今回は、5月後半からずーっと修理入院しているダイナさんネタです。入院の原因は常用回転域でのエンジンのガタつき(症状の詳細はこちらのブログで→「ダイナさん長期入院顛末記」)。先のブログでは入院までの顚末を書いたので、本ブログではその後編、修理の顚末をご報告したいと思います。

今年はディーラーが、やたら忙しかったようなので、「最悪今年の車検までかかってもいいから~」とは言ってはあったものの・・・9月に入っても何の音沙汰もない。流石に不安になってきて、とりあえず一度、ダイナのお見舞いに行くことにしたんですよね。

「あの~、へっちまんですが~。メカの〇〇さんいらっしゃいますか?」

「あ、〇〇ですね。今呼んできます。」

私の担当メカさんは、私が店の顧客になった後に入社してるんです。で入社以降、ほぼ専属みたいな形でダイナの面倒をみて貰ってますが、ダイナを乗り換えないのも、ハーレーとの付き合いが続いているのも、このメカさんとの二人三脚があればこそってところがある。

威勢の良いハーレー・ディーラーが多い中、私の通う店のカラーはあまりに地味じゃないか?とも思うんですが、長く付き合うには派手な販売よりアフター・ケアの安心感。というのは、私みたいに13年物のバイクをしぶとく維持しているヤツがいたり、古い顧客が離れていかないあたりが証明してますね。

なお、人物特定を避けるため、いつものごとく謎の声優で声あてし、語り口とキャラを大幅改変してお送りします。虚構と現実の狭間の境界を、読み手に丸投げするのが私のブログですから、そこら辺はご理解を。

(メカさんが現れる)

「あっ、おにいちゃ~ん。久しぶりだねっ♡メカの〇〇だよ~っ♡今日も私といっぱい遊んでね♡」

「オィィイイ!!いきなりそれか!!ムリムリムリムリ!!そのキャラ厳しいって!」

「冗談ダ(笑)」

「お、アナタは以前、K&Hのシート補修の回で受付のオネーさん役をやってくれた、エセ・アメリカ人声優さんじゃないですか。」(ちなみにそのブログはこちら→「ダイナのK&Hシート修理顛末記」。もう、4年も前になるんですねぇ・・)

「ソウダゾ。また会ったナ、この負け犬ヘチマ野郎。」

「限界ロリの恐怖の後だと、この毒舌すら心地よいわ(笑)」

「デ?エターナルなヒキコモリが巣から這い出して、今日はなんの用ナンダ~?」

「いや、なんの用って、もうダイナ預けて3ヶ月以上経つんだが?」

「ああ、倉庫の隅でホコリ被ってるアノ族車のことカ?」

「族車言うな(笑)」

「マァ、そろそろ連絡しなきゃと思ってたんだガナ~、8月一杯クソ忙しかったし、原因がわからネェのに電話しにくいからナ・・(目をそらす)

「え?原因まだわかってないの??」

「あらかた絞られてはきてるんだガ~。とりあえずエンジンは完全無欠の健康体だから、安心シトケ。」

「え?そうなの?8万㎞オーバーで、いよいよガタがきたか、と思ってたんだけど?」

「違うネェ~。圧縮ヌケかと思って圧縮見てみてモ、圧縮ゲージ上で1000以上あるからナ。8万4千㎞走って、ほぼ新車並みの圧縮なんて、ファッキン・クレイジーだゼ・・。」

「いや~、良かったぁアアア。嬉しい~。新車から液体収益(SYN3の別名)入れ続けてきた甲斐があったわ。」

「オイルにトンデモない二つ名つけるのヤメロ(笑)マァ、オイルメンテは基本だからナ。アレ入れときゃ万全ダヨ。」

「でもSYN3はちょっと高すぎでしょ~。最近オイルの値上がりが酷いし・・円高の頃にまとめ買いしてあった在庫がもうなくなっちゃうんだよね。今のSYN3なんて高くて買えないよ。代替えとして社外のレブテックのゴールド(100%化学合成)入れてみようと思うんだけど、レブテックってどうなの?」

「純正オイルで商売してる正規ディーラーにそんなこと聞くカ?マァ社外は、油膜ギレが怖いかラ、あえてオススメしないゾ。金色かなんか知らんガ自己責任で頼ム。」

「ゆ、油膜切れって・・エンジン焼き付いたりするの?」

「いや、腰上やバルブ周りは問題ナイんだヨ。問題が出るのはカムベアリングなどの細かいところの潤滑ダ。うちのお客でもタマ~にエンジン内部のベアリングがダメになるケースがあって、その時にオイルはナニ入れタ?って聞くと、レブテックなんだよナァ・・・。」

「ほぉ・・」

「まぁメンテに対しての知識や意識は客によって様々だし、バイクにかけられるコストや乗り方にも差があるからひとくくりにオイルのせいにもできないがナ・・・。ただタフなハーレーでもメンテや乗り方で可動部分には差が出てくル。実際、オマエのダイナは8万㎞超えでもまったく性能が落ちてナイ。半分以下の距離でもボロボロなエンジン山ほどあるゾ。バイクの可動部分を見りゃ、オーナーの乗り方と愛情がわかル。その差がモロに出てんだヨ。」

「いや~、そんなに褒められましても~(笑)」

「とりあえず
オマエは整備のことになると財布がガバになるのなんとかシロ。過剰整備を愛情と勘違いしてんじゃネェのカ?」

「・・・いえ・・そんなことは・・」

「そもそも国産の何入れても動いちまうようなバイクならともかく、ハーレーみたいな空冷大排気量、熱量ギリギリなバイクで、純正以外のオイルを入れる理由ってあるノ?レブテックと純正1000円くらいしか違わんだロ?」(詰め寄る)

(後ずさり)「いや、興味本位と言いますか・・フィールの変化と言いますか・・いろんなオイルを試したいといいますか・・」

「いろいろ試すのは勝手だがナ。オイルで一番大事なのは長期間シッカリとエンジンを保護することダロ?純正オイルってのは、自社パーツのことを一番わかってるメーカーがエンジンに不具合が出ないよう仕立てたオイルなんだゼ?それなのにあえて社外オイルいれるんカ?そんなところで体制に反逆する意味あるンカ?」

「いえ・・・」

「あのナ、純正オイルもそのメーカーが長年積み上げた文化なんダゾ!それで出る乗り味がそのバイクの真の乗り味なんダ!社外をいれてもいいガ、何があっても自業自得だゾ!それが原因で重整備なんて・・コッチは耐えられんのジャガァアアアアアアア!!」


「なにに向かって怒ってるのかは知らんが、ド正論ありがとうございます。でも消費者は自己責任の名の下に限りなく自由なのだよ!!」

「自己責任なら勝手にシロ(笑)あ、そういえばSYN3が20w-50から15W-50に変更になったの知ってるカ?」

「え?いつの間に変わってたの?」

「ついこないだだヨ。7月頃だったかナ~。」


Syn3
(こちらいつの間にか15w-50になっていたハーレー純正100%化学合成オイルSYN3。私がつけたアダ名は「液体収益」。プライマリーやミッションにも使えちゃいます。パッケージデザインは、粘度表記とNEWがついた以外、ほぼ変わってないですね。)

「へぇ~・・たしかにハーレーのCVOも最近は120馬力以上だもんね~。オイルも従来に比べて高性能&ワイドレンジ化してるのかな?そのうちモトグッチみたいに指定が10W-60とかスーパーワイドレンジになっちゃうんじゃない?」

「ありえるナ・・」

「ちなみに定価は?」

「1本6300円ダゾ~♡」

「オィィィィイ!!高級ワインかよ!!これは社外オイルもやむなしですわ・・・(白目)

「ミルウォーキーエイトはフィルター交換すると4.5L飲むからナ~(にや~っと笑う)、ダイナの倍入るんだゾ♡プライマリーとギアオイル全部換えるとなんと7Lだぞ。工賃抜きのオイルとフィルター諸々だけで5万円くらいイッチャウゾ~♡(嬉しげに体をゆする)

「いや・・それもう家賃じゃねぇか!!これをディーラーで定価で入れてるCVO乗りはやっぱお大尽・・」

「・・・・・
ん?・・まてよ・・・」(アゴに手を当てる)

「ということは・・・コロナの時にクッソ値上がりしてた旧SYN3って、今投げ売りしてたりしない?」

「案外あるかもしれんナ~(笑)」

(その後自宅に帰りネット検索したところ、15w-50のSYN3の価格が5000円~6000円台(!)のところ、20W-50のSYN3の価格は12本まとめ買いだと3万円!!!1クォートで2千5百円で売ってましたぁ!!「ヒャー」と叫んでまとめ買い。新型SYN3の半値以下、かつコロナ禍の価格の6割くらいで買えたんですよ!ヒャホォォォォォ!!(昇龍拳飛び))

「バルブ周りも、ヘッド開けてみて点検したガ、メチャクチャ綺麗でそっ閉じしたワ。点火もしっかり飛んでるし、コイルも問題ナイ。連結部のボルトもシッカリしてる。ということで振れる原因はエンジン回りの機械的な問題じゃないナ。」

「じゃあ、なんで実用回転域でガタガタなの?」

「ハッ!ドコドコが、ガタガタに変わっただけダロ~。細かいこと気にすんナ。振動増えてうれしいダロ?これでいいんダ!って言って欲しいんダロ?」

「んなワケあるかぁぁああ!!」

「まぁそれは冗談とシテ、可能性としては、もうコンピューターか、エンジンマウントくらいしか残ってねぇナ・・」

「ま~、最初はマフラー支持のボルトが飛んだか、エンジンマウントがイカレたのか?って思ったからねぇ・・。でもさ~、エンジンマウントは前の車検で前後新品に交換して7千㎞しか走ってないし、ようやく固さがとれてきたな~ってとこだったから、それはさすがにないと思ってんのよ。」

「オレもそういう前提で見てるんだがナ・・調子はよかったんだロ?」

「そう、絶好調から、ある日アクセル開けた瞬間ダメになった。昔エンジンのバルブリフターやったときも、いきなりガラガラだったから、今回もエンジンだと思ったんだよなぁ。」

「エンジンマウントはゴムだから、そんなアッサリ逝くとは思えんがな・・。ま~、とりあえずいろんな可能性をツブして、マウントしか残らなかったら、マウントを取り替えてみるしかなイ。でも、マウントは新品頼まなきゃならないし、アレ高いからとりあえず最後の最後にして、やれることを検証するゾ。とりあえず燃調をノーマルマップに戻して走ってミロ。ダイノジェットのメモリーにノーマルマップ保管してあるヨナ?」

「車検のために保存してある。」

「じゃあ一度ノーマル状態に戻して乗ってミロ。」

「わかったけど・・なんとなくマウントの気がするぞ・・・」

(翌週、ディーラーにダイノジェットを持ち込みノーマルマップに書き換えて乗り味を比較してみる。)

「どうダ?」

「ダメだね~。ノーマルだとエンジンが大人しくなるから振動減ったように感じるけど、特定回転域でガタついて抑えが効いてないのは変わんないね。」

「サヨカ。コンピューターもナシと・・」

「それより、ひさしぶりに乗った日本仕様のノーマルマップの非力さヤバいよ。本国のマップとなんでこんなに違うの?カラカラでアイドリングですぐチンチンになっちゃうし。これは間違いなくエンジンの健康に悪いですわ。」

「まぁこの頃の日本仕様は無理矢理なところがあるからナ~、マフラー換えてヌケけ良くするとすぐオーバーヒートだゾ。」

「環境規制だ!厳罰だ!!っていってるアメリカが濃いマップを許してるっておかしくね?」

「それナ」

「海外メーカーは一番厳しいカリフォルニア州の環境規制で出荷してるらしいけど、ハーレーは規制が緩いウィスコンシン州の仕様で、アメリカ全土で売っちゃってる!なんて噂があるね。それがホントなら、まさにダブルスタンダード。「アメリカの正義」って奴じゃない?」

「アノナ、贔屓の引き倒しを格好よくいうと、ナショナリズムになるんだゼ(笑)」

「話を戻すけど、こうなると残る可能性は・・」

「可能性ハ・・・」

(両者しゃがんで前側のエンジンマウントをジト目で覗き込む。)

「このマウントが交換僅か7000㎞で逝ったト・・」

「マウントって確か片側4万5千円くらいするんじゃなかったっけ?」

「・・ダナ・・・高えんだヨ・・」

「まぁしょうがないね。金かかってもいいからとりあえず前のマウント換えてみましょうよ。」

「いいのカ?」

「いいよ。もうそこしか考えられないし、新品じゃなければ、マウントを疑ってたと思うし。」

「わかったゾ。ハーレーに在庫あるみたいだから来週取り寄せて交換しておく、週末また来れるカ?」

「もちろん



(翌週マウント交換したダイナに試乗する)



「うぉぉおおおおお!!直ったぁぁぁああああ!!!!イヤッホォォォイ!」(再び昇龍拳飛び)

「オオオ!!」

「やっぱ原因はエンジンマウントだったかぁ・・」

「コレ、外した前側のエンジンマウントなんだガ、見てみろヨ。」

エンジンマウント
(左が問題のエンジンマウント。右が新品。)
エンジンマウント4
(もうひび割れまくりで、明らかにおかしいのが一目でわかります。)

エンジンマウント2
(ちなみに、新車から11年間使用し、7万6千㎞時点で交換したエンジンマウントがこちら。へたってはいるけど、酷いヒビ割れなどはなく、全然マシ。)

「ハァァァァァアア?ナニコレ??ボロボロじゃん!泣ける!」

(眉をひそめて)「これハーレージャパンから交換部品を取り寄せた時点で、長期在庫の硬化したマウントを掴ませられた可能性があるナ~・・最後の1個だっていってたしナ・・」

「ううう・・俺とダイナの夏はこいつのおかげで終わったのか・・」

「いや申し訳ナイ。ここまで酷いと不良品なのはあきらかダ。クルーザーのマウントが7000㎞でこの状態は許されネェヨ。ハーレー・ジャパンに送って保証修理じゃあ!って言っとくワ。」

「それで納得するかなぁ・・」

「とりあえず今のところカネはいいカラ。結果出たらまた連絡するワ。で、どうスル?今週あたり乗って帰るカ?それとももう9月入ったし、ついでに車検通しとくカ??」


「え?10月の車検まで1ヶ月以上あるけど?」

「実はナ、今年の4月から車検は2ヶ月前から受付できるようになったんダヨ」

「えええええええええ!!?じゃあもう車検受けれるの?それならやっちゃって。また持ってくるの面倒だし。嬉しぃ~。」


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(ということで、車検も通したダイナがバイク小屋の定位置に戻ってきました。)

以上がことの顚末です。蓋を開けてみれば、原因は新品交換したはずのエンジンマウントでした。ある瞬間を境に一気にダメになったのは、マウントゴムのどこかが「ブチッ」て感じで断裂したんだと思います。とりあえず前側のマウント替えてフィールは正常な範囲に戻りましたが、「後ろ側のマウントは大丈夫なのかにゃ~?・・」ってちょっと疑心暗鬼になっている今日この頃。まぁまたダメになったらそのとき考えるってことで・・。

今回の件で身に染みましたが、生産終了して時間が経ってるモデルってのは、交換パーツの在庫自体が長期保管で劣化しちゃってる可能性があるってことですよね・・。そうなると金属部品はともかく、ゴムやプラは新品でも安心できねぇ・・ってことになっちゃいますが、モデル古けりゃ補修パーツも古いのは自明の理。それもお古いバイクの宿命と受け入れていくしかないんでしょうね。いやぁ、そう考えると旧車の維持ってマジで大変。また一つ、バイクと長く付き合っていく苦労を身をもって勉強させていただいた一件でした。


(オマケ漫画「長期熟成百年ネタ」)
ダイナ帰還
ダイナ帰還p2
(想定読者層の年齢どうなってんの?って言われそうなネタ。もはや文化人類学で出てきそうな表現です。ダイナときんつばの夫婦みたいな掛け合いをお楽しみください。)



※後日談※

最終的に今回の修理は無償扱いになりました。後日メカさんから聞いた話ですが、当初ハーレージャパンは「1年過ぎたものは保証交換なんかできんのじゃぁあああ!」って頑張っていたみたい。でも、このガビガビマウントは、見ただけで不良品だってすぐわかるわけですよ。しかも、私の使用環境、保管環境で前のマウントは10年7万㎞以上もってるわけですから、私の乗り方が悪いわけでもないんです。つまり、その対応ではかなり苦しいってことです。

重要部品の不良を1年経過したからといって「もう知りません♡」は、さすがにないでしょう。乗り手や、整備する側からすれば、何年経とうが不良品は不良品で、あるとき、ある場面で問題が顕在化したにすぎないんです。そんな考え方するんだったら「新車で売って1年以上たった車両はリコールしません」も通っちゃう。私は乗り味にシビアな方だけど、人によっては、おかしいなぁと思いながら乗り続け、やがて致命的な大事故になる可能性もあるわけですから。

今回はディーラー側が頑張ってくれて、無償交換で交換工賃もナシとなったみたいですけど、そもそも不良品ツカまされて夏を台無しにされた客に、さらにクソ高いマウントを今一度売りつけるなんて商売の現場では無理筋(笑)まぁ買えって言われればしょうがないから買いますが、そんなことしたら、このブログで私がビキビキの怪物くんになって、

「企業の製造物責任とはなんぞや?」

なんて正論をかざし、1万字ぐらいずーっとデンプシーロールを続けることになりかねない(笑)私は人がやることにミスや問題がおきるのはしょうがないと思ってるし、それなりに寛大だと思うけど、それを誤魔化したり、是正しようとしないのは許容できませんからねぇ。今回はまっとうな結論を出して頂き、お互いに平和的な解決にいたったのでメデタシメデタシです(笑)