本年度も6月に入り、いよいよモトグッチV7も最初の車検を迎え、3年を終えようとしています。

この間「トラブルなんて全くなかったです!やったぁ!」って胸張って言いたいところだったんですが、実は先月あたりから、リアホイールにジンワリとオイルが垂れるようになってきちゃったんですよね。

「やややややや!!」

って、思わずリアホイールを覗き込んでしまいましたよ。

オリーブオイルが、タップリのイタリアンは大好きですけど、バイクのリアタイヤがオイリーになるのはさすがに耐えられません。

20260426_135109605 (1)(ついに漏れちゃった♡せっかく8000㎞でドライブギアオイル交換したってのによぉ・・)

それにしても2年という保証期間を見事に回避し、3年目の車検を前にキッチリ漏らしてくるあたり、さすがとしかいいようがない。この「契約に抵触しないよう、確実にしたたってくる」というところに、モトグッチのホラー感というか、味わい深さを感じざるを得ませんね(笑)

V7にとって、ドライブギアからのオイル漏れは、もはや約束されたイベントであり、誰しもが必ず通る道とまで言われています。私自身「いつ漏れるのかにゃ~?」と思っていましたが、遂にその時がきたみたい。

なお、このドライブギアからのオイル漏れは、購入時にレッドバロンの店長からも指摘されており、その時の会話はこんな感じでした。

「ねぇ、モトグッチって、やっぱトラブっちゃうの?」

「ははは、なんせイタ車ですからね~(笑)」

「まぁそうですよね~」

「基本的なところは丈夫なんですが、典型的な持病はドライブギアからのお漏らしですかね。私が店長の間にグッチ20台くらい売ったんですけど、そのうち19台は漏れました♡」

「ちゃ・・ちゃんと直してもらえるんだよね?」

「そりゃもちろんですよ~♡モトグッチの定期整備項目みたいなもんですよ~♡」

こんな感じで実にあっけからんとした受け答えだったのですよね。ここまで頻発すると「もはや隠したり、取り繕ったりしてもしょうがない」ってことなんでしょう。気持ちいいくらいの開き直りではありました。

昨年点検でレッドバロンに寄ったときも

店員A「V7の調子どうですか~?気になるところないですかぁ~?」

店員B「オイル漏れてませんか~」

って聞かれたので、

「いや~ノートラブルです♡絶好調ですよ~♡」

って笑顔で答えたら、店員さん同士が怪訝そうに顔を見合わせ、何やら独特の雰囲気になったんです。

店員A「・・まだ漏れてないのか・・」

店員B「・・異常ですね・・」

「えっ?・・なにもないウチのヴィーセって・・異常なの・・?」

ってヘンな気分になりましたね。

でもこういうのもイタリア製ならでは。「ノントラブルが異常扱い」なんて、日本製だったら「ナメとんのかコラ?!」ってなりますけど、イタ車だと、「幸せの青い鳥と出会えたような気分」になる。これが俗にいうイタ車マジックというヤツです。

漏れてるのがドライブギアなので、即走行不能ということはないのですけど、オイルがなくなるとギアの焼きつきに繋がっちゃう恐れもありますから、内部のオイル量の確認だけはしておきました。で、見たところまったく減ってなかったから一安心。やっぱジワジワと滲む感じで漏れているみたい。オイル粘度も高いから、一気に抜けるなんてことはなく、当面は問題なさそうですが、漏れはじめてしまった以上、放置しても酷くなるだけ。漏れが酷いとリアタイヤにも垂れていくので、これは修理必須です。

この手の修理って海外製バイクにつきものですけど、海外製は総じて高額なものが多いですから、襲い来るトラブルを販売店側でしっかり対処できるかどうかは、メチャ重要になる。それによって購入したバイクが

人生における輝ける相棒

か

悪夢の巨大インゴット

になるかが決まる。ちょっとでも維持に不安があると、気持ちよくバイクに乗れないですからね。

その点、私がつきあいのあるレッドバロンは、店内の7割方が大型バイクで埋めつくされており、モトグッチの中古も相当数扱ってきているようです。オイル交換でモトグッチが持ち込まれても、オイルフィルターの在庫があるくらいには売っているみたい。(その割に私の近場でモトグッチをまったく見ないのはなぜ?)今回のオイル漏れの対処は、レッドバロンのお手並み拝見~♪みたいなところがありますけど、ここのメカ長は、佐々木小次郎のような剣豪の風格があるので大丈夫でしょう。各地のレッドバロンにもキャラがあって、この手のバイクが売れるところと売れないところがあると思いますが、そもそも修理に自信がなければ店舗内にモトグッチの1100スポルトとか並べられないですからね。

それにしても、同じトラブルが高い確率で起こるってのは、不具合というより、シールの材質によって必然的に生じているものではないか?と考えざるを得ませんな。ドライブギア周辺はかなり過酷な環境に置かれているはずですし、内部では高速でオイルをひたすらかき回しているわけですから、そんな高負荷のところに「よわよわの紙シール」などが採用されちゃったりしていると、経年で漏れてくるのはしょうがないのでは?って思う。ホンダのゴールドウィングになると漏れやすい部分はゴム製のOリングでキッチリシールしてそうですけど、V7はシンプルかつオールドな作りっぽいんですよね。昔のカワサキもエンジンシリンダーのガスケットが紙で、よく滲んだり、漏れたりしましたけど、それと同じイメージです。

メーカーが無償対応の品質保証をしているのは「2年間」なわけですから、理屈的には、その期間もてばいいわけじゃないですか。それ以降は、「ユーザーが有償でなんとかしてね♡あ、シール交換のついでにドライブギアのオイルも交換するから一石二鳥でしょ♡」って確信犯で垂らしてきてるのではないか?って思う自分がいる。

なんかね。イタ車ってデザインにしても、機械にしても、抜きの中に変な作為性がある感じがするんですよね。トラブルに遭遇しても「あえて手のかかるところを残し、シャフトの定期メンテを促すという文化なのではなかろうか?」なんてわけのわからん深読みをしてしまう。

バイクの維持については、昔から「メーカー責任」と「乗り手責任」という2つの考え方がありますけど、モトグッチは明らかに後者の性格の強いバイクだと思うんですよね。国産ばっか乗ってて短期で次々乗り換えていた頃は、壊れる壊れないは「メーカー責任でしょ?」って考えていましたけど、人は変われば変わるもの。歳をとるごとに徐々に「乗り手責任」の考え方に傾いてきて、現在では「メーカー責任が強い日本製はラッキー♡」くらいの感覚になってきています。

まぁこれはダイナを17年にわたり維持し続けてきたから・・ってのが大きいです。バイクに完璧と永遠はありませんし、メーカー保証がず-っとあるわけでもないから、特定のバイクに末永く乗り続けていきたければ「乗り手責任」に変わっていかざるを得ないんです。乗り手責任の方に意識とスタンスが傾いていったからこそ、海外製のバイクにも気兼ねなく手を出せてるというところがあると思う。

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(仕事終わりにちょっと流すと素敵な夕日に出会える季節になりました。でもその一方で虫アタックが酷い・・帰ってくると革ジャンがまるでハエ取り紙のように・・)

日本メーカーはグローバルに展開していて、世界中のどこでも一定程度の信頼性を確保できるバイクを作っていますけど、その常識をマンデッロで個性的なバイクを作る一地方企業に当てはめてもしょうがないと思うんです。しかも、日本は夏はクソ暑く、冬は雪が降り、ストップ&ゴーも多く、湿度も高いと世界でいちばんバイクに過酷な環境であると言われている。だから海外製のバイクほど保証制度が大事になるし、保証制度の充実があるから、日本で海外製バイクの販売数が上がってきているという実情もあると思う。

その点でいうとモトグッチの保証制度なんて日本国内400台の売上規模からして、誰がどう考えても脆弱でしょう。上げ膳据え膳を望むこと自体がどうかしている。私は購入も正規ディーラーではなくレッドバロンの業販ですから、ハナから「乗り手責任」のつもりで買うバイクだと考えてて、今回の漏れについても「ま、ちゃんと直ればいいかな」程度に割り切ってます。

なお、私はバイクに不具合が出る分には許せるのですが、

「直らない」

とか

「そもそも設計に問題がある」

とか

「修理難民におちいる」

ってことについては許せないタイプなんですよね。先般のハーレーのディーラーへの押し込み販売が許しがたいのは「買ったディーラーが消えたら、整備拠点がなくなっちまうだろ!」ってのが最大の理由。たまたま私の購入したディーラーは廃業しなかったけど、もし廃業してたらどうしてくれるの?新車で買ったバイクの整備拠点の維持はさすがに「メーカー責任」でしょ?海外製バイクなんてそこが崩れたらガレージの中で置物になる未来しかないわけだから。

あとトラブルの質も問題。モトグッチのドライブシャフトのお漏らしは、症状もわかりやすく、原因もシンプルだから対処法がほぼ確立されたものです。その一方、バイクの中には設計時点で生煮えの部分があり、それがトラブルに繋がる場合もありますよね。中国メーカーなんかはそこが恐い。

その手のトラブルは「部品交換しても症状が改善されない」ので、直しても直しても症状が続くってことになる。V7も2021年にモデルチェンジした直後は、エンジンチェックランプがつきまくるというトラブルがあったそうで、(O2センサーの設定が原因だったらしい)、そういうものはメーカー側で対策されるまでどうしようもない。私は性能をそこまで求めてないけど、「バイクに気持ちよく乗っていく」ことにコダワリがあるので、小骨のようなトラブルがあったり、乗り味に違和感があるってのが、とにかくダメ。チェックランプがついた瞬間、ディーラーに駆け込みたくなるし、乗り味の違和感は潰したくなる性分なんです。タイヤとかも2分山くらいでソワソワしてくるから、整備魔みたいになっていくのですね。

だから「完全新設計のニューモデル」って、すぐには手を出しにくいんですよ。だって、今の複雑なバイクのトラブルを短い開発期間内に全て洗い出すなんて不可能だと思うし、新設計の機械って製造が安定するまで、どうしても完成品に揺らぎが出ちゃう。

モデル発表から数年経つと、現場からのトラブル報告も積み上がっていき、メーカー側で対策も終了するから安心して乗れるし、生産ラインも作れば作るほど、適正化が図られるから、「設計者が思い描いた理想の性能に近づいてくる」って思ってます。だから、エンジンの流用とか、車体流用とかあんまり気にしてない。逆に「この機械なら、実績あるから大丈夫そう」って思うまである。アフリカツインを流用したHAWK11なんてまさにそんな感じですよね。

新設計の難しさの典型例を挙げるとすると、それは私が所有するゴールドウイングでしょう。私は2017年に完全新設計でフルモデルチェンジした初年度モデルを試乗したことがあるのですが、そのときはダブルウィッシュボーンとエンジンのいずれも「チューニングと製造面で甘さがある」って感じました。

エンジンはメカノイズが大きかったし、サスも狂ったように動くんだけど、逆にいえば超重量級バイク特有のシットリとした重厚感がなく、生煮え感が漂っていた。前モデルのSC68に対して、性能は上回ってるのかもしれないけど、「王者的な乗り味」の面で、明らかに見劣りしたんですよね。だから乗り換える気が起きず、「とにかくできるだけ後期モデルを買おう!」って決め込んでいたのですが、2020年にホンダがMTを廃番扱いにするものだから、駆け込みで最後の1台を拾うことになったのです。その時点でデリバリーから3年が経過していましたけど、納車されて乗って見たらエンジンは静かだったし、乗り味もシットリして見違えるようになっていた。

電制スロットルのチューニングについては、その時点でまだ6気筒のトルクの美しさを引き出せてないって感じでしたが、その後にきたMTモデルの電スロリコールで納得のデキになり、今では

「6気筒はこうでなくては~♡」

「最高なんだが~♡」

って心から思える状態になってます。でも、そこまで育つにはホンダをしてデリバリーから4年の歳月が必要だったという事実は重い。DCTも初期型の動きしか知らないのですが、そこから大きく改善されていると思うので、一度はレンタルしてGLの現在地を確認してみたいな~と常々思ってます。

これに対し、V7は遙か昔から基本構成を換えることなく幾星霜。エンジンが850ccとなったのが2021年で、私が購入したのが2023年ですから、ロートル軍人として「問題点はほぼ出尽くしている」状態といえます。そんな機械にデカいトラブルなんて出ようがないわけですよ。

試乗でランデブーするだけなら、インパクトや色気が大事ですけど、購入して所帯を持つなら、製品の安定性はとても大事な要素になる。細かいところはいいんです。長く乗ってりゃ多かれ少なかれ何かしらある。それより、大病を患わないでいてくれることの方がよっぽど重要です。そのため、特定のバイクと長い付き合いをしていきたい、私みたいなタイプは、大きなトラブルが出尽くした「枯れた機械」ってのは、なかなかに魅力的なんですよね。

その面でV7は「ドライフラワーのような枯れっぷり」を感じる。華やかさはないけど、機械として、もはやこれ以上枯れようもないところまできてる気がするんですよ。

そんなV7で起きるオイル漏れはもはや伝統であり、黄金のイニシエーションというべきでしょう。ということで、ついに私も「モトグッチ割礼の儀式」であるドライブギアのオイル漏れを味わい、グッチスタとして無事成人することができました(笑)

トラブルってバイク乗っていれば何かしらあるわけですけど、それの向き合い方を全てのバイクで同じにしてちゃ、逆に世界が狭くなると思うんですよね。過去にはYouTubeでアグスタをやたらめったら叩く人とかいたけど、ショウガラコ並みの特殊な動物をペットにしておいて、犬猫と同じ気安さを求めるのは違うと思う。

そういう存在はもの凄く豊かな体験をオーナーに与えてくれる反面、人に手懐けられた機械じゃなくて、極めて自由な野生の機械なんです。設計を見れば安定以外のものを重視しているのは一目瞭然。それを飼い慣らすにはオーナーにもそれなりの我慢と覚悟が必要になるけど、その覚悟を持たずに飼い出して、「手を噛まれました!!」って大騒ぎしても、「そりゃそうでしょ・・」って感想しか出てこない。

そういう意味では、V7ってイタリアンでオンリーワンな縦Vだけど、野生の機械じゃなくて、日常の機械なんです。乗ってても理解不能なことや、意外なことはまったく起きそうにないんですよね。だから、トラブルといっても、アナログでわかりみがあり「あ~、なんかイタリアっぽい」って思える。その点ではあんまり覚悟がいらないイタリアンで、DIYの整備もできそうだし、小さなトラブルも含めて「乗り手責任の海外製バイク入門機にはうってつけなのでは?」って私は感じていたりします。



(オマケ漫画「死霊のしたたり」)
シタタリ・ペン入れ2
(水が滴る良い女には抱きつきたい。でもデフオイルを滴らせた女は貞子か伽椰子並みの怪異。もう全力で逃げるしかないと思う。)