全国のロケットカウル戦闘団の皆様、こんにちは。来月いよいよウチの※のじゃ子(HAWK11)が最初の車検を迎えます。
(最近は風も冷たく強くなり、海も荒れてる日が多くなってきました。そろそろ冬装備を引っ張り出す時期ですね。)
車検というのは乗り手に定期的に「そのまま乗り続けるか?他のバイクに乗り換えるか?」の判断を促し、バイクの出会いと別れのきっかけになるイベントでもあります。昔の私は、車検を通したことがないという超浮気性のバイク乗りでした。事故廃車も多数あり、バイクにDVを繰り返したあげく乗り捨てるという、まさに
になるとは・・・この海のリハクをもってしても・・
ということで、ウチの大所帯ガレージでは今年10月から11月にかけてダイナ→きんつば→※のじゃ子と車検が続くという「ジェットストリーム車検アタック」状態になっております。
「はぁぁぁ?バイク6台?しかも全部大型?そんなの無駄無駄無駄無駄ァ!!」
ってほとんどの人は思うはず。そうなんです。まさに無駄の極地。でも、趣味ってハマっちゃうと行くとこまで行かないと止まれないんですよねぇ。
私の趣味全般にいえることですが、ある時期から、選ぶものが一般的に評価や支持を受けているものから、自分の性癖に特化したものに変わっていきます。私が大排気量バイクを選んでるのって、単に巨乳安産型が好きってだけですから。そう、
「巨乳好きは、巨乳を選ぶ。」
そこに理由などない。それが性癖です。
旧車のリッターバイクなんてのは、私に言わせると「巨乳安産型のBBA」ですね。歴史的価値のあるようなバイクはともかく、マニアックなバイクの旧車なんて、性癖は相当なものですよ。ラピュタで例えると据え膳のシータを目の前にして、あえて肉食ババアのドーラにいくみたいなもんです。今をときめく正当派ヒロインでは、もう欲望が満たせなくなった脳の病い。
ハタから見ると、趣味で嬉々として旧車を維持してる人って、もはやケアハウスで働く介護職員とかわらない。耐用年数を過ぎたバイクのシモの世話をせっせとやりつつ、延命のためのハイコストな手術を繰り返し、たまにランデブーして、「おお・・これぞ・・我が青春・・素晴らしい・・」と喜ぶ。端から見れば、もはや「悪霊に憑かれている」に等しい状態ですが、そういう極限のサディスティック奉仕からしか摂取できない栄養もある。そう、趣味人が最後に到達するのは、自虐行為とマゾヒシズム。SMクラブが廃れない理由もおそらくここら辺にあるのでしょう。
私はバイクにおいては、まだ「旧車介護ワールド」という魔界に足を踏み入れてはおらず、自分の性癖を見定めようとしている段階ですが、「これは自分の成長にとって必要な出費」という感覚があるので、浪費が悪いという意識がこれっぽっちもないのが恐ろしい。
そんな私にとって、車検はさしたるイベントでもないのですが、少なくともこれまでを振り返る良い機会でもありますので、今回はホンダ謹製大人のスポーツバイク「HAWK11(※のじゃ子)」との3年間を総括しつつ、現在の思いを書いていきたいと思います。
(スズキ乗り=病気、この印象はいつ頃からバイク業界に定着したのでしょうか?私がバイクに乗りだした頃から、「エンジンのホンダ、ハンドリングのヤマハ、漢カワサキ、変態のスズキ」って言われてましたから、当時既にそういう印象が定着していたのかもしれない。)
まず第一に強調したいのは、現時点で「デザインから受ける印象がまったく劣化していない。」ということですねぇ。最近、ドカとHAWK11の青を所有していた方が、ドカティを売却して乗り換えをいろいろと検討した結果、なぜか「HAWK11のシルバーを増車する」という、まさに投身自殺、五体投地ともいえる暴挙に打って出ていました。同じバイク色違いで2台買うってヤバいっす。ここまでいくと薬の処方か、カウンセリングが必要な気も致しますが、そういう選択をさせるのが、このHAWK11の中毒性といえる。
HAWK11ってスペシャルなロケットカウルを前面に出したデザインが魅力ですけど、その魅力はホンダが意図したとおり、一部の変人にしか刺さりません。その代わり、刺さる人にとっては、かなりヤバい中毒物質なんですよ。その理由は「他のどんな刺激的カウルをもってきても上書きされない特殊性」に尽きます。
ザクレロが好きな人間は何年経ってもザクレロが好きは変わらない。だってザクレロってガンダムに登場した機体の中では圧倒的な特別感があるからです。あれほどのデザイン的狂気を秘めた造形はリアルロボットアニメの中で完全に浮いている。なんせ必然性が1㎜もありません。そんなザクレロに迫る造形は25年後のGガンダムまで出てきませんでした。
(こちら、ガンダム造形の狂気。マーメイドガンダム。登場時は「なんじゃぁあああ!これわぁあああ!!」って言われていたけど、きっとデザイナーは「着ぐるみ大好き♡」だったんでしょう。時を経て今やGガンダムを象徴する人気MS。だって見れば見るほど味が深い。模型まで出てますからね。)
そう、ザクレロ好きにはザクレロ以外に選択肢はないんですよ。
バイク乗りにとって市販ロケットカウルは、そのような存在であり、長く封印されていた販売上の禁忌を解き放ち、令和の世に復活させたのがHAWK11であるといえます。実際、ネオレトロブームでリバイバルされたロケットカウル装着バイクは多々ありましたが、HAWK11はそれらとまったく違います。なぜなら、他のバイクは古き良き「カフェレーサー愛」「カフェレーサーオマージュ」の一部として、ロケットカウルを採用していましたけど、HAWK11にあるのは、
「極めてピュアで狂信的なロケットカウル・フェチズム」
です。ロケットカウルのバイクは数あれど、歴史や伝統、ストーリーを全部ほっぽって、ロケットカウル一本勝負にいったのは、私の中ではHAWK11だけでしたね。まさに自由、バイク界のGガンダム。これは
ロケットカウルの
ロケットカウルによる
ロケットカウルのためのバイク
その突き抜けたフェチズムが商業的なコンサバティブ路線と、パーソナルベタ踏み路線を分ける分水嶺だったと私は思うんですよね。
このフェチズムの爆発という販売上の禁忌を開放した衝撃は大きく、発表当初から「普通じゃない、変!!」と随分叩かれました。まさに
登場した瞬間に出オチ
フェチ度が薄いメディアから、よくわからんバイクと叩かれ、「購入しても価格に見合うような第三者による賞賛は期待できない」バイクとして市場に認知されたわけです。これはマウント戦闘力を試される高額商品としてはトンデモない逆風ですよ。
でも、この手のマニアックな変人向けバイクって、一般層に理解された瞬間に、その孤高のポジションを失っちゃいますからオーナーとしては売れなきゃ売れないほどいいんです。ゲームで言うとデスクリムゾン路線ですよ。一般に受けないからこそ「コンサバ路線では決して上書きできない」わけだし、他人の価値に依存しないからこそ、自分自身が価値を与えることができる。そんな独特な匂いを嗅ぎ取った変人だけがこれに手を出したわけですし、販売上もそこを狙ったんでしょうから、一般層にとやかく言われる筋あいはそもそもない。
このバイクのロケットカウルは私に「質の高い面と線で構築された造形物は飽きない」と改めて感じさせてくれてます。一般にデザインってのは見てるうちにある程度見慣れてくるところがありますけど、構成要素の質の高さって飽きる飽きないと別次元のところにあるんですよね。
このロケットカウルは、デザインはシンプルですが面がビシッと張ってて、ラインがとにかく繊細でシャープなんですよ。そこに、媚びや甘さは一切なく、クリーンだから飽きがこない。カウル造形の質を上げようとすると通常の製造方法では不可能だから、製法はFRPになってしまった。これは当然コストと量産性にモロに跳ね返ってます。でも、80年代や90年代の人件費がお安かった頃ならともかく、このコスト=人件費の御時世に、そういうものを手に入れようとしたら、ワンオフで作るか、とんでもない価格帯のスペシャル・モデルを買うしかないのが世の習い。今どき超高額希少モデルでもFRPのカウルなんてなかなか採用しませんからね。
しかし、それを「普及価格帯でつけちゃいました~♡」って恐るべき倒れ込みをしたのが、このバイクの最大の売りだと思うんですよ。コケてカウルに傷がついたらとんでもない出費になるけど、そのレベルの逸品がこの価格帯のバイクについていること自体が異常なんです。
あと、発売当初は多くの人がリア周りの淡泊さをネガな部分として指摘していましたが、所有者としては、見れば見るほど「この地味で目立たないリアは全然アリ」ですねぇ。実際バイクを眺めたときに滑らかなロケットカウルからタンクへの流れに目が行き、そこからリアに向けてボリュームが大幅に減っていきますから、バイクがまるでティアドロップ型の塊のように見える。リアの主張を消すことにより、フロントのロケットカウルとタンク周りに目線を集め、その造形を邪魔しないようにという意図が明確なんですね。そう、デザインの意図さえハッキリすれば人は納得できるのですよ。
時代を振り返ると、こういう異端で特殊なものこそ飽きられることなく残っていく。実際、GB400TT/MK2のデザイン的魅力の大半ってやっぱあの独特なロケットカウルだし、R100RSだって、あのゴリアテの楯みたいなでっかいカウルがたまんないわけでしょう?GS1200SSだって、あのカウルのファニーで微妙なデザイン的ズレの中に秘められたナニかが心を打つんですよ。最初に見たときは「うわぁナニコレ?変!!」って思うかもしれないけど、怨念を宿した猫が時を経て妖怪に変化するように、徐々にその存在を色濃くしていくものもあるんです。
ということで、HAWK11は3年が経ち、見慣れて空気にはなるどころか、さらに完熟して香ばしい匂いを立ち上らせてます。見る度にマ・クベみたいに「こ・・これは、良いものだぁ・・」と呟いてしまう、壺が、ツボです、壺だけに、状態。まぁロケットカウルがツボじゃない人には、この感覚はまったくわかんないと思いますし、あえてオススメもしないですけどね(笑)
もう一つは、やはり乗った時に、「乗り味がいい」「走りの仕立てが良い」「スポーツ性の落とし所が良い」の三拍子が揃っているところですかね。歳食うと我が儘になってガマンってのがイヤになりますから、乗り味が自分にフィットしないと、どんなにデザイン良くても長く持ち続けることは難しい。逆に乗り味のいいバイクってどんどん好きになるから不思議ですよ。
その点でHAWK11はストリートトリプルRSよりポジションはキツイんですけど、不思議とガマンすることがありませんでした。「ブッ飛んだ過激さこそが大型スポーツ」って考える人には、もの足りないかもしれないけど、スポーツモードで全開までガバ開けすれば、HAWK11でも日本の公道では扱いきれないほどの加速しますし、アクセルに対するエンジンの反応が素晴らしく締まっていて、レスポンスとパワーデリバリーに体感的なズレがない。アクセルフィールの詰めが甘いとスポーツバイクは興ざめしちゃいますけど、HAWK11のスポーツモードはそこを見事に詰めてある。またエンジンに必死さがなく、質感重視の回り方をするのと、中速域で出てくる独特の粘性の高いトルク、不等間爆発のグリップ力も公道スポーツとして実に扱い易く満足度高い。
実際、「そこそこキツいポジションなのに、かなりの距離を乗ったなぁ・・」って改めて思います。1回の走行で300kmとかのロングは走らないんですが、「定期的に、確実に乗る」という状況が続き、3年でオドメーターは1万6千㎞。※のじゃ子の前にスポーツ枠の座にあったストリートトリプルRSが「3年で1万㎞ちょっと」だったことを考えれば、かなりの距離を稼いだといえます。
これはやっぱベースが天下のアフリカツインだからですよね。当初は流用でスポーツバイクって(笑)って叩かれましたが、アフリカツインって、押しも押されぬホンダのフラッグシップ・アドベンチャーですから。コイツの走りの質感はホンダの中でもトップクラス。そのシャーシとエンジンをまるっと使っているわけですから、乗り味は良いに決まってますよ。102馬力のエンジンパワーも、高回転を欲張らず、ユニカムで中速域の充実感をてんこ盛りにしてるからで、180km/hあたりに速度上限のラインを引くのであれば、このエンジンはまったく文句のつけようがありません。
小排気量のアドベンチャーの流用なら、こうはいかなかったかもしれないけど、リッタークラスってどいつもこいつも懐の深いバケモンですからねぇ・・。中型クラスと違って、カテゴリーに関係なく、ほとんどのバイクがパワー的に公道上限に張り付いているんですよね。
つまり公道の範囲内でスポーツさせようとすれば、あとは「どんだけ気持ちよくアクセル開けさせるか?」だけってところがあるんです。だから、ベースに質の高いモデル持ってきて、アクセルレスポンスとポジションと運動性能を仕立ててやれば、それだけで十分スポーツとして成立しちゃう。実際、HAWK11も公道用のスポーツバイクとしてまったく不満はなく、体感でも私の所有する6台の中で一番速い。改めて「リッタークラスの基本能力ってすげぇなぁ・・」って感じてます。
最後にセパハンのポジションにも言及しておくと、ハンドルがソコソコ低いですから、キツいっちゃキツいですよ。でも、この3年間イヤになることは全くなかった。殿様乗りとか馬乗りのバイクばっかに乗ってると、たまに乗るセパハンが、なんかやたらめったら魅力的なんですよね。そう、セパハンポジションでしか摂取できない栄養ってやっぱあるんですよ。だから定期的にフラフラと乗っちゃうし、乗ると「もうちょっと、あ、もうちょっと」ってかっぱえびせんみたいに距離が伸びるってことになってます。
ということで、デザイン面と乗り味面から、この3年間の印象を総括してまいりましたが、まとめるとHAWK11は「リッタースポーツにありがちな過激さではなく、質感と妥当性を求めたスポーツバイクである」ということになります。デザインも個性とか造形の質、フェチズムを重視してるし、走りだって公道適正を念頭におきながら、その範囲内でスペックに出ない良質さをご提供しようってコンセプトだと感じる。そもそもトップカテゴリーのビックネームって、過去の実績や製品ヒエラルキーに縛られすぎてますから、排気量が大きくなればなるほど、どんどん過激になっていっちゃう。速さと馬力のインフレーション。それはスポーツバイク全体が患っている病気であり、ジレンマでもあります。そんな固定されたイメージ枠やヒエラルキーから離れ、乗り手の使用環境重視にスポーツバイクを再構築したければ、企画上は突然変異の数量限定で作るしかないのかなぁって、そんな風にも感じた次第。
ということで、デザイン良し、走り良し、替わるバイクもなしってことで。私と※のじゃ子のお付き合いはつつがなく続いていくこととなります。全国のロケットカウル戦闘団の皆様、今後とも、この世にロケットカウルの火を絶やさぬよう頑張って参りましょう!!
ジーク・オジン!!!
最後は※のじゃ子さん3周年記念イラストで、ティロ・フィナーレです。
(最近は風も冷たく強くなり、海も荒れてる日が多くなってきました。そろそろ冬装備を引っ張り出す時期ですね。)
車検というのは乗り手に定期的に「そのまま乗り続けるか?他のバイクに乗り換えるか?」の判断を促し、バイクの出会いと別れのきっかけになるイベントでもあります。昔の私は、車検を通したことがないという超浮気性のバイク乗りでした。事故廃車も多数あり、バイクにDVを繰り返したあげく乗り捨てるという、まさに
「ヤリ捨て型のゲス男」
でした。それが年を経て、
「ハーレム型のゲス男」
になるとは・・・この海のリハクをもってしても・・
ということで、ウチの大所帯ガレージでは今年10月から11月にかけてダイナ→きんつば→※のじゃ子と車検が続くという「ジェットストリーム車検アタック」状態になっております。
「はぁぁぁ?バイク6台?しかも全部大型?そんなの無駄無駄無駄無駄ァ!!」
ってほとんどの人は思うはず。そうなんです。まさに無駄の極地。でも、趣味ってハマっちゃうと行くとこまで行かないと止まれないんですよねぇ。
私の趣味全般にいえることですが、ある時期から、選ぶものが一般的に評価や支持を受けているものから、自分の性癖に特化したものに変わっていきます。私が大排気量バイクを選んでるのって、単に巨乳安産型が好きってだけですから。そう、
「巨乳好きは、巨乳を選ぶ。」
そこに理由などない。それが性癖です。
旧車のリッターバイクなんてのは、私に言わせると「巨乳安産型のBBA」ですね。歴史的価値のあるようなバイクはともかく、マニアックなバイクの旧車なんて、性癖は相当なものですよ。ラピュタで例えると据え膳のシータを目の前にして、あえて肉食ババアのドーラにいくみたいなもんです。今をときめく正当派ヒロインでは、もう欲望が満たせなくなった脳の病い。
ハタから見ると、趣味で嬉々として旧車を維持してる人って、もはやケアハウスで働く介護職員とかわらない。耐用年数を過ぎたバイクのシモの世話をせっせとやりつつ、延命のためのハイコストな手術を繰り返し、たまにランデブーして、「おお・・これぞ・・我が青春・・素晴らしい・・」と喜ぶ。端から見れば、もはや「悪霊に憑かれている」に等しい状態ですが、そういう極限のサディスティック奉仕からしか摂取できない栄養もある。そう、趣味人が最後に到達するのは、自虐行為とマゾヒシズム。SMクラブが廃れない理由もおそらくここら辺にあるのでしょう。
私はバイクにおいては、まだ「旧車介護ワールド」という魔界に足を踏み入れてはおらず、自分の性癖を見定めようとしている段階ですが、「これは自分の成長にとって必要な出費」という感覚があるので、浪費が悪いという意識がこれっぽっちもないのが恐ろしい。
そんな私にとって、車検はさしたるイベントでもないのですが、少なくともこれまでを振り返る良い機会でもありますので、今回はホンダ謹製大人のスポーツバイク「HAWK11(※のじゃ子)」との3年間を総括しつつ、現在の思いを書いていきたいと思います。
(スズキ乗り=病気、この印象はいつ頃からバイク業界に定着したのでしょうか?私がバイクに乗りだした頃から、「エンジンのホンダ、ハンドリングのヤマハ、漢カワサキ、変態のスズキ」って言われてましたから、当時既にそういう印象が定着していたのかもしれない。)
まず第一に強調したいのは、現時点で「デザインから受ける印象がまったく劣化していない。」ということですねぇ。最近、ドカとHAWK11の青を所有していた方が、ドカティを売却して乗り換えをいろいろと検討した結果、なぜか「HAWK11のシルバーを増車する」という、まさに投身自殺、五体投地ともいえる暴挙に打って出ていました。同じバイク色違いで2台買うってヤバいっす。ここまでいくと薬の処方か、カウンセリングが必要な気も致しますが、そういう選択をさせるのが、このHAWK11の中毒性といえる。
HAWK11ってスペシャルなロケットカウルを前面に出したデザインが魅力ですけど、その魅力はホンダが意図したとおり、一部の変人にしか刺さりません。その代わり、刺さる人にとっては、かなりヤバい中毒物質なんですよ。その理由は「他のどんな刺激的カウルをもってきても上書きされない特殊性」に尽きます。
ザクレロが好きな人間は何年経ってもザクレロが好きは変わらない。だってザクレロってガンダムに登場した機体の中では圧倒的な特別感があるからです。あれほどのデザイン的狂気を秘めた造形はリアルロボットアニメの中で完全に浮いている。なんせ必然性が1㎜もありません。そんなザクレロに迫る造形は25年後のGガンダムまで出てきませんでした。

そう、ザクレロ好きにはザクレロ以外に選択肢はないんですよ。
バイク乗りにとって市販ロケットカウルは、そのような存在であり、長く封印されていた販売上の禁忌を解き放ち、令和の世に復活させたのがHAWK11であるといえます。実際、ネオレトロブームでリバイバルされたロケットカウル装着バイクは多々ありましたが、HAWK11はそれらとまったく違います。なぜなら、他のバイクは古き良き「カフェレーサー愛」「カフェレーサーオマージュ」の一部として、ロケットカウルを採用していましたけど、HAWK11にあるのは、
「極めてピュアで狂信的なロケットカウル・フェチズム」
です。ロケットカウルのバイクは数あれど、歴史や伝統、ストーリーを全部ほっぽって、ロケットカウル一本勝負にいったのは、私の中ではHAWK11だけでしたね。まさに自由、バイク界のGガンダム。これは
ロケットカウルの
ロケットカウルによる
ロケットカウルのためのバイク
その突き抜けたフェチズムが商業的なコンサバティブ路線と、パーソナルベタ踏み路線を分ける分水嶺だったと私は思うんですよね。
このフェチズムの爆発という販売上の禁忌を開放した衝撃は大きく、発表当初から「普通じゃない、変!!」と随分叩かれました。まさに
登場した瞬間に出オチ
フェチ度が薄いメディアから、よくわからんバイクと叩かれ、「購入しても価格に見合うような第三者による賞賛は期待できない」バイクとして市場に認知されたわけです。これはマウント戦闘力を試される高額商品としてはトンデモない逆風ですよ。
でも、この手のマニアックな変人向けバイクって、一般層に理解された瞬間に、その孤高のポジションを失っちゃいますからオーナーとしては売れなきゃ売れないほどいいんです。ゲームで言うとデスクリムゾン路線ですよ。一般に受けないからこそ「コンサバ路線では決して上書きできない」わけだし、他人の価値に依存しないからこそ、自分自身が価値を与えることができる。そんな独特な匂いを嗅ぎ取った変人だけがこれに手を出したわけですし、販売上もそこを狙ったんでしょうから、一般層にとやかく言われる筋あいはそもそもない。
このバイクのロケットカウルは私に「質の高い面と線で構築された造形物は飽きない」と改めて感じさせてくれてます。一般にデザインってのは見てるうちにある程度見慣れてくるところがありますけど、構成要素の質の高さって飽きる飽きないと別次元のところにあるんですよね。
このロケットカウルは、デザインはシンプルですが面がビシッと張ってて、ラインがとにかく繊細でシャープなんですよ。そこに、媚びや甘さは一切なく、クリーンだから飽きがこない。カウル造形の質を上げようとすると通常の製造方法では不可能だから、製法はFRPになってしまった。これは当然コストと量産性にモロに跳ね返ってます。でも、80年代や90年代の人件費がお安かった頃ならともかく、このコスト=人件費の御時世に、そういうものを手に入れようとしたら、ワンオフで作るか、とんでもない価格帯のスペシャル・モデルを買うしかないのが世の習い。今どき超高額希少モデルでもFRPのカウルなんてなかなか採用しませんからね。
しかし、それを「普及価格帯でつけちゃいました~♡」って恐るべき倒れ込みをしたのが、このバイクの最大の売りだと思うんですよ。コケてカウルに傷がついたらとんでもない出費になるけど、そのレベルの逸品がこの価格帯のバイクについていること自体が異常なんです。
あと、発売当初は多くの人がリア周りの淡泊さをネガな部分として指摘していましたが、所有者としては、見れば見るほど「この地味で目立たないリアは全然アリ」ですねぇ。実際バイクを眺めたときに滑らかなロケットカウルからタンクへの流れに目が行き、そこからリアに向けてボリュームが大幅に減っていきますから、バイクがまるでティアドロップ型の塊のように見える。リアの主張を消すことにより、フロントのロケットカウルとタンク周りに目線を集め、その造形を邪魔しないようにという意図が明確なんですね。そう、デザインの意図さえハッキリすれば人は納得できるのですよ。
時代を振り返ると、こういう異端で特殊なものこそ飽きられることなく残っていく。実際、GB400TT/MK2のデザイン的魅力の大半ってやっぱあの独特なロケットカウルだし、R100RSだって、あのゴリアテの楯みたいなでっかいカウルがたまんないわけでしょう?GS1200SSだって、あのカウルのファニーで微妙なデザイン的ズレの中に秘められたナニかが心を打つんですよ。最初に見たときは「うわぁナニコレ?変!!」って思うかもしれないけど、怨念を宿した猫が時を経て妖怪に変化するように、徐々にその存在を色濃くしていくものもあるんです。
ということで、HAWK11は3年が経ち、見慣れて空気にはなるどころか、さらに完熟して香ばしい匂いを立ち上らせてます。見る度にマ・クベみたいに「こ・・これは、良いものだぁ・・」と呟いてしまう、壺が、ツボです、壺だけに、状態。まぁロケットカウルがツボじゃない人には、この感覚はまったくわかんないと思いますし、あえてオススメもしないですけどね(笑)
もう一つは、やはり乗った時に、「乗り味がいい」「走りの仕立てが良い」「スポーツ性の落とし所が良い」の三拍子が揃っているところですかね。歳食うと我が儘になってガマンってのがイヤになりますから、乗り味が自分にフィットしないと、どんなにデザイン良くても長く持ち続けることは難しい。逆に乗り味のいいバイクってどんどん好きになるから不思議ですよ。
その点でHAWK11はストリートトリプルRSよりポジションはキツイんですけど、不思議とガマンすることがありませんでした。「ブッ飛んだ過激さこそが大型スポーツ」って考える人には、もの足りないかもしれないけど、スポーツモードで全開までガバ開けすれば、HAWK11でも日本の公道では扱いきれないほどの加速しますし、アクセルに対するエンジンの反応が素晴らしく締まっていて、レスポンスとパワーデリバリーに体感的なズレがない。アクセルフィールの詰めが甘いとスポーツバイクは興ざめしちゃいますけど、HAWK11のスポーツモードはそこを見事に詰めてある。またエンジンに必死さがなく、質感重視の回り方をするのと、中速域で出てくる独特の粘性の高いトルク、不等間爆発のグリップ力も公道スポーツとして実に扱い易く満足度高い。
実際、「そこそこキツいポジションなのに、かなりの距離を乗ったなぁ・・」って改めて思います。1回の走行で300kmとかのロングは走らないんですが、「定期的に、確実に乗る」という状況が続き、3年でオドメーターは1万6千㎞。※のじゃ子の前にスポーツ枠の座にあったストリートトリプルRSが「3年で1万㎞ちょっと」だったことを考えれば、かなりの距離を稼いだといえます。
これはやっぱベースが天下のアフリカツインだからですよね。当初は流用でスポーツバイクって(笑)って叩かれましたが、アフリカツインって、押しも押されぬホンダのフラッグシップ・アドベンチャーですから。コイツの走りの質感はホンダの中でもトップクラス。そのシャーシとエンジンをまるっと使っているわけですから、乗り味は良いに決まってますよ。102馬力のエンジンパワーも、高回転を欲張らず、ユニカムで中速域の充実感をてんこ盛りにしてるからで、180km/hあたりに速度上限のラインを引くのであれば、このエンジンはまったく文句のつけようがありません。
小排気量のアドベンチャーの流用なら、こうはいかなかったかもしれないけど、リッタークラスってどいつもこいつも懐の深いバケモンですからねぇ・・。中型クラスと違って、カテゴリーに関係なく、ほとんどのバイクがパワー的に公道上限に張り付いているんですよね。
つまり公道の範囲内でスポーツさせようとすれば、あとは「どんだけ気持ちよくアクセル開けさせるか?」だけってところがあるんです。だから、ベースに質の高いモデル持ってきて、アクセルレスポンスとポジションと運動性能を仕立ててやれば、それだけで十分スポーツとして成立しちゃう。実際、HAWK11も公道用のスポーツバイクとしてまったく不満はなく、体感でも私の所有する6台の中で一番速い。改めて「リッタークラスの基本能力ってすげぇなぁ・・」って感じてます。
最後にセパハンのポジションにも言及しておくと、ハンドルがソコソコ低いですから、キツいっちゃキツいですよ。でも、この3年間イヤになることは全くなかった。殿様乗りとか馬乗りのバイクばっかに乗ってると、たまに乗るセパハンが、なんかやたらめったら魅力的なんですよね。そう、セパハンポジションでしか摂取できない栄養ってやっぱあるんですよ。だから定期的にフラフラと乗っちゃうし、乗ると「もうちょっと、あ、もうちょっと」ってかっぱえびせんみたいに距離が伸びるってことになってます。
ということで、デザイン面と乗り味面から、この3年間の印象を総括してまいりましたが、まとめるとHAWK11は「リッタースポーツにありがちな過激さではなく、質感と妥当性を求めたスポーツバイクである」ということになります。デザインも個性とか造形の質、フェチズムを重視してるし、走りだって公道適正を念頭におきながら、その範囲内でスペックに出ない良質さをご提供しようってコンセプトだと感じる。そもそもトップカテゴリーのビックネームって、過去の実績や製品ヒエラルキーに縛られすぎてますから、排気量が大きくなればなるほど、どんどん過激になっていっちゃう。速さと馬力のインフレーション。それはスポーツバイク全体が患っている病気であり、ジレンマでもあります。そんな固定されたイメージ枠やヒエラルキーから離れ、乗り手の使用環境重視にスポーツバイクを再構築したければ、企画上は突然変異の数量限定で作るしかないのかなぁって、そんな風にも感じた次第。
ということで、デザイン良し、走り良し、替わるバイクもなしってことで。私と※のじゃ子のお付き合いはつつがなく続いていくこととなります。全国のロケットカウル戦闘団の皆様、今後とも、この世にロケットカウルの火を絶やさぬよう頑張って参りましょう!!
ジーク・オジン!!!
最後は※のじゃ子さん3周年記念イラストで、ティロ・フィナーレです。



コメント
コメント一覧 (22)
※のじゃ子さん、もう3年になるんですか。まだ1年くらいのように感じていましたが、私がこちらを訪れるようになったのが昨年からですから、当然ですね…。
>ダイナ→きんつば→※のじゃ子と車検が続く
鬼のような車検地獄。私は昨年XSRを購入する際、GBと車検被らないからちょうど良いタイミングだなあなんて喜んでましたけど、きんつば嬢と※のじゃ子はまだしもダイナ姐さんは車検にかかるお金が半端でないようですから、3台総額ではとんでもないことになってそうですね。
>HAWK11のシルバーを増車
「なんでやwww」と大笑いさせていただきましたが、コレクションという意味で気持ちは良く分かります。よほど惚れ込んでるんですね。羨ましいとも感じます。
来夢先輩がハトサブレ全色そろえた、ばくおんネタを思い出しました。
>乗り味のいいバイクってどんどん好きになる
私にとってのGB350ですね。こちらは速さではなく優しい乗り味という点でですが…。
GB500が出たら、買い替えるか相当悩むことになりそうです。
>質感と妥当性を求めたスポーツバイク
今後はこの流れって増えていくような気もしますね。昔のパワー一辺倒からトータルバランスが重視されるように変わっていったように、「乗った満足感」が重視されるようになるかも。
それには質感と妥当性って重要なんでしょうね。特に妥当性なんてそんな気がします。
へっちまん
が
しました
きっと八重歯さんだったか?そんな名前のモデル担当が一番喜んでると思います。
能ある鷹は爪を隠すって言う商品と、ちゃんと爪を見せるって言うのも有る。
折角の性能なら使ってみたい欲望に応えることも必要だし、楽しいからね。
どっちが良いか?は購入するヒト次第です!ってコトですから(笑)
初めて見たマーメイドガンダム、どう考えても「ガンダムじゃなくても良くね?」
と思うのですが、これも遊び心ってコトなんだと思いました・・・エラは・・・。
そこを価値として推した結果なら、HAWK11のカウルと同じなんだろうと思う。
2台購入してくれた猛者?にも感謝しながら、日々過ごせております。
お仕事に支障ない範囲で、楽しませて貰えれば幸いです。宜しくお願いします。
へっちまん
が
しました
人魚じゃなくて半魚人じゃね〜か!ガンダムマーマンならまだ納得いくと思わされるデザイン
反してパイロットはレギュラー陣真っ青な美しい好青年で高い技量の投網剣闘士(網闘士はイケメンが多いらしいのでそこは準拠か?)
このギャップ…いやだからこそ30年経っても語り種となってるのか?
バイクでもそうですけど、フェティシズムや価値観と真摯に向き合って自覚しそれを素直に受け入れる事は重要ですね
他者に翻弄されずもっと自分の価値観に自信を持ってYES!!と高らかに声を上げる人が増えてもいいと思うんですよ、そのほうが絶対に幸せ
言いたいことはそう、マーメイドガンダムは格好いい!マタドールガンダムのぶっとい蹄足はもっと格好良い
HAWK11のファーストインプレッションは青!でしたけど、見る毎に黒銀の陰影がたまらなく美しく思えるんですよねぇ
HAWK11二刀流した方の気持ちがちょっとわかるかも
へっちまん
が
しました
いつもながら へっじまんさまの 言葉の表現が巧
今回も笑わさせていただきました
そりゃそうですよ、 カネさえ出せば何時でも誰でも買える現行車なんで 手に入れても面白くもなんともない
バイクもそうですけど 人間としての魅力は「肉食ババアのドーラ」
手術に関しては 自分でやれば部品代だけ
例えばばタイヤなんか フロント3:25 19インチ リア4:00 19インチのバイヤスタイヤなら 3万円で履き替えできます
(現行車より安い)
カネがかかるとすれば 外出先で不動になってもレッカーできる環境を作っておくことくらいですかね
へっちまん
が
しました
車もバイクも鈴木ですが。
ニッチだったジムニーも、
ゲテモノ扱いだった怪鳥デザインも
今では世界標準V.
へっちまん
が
しました
シートカウルを廃し、タンデムシートの後端をテールランプの上部に巻き込んでまで拘った"視覚的なマスの集中"だったのに、、、 タンデムグリップのレイヤー処理をやめて樹脂で一体化した最初のマイナーチェンジあたりから、フツーを求めるマーケットに対応する気配がありました。確かにフルカウルのCBRは、フロントとのバランスが悪かったのでしょう。しかしながら、新型車に注がれたデザイナーの意図が曖昧になって行くのは悲しいものです。
HAWK11には、その心配がありません!
へっちまん
が
しました
ジーク・オジン!(リップヴァーン・ウィンクル中尉を見送る気持ち)
車検三連星からドムドムドムって音が聞こえてきそう笑
マーメイドガンダム、ザクレロのデザインは…正直理解出来ませんが、珍兵器みたいなモノだと勝手に納得しました。
HAWK11批判動画やブログの過去を遡っても、面白いと思う記事などは無かったので、炎上商法の閲覧数稼ぎだったんじゃないですかね?
むしろスペシャルサイト(公開終了(泣))あり、グッズもそこそこあり、本当は愛されてた説を提唱したいです笑
へっちまん
が
しました
へっちさんは旧車はご遠慮下さい。
多分大変なことになります(笑)
パーツどころか、フレームから組みなおして
沼オブ沼に沈みそうなんで
リスナーの一人として物凄く心配です。
あ、買うならヤマハのGX750、スズキの水牛とかオススメです(笑)
へっちまん
が
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だって普通生まれてきた子供に【マ】って…。
一文字名はクベ家の伝統かもしれませんが、クベ家の家系図とかみてみたいですよね。
へっちまん
が
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へっちまん
が
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