの海にドボンです。
たしかに所詮は仕事の合間の息抜き。専門職であるフィニッシャーの方々には及ぶべくもなく、及ぶつもりもありませんが、素人なりに、できるかぎり真剣に作っているということを理解していただけると嬉しい。
そもそも私がなぜガレキフィギュアを作っているのか?それは簡単に言えば、
「同じ人間を塗るならオッサンを塗ってるより女の子を塗ってる方が、楽しい」
し
「メカは好きだがメカの側にはやはり人間(できればオッサンより女の子)がいて欲しい」(この嗜好はガルパンに萌えて確定的に明らかになりました。)
からです。
そして、一番大事なこと。
「趣味は楽しい方が良いに決まってる」
まー他人から見れば、順調に「腐り堕ちていってる」のかもしれませんが、私自身は自分の心境の変化を「人の評価や人の目にとらわれず、楽しいことをやっていく」という「趣味の王道」に徐々に近づけているとそう評価してます。
(飲み会でも、変態フィギュアモデラー呼ばわりする友人をこの論理で黙らせております。)
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