今回紹介する「バイクミサト」はかなり古いガレージキットになります。

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私が最初にガレージキットを作ったのはエヴァンゲリオンが放送されていた頃に発売された海洋堂のエヴァンゲリオン初号機でした。(第三使徒を踏みつけてる奴です。)今思えばもう20年くらい前ですね。その後エヴァのフィギュアを何体か作ったのですが、ある時期からガレージキットをぱったりと作らなくなり、ミリタリー模型やバイク模型、帆船模型を作る日々が続きました。

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しかし、ある時、ふと「バイクの模型を際立たせるには、やっぱり乗ってる人が必要だよなぁ」と、思い至り、購入したのがこのバイクミサトです。私がモンキーを所有していることもこのフィギュア購入の後押しとなりました。

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(所有の改造モンキー。125ccにボアアップして、高速安定性を稼ぐためフレームを変更し、スイングアームまで伸ばしてあるので、既にモンキーと言えない・・の・・か・も・・。何せこの車体にチューニングエンジンですので、最高速域になりますと「臨死体験」が味わえます。)

話を戻してバイクミサトですが、このキットはタミヤの1/6モンキーの改造パーツとミサトさんがついてきます。ミサトさんは大きさの割にパーツ分割もざっくりしたものですが、バイクの改造パーツは34個(笑)もあり、バイクに対するこだわりを感じます。

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販売は8年くらい前でしょうか?ミサトさんの原型はATOMIC-BOMのSUZU氏。(ATOMIC-BOMはロードバイクのガレージキットなどで有名ですよね。ちなみにこのメーカーの作品にはロードバイクへの愛が感じられてとっても良いですね。)

この作品の製作時には、確固たるフィギュアの製作技術がなく、全て手探りでした。目の描き方なんかは完全にイラスト風です。肌塗装はサフレスでやってみましたが、個人的にはサフレスよりきっちり塗装した方が好みのようです・・。できあがった直後は完成した作品を眺める度に、此処をこうすればよかった、あそこをこうすればよかったと反省しきりだったのですが、今は自分の作ったガレキ完成品の中でもなんとなく好きなものの一つになりました。

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このキットが好きな理由は、出来や完成度がどうこうではなく、モンキーにまたがるミサトさんが「本当に楽しそうなところ」でしょうか。自分は模型とバイクが好きで好きでたまりません。かれこれ25年以上続けてきて、「いい年してなにやってんだ」と言われようが「好きなもんは好きなんです!!」状態で、もう一生抜けられない感じです。そんな「バイク」の楽しさを全身で表現している「模型」は自分にとっては最高の一品です。

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ガレージキットはもともと「好きなモノが売ってないから個人製作で作ってしまえ!」というのが原点で、そこには「個人の趣味趣向」が強く反映されていたと思います。そういう意味では現在のガレージキットは、かなり商業主義に振れており、個人の濃い趣味的な世界から、全体的に「売れるもの」「人気のあるもの」を指向するようになってきているのではないかと思います。

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(ベースはホームセンターで買った80円のコルクボードにグレーを塗装し、アスファルトを表現してみました。)

ただ、それはガレージキットの世界がメジャーになったからであり(マニアから一般の人に訴求したからこそメジャーになったといえるわけですから)全然悪いことだとは思いません。しかし、一般受けするものは必然的に薄くなる傾向にあるし、薄くなった結果「消費されていく数多くのもの」の一つになってしまう確率が高くなる。数や人気を求めていくと、「市販の完成品とガレージキットの境界線がどんどんなくなっていく」ことになるのです。

逆に濃いものは、一部の人にしか理解されませんが、刺さった時には深く刺さる。このキットもミサトさんだけなら、時の流れに消費されるキットの一つになったかもしれない。しかし、モンキーというバイクは今でも現役であり、時の流れに埋もれない力を持っています。結果、このキットは長年私から愛されることになったというわけです。

ワンフェスなどでは「艦これ」もまだまだ人気ですが、「艦娘」は素材として決して力を失うことのない「帝国海軍連合艦隊」との組み合わせです。モデラーにとって第二次大戦中の軍艦は一大ジャンルであり、その中でも「帝国海軍連合艦隊」は永遠のモチーフですから、それ故「艦娘」も魅力的で息の長いものになっているのかもしれませんね。