前回のブログではハーレージャパンの公取問題について書きましたが、今回はダイナの話です。本当は1ブログの中でAパート、Bパートにしたかったんですけど、どっちもやたらと長くなったし、内容もトーンも随分違うので、当初作ったブログを2つに分けました。このためハーレーネタが2回続くことになってますが、ご容赦下さいね。それでは本編をどうぞ~。

ただいま夏ヘッダーのメインキャラとして目立ちまくってるダイナさんですが、皆さん絶好調で走ってると思っておられますよね?でも内幕は違うんですよ~。実はダイナは5月末からディーラーに長期入院中なんです。

今はバイクのトップシーズンでディーラーの整備部門が既存顧客の車検整備や軽整備でテンパっているため、修理完了の目途は立っておらず、シーズン中の復帰はもう絶望的かもしれません。

20250426_164229166(これはまだダイナが元気だった春先のツーリングでの1枚。お花一杯の画像を投稿しちゃうと、なにやら天に召された気分になってしまう。)

長期入院の原因はエンジンの不調によるものです。もうね。ついに来ちゃったか・・って感じ。5月のゴールデンウィークに大自然の中を心ゆくまで走ったその帰り、もうちょっとで自宅へたどり着ける!と緩やかな坂道を元気に駆け上ろうとして、アクセルをあてた瞬間

「あ・・やっちゃった・・」

って違和感が走りました。別にフル加速したわけじゃなく、坂道だったんでちょっと大きめにアクセルを当てただけなんですけど、さぁこれから加速体制に入ろうか、ってその瞬間、エンジンのフィーリングがあきらかにおかしくなったんですよ。

よくレース漫画でエンジン酷使して攻めまくった結果、耐久性の限界を超えて、エンジンに致命的な違和感が出て「ア゛ア゛ア゛ァ~~~」ってなるシーンがあるじゃないですか、まさにあんな感じ。私のバイク人生の中では初の実にイヤな感覚でした。

あまりのエンジンのガタつきに最初はマフラーの連結部分が振動で一箇所吹っ飛んだんじゃないか?とも思ったんですよ。一旦路肩に止めて連結箇所ぐるっと見てみたけど問題ない。でも走っていると、一番気持ちいいフィールが出ていた1800回転~2200回転あたりでガタガタしてる。その振動が嫌だからって上を回すとなーんかエンジンが軽々しい。回転に重みがなくって全然ハーレーらしくないんです。エンジンかかるし、走れないわけじゃないんだけど、「エンジンフィールが全体的におかしくなった」って印象です。エンジンマウントの時と同じで、乗ってても不安ばかりつのるから全然楽しくないんですよ。初めは原因が何なのかわからなくて手探り状態でしたが、乗ってるうちに

「これってどう考えてもエンジン内部だよね?・・」

という印象がどんどん膨らんでいった。そこで、仲の良いメカさんにとりあえず電話したんです。

(なおメカさんの語りは怪しいアナウンサーに変換+脚色してお送りしてます。本来の応対はもっと丁寧でアホなこともいいませんから、誤解の無いようお願いしますね。)

(プルルルルル・・・)

「はい、ハーレーダビッドソン石川です。」

「あー、すいませんメカの〇〇〇〇さんいますか~」

「はい、かわります。少々お待ちください」

(しばらくして)

「陰王様(陰キャの王の略)お久しぶりです。ア〇ルと雪の女王こと肛〇院雪乃でございます」

「ああ、〇門院さん、また出たの?」

「メカさんの声のアテレコ、昔からずっと私なんですが・・」

「いちいちキャラ考えるの面倒臭いからね」

「で、今回はなんですか?どうせクソみたいなトラブルですよね」

「クソ言うな。まぁトラブルなんだけど」

「あなた様が私を指名で電話してくるパターンは、車検かタイヤ交換かトラブルしかございませんから」

「エンジン調子悪いんだよ」


「おお・・ダイナよ、壊れてしまうとは情けなイ」

「ドラクエの王様かよ。」

「で?どんな症状なんです?」

「うまくはいえないけど、常用域での振動はエンジンの固定ボルトが一本飛んだような感じ。でも、外観はどこも異常ない。多分エンジンの中じゃないかって気がする・・」

「エンジンはかかるのでしょうか?」

「今のところ問題なくかかる」

「止まったりはしないのでしょうか?」

「今のところ、それもない。」

「じゃあもう、いいではないですか?13年落ちのチュウブルなんて、ガタピシで当たり前ですから、そんなもんですよ。直したってどうせまた壊れますよ。あきらめてそのまま乗ってたらどうです?」

「オィィィイイ!俺の大事なダイナにチュウブル言うのやめろ!オマエ、MTをカキマワシとか、125ccをワンツーファイブっていってるクチだろ?それ昭和のオッサン語録で今は通じないからな!あと、自社商品を見捨てるのもヤメロ!前回大枚はたいてリフレッシュしたんだぞ!諦められるか!!」

「たしかに、言われてみれば前回の車検でかなりのコレ
(人差し指と親指で¥マーク)を頂きましたわねぇ・・うふふ(ニヤリ)

「完全に怪しい裏商人じゃねーか・・この店大丈夫か?」

「まぁそれは冗談として、どんな症状が出てるのでございますか?」

「とにかく走るとエンジンガタついて振動がおかしいのよ~。乗ってても不安しかないし、全然楽しめない。バイクは気持ちよく走れないと意味ない乗り物だから。」

「前回はエンジンマウント交換でちゃんと直ったのですわよね。」

「完璧に直った。その後は絶好調だったんだけど。」

「あのマウント交換は大変だったんですよぉ。ジャッキ入らないから店長とメカ全員でエンジン手で支えて(遠い目)・・」

「人間ジャッキの物理固定かぁ・・わかる~。まぁ極限状態で一番頼りになるのは人力だってのは、能登震災の復興でも思い知ったわ。」

「今回はいよいよエンジンでございますかねぇ・・」


「多分・・」

「まぁ、最終的にはエンジン開けてみないとなんともいえないですけどね。オーバーホールってことになりそうでございますわね~」

「どれくらいかかりそう?」

「バルブ周りならエンジン下ろさなくてもなんとかなりますが、それ以外だとかなりの大手術でございますからね。時間もかかるし、高いです。ぶっちゃけやりたくないですし、距離も走ってるからこの際、新しいのに買いかえましょう!陰王様は前に不人気のスポーツグライドがイイって言ってませんでした?」


スポーツグライド
(現行モデルで私が一番好きなスポーツグライド。昨年でディスコンになってしまいました。残念~。)

「スポーツグライド超好きなんだが?あれ不人気なのか?」

「メチャ人気ないです。アレが走ってるとこ見たことありますか?」

「ない」

「その現実が全てです」

「さすが俺!人気モデルを見る目がまったくない!そこに痺れる憧れるぅ!!」

「陰王様ってマジで人気路線を好きにならないですよねぇ。昔からクロームメッキ大好きだし・・今時はブラックアウトが流行りでメッキは流行らないのですよ。」

「あのね。今の流行に左右されて自分の好みなんて変わるもんじゃないから。好みってのはもっと奥が深い人の業みたいなものだからね。」

「スポーツグライドが何故人気がないのか?というと、デザインが独特でエンジンの排気量が小さい割に価格が立派だからでしょう。ヒエラルキー的にもイマイチなのでございますよ。」


「え?そこがいいところじゃん?ハーレーは排気量上げると熱量ヤバくなるから苦労するでしょ?スポーツグライドは107ciでミルウォーキーが出た当時の排気量まんまなのがいいの。昔107ciのストボブ乗ったけどあれで十分だったし。そもそも107ciでも1745ccもあるんだから不満なんてないじゃん。」

「しかし、今やCVOが121ciですからねぇ・・」

「やり過ぎだと思うよ。エンジンには熱量的に適正排気量ってもんがあるでしょ?無理に排気量上げて、いらんパワー盛っても、冷やすのに四苦八苦するだけじゃないの?」

「排気量を含めて、テンコ盛り感を出すのはハーレーのトップモデルのお約束ですので、買えない陰王様にとやかく言われる筋合いはありません。」

「まぁ確かに。金持ってる奴は金の力でなんとかするだろうしな。それにしても、スポーツグライドは後付けパーツを一切つけなくても、椅子入るし、珈琲セット入るし、スタイル軽やかだし。ミッドコンだし。ツーリング用途には最高のバイクだと思ってたんだけどなぁ・・あれ好きで買った奴は、絶対手放さないんじゃないの?」

「ディスコンで今年からカタログ落ちですわ。今なら在庫モデル20万引きですが?」

「いやまぁ残念ではあるけど、ダイナに馴染みきっちゃって、新車買う気はおきないんだよね。」

「チッ」

「客を目の前にしての舌打ちとは・・?」

「どうせネタキャラですから、やりたい放題ですわ」

「とりあえずダイナは行くとこまで行きたいんだよ。そのために前の車検で大枚はたいてブレーキのオバホやアクセルワイヤーから、ブレーキホースからエンジンマウントから、コンピューターからぜーんぶ交換したの。あれからなんだかんだと1年半で7000㎞しか走ってないのよ~」


「割と乗ってるじゃないですか。今何㎞でございましたっけ?」

「8万5千㎞。前回バルブリフターが逝っちゃったのが4万5千㎞の時で、そのときに、カムチェーンテンショナーも一緒に替えてもらったけど、本格的なオーバーホールは何もしてない。前の車検でも、そのうちオバホがいるかも?っていわれた気がする。」

「ソコソコ距離走ってるし、陰王様は山ばっかり走ってるから、結構ヘタッてそうですわね・・オーリンズ入れて山の低速コーナーばっかり走るのはハーレーの使い方として根本的に間違っていると思うのですが・・」

「え~、でもフロント19インチでスポーツです!なんていってるバイクって、希少じゃない?他はホンダのGB350Sくらいじゃないの?」

「なんでわざわざ19インチで峠走りたいんです?」

「だって、19インチをうりゃあって曲げるの昔っぽくって好きなんだもの。70年代のスポーツバイクは大概フロント19インチだったし。」

「性癖が特殊すぎますわ。もうこの際、昭和に戻ったらどうですか?でもその使い方ですと、バルブ周りの摩耗あたりが疑わしゅうございますね。」

「原因突き止めてなんとかしてよ~、マグネットコーティングもしてよ~」

「ドコドコが持ち味のハーレーにエンジン滑らかにするようなメニューはないのでございます。それにしても、新車には金出さないのに、修理になると金の感覚ブッ飛んでるのおかしくないですか?メンテに使った金額をカウントすると新車買った方が安いし、これからもメンテにエライ金かかると思いますけど、それでいいのでございますか?」

「新車で買ったものにずーーっと乗り続けていくってのはバイク乗りの壮大なチャレンジであり、夢の一つなのよ。これはね。事故廃車でバイクをぶっ壊し続けてきた小僧が、おっさんになって、新車から13年かけて、ようやくたどり着いた奇跡のような世界線なの。俺はどんな犠牲を払っても、この世界線で幸せをつかむ。ハーレーはそれができるバイクだと思ってるから、やれるところまでやるつもり。」

「拗らせてますね。ハーレーでそれやると沼にハマって悪夢を見ますけど・・。」

「もう既に見てるじゃん。前回の車検のときにエンジンマウントとかいろいろ換えて47万ぶっとんでるじゃん。ナイトメア・ダイナになってるじゃん。もう毒を食らわば皿まででしょ?」

「そういえばそうでございますね。ココでやめるのは、ガチャに金を突っ込みすぎて、聖帝様の怒りを買い、スマホからFGOを泣く泣くアンインストールした時みたいになりますものね。」

「ぎゃあああ!古傷をエグるのはやめろ・・・とにかく
TC96はパワーと耐久性と気楽さと風味のバランスが良いから好きなの。今のところ換えるつもりはないからね。」

「はぁあああああ・・・(大きなため息)ハーレーはエンジンに客がつくから新車が売れないんですよね・・まったく困ったものですわ・・」

「いやいやいやいや、ハーレージャパンはそれじゃ困るかもしれないけど、ディーラーは全然困らんでしょ?修理で儲けても、新車売って儲けても、収入であることにゃかわりないじゃん?多くの人達がハーレーに乗り続ける限り、ハーレー界隈に必ず金が落ちる仕組みになってるじゃん。ディーラーにとって大事なのは新車を売ることじゃなくて、ハーレーに乗ってる人を減らさないことなのよ?最近のハーレーは新車ばっかり売りたくて、既存顧客を見ていない。そこがズレてるんだよね。」

「まぁ言っていることはわからなくもないですが・・重整備は面倒臭いんですよぉ・・」

「面倒臭い修理なんて、ここの親方の本領発揮じゃん。整備変態マスター・オブ・テクノロジーの店長に頑張ってもらわないと。この店そこがウリなんだから。」

マスターオブテクノロジー
(これがハーレー整備士界のトップ・オブ・トップ。「マスター・オブ・テクノロジー」の勲章。うちのディーラーの店長は日本にMOTが数名しかいなかった頃、これを取得していた整備変態。実際、店長自ら整備してた頃は、タイヤ交換に出すとベルトドライブの張りとか完璧で、足回りがやたら調子よくなったように感じたものです。)

「まぁマスター・オブ・テクノロジーは、整備界の東西南北中央不敗。スーパー・アジアみたいなものですからね。」

「ハーレーのくせに例えがGガンダムなの草」

「我々もエンジン開けてみて、これは無理ィ・・と思ったら店長に丸投げします。(胸を張る)この前もトライクどうしようもなくて店長呼び出して修理させました。」

「店長地獄じゃん・・・」

「マスター・オブ・テクノロジーには、義務と責任が伴うのですよ。それが与えられし者の義務、ノブレス・オブリージュなのでございます。」

「いや・・でもそれ・・体の良い重整備専門要員ってことじゃ・・」

「おっと、そこまでです。そんな実態がわかったら誰もマスター・オブ・テクノロジーを取らなくなってしまいます。ちなみに、他の整備がやたら混んでて仕上がるまで時間かかりますけど、よろしいですか?」

「どこが悪かったかだけは早めに知りたいけど、別に急いでない。他に乗らなきゃならないバイクもあるし・・ダイナは俺の中でもう象徴天皇みたいな位置づけになってるから。この際修理は、10月の車検までかかってもいいわ。」

「わかりました。とりあえずお預かり致します。もってきてください」

ということで5月末にディーラーに預けたはいいんですが、その後全然連絡がありません(笑)クッソ忙しいみたい。まぁ10月の車検までになんとかして貰えば良いっていった手前、慌てず急かさず、直るまで気長に預けておくってことになりそうです。

バイクの重整備の世界は基本的に順番待ちで「屋久杉の樹齢のように悠久の時」が流れていますから、どっしりと構えて仕上がるのを待つのが肝要、一種の精神修養みたいなもんです。その点でも2台持ちすると、ココロに余裕が持てていい気がしますね。

それにしても今回はいくら請求されるのか・・。旧車のオーバーホールはよく話題になるけど、わりかし新しめのTC96ダイナで、8万5千㎞走った個体のエンジントラブルっていうのはあんまり報告がないと思いますから、これはTC96に乗ってる人の良いサンプルになるかもしれませんね。

私は高速道路はほとんど走らず、ひたすら下道、特に海沿いと山道を走ってるライダーですので、アクセルの開け閉めが多く、エンジンを酷使している方だと思います。昔ちょっとシゴきすぎてタペット焼き付かせちゃったんで、それからは高回転を使うことなく、割といたわりつつ乗ってたつもりだったんですけど、来るべきものが来たって感じかも・・。バイクを長く乗ろうと思えばエンジンのオーバーホールは避けられない整備ですから、ダイナ嬢の2年に一度のカツアゲタイムだと思って、なんとか金を貯めて乗り切りたいと思います。

次はいつ報告できるかわかりませんが、人の不幸は蜜の味。皆さんにとっては最高にメシウマな報告となると思いますので、続報を気長にお待ちくださいね。



(オマケ漫画「ダイナ離脱とその影響」)
腹痛4
腹痛p2.3
(ダイナ不在によって、ホンダの濃すぎる巨獣達の中に、ミドルクラスのイタ車が1台放り込まれた状態に・・。これはさすがにお気の毒。)