今回はHAWK11のブログ順ですが、ここで私が挑むのは「飽きないバイク」についての考察です。いや~しょぼくれた私のブログで扱うには、とんでもない大ネタですね。

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(HAWK11で山奥ツーリングの一枚。実はこの道すがら、道路上に子熊がいるのを見つけたんです。あまりに真っ黒で愛らしかったので写真に収めたかったんですけど、寄ると親熊に襲われそうなのでスルーしました。)

飽きないバイクについては、作る側にもいろいろ理屈があるでしょう。しかし、買って乗って、金を払ってお世話する消費者側からいわせてもらいますと、バイクを飽きさせているのは、他ならぬメーカーそのものなんです。だって

「新しいバイクを作る」ってのは

「今のバイクを過去にする」ってことなんだから。

「飽きないバイクを作りました!」ってニューモデルを出てしてきた瞬間、過去のバイクを飽きさせようとしているも同然なわけですよ。
 
飽きっぽいっていうのは、いつも消費者側に刃のように突きつけられる概念ですが、消費者側の心理を操ってるのは販売側ですし、極論すれば「魅力的なニューモデルを出してくるのが悪い」わけですから、そのテーマを掘り下げて返り血を浴びるのはどっちかというとメーカー側でしょう。旧東ドイツみたいにトラバント一車種しかなければ飽きもクソもありませんからね。

消費社会は人の満たされない欲望を刺激し、買い換えのサイクルを回し続けなきゃならない。飽きがなければ消費なんてまわんないから、「より良いもので過去を蹴散らしていく」というのが消費のサイクルで、それが商品としての進化を促しているところもある。

つまり、この問題は消費者側だけでは乗り越えられないからこそ、消費の世界で「飽きないバイク」って極めて難しくなるんです。だって自分が「飽きたくない」「これに一生乗るんだ」って努力してるのに、メーカーは「飽きろ飽きろ~、買い換えろ~」と耳元でささやき、ニューバイク、新色、新装備という「浮気カード」を切ってくるわけですから、こんなのサキュバスとダブルベッドで同伴してるようなもので、ガマンできるはずかないわけですよ。

私は人の欲望を刺激し続ける消費社会において「絶対に飽きのこないバイク」なんて夢物語だと思うんです。ああ、既にこのブログの結論出ちゃって、これからどうやってテキストのばすの?って感じですけど、これは事実なのでどうしようもない。この世の中の大量生産、大量消費を前提とした商材はおしなべて確実に飽きるし、人はそんな風にできている。

ちなみに私はダイナとはもう16年も一緒にいますけど、「飽きないから一緒にいるのか?」っていうと、もうベタベタに飽きてますよ。初期のトキメキなんて一切ないから腐れ縁だと思ってる。ゴールドウイングもF6Bから通算12年。このフラッグシップモデルに対して特別感はまったくない。日常ですよ。確かに大型って飽きにくいようには作ってあると思いますけど、それも程度もんですから。長いこと乗ってればマンネリ感はやっぱり出てくるわけなんです。

じゃあなんでその状態で売りもしないで維持できているのか?っていうと、理由は二つありまして、

「なんだかんだいっても乗り味が気に入っている」

ということと、

「他に替わりになるものが見当たらない」

ってことなんですね。

要は飽きたところで入れ替えるに値するめぼしいものがないからお付き合いが終わらないわけです。

ダイナは相当カスタムして自分好みにしちゃったから、ノーマル状態のハーレー引っぱってきても到底変わりにならないし、ゴールドウイングも水平対向六気筒をMTで乗りたくて買ったんだから、DCTだけになっちゃった時点で替えがない。でもそんな特殊なケースは一握りで、ほとんどのバイクの場合、普通に替えってあるじゃないですか。

最近まで買えたモデルで「替えがなくなった」典型を挙げますと、その代表格はSR400でしょう。ヤマハを代表するド定番モデル。「まさかSRが40年以上も売られるとは・・この海のリハクをもってしても・・」て感じですよ。だって、過去に遡ればライバルとなる単気筒バイクは一杯あったし、30年、40年もデザイン変えずにシーラカンスやりますって、フツーに考えて無理がある。性能的にも時代遅れになっていくし、新鮮味もない。にもかかわらず、長きにわたって生き残り続けた理由は、ある時期からSR400が孤高のド定番になったからだと思うんです。

SRって水戸黄門みたいなもんだと思うんですよ。SRも43年生産されましたが、水戸黄門も42年続いたんですよね。水戸黄門の構成は正義の集団が力をあわせて巨悪を成敗するっていう、ヒーローもののド定番。同じ構成のものではこちらも長年続くニチアサのヒーロー戦隊がありますが、あっちは視聴率稼ぐために毎年趣向を変えてます。でも、水戸黄門はそのまんま。時代が過去に固定されているから、ビジュアルに新味を入れる必要が全くないんですよ。

つまり「過去を背負ったド定番」って、マンネリでも生き残っていけるんです。マンネリだからこそ価値があるまである。キャブ時代の日本的デザインのネイキッドがどんどん消えていく中、ひたすら生き残り続けることによってSRは替えのきかない地位を手に入れたんです。

なんでそんな奇跡が可能だったかというと、SRに関しては「メーカーとユーザーが力を合わせて支える構図」が成立していたからだと思うんですよ。ユーザーが支持してたって、メーカーがやめると言えばそれまでだし、メーカーが作り続けたくたってユーザーが買わなきゃそれまでです。じゃあ、カビの生えたようなクッソ古い商品になんでそんな構図が成立したのかっていうと、「SRが我々の頭の中にあるヤマハというメーカーのアイデンティティそのものだった」からだろうと思うんです。いわゆる「ザ・ヤマハ」です。

カワサキのZ900RSがあれだけ売れてるのも「現代的なシャーシとエンジンを使ってザ・カワサキをやった」ことがその理由だと私は考えてる。硬派で慣らしたカワサキ臭さのど真ん中。それは現行ラインナップではZ900RSをおいて他にありません。だからカワサキを買おうって人はまずあれに目が行くんですよ。それと同じで、ご長寿モデルのSRはとてもヤマハ臭いし、同じく長寿のCB400SF、CB1300SFはメチャホンダ臭いんですよ。で、そういうバイクって「我々のイメージの中で替えがない」んですよね。だから、飽きたって選ばれるし、乗り味だって生まれた時代を象徴するようなものになっている。

でも、この「替えがない」ってスタイルには、実はもう一つの隠れルートがあるんですよ。それが

「爆死系変態デザイン」

です。定番デザインが王道ど真ん中だとすれば、こっちは「風の谷のような辺境に位置している」バイク達。これらをお家芸としていたのがスズキ。過去の爆死系デザインとしては鳥居インパルスや、SW-1、GS1200SS、菌王(B-KING)など、そうそうたる顔ぶれの猛者達が揃ってます。

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いや~それにしてもスズキの変態系は風格というか面構えが違う。これは先に述べた王道バイク達と異なり、

「個性が濃すぎて替えのきかない珍獣系」

販売期間は極めて短く、売上げはまるで停止した心電図のような平穏さで、販売競争という殺し合いとはまったくの無縁。「愛♡おぼえていますか?」をバックに流したくなるような穏やかさですよ。でも、その販売台数に反比例するかのような個性の強さが脳にこびりついて離れない。そんな愛すべきバイク達です。実はバイク業界ではこれらはネタ枠扱いされてますけど、この手の個性は本来極めて高く評価されるべきものだと思うんですね。

例えば、北斗の拳のケンシロウ、トキ、ラオウの北斗三兄弟はメジャーで誰もが知るつよつよキャラですが、サウザー、ジャギ、アミバの悪党三人衆もその濃さではまったく負けてないんですよ。それどころか今や、北斗三兄弟を食ってしまうほどの人気がある。私のブログなんて、完全にこっちの悪党推しに振り切れてますからね。

だって北斗三兄弟なんて、偉大すぎてイジりようがないから、ネタは「顔、老けすぎ問題」くらいしかない。これに対してマイナーキャラ達の汎用性の高さはどうですか?もうね。ネタの宝庫じゃないですか。このブログでも私の妻が聖帝様と呼ばれてますし、テキストでは「・・海のリハクをもってしても・・」というフシアナ軍師の名台詞を頻繁に使ってます。もう、この手のネタは私のDNAに染みついちゃっているんですよね。

海のリハク+2.3+1
(とにかく人の器が読めないことに定評のある海のリハク。その目は終始曇りっぱなしです。)

この爆死変態系の特徴は「とにかく個性が突き抜けてる」ことです。アミバやジャギなんて「世紀末専用キャラ」で亜流が出てくることなんてない。倫理がなさ過ぎて世紀末以外に生息地がないんです。現代を舞台にした物語に人体実験が趣味のアミバ放り込んだらトンデモないことになりますからね。

こんな奴らをいったん好きになっちゃえば、ライバルは不在。まさに「替えのないポジション」そのものです。メーカーにとっては悪党三人衆のような変態枠認定は耐え難いかもしれないけど、「一部の好き者にとっては地位が保証された存在」なんですね。

そんな変態系カテゴリーのバイクで重要になってくるのは、以外かもしれませんけど、「しっかりとした乗り味」だったりします。一発屋にマトモを求めるってどういうこと?って思うかもしれませんけど、この手のバイクは長く付き合える2つの要素のうち「替えがないこと」はもう確定しているんですよ。だからこそ、乗り味さえ気に入れば安定の地位が手に入る。実際、自分の環境やライディングにフィットして、乗り味がステキだって感じられるバイクって、維持しているうちにどんどんカッコよく見えてくるもんなんです。それが尖った外見なら、デキの良い乗り味の感動はさらに大きくなる。

人体実験が趣味のアミバと結婚して恐怖に怯えていたのに、実際暮らしてみたら「凄く優しくて家事能力のある旦那さんでした♡キャッ」なんてことになったら胸キュンで悶死するじゃないですか。逆にウキウキしながらユリアと結婚したら、快楽方面最高だけど、メシマズの家事ポンコツだったらどうですか?もうナニをナニして肉欲専用にするしかありませんよね。でも、ナニで満足しようにも、赤玉出てるオッサンはナニもどうにもならんのですよ。

これはネチっこい技術はあるけどナニする体力のないオッサンが陥る典型的な「スーパースポーツのジレンマ」ってやつです。

そもそもナニが得意な快楽美人系は、いろんなバイクメーカーが次々と刺激的プレイができる凄いキャラを市場投入してきて、背徳的刺激と浮気度が天井知らずになりますから、長く乗るのはなかなかに難しい。

この手のマニアックな珍獣系推しは、バイクに乗ってる方々には、いささか珍理論に聞こえるかもしれませんが、アニメや漫画の世界では、この手の考え方は、もはや定番。読む人の性癖が拡散し、個人の濃い性癖の追求こそが二次元の醍醐味になって以降は、全員に刺さるような平均的ヒロインや王道ラブロマンスなんて逆に難易度が高いまである。それよりも読み手の性癖を深くエグってナンボとばかり、個性的なヒロインをずらりと並べてくるものが増えているんですね。

気絶勇者と暗殺姫+1
(最近いいなって思ったのは、チャンピオンの「気絶勇者と暗殺姫」。主人公の勇者はクソ強いけど色仕掛けですぐ意識を失うヘタレで、ストーリーの半分くらい気絶してる。その間にお供のヒロイン3人が物語を回すという構成。この3人は当初は勇者の殺害が目的でしたが、献身的な勇者に守られているうちに、惚れてしまってどうしましょう?という王道の筋書き。魔王の娘のチョロインメスガキ、ツンデレのアバズレ殺し屋、奴隷調教専門の純愛初心者エロ女王様と、特殊性癖キャラが怒濤のパワーで押しまくるハーレム冒険譚。)

もうおわかりだと思いますが、私にとってHAWK11って「この特殊性癖枠にモロにハマる」バイクなんですねぇ。ロケットカウルを採用し、常識を外しまくった非常に濃いガワにもかかわらず、中身は性能とフィールと頑丈さに定評のあるアフリカツインですからね。もうノーマルで「安定の乗り味」「デザイン的な替えのなさ」の両方が備わってるわけですよ。

実は同じコンセプトのイナヅマベースで作られたGS1200SSも凄く好き。でも、今やGS1200SSはカルト的人気を持つに至り、タマのいい個体は200万オーバーとかになってるんで到底買えたものではありません。

なんでそうなっちゃうのかというと、この手のバイクってディスコンになってからジワジワと魅力が伝わっていき、そこそこの人気になるケースが多いからです。現行ラインナップでいつでも買えるときには、刺さらなかった人達が買わない理由を拡散し続けますので、マニアックなデザインほど、マイナス印象が強くなるんです。結局買える期間は自分の嗜好を信じて金が出せる少数の人しか買わないわけですよ。

でもディスコンになり、ラインナップから消えてしばらく経つと、そのバイクを愛好している変態達の熱量が徐々に表面に出てくるようになる。その手の熱さ勝負になると販売台数はまったく関係ないんです。カタナなんかがいい例じゃないですか。カタナはバイクとしては超オールドタイマーで、人気ほどの販売数があったわけじゃないんですよ。でもこのバイクは、少数精鋭のオーナー達の熱量がハンパないんです。それはもはや1100カタナを最高神に頂くカルト宗教。その圧倒的な熱量と信仰心がカタナをスズキを代表する名車の地位まで押し上げたんですね。

デザインについても、変態度が高いものは時間と共に不気味な変化が生じてくる。初見で「・・これは珍なり・・」って感じた部分に人はいつしか慣れてきて、逆にそれが何とも言えん味わいに変化してくるんですよ。まさに

「這い寄る混沌」

そう、ジワジワと精神の侵食がはじまるんですね。私もGS1200SSを最初に見た時は、「ちょっとデザイン変じゃね?電波系じゃね?」って思いましたよ。でも見る度にSAN値を削られて、今や完全に不定の狂気に陥ってる。もうね。目をグルグルさせながら「ウンウン、その絶妙な変さがイインダヨ、それがタマラナインダヨ、それがなかったらGS1200SSじゃナインダヨ」って呟くようになってしまっているんです。

人が寄りつかないほどの個性ってネガティブに感じるかもしれませんけど、ベテランが長く乗ろうとしたときは、かなり有望な選択肢なんですよ。そこを意識した上でホンダがこのデザインを「大人のスポーツバイク」としたのなら、私と同じような認識を持っていたということになりますけど、そこら辺はどうなんでしょうね。

いずれにせよ、HAWK11の20年後の評価ってのがどうなってるのか楽しみ。東の横綱、スズキGS1200SS、西の横綱、ホンダHAWK11なんて言われるようになっていると変態冥利につきますね(笑)




(オマケ漫画「這い寄れ※のじゃ子さん」)
這い寄る
(今週はイベントがそこそこ入っていて、イラストに回す時間がありませんでしたから、適当に描いて終わらそうと思ったんですけど、なぜそんなときにムズいポーズを選んでしまったのか・・)