前回桜のイラスト(http://blogs.yahoo.co.jp/hechimangreat/34625302.html)がまずまずの仕上がりだったので、もう一つ桜のイラストを描いてみました。現在ジオラマ仕立てのフィギュアをコツコツ製作しているのですが、その合間の暇つぶしといったところです。

 私自身はそうも感じていないのですが、家族に言わせると私のイラストはえらく特徴的だそうです。「キャラクターの線が、凄く太くて影絵に近い」とのこと・・・。自分はいままでそんなこと考えたこともなかったし、極めて普通だと思っていたので、結構ショック・・・。昔スクリーントーンが高くて買えない頃、何とか白と黒だけで画面を持たそうと、自分なりに工夫した結果、こんな描画線になってしまったんですね。

イメージ 1

 漫画っていうのは、基本ディフォルメで、よっぽど複雑な衣装でも着ないと人物の絶対情報量は少ない。だから、カラーならともかく、スクリーントーンを使わず、普通にペンだけで描くと真っ白な画面になってしまう。今はパソコンを使って色が塗れるし「白黒だけで画面を保たそう」という感覚自体が無いのかもしれませんが、昔はGペン、丸ペン、カブラペンでイラストを描くというのが主流で、今でも私はカラーはほとんど描きません。

 だから、模型のフィギュア製作でも、「顔をうまく描きたい!!」という情熱に対し、色塗りや組立ては正直センスがない。いろんな方が凄いフィギュアを作っていますが、自分には正直そんな情熱がなく、そこそこの仕上がりで妥協してます。

 フィギュア製作とイラストを描くのどちらが難しい?と問われれば、「15年くらい前の自分なら、「どっちもどっち・・」という感覚でしたが、「今は圧倒的にフィギュア製作が難しい」という回答になります。これは、単に失敗のリカバリーが容易かどうかの違いです。

 今のイラストに関しては、もはや紙にペンで描いている人はほとんどいないんじゃないでしょうか?私も数年前から下絵を鉛筆で書いて、それをスキャナで取りこんで、パソコン上でペンタブレットを使ってペン入れしてます。ペンタブレットでペン入れする場合、描画線はデジタルですから、失敗してもすぐ消して何回でも描き直すことができます。結果的にイラストの完成度は上がります。

 技術の進歩によりイラストの難易度は昔のアナログなGペン一発勝負に比べれば劇的に下がりました。今は「自分の絵を客観視できる目」さえ養われれば、誰でも立派なイラストが描けるでしょう。なんせ何回でもペン入れの線を描き直せるんですから・・。言い換えれば昔より気軽にダラダラとイラストに向き合うことができるともいえます。

 これに対し、ガレキのフィギュア製作の方法はほとんど昔から進歩してませんし、今後も個人のフィギュア塗装がデジタルスキルに置き換わることはないでしょう。

 全てがデジタルに置き換わり、確かに便利になっている。でもそれと引き替えに自分の日常の中から明らかに緊張感も失われていきつつあるんです。自分はそれを一部で肯定しているのですが、ヒリヒリするような緊張感もやはり手放したくはない。

 そんなこんなで、「お前は子供か!」とまわりにいわれつつも未だにアナログを極めた模型や単車の世界から降りられないのかもしれませんね。(携帯もまだガラケーですし(笑))。