私のかいているブログは主に過去に作った模型達の紹介をメインにしているのですが、大学時代に漫研に所属していたこともあり、イラストもごくたまに気が向いたら描いています。(このブログのヘッダーもお恥ずかしながら私の手書きです。)

 昨今ではアニメ系フィギュア製作とイラストの2足のわらじを履く人がどの程度いるのかはわかりませんが、今回は「イラスト描きにとってのフィギュア製作ってどうなのよ。」という部分について少し思うところを述べたいと考えています。

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 上のイラストはそろそろ春だなぁと思い、桜をモチーフに描いたモノです。イラストはそれなりに年季は入っているとは思ってるんですが、あくまで素人レベルの感覚で好き勝手に書き散らかすだけです。

 イラストはGペン、丸ペンの頃から描いていますが、モノトーンの絵ばかりで、カラーは描きません。スクリーントーンもあんまり使わないです。
 
 私の絵は現代の感覚からいうと、「えらく古いタッチである」と我ながら思います。昔のGペンで培った筆圧の強弱の感覚がペンタブレットになっても消せないからですね。

 こういうイラストのスキルがアニメ系フィギュアの製作に生かせるか?といわれれば、「顔を描く」という部分についてはある程度生かせているのではないか?という感想になります。

 でもそれはあくまでフィギュアの造形をベースに目の輪郭や大きさ、眉のバランスを取って対象に似せたり、自分の好みに仕上げたりという部分です。目の輪郭、瞳、眉などを描く時の感覚はイラストのイメージをそのまま持ってきても違和感ないように思います。

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 これに対し、瞳の美しいグラデーションを表現したり、肌をグラデーション豊かに塗っていくことにはまったく役には立ちません。フィギュア製作をしてみると「描く」ということと、「塗る」ということは全く別のスキルだとしみじみ感じるのです。

 「顔は似てると思うんだけど、なかなかうまく塗れないんだよなぁ。」

 「塗装は結構自信があって綺麗に塗れるけど、何か顔がイマイチなんだよなぁ。」

 フィギュアを製作していて、製作者はこのような感覚に常にとらわれていると思うんですが、これはひとえに「描くこと」と「塗ること」が別のスキルで、且つなかなか一人の人間の中でうまくバランスしてくれないから。

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 そしてそのスキルが一切の誤魔化しなく仕上がりに出てしまうのがアニメ系フィギュア製作ということなんだと思うのです。(ミリタリー系は小さいので結構誤魔化しがきくんですよね。)

 しかし、フィギュアの完成度を上げるにはこの2つのどちらもスキルアップしていくしかない。でも、片一方を極めるだけでもこれは非常に難しいことです。

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 「描く」と「塗る」。そのより良きバランス点を目指して、作る側は日夜努力するわけですが、なかなか思ったようには参りません。毎度毎度、完成品を見ながら「ままならねぇなぁ・・・・」とため息をついてます。