皆様、ご無沙汰いたしております。ご心配をおかけしていた、私の左手の腫瘍は「腱鞘線維腫」って診断が出ました。おかげさまで良性です。原因は良くわからないそうですが手の使い過ぎじゃないか?ってことでした。とすると職業病ですね(笑)

抜糸は終わりましたが、内部で組織が復活していくまでに1ヶ月くらいはかかるらしい。実際、まだちょっと高負荷時に左手に痛みがあるので、バイクは控えておりますが、ブログは少しずつはじめていこうかな~と思っております。

ということで、今回はCB姉妹の1年経過後のインプレッション、CB1300SF(なお、私のCB1300は☆しび乃☆と呼称します。)編です。あ、ホンダさん8耐5連覇おめでとうございます。

現在☆しび乃☆は購入から6500㎞ほど走っておりまして、5月に12ヶ月点検とタイヤ交換を行っています。

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(GoldWingが高速の距離ガバだとすると、CB1300SFは下道での距離ガバマシンですね。)

タイヤは将来的に他銘柄も試そうかな~って思うところはあるのですけど、「バイクが本領を発揮してくる1万㎞くらいまでは純正で」ってのがバイク店勤務時代からの私のポリシーなので、今回は何も考えず純正装着のスポーツマックス・ロードスマートを入れています。

ダンロップのスマート系はいま、V7とCB1100とCB1300に入ってて、非常にお世話になってるタイヤなんですけど、コスパも含めてバランスも良くて安定感もある。

「バイクの個性を邪魔しない良いタイヤですね~」

「凄いところはないけど、足りないところもないですね~」

って印象ですので、公道ユースで面倒臭くなったら「コレ入れときゃいいかも・・」という脳死タイヤの典型。いいですねぇ。脳死タイヤ。ミシュランのロード6あたりも、脳死タイヤとして、CB1300には相性良さそう。それにしても、重量級バイクだからやむを得ないとはいえ、リアに対してフロントの減りが速すぎなのはなんとかならんのかのぅ・・前後タイヤのライフバランスがおかしいのDEATH。

フロントなくなった時点で、リアがまだ結構あるんですけど、かといってリアがフロント2回分持つのか?っていうと「それは絶対ありえません!」という減り具合なので、タイヤ交換時にフロントリアの両方換えるか、フロントだけ換えるか・・かなり悩む・・。

スパコルだったら高いから絶対にフロントだけ交換だけど、ロードスマートは価格が安いから、悩んだ結果、今回は前後両方換えました。前後揃えてスッキリした乗り味にしたかったし・・。

ちなみにカスタムについては、納車時に目立たない真っ黒のラジエターカバーに変えた以外はなーんもしてません。将来的に手を入れる予定もない。実に地味。

レプリカ世代のライダーにとって、スーフォア系は30年近く教習所や白バイで働いている見慣れたバイク。今更外観にインパクトなど何もなく、黒で染まったウチの☆しび乃☆は、ドカティやハーレーなどのド派手なヒーローバイクやアイドル系バイクと比べると、まさにショッカー黒骨戦闘員です。

しかし、☆しび乃☆は同じ黒骨戦闘員でも、鬼のホンダ開発陣と、日本の誇る交通機動隊に鍛えられた結果、私の中で、他のヒーローバイク達との関係がこんな感じになってます。

吉田沙保里

(こちら「ボケて」の有名なネタです。)

もうね。ガワは黒骨戦闘員だけど、中身がヤバイの。CB1300SFの仕事能力たるや、荷物運びのドカチンから、教職から、事務職、警察官、本土防衛まで、制服さえ支給してやればなんでもこなしそうな

「スーパー・プロフェッショナル・ワーカー

ですよ。その圧倒的フィジカルを生かした仕事っぷりと汎用性は他の追従を許さない。

バイクってのは圧倒的なスペックやスピードがあれば仕事人として使えるのか?そんなことはありません。大事なのは、乗り手と社会に対する向き合い方なのです。

優秀な処理スピードを確保しつつ、

正確かつ丁寧で、

クォリティが高く、

ミスがない


加えて、

立ち居振る舞いが穏やかで、

包容力があり、

偉そうでもなく、

社会的マナーがしっかりしてて、

健康で働き減りせず、

燃費が良くてメンテが安い

これらの能力が揃わなければ、仕事人として優秀とは言えません。SSはスピードに特化しまくった結果、赤い部分の能力は高いですが、青い部分の能力があまりに低いから、一般道で仕事させると社会的欠点が露呈しますけど、ネイキッド系はその点、全てにそつがない。リッターのビックネイキッドはその頂点ともいえる存在で、1300ccという排気量は明らかに公道では過剰ではありますが、その余剰を青色部分の能力向上に振ってるから、仕事能力は抜群です。

CB1300SFは惚れ惚れするほど優秀な人材ですが、それ故に手をかけるところがほとんどなく、私からの支給品はシートバックのみ。サス調整のみの完全無課金でヘビーに使い倒されてますので、「なんてセコビッチな職場なの・・・」って呆れられているかもしれない。

(CB1300SFは仕事人として最高峰の能力を発揮してますが、それに対して私はバイク乗りとして下り坂のポンコツといっていいでしょう。結局、仕事は日常介護になる。バイクは常に転職を考えているでしょうけど、させるものか(笑))

CB1300SFはホンダの基幹モデルとして長年リッター戦線をボトムで支えてきた黒骨戦闘員ですから、特別な必殺技もなければ、目を見張る特殊能力も派手な衣装もない。6軸IMUなどの電子装備で走りを武装しているわけでもないし、見た目も性格も乗り味も穏やか。しかし、初代カブから連綿と続く「ホンダ血の掟」が隅々まで浸透しており、基本骨格とエンジンが怪人以上にシッカリしてますから、なにをやらせてもその仕事ぶりと立ち居振る舞いにソツがない。

ぶっちゃけ怪人がいなくたってどうにでもなるけど、基本となる戦闘員がいないとショッカーは成り立ちませんからね。CB1300SFがディスコンになった後、CB1000Fを即時投入したのも、黒骨戦闘員がいなくなったら、ゲルショッカー戦闘員を投入しないと組織が成り立たないし、それがストファイなんかじゃ「ショッカー日本支部のカッコがつかない」からですよ。

そんなCB1300の肉体労働方面の有能ぶりを存分に見せつけてるのが、かの有名な「白バイ安全運転技能競技会」です。もうね。私が昔経験した西武新宿線の深夜枕木交換工事もかくやとばかりにシゴき回されてるじゃないですか。でもそんな環境でも、CB1300Pには全然ギリギリ感がない。車体の挙動見ると軽々しさの欠片もないのに、乗り手の入力にあわせてあれだけ正確な動きするって、人間で言うと「肉体労働系のフィジカルバカ」ということになる。バイクの操作性とバランスが良く、全てのパーツの設計強度に余裕があり、エンジンが従順じゃないと、あんなに安定したムーブはできませんよ。

白バイ隊員ってバイク乗りではプロ中のプロだと思うのですが、そういう人達に長年評価されるためには、性能を突出させるのではなく、要求される想定用途の範囲内で精密かつ従順に動き、操作性が抜群で使いやすいってことが重要だと思うのです。

CB1300SFを私の周りの備品に例えると、レッツノートがそれに近いかもしれません。コイツは価格が高いのに、見た目は薄型でもない弁当箱だし、スペックも目を見張るところはなく、液晶画面も普通で、購入時にプリインストールアプリもゼロという、普通であれば見向きもされない地味系ノートパソコンなのですが、何十年もテキスト打ちで使い続けている私の評価はメチャクチャ高く、他のパソコンに目移りしたことは一度もありません。とにかく堅牢で動作確実。機械的にもOS的にも安定してて、使い始めてから不具合を経験したことが一度もないんですよね。

私が今使ってるSR系は名機SV時代からブレることなくパンタグラフ式キーボードを採用し、薄型のトレンドを捨ててでもキーピッチ、キーストロークを頑なに変えてない。派手ではないけど、不満もないし、入力環境に信頼感と安心感があって、キータッチしてても気持ち良く、徹底的に使い込めるから、私はず~っとレッツノートをリピートし続けています。

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(ブログ製作時のレッツノートの勇姿。私はイラストもテキストも仕事も全て「レッツノートSR4」1台で処理してます。)

私は時計でもパソコンでも、日常で使い勝手の良いものとは、「基本的な作りが良くって目立つ欠点がないもの」じゃないかって思うのですよ。週末やハレの日に使うものは、欠点があっても良いところが突出してればいいんですが、毎日使う対象となると、見方が少し違ってくる。

長い時間使い続けているものって、不思議なことに、判断基準が自然と減点法になっていくんです。購入時は目立つ美点や目新しさが目につくから、多くの人が加点法で選んでると思うし、減点部分ばかり見ていては、バイク選びの本質を見失ってしまうと思うので、私も加点部分を重視してます。でも、付き合いが長くなると加点していた部分が自分の中で馴染んでくるから、減点部分にどうしても目がいくようになってくる。

最初は「欠点も長所を引き立てる味なのだ・・」って自分なりに割り切っていたとしても、そのバイクを好きになればなるほど、「ここをなんとかすればもっともっと好きになれるのになぁ・・」って欲が出てきて、最後はカスタムに走り、大枚はたくことになるわけです。

そんな視点で見た時に、CB1300SFは「ここはなぁ・・」っていう目立った減点部分がほぼないんですよね。逆にいうと減点部分を際立たせたり、バイクのバランスを崩すような「突出しすぎた加点部分」もない。そんなバイクに1年乗るとどうなるか?

とっても不思議なのですが、目立った減点部分がないと、微妙な加点部分に目が向くようになるんです。

乗り込むほどに、最初は見えなかった

「エンジンの造りの精密さ」

「クラッチ繋いだときの駆動の絶妙な食いつき」

「穏やかだけどブレない挙動」

「硬すぎず、柔らすぎず、ほどよい吸収性の足回り」

「過度特性の安定感」

「しなりが効いた剛性感」

「操作感のマナー」

「ビタッとした直進安定性と旋回時のスムーズな鼻の入り」 

そんな細かくて良質な感触というか、微妙すぎる加点部分に意識が向くようになるんですよね。普通のバイクは乗れば乗るほど些細な欠点が気になってくるんですけど、CB1300SFは距離を乗るほど、隠されていた小さな美点に気づいて感心することが増えてくる。

乗ってても何ら特別なことはないし、動きもベーシックだし、構えも自然体なんだけど、基本の型の練度が極めて高く、キマりすぎててツッコむところが何もない。素の状態のまま、時間と共に評価が少しずつ良い方向に流れ続けていくバイクってのは、ちょっと過去に経験がないかもしれない。



「オーナーちゃん。本当に良いバイクってのはね、」



「悪いところがないんだよ~」




って☆しび乃☆が洗脳系ASMRみたいに、じんわり耳元で囁いてくるんですよ。

そんなCB1300SFを優等生的、特徴がない、ツマランと簡単に表現しちゃう人もいるけど、

「特徴がないって体感できるレベルまで、違和感や欠点を消し込むってできるんか?」

って思う。だってバイクってあちらを立てればこちらが立たずの乗り物じゃないですか。それを絶妙なバランスを維持したままハイレベルに仕立てるって容易なことじゃないですよ。こういうバイク造りってホンダやBMWが得意としている印象がありますけど、総合的な隙のなさって車体を構成する全てのパーツのクォリティや組み付け精度を時間をかけて統一感し、調整していかなきゃ出せないと思うんです。

しかも、この手の進化は超手間がかかる割に、カタログ商品力にはほとんど繋がらない。求道的で華がないんですよね。フラッグシップモデルであれば、通常は販売店の要望を汲んで派手な進化をやりたくなると思うんですけど、CB1300SFは白バイであるCB1300Pの存在もあり、玄人ウケの進化に徹していたのでしょう。

とにかく基礎的な操縦性のブラッシュアップにかけた時間やコストがメチャクチャ大きなバイクだって感じるし、それこそがクリエイティブ・ベンチマークを掲げるCBの本質で、このバイクはその親玉として、その点の完熟度が突出してる気がするんですよね。

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(ホンダが30年以上積み重ねて到達した高き頂き。それがCB1300SFです。膨大な時間と承継されてきた思想哲学の結晶が、ある日突然ディスコンで消えちまうなんて・・環境規制が恨めしい。)

ウチのバイク小屋にいる☆しび乃☆さんの話を戻しますと、1年乗ってサスやエンジンが本調子になりはじめ、納車時と印象が全然違ってきてます。毎度のことですが、大型、特にリッタークラスは乗り手との馴染みも含めて、「納車から1万㎞くらいは乗らないとダメだな~」って改めて感じている次第。ホンダは納車時から8割方の性能を出してくる印象ですけど、大型バイクで重要になるのは「残りの2割」で、それは乗り込んでるうちに少しずつ見えてくるものなんですよね。

特筆すべきところは色々ありますが、やっぱエンジンがいいですね。車でいうと一度チューナーが市販エンジンをバラし、ピストンのバランス取りをした上で再度組み直したかのような、精緻すぎる回りっぷりが素晴らしい。これは古い設計を現代の製造技術でブラッシュアップしてきたからこそ生まれたフィールだと思うけど、ピストンとシリンダーが馴染めば馴染むほどに、その組み上げ技術とパーツの精度の高さによって生まれる快感がジワジワ増してきてたまらないものがある。

現状で私の☆しび乃☆のエンジンはすでに精密感の極地にありますが、これから1万㎞あたりまで、「これが進化し続けていくのか・・」と思うと期待が膨らみすぎて想像妊娠しそうです。メチャメチャ軽くしなやかにピストンが動いているんだけど、今の適正化されたバイクにはない昔ながらの回転の重厚感もちゃんとある。

一つ300ccを超えるピストンが完璧にユニゾンして吹き上がっていくさまは、※しび江さん※(CB1100EX)の「ゴリッとした歯ごたえと粘りのある回転感」や、ハーレーの「重くて丈夫な部品を溢れる爆発力でゆっくり回す」っていう濃い価値観とは正反対の清々しさ。もうね。エンジンフィールを摂取してるだけで、意識からは邪念が、体からはストレスが取り去られていく浄化型エンジンですよ。

海外製ツインでは絶対に味わえない「日本の古き良き水冷四発だけが見せてくれる快感世界」がここにある。ちなみに同じマルチでも、ゴールドウイングの6発はとめどなく湧き出してくる美しすぎるトルクのバブ味に癒やされ、CB1300SFはストイックで求道的な機械的精密感に浄化させられるって感じ。

どっちも

「ふわぁ~・・」

「へぁぁあ~・・」

「幸せスパイラルぅ~~」

ってなりますが、質が全然違います。なお、この精緻なフィーリングはスポーツモードにするとやや薄れちゃうので、私はスロットルモードを常時スタンダード固定にさせて頂いております。

現時点でCB1300SFはバイクとしてあらゆる要素で合格点を叩き出しており、乗れば乗るほど馴染んでくるし、その馴染み方が私の中にある「良いものとは何か?」の考え方とも一致しているので、もう「優勝~」って感じ。あと、CBみたいな隙がなく身の詰まったバイクがあるから、穴だらけのチーズみたいなダイナやモトグッチがさらに美味しく感じるんで、一粒で二度美味しいところもステキ。

あと、CB1300SFって完成度が極めて高いバイクですが、決して冷たくないところがいいんですよ。それは「乗り手の日常にとってどんなバイクがいいのか?」っていうブレない哲学と、「旧時代のアナログ的な設計」の合体によるものだと私は思うんですよね。エンジンにしても車体にしても、与えられた枠の中でひたすらストイックに追い込んでるのに、どこかに人間的なスキマというか優しさがあるんです。

そんなCB1300SFは、多くのメーカーがラインナップから消してしまった「ビックネイキッドの理想」「あの頃の時代の熱」を残してる最後のモデルだったんです。それがディスコンになってしまったってのは、私がこれまで大型乗りとして経験してきた時代の一つの幕引きでもあると思う。

私みたいな90年代初期の古くさい価値観を引きずってる大型乗りの生き残りって、昔の仲間ってもうほとんどいないんですよ。これに加えて、「重くて、デカくて、大排気量」という我々世代が慣れ親しんできた価値観もエコという時代の中で、明確に否定されてしまっています。

そんな私にとって、逆風の中で、しぶとく最後まで生き残ってくれたCB1300SFは、私の生きてきた時代の象徴でもあり、数少ない、お仲間みたいな存在なんですよね。結局のところ、そんな箸にも棒にもかからない、時代に対する執着がこのバイクに対する私の一番の感情なのかもしれないです。



(オマケ漫画「フィジカル破壊神」)
プロデューサー1.1
☆しび乃☆扉1.4
(CB1300系は「官憲の白い悪魔」として名を馳せておりますが、たま~に90年代バイク特有の「喧嘩上等感」が顔を出すことがあります。90年代ってとにかくお熱い時代で、ABSや電子制御といった安全弁など一切ナシで、乗り手の技術とバイクのフィジカルがコブシとコブシでぶつかり合ってた時代だったんですよね。)