ガレージキットは木製帆船模型と並んで、いつかは行き着く最後の到達点なのかもしれません。
 
 私も以前「模型を作る」ということの何たるかを理解せぬまま、硬派なモデラーを気取り、ガレージキットのアニメ原型のフィギュア達を「軟弱な世界の産物。」と切り捨てていました。(アニメ的なイラストを描く私が言うのもおかしな話なのですが・・・)しかし、歳を取るにつけそのようなこだわりはまったくなくなり、ガレージキットの世界にどっぷりとハマルようになり、その製作難度、誤魔化しのきかない肌塗装の奥の深さに嘆息すると共に「やはり模型製作のカテゴリーに上下の貴賤はないなぁ。」と考えるに至っています。

近年は塗装済完成品の出来が非常に良いので、ガレージキットは下火になってきているようですが、自らが塗装し、組立て、命を吹き込んだ模型達への愛着は塗装済完成品では得られぬものです。また、PVCの塗装済完成品では到底到達できない造型を高額のガレージキットで実現しているフィギュアもあり、そのようなフィギュアを製作していくのはある種の挑戦でもありますし、「このレアキット・・失敗は許されないな」という緊張感もあります。

インテリアになるミリタリー模型や帆船模型とは異なり、ガレキのアニメ造型は家族からその素晴らしさを全く理解されておらず、子供のオモチャ扱いです。「置ききれないし、邪魔だからヤフオクで売ろう!」などといわれていますが、今後ともめげずにコツコツと作りつづけたいと考えています。現在完成済のガレージキットは20個くらいありますので、順に紹介していきたいと思います。

それではボークスのガレージキット「クリスティンV」です。ファイブスターの登場人物の中でも、思い入れがあり好きなキャラですので、楽しく作らせてもらいました。仮組み状態がこちら。


スカート部分のパーツの合いが悪く、かなりの隙間ができたので仮組時点でタミヤパテで埋めてしまいました。塗装済完成後がこちら。




腰の部分とスカートの間に隙間がありますが、鈍感力で無視します。スカートをグレーとピンクに塗り分ける際のマスキングが少々面倒くさかったのと、マスキングテープを剥がす際に下の塗装を持っていかれてしまい、一度シンナーの海にドボンの憂き目に遭っています。髪の毛も肌の色もまだまだ満足できるものではなく、発展途上ですが、とりあえずクリスには見えるように無難に仕上がったかなぁということで良しとします。