前回に続いてジャンヌ・ダルク製作記 その2です。今回は「フィギュアの顔を描く」という点について少し思うところを書いていきたいと思います。
上に鉛筆ラフ描きでABCと3種類のジャンヌを描いてみました。
古い絵柄で武内崇氏とはタッチもデッサンも全然違うのですが、ジャンヌのアイコンである髪飾り?をつけて髪をジャンヌっぽくすれば、まぁジャンヌに見えるというのが、漫画のお約束です。現実でこんなに人相が違ったらまず別人ですが、漫画の世界では記号性でキャラを識別してますので、それなりにジャンヌに見えるわけです。
フィギュアは輪郭、髪、目、口など一から全部描かなくてはならない漫画と比較すると、輪郭と口、鼻、髪型はもう固定されていて、目と眉くらいしか描くところはありません。逆に目と眉毛がフィギュアの顔の命であります。
上で描きましたAとBは目はほぼ同じです。目は大きくすれば大きくするほど可愛い系になります。眉をアーチにして目から話していくと、陽気な明るい顔になり、眉を直線にし、目に近づけていくとりりしい顔になります。さらにCのように目を細くすれば、可愛いから格好いい方に表情が振れていきます。
インターネット上の作例は、(片桐様の彫った目の輪郭通りアイラインを入れているのだと思いますが)結構目が細くて「凛々しい系」の顔立ちが多いです。
それはそれで格好良いですが、私は少し「可愛い」要素も入れたかったので、上記写真の鉛筆下書きのように目を大きめに描き、眉は目に近づけてシャープにすることで凛々しさを出す方向で描くことにしました。このジャンヌは眉の彫りがありませんでしたので、逆に表情が自由に作りやすかったというところがあります
(私は眉の指定がないフィギュアの方が好きです。)
目を大きく描いたために少し目の下線が目の窪みより下に来ていますが、実際の完成品ではほとんど目立ちません。アイラインの上も目の窪みより相当上に来ていますが、黒塗りしてしまっているのでほとんどわかりません。目は相当大きくなってるのがおわかりになると思います。
私はフィギュアの顔を描く時は、まず色を塗る前に顔を実際に鉛筆で何度も描いてみます。自分が好きな表情になるまで書き直し、納得がいったらそれを写真に撮影して保管しておきます。本番はその写真を見ながら、鉛筆書きの表情を再現していく。そんな感じでやってます。
実は口も少し彫り直しています。
こんな感じでネット上にある作例のジャンヌ・ダルクよりかなり目がぱっちりした完成品になったというわけです。なんだかんだいっても、フィギュアの顔は自分が好きな表情にするのが一番。人に売るわけではないですしね。
いろんな意見はあるでしょうが、自分のジャンヌのイメージはこんな感じで、それをストレートに表現するとこうなるのです。
既に顔ができている完成品とは違って自分の好みに描けるからガレージキットは楽しいのかもしれませんね。(もっとも片桐氏の元の造型が素晴らしいから、融通が利くというか、いろいろとできることはいうまでもありません。)
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