先日ブログにバイクのみご紹介しましたが、


今度はそのバイクに乗る女の子フィギュアをアップしたいと思います。これはもともとCerberus Projectが吉崎観音のイラストをガレージキットで立体化したフィギュアで、人気があったのか、その後塗装済の市販品も販売されております。

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これが、仮組の画像です。

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今回のフィギュアはベースとなったイラストがありますので、できるだけイラストに忠実に仕上げるのが本来ですし、その後販売された塗装済完成品もこのイラストに忠実になるよう作られているようです。

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しかし、私自身バイクに乗る人間として、どうしてもこの子の目線が納得がいかないというか、気になってしょうがありませんでした。

単車に乗る人はある程度わかると思いますが、通常バイクに乗っていて横を見たければ首ごと動かすわけで、このイラストのように、極端な流し目をすることはほとんどないのです。特に今回の女の子はノーヘルですから、メットの干渉もなく、首なんか曲げ放題ですから、流し目をする必要性自体が無い。ということで、このフィギュアに違和感を感じないように目が正面を見据えるように描くことにしました。

表情下書きの画像です。眼球をセンターに入れてます。

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表情の方向性が決まったら、次はフィギュアの命ともいえる顔描きです。今回のフィギュアは原作のイラストがあるので、雰囲気だけでも吉崎先生的になるように製作時には自分なりに努力したつもりです。

しかし、ここで勘違いしてはいけないのは、「吉崎観音先生的な雰囲気を出す」ことであり、「間違っても吉崎観音先生そっくりに顔を描こう」などと思わないこと・・・です。このような考えは大きな思い上がりであり、且つ壮絶な失敗の元です。なんせ、私は吉崎先生ではないのでありますから・・・。

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先ほど何故表情完コピを目指すことが「失敗の元」と言ったかと申しますと、漫画描きにはその漫画描き特有のタッチがあると考えているからです。そもそも吉崎先生のタッチと自分のタッチは当然違う。これは、フィギュア製作の原型師の方々にしたところで同じです。同じfateのジャンヌを作っても、Vispoの片桐氏の作品は片桐氏の造形の特徴がでるし、夢のカグツチノ公国の戸田氏には戸田氏のタッチがあり、T's system の宮川武氏の作ったものはやはり宮川作品だとわかります。同じモチーフで造形したからといって、お三方の作品が見分けがつかなくなることは決してないのです。

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つまり、何が言いたいかというと、「全ての製作物にはその作り手一人一人に固有の美的センスや造形バランスというものがある」ということです。大事なのは、作り手の持つ固有の造形バランスの中で対象に如何にアプローチして似せていくかであり、自分の持ち味を殺して、タッチを変えてまで対象に必要以上に似せようとしたところで、そう簡単に似るほど甘いものではなく、逆にとっちらかった上に表情のバランスまで崩し、「そもそも女の子としてブサイクちゃんになる可能性すらある」ということです。

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もっとぶっちゃけてしまうと、「紙に鉛筆書きで何回も書き直しつつ、イラストに必死に似せようとしたって似せるのは困難を極めるのに、3次元のフィギュアの顔塗り、しかも一発勝負で表情完コピとかどう考えても無理でしょ、不可能でしょ!」ということなんです。

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そういうことで自分なりに可能な限り努力はしましたが、それにも限界がありまして、落とし処として、「なんとか吉崎作品に見えて、かつ可愛く仕上がっていれば上々ね!」的な感覚で仕上げた結果がこれなわけです。(そのようにできているか自信はありませんが・・・)

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今回もまた表情について長々と愚痴を書いてしまいましたが、素人なりに、もう言いたいことは山ほどあるので、今後も自分の無力さも含め、いろんな愚痴を書き散らしていくことになるんだろうなぁ・・・お読みになった方、何卒ご容赦下さい。


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とまぁそういうわけで・・これでバイクと女の子がそろったのでガレージキットとしては一定の完成をみたのですが、私の中ではこの状態ではまだまだ完成ではなく、その後ディスプレイベースにちょっと凝って、ジオラマ的に世界観で仕上げてありますので、次回はそれについてご報告したいと思います。