ゴールドウィング生誕50周年の今年、うちのきんつば嬢はいろいろと受難の年でした。なんせ私の不注意で8月に車と接触事故で入院しちゃいましたからね。バイクのダメージは大したことなかったんですけど、メンタルはかなり凹みました。

しかも地獄はそれだけで終わらなかった。修理完了記念に聖帝様を乗せて嬉しげに山にツーリングに行って、なななななななんと、立ちゴケ。いやぁぁあああああ!!ちなみに目的地はひなびた林道で終点にはこじんまりとしたアスファルト駐車場があり最高の珈琲スポットだったんですけど、道幅がクソ狭く、事故が多いということで、いつの間にか山頂付近が乗り入れ禁止になっちゃってたみたいなんです。で、急遽増設されたらしい通行止め地点はなななななんと凹凸だらけの土の駐車場!ふざけんなよぉぉおおおお。

バイク降りて押して入れるか、乗ったまま入れるかで迷ったんですけど、押すのシンドイし、「まぁいいや、行っちゃえ行っちゃえ」ってツッコんだのは完全な選択ミスでした。停止時にズリッとなって「道の駅明宝の惨劇」以来の立ちゴケ。うぎゃあぁぁぁああ、なんてことぉぉぉおお!

今回はひなびた林道の終点でしたから、人もギャラリーもゼロで恥を撒くこともなく、この路面ならしょうがないかぁでメンタルにダメージはなかったのですが、聖帝様の手前、いたたまれなかったことには変わりない。聖帝様にとっては下僕として使役しているタクシー運転手が脱輪したみたいなもんですから、「貴様なにしてくれとんねん。」って感じでしょう。はぁ~・・。

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(林道中腹での一枚。昔は道は悪いけど最高のスポットが山頂で眺められたんですけど、林道は予期せぬ通行止めがありますからままならない。)

ちなみにゴールドウィングは立ちゴケ程度だとエンジン横の樹脂カバーとマフラー横のゴムカバーが接地するだけなんで、ほとんど傷がつきません。傷がついて見栄えが悪くなるエンジン横の樹脂カバーは、エンジン周りのカバーを一度外してから、内部でとり替えて、再度エンジンカバーとりつけるだけ。この立ちゴケガードの樹脂カバーは、道の駅明宝の惨劇の時は850円ほどでしたが今は値上がりして1067円。つまり

「立ちゴケしても1000円ちょいしかダメージが入らない」

という往年の三沢光晴並みの受け身能力をもっている。私のバイクの中で最高価格であるにもかかわらず、立ちゴケダメージは最低額。マジでミラクルみくるじゃないですか。ただ、それも善し悪しで、他のバイクでは立ちゴケ警戒警報が鳴り響くシュチュエーションでも、修理費の安さが慢心につながり、惨劇を生む結果にもなっている。

ゴールドウイングは、走り出すと二ケツの重量をまったく感じさせないのですけど、身長168センチの私は足のつま先しかつかないから、一定以上傾くとまず支えられないんですよね。その傾く速度が2ケツだと異様に速いんですよ。傾斜速度が火の如し。武田軍かな?

普段なら「はいはいはい」ってフツーに支えられるところが「はっ?はぃぃぃいいいいいい~」(転覆)って感じで、もう全然間に合わない。バイク達のトータル距離数を合計すると、この10年で18万㎞ほど走ってるようなんですけど、その間立ちゴケしたのは2回。それが全て

聖帝様と2ケツしているときのきんつば嬢

なんですよぉ。うがぁぁぁああ。

長きにわたり、人を後ろに乗せることなく、脳内妄想女子とエアタンデムするだけのバイク人生を送ってきましたが、それがこの歳になってアダになるとは・・。ちなみに、そのうちの1つ、「道の駅明宝の惨劇」はなぜコケたか今でもわからない。しかし、今回はコケた理由が明らかで、私の判断ミスが全て。2ケツはちょっとの慢心が命取りになりますから、「2ケツ時は別のバイクに乗ってる感覚で行かないとダメ!絶対!!」と改めて心に刻んだ次第です。

きんつば嬢は年初からホンダコレクションホール探訪など、栄光と歓喜の上半期だったわけですけど、下半期は事故&立ちゴケと不幸のデンプシーロールで、まさに天国から地獄。「禍福は糾える縄の如し」という諺を地で行く、浮き沈みの激しい一年でした。

そのきんつば嬢も今年の10月をもって新車購入からはや5年。2回目の車検がやってまいりました。車検って買い換えタイミングでもあるんで、普通は車検を通すかどうか迷うんでしょうけど、私にはそんな悩みは今のところありません。

最近バイクがやたら増殖中ですが、これは「乗れるうちにできるだけ多くのバイク、多くのエンジンを比較し楽しみたい」という私の内なる欲望によるもので、既存のバイクに不満があるわけではありませんから、買うけど売らないで、所有バイクは増える一方。4台目の※のじゃ子購入あたりから、モラルが完全崩壊するに至ってます。

そもそも浮気ってのは、正妻を裏切ってる背徳感とか、社会的に許されないという罪悪感がキツいんですよ。でもね。この手の罪悪感は罪のスケールを上げていけばどんどん薄まり、やがて評価すら逆転するんです。

昔チャップリンが映画の中で「1人を殺せば殺人者だが、百万人殺せば英雄だ」ってセリフを語ってましたけど、それと同様「愛人1人なら浮気者だが、百万人なら種の起源」ってことですよ。もうね。「正妻どころか愛人すらも次々と裏切っていくスタイル」に背徳感もクソもありません。そんなヤツに説教しても馬の耳に念仏、焼け石に水。説得より賞金かけて抹殺した方が早いまであります。

・・ああ、私の悪い癖で、また話が大幅に逸れてしまいました。きんつば嬢の車検の話をしなければ・・。

私は整備をある程度自分でやっちゃうので、ホンダ車の場合、車検は素の費用で上がってきますが、今回のきんつば嬢の車検は一味違う。今年の下半期はムチばっかりだったんで、きんつば嬢のために特別メニューを依頼しました。それでは、その模様を再現した小芝居をどうぞ~。


(ホンダドリームのカウンターでメカさんと車検整備の打合せ中)

「えーっと、こちらが一般的な車検メニューになりますが、へっちまんさんはオイル交換は必要ないですね。」

「あー、ブレーキフルードとクラッチフルードの交換もいらないっす。今年の初めに自分で交換しましたんで。」

「なるほど~。ではフルード交換もなしと。ブレーキパッドもまだありそうですし、ほとんど法定点検費用と車検諸費用だけですねぇ。車検予約はいまから入れると2週間後くらい先になりそうなんで、それなりに時間ありますから、気になってるところとか、やって欲しいものとかあれば遠慮なく言って下さいね。」

(目キラーン☆)うんうん。最近エンジンがちょっとバラついてるんだよねぇ。エンジンからのカシャカシャ音も明らかに大きくなったし・・」

「あ~、ゴールドウイングの6発は距離乗るとそういうところありますよね~」

「あったまる前と低回転時に気になるから、これはタペットですよね~。」

「ん~。そうですね~。まぁこれくらいなら、距離考えると許容範囲かな~」

「いや~、私ってばバイクに超過保護なんで~。一度気になっちゃうと、気持ちよく乗れないんですよね~」

「はっはっは~。これくらいカシャカシャしてるゴールドウイングはウチのお客さんでも一杯ありますよ~。6気筒の風物詩。この音も風情と楽しみましょう」

「え~、でもな~。新車時の状態をできるだけ維持するってのが私の座右の銘なんですよ~。まだCB1000Fの発売前だし~、ピット見る限りバイク詰まってないみたいだし~、この時期ってわりかしヒマなんでしょ?」

「いやぁ。そんなことないですよ~。整備部門はいつも余裕がないですよ~(ニコッ

「んんっ?さっき気になってるところとか、やってほしいところ遠慮なくいって下さいって言ってましたよね(ニコッ)

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・あの・・ひょっとして・・」

「ん?」

「・・・エンジン開けろと・・」

(へっちまん。カウンターに肘をつき、指を組んで勝利の笑み。)

「うふふふふふ~。もう3万㎞超えたしぃ。あれだけカシャカシャやられると、「タペットの調整してください」ってバイクからねだられてるような気がして落ち着かないんですよねぇ」

(げぇえええええええ、こいつなに言いだしとんじゃあああああ)

「ええっと、タペット調整しても、そんな音が静かになるかは、わわわわわかりませんよっ」

「語尾震えてるじゃん」

「・・ま、まずホンダのゴールドウィングのバルブタイミング調整の見積設定金額を見てみましょう・・・うわっ!ゴールドウィングのタペット調整って44,330円もしちゃいます!24ヶ月点検も38,500円ですから、合計しますと車検費用がとってもお高く・・」

「ほぇ~ホンダって車種毎の整備費がメニューでちゃんと決まってるのぉ?さすが明朗会計じゃないですかぁ!しかも調整フルメニューでハーレーのエンジンマウントより安いじゃーん。じゃ、お願いしまーす♡」

(ひょああああああああああああ)

「いやいやいや、これにヘッドカバーガスケットの価格も乗りますし!!」

「はっはっは。そんなもん片側2000円くらいじゃろ?」

「1700円ですがっ!」(なぜか若干キレ気味)

「ちなみにゴールドウィングのエンジンのバルブ数はどれくらいだったかなっ」

「・・24バルブです・・」

「うわぁ面倒くさっ(笑)さすがフラッグシップだねっ!」

「・・わかってて言ってますよね」

「しかもユニカムって排気側はロッカーアームだけど吸気側は直押しという」

「そうです。かたやアジャストスクリュー。かたやシムのちゃんぽん調整です。」

「んんんん~。吸排気で調整方法が違うなんて~、キカイダーみたいで素敵~!!」

キカイダー02
(左右非対称と言えばキカイダー。エンジン始動時にキカイダーの主題歌が脳内再生されるのは私だけではないはず。)

「あなた、良心回路は・・」


「そんなもんはないねっ」

「うぐぐぐ・・車検上がりに多少なりとも、いや結構、お時間頂くことになるやもしれませんが・・へっちまんさんは、そんなの関係ないですよね(諦めた顔)

「うん。乗らなきゃいけないバイクは一杯あるからね。ゆっくりやってもらっていいんだよ~。あがったら連絡頂戴♡」(晴れやかな笑顔)

「・・・・・・・・・・」

「あ、ついでにプラグ交換もお願いね♡」

「・・・・・・6本で2970円になります・・(力なく)

ということで、私はきんつば嬢の整備をメカさんに押しつけ、意気揚々とホンダドリームを後にしたわけです。なお、やりとりはブログネタとして面白くなるよう、思いっきり脚色しコント風にしてますから、みなさん「おおおお凄い・・整備依頼の現場ではこんなバチバチしたやりとりが・・」なんて真に受けないでくださいね。もっともっとソフトで穏やかで大人なつばぜり合いでしたよ(笑)

今回タペット調整を依頼したのは、3万㎞を超えたあたりからエンジンのカシャカシャ音が気になるようになり、気筒間の同調がとれてないような感触があったからです。6気筒はスムースさが売りなだけに、バラついてくると高級感が一気に落ちる。

このバラつきは前から気にはなっていたんですけど、ここ最近低走行の4気筒CB2台と乗り比べてるから、余計気になるようになっちゃった。6気筒って私の中では、4気筒に対して回りっぷりの緻密さやスムースな高級感、トルクが湧き出す感触で上まわるエンジンなんですが、バラついちゃってる6気筒って、そのアドバンテージが大きく削がれちゃうんですよ。で、一旦バラつきはじめると、距離乗るごとにそれが加速していく。北陸にホンダドリームがなかった2018年に、長野県まで出張って試乗した初期型の試乗車も、やたらエンジンがカシャカシャとバラついてて、「うーんなにコレ?」って感想で購入を一度スルーしたことがあるんですけど、新車から5年を経過して、きんつば嬢もそんな状態に近づいてきていたんですね。

でも、私は新車で購入してますから、おろしたてホヤホヤの完調時の6発のフィーリングを知っている。味オチが許せない私の性分では、この状態でなにもしないワケにはいきません。今年いろんな厄災を振り掛けてしまった贖罪や、かなりの修理費がかかると覚悟していたダイナが無償ですんだこともあり、車検で預けるのなら「この際、きんつば嬢を完調に戻してやろうではないか!」って心に誓っていたんですよね。

で、結果どうなったか?

「んぁああああああ!!メチャメチャ良くなったよぉおおおおおお!メカさんありがとー!」

きんつば嬢が戻ってきてから、まだ300kmくらいしか乗ってないんですけど、もう見違えちゃいましたね~。カシャカシャ音は完全に消えたわけではないけど、車検前はオーディオかけても耳に入ってきていたバルブの打音が、今はオーディオかけたらまったく聞こえないから、明らかに小さくなっている。なにより気筒間の爆発が綺麗に揃い、低回転域がマジで滑らかになってドライバビリティーが上がったのが嬉しい。ゴールドウイングって低速トルクの鬼で、しかもウルトラスムースネスだから、常用する低回転域が綺麗に回りだすと印象が爆上がりするんですよね。低速でのエンジンマナーが適正化されたことにより、車体の安定性が増し、クラッチの繋がりまで良くなった気がする。ほんの僅かずつですが、いろんなところに調整効果が波及して、フィーリングが連鎖的にかさ上げされたんです。

タペット調整数値(整備説明時のクリアランス測定値のメモを写メさせてもらいました。このメモは整備記録を保管するため、後日エクセル化すると言っておられました。)

ゴールドウィングのエンジンは耐用年数がクソ長く、想定走行距離「30万㎞以上」「本調子が出るのは3万㎞から」なんていう話もあります。もしそうであるならば、きんつば嬢もこれからいよいよ安定期。機械ものって安定してきたあたりで、ズレたものを適正値に戻してあげるってのは割と重要だと思うから、これくらいの距離数でタペット調整するってのは「ゴールドウイングのメンテの王道かもしれんな・・・」などと感じた次第です。ホント、それくらい印象が変わりましたよ。あくまで個人的な感覚ですが。

メカさんによると、バルブクリアランスは大体規定値内で大狂いしているものはなかったらしいですが、それでも体感的にあれだけバラつくんですから、許容範囲内かどうかが重要なのではなく、「各気筒のバルブクリアランスが統一されているかどうか?」が大事なんだと改めて感じた次第です。

ということで、きんつば嬢は2回目の車検を無事終了。6年目に突入することになりました。何と言っても、きんつば嬢はウチのガレージの冬の王者だし、ゴールドウイング系との付き合いは、F6Bから数えて通算13年目ですよ。もはや「ゴールドウィングのバガータイプは私の代名詞ですが、なにか?」って感じなんですよね。こうなっちゃうとダイナと同様、腐れ縁です。きんつば嬢には、有能メイドとして、今後も末永く私の老後のお世話をお願いしたいと思ってます。当面の目標は、ソロライドと同じくらい2ケツ乗車を安定させることですね。


(オマケ漫画「アンデッド波平」)
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(前回で、ハゲ散らかした正体を晒してしまったので、漫画の方も今まで通りってわけにはいきません。キャラクターとしてのへっちまんもブログ10年目を前にフルモデルチェンジすることにいたしました。酷い言われようですが、漫画では付き合いが長いモデルほど、私に対する毒舌度が増す傾向にあります。)