皆さんこんにちは。お待たせ致しました。ホンダの誇る最後の空冷4発。CB1100EX、当ブログ名※しび江さん※のインプレです。今回の前半部は趣向を変えて※しび江さん※との対話形式でお送り致します。

20250113_1457491391(冬でもガンガンに乗りました。グリップヒーターは偉大だなぁ・・。)

前回から、えらく間が開いちゃったけど、購入して2000㎞ほど乗ったし、そろそろ印象が固まってきたかなって

・・・あまりに時間が空いたんで、忘れ去られたかと思いましたわ(ジト目)

まぁね。もうディスコンになってるし、中古もわけのわからんプレミアついてて、全然お買い得じゃないし、多少時間が空いても、もはやどうでもいいかなって(笑)

なんてこと・・(呆然)

(空冷フィンに顔を押しつけて焼き跡で電線マンにしてやりたい・・)

俺も買うときにいろいろ検討したけど、高年式はプレミアで、年式古い奴でもイマイチ安くなってないし・・中古としての価格的うまみがないんだよなぁ。

ちょっと待ってくださいな。そもそも変なプレミアついたのは中古業者とホンダのせいで、私に罪はありませんのよ。「空冷4発、ついにファイナルです!」なんて、アナウンスをする一方で数を作らなかったから、あっという間に売り切れて阿鼻叫喚だったじゃないですか。需要に対して供給を出さないという鬼畜の所業。喜んだのは中古業界だけ。メーカーが中古業者儲けさせてどうするんですの?

聞いているか!ホンダ営業部(笑)もっと言ってやれ!!

いいですか、私のような定番バイクは売れてなくても、潜在的な需要はしっかりあるんですの。「いつでも買える」と思っているからみんな急いで買わないだけなのですわ。ファイナルをやるんだっていうのなら、潜在顧客数を考慮しなきゃいけなかったのです。そもそも空冷4発を最後の最後まで引っぱった責任があるんですから、最終年は欲しい人全員に渡るようにするべきだったのですわ!

まぁコロナ禍で潤沢に作れるだけの部品が確保できないとか、そもそも大量生産できないっていう事情もあったんだろうけど、CB1100のファイナルは異常だったな。受注停止まで実売2週間ちょっとだっけ?資金調達の暇もない(笑)まぁ、でもその反省と教訓が今回CB1300SFでは生かされて、こっちのファイナルは潤沢に作られてるらしいから、それはそれで良かったじゃん。

ガイアのドムじゃないんですから・・踏み台にされて、はいそうですかと納得できるものではありませんわ・・

まぁ確かに車重と体型はドムみた・・ギャァアアアア(首を絞められる)・・すいません!すいません!!・・・ということで、今回は※しび江さんの乗り味についての全体的な印象編です・・ゼェハァ・・

あら?具体的なインプレじゃありませんの?

いや~細かいところはもう少し乗らないとねぇ・・2000㎞程度じゃリッターバイクは判断できないしなぁ・・。冬場はしっかり走れないから、やっぱ暖かくなってから、地元の山を一通り走ってみないとね・・。

バイク小屋がハーレムになってますけど、感性もラノベのハーレム主人公並みに鈍いのですねぇ(呆れ)で、私の印象ってどうなんですの?

いろんなところで言い尽くされてるけど、普通だよね。


ガーーーン(ショックを受け大きくよろめく)

いやいやナニ期待してたの?ダイナマイト・しび江!みたいな印象のわけないでしょ?でも誤解してほしくないのは、普通って言っても良い意味だから。

普通に良い意味なんてあるんですの?

普通の定義にもよるけれど、絶大な安心感があるね。尖ってて危ういところは全くない。国産はともかく、海外モノだと、安心っていう当たり前がしっかりできてないものもあるからねぇ。

そうですの?

過激すぎてタコ踊りしたり、国産だって昔の2ストレプリカは限界を超えるとあっさりコケたしね。カムのトラブル放置して「チーズカム」なんて言われたメーカーもあるし。二輪において一番大事な安心感を、操縦安定性と機械的信頼性の両面で提供するというのは案外難しいっていうか・・


・・・年寄りは話が長いですわね。で、肝心の私の印象は?

そうだな~、スーパーバランス型で、クセがなくって、乗りやすい。直進安定性が極めて高いのに、舵の入りが非常に滑らかで、乗り心地もいい。車体の倒れ方も速くもなく遅くもなく、バンク中はド安定で、アクセル開けると出てくるトルクと、車体の動きが一致してる。何やっても破綻しないし、ドキドキもしないし、違和感もない。

つまり、普通と。

あのさ、日本舞踊って優雅に舞ってるように見えて、体幹が滑らかで指先まで綺麗に調和してるじゃん。あれと同じで、尖ったところはないけど、洗練されてて動きのつながりが美しいから綺麗に走れて気持ちがいいんだよね。特徴という特徴はないけど、まさに上善水の如しってやつですね。


相変わらず細かいとこにやたらこだわりますわね。

直進から最初の交差点曲がったときに「ふぉぉぉ・・スゴ・・これなら誰でも良い感じで走れるじゃん」って思ったんだよね。モトグッチV7が同じ18インチじゃん?あっちは「我輩は18インチでーす!縦置エンジンでーす!!」ってあっけカランといろんなものを丸投げしてくるんだけど、あれを綺麗に舞うように走らせるにはどうするか?なんてことをここ最近はずっと考えてたから、バイク側でそれ全部やってくれる※しび江さん※は衝撃だったねぇ・・。俺ってモトグッチをきっとこういう風に走らせたいんだな・・って感じたわ。

それって、V7は面白いけど、私は面白みのない優等生って言われるパターンじゃないですか?(ジト目)

そう表現する人もいるかもしれんのぅ・・

は~~~(ため息)あのですね。CB1100やCB1300ってことあるごとに、白米とか、優等生とか、80点主義とか、面白みがないとかいわれてるじゃないですか。それについては言いたいことがあるんですの

ほう

バイクに限らず、味付けって料理みたいなものですから、白米とかに例えられるのは別にイヤじゃないんですのよ。それはそれで、わかりやすくていいと思うんですの

ほうほう

で、多くのバイクが商品としての魅力を出すために、いろんなアレンジをしてますわよね

そうだね。大型は乗り手も濃いから、過激さや、ちょっとしたクセを面白いと評価しているところもあると思うよ

それはそれでいいんですのよ。人の好みっていろいろですもの。でも、CBを「優等生的でつまらない」っていうのは違うと思うんですの。

ほうほうほう

なににおいても、基礎を馬鹿にしてはいけませんわ。料理初心者にありがちな、愛をタップリ込めたから、自分の作ったものを褒めて貰えるはず。おいしく食べてくれるはず。そんな甘い考えで、ロクに研鑽も検証もしないまま、独りよがりの愛情料理がでてくるパターン。あれは最悪です。適量といいつつ適当を許容したり、栄養価も考えず、おかしな味付けをしたり、ちょっとした刺激といいいつつ、危うい要素をちりばめたり。スタンダードバイクというのは、味覚の幅を広くとりつつ、誰が食べても安全でおいしいことが大事だと思いますのよ。尖ってて刺激が強いだけで、旨みスカスカの、定見もクソもないド素人の魔改造カスタムなんて、カス料理の典型じゃないですか。

それ、遠回しに昔の俺のこと言ってるよね・・

いいですか!基本がない者に手料理を出す資格なしっ!「良く出来た?」「私にしか作れない愛情料理?」はぁ?それは錯覚してるだけっ!!定番料理には多くの人が感動し、多くの人においしいと舌鼓を打ってもらえるレシピが求められるのです!愛情や思い入れでコーティングしてなんとかなるのは信者のみ!大事なのは基本!!アレンジより、まずはおいしい白米を炊くっ!おいしい素のおにぎりを握る!奇をてらわず、余計なことをせず、基本から逃げず、それを洗練させて、ごまかさない。そこをこだわり抜いているのが、CB1100やCB1300なのですわ。

※しび江さん※基礎1.1

・・・いやでも・・個性も大事でしょ・・白米にぎりもいいけど、タネに鮭やイクラも欲しいじゃん・・

へぇ~?はぁぁ??ふうぅぅううん?

・・・・・・・

基礎ができていない人ほど、余分なものを入れてごまかそうとするんですよねぇ・・(ジト目)

うぐっ!!(50㎝後ずさり)

オーナーのイラストなんてアレンジに逃げてるだけでしょう?絵だけで勝負できないから余計なネタを入れて誤魔化してますよね。

・・・・・(白目)

良いですか?だいじなのは基礎!街乗りバイクなら、

直進安定性は出てますか?

バンキングは過激すぎないですか?

乗り手の思い通りに舵は入ってますか?

ハンドリングとトルクの出方は釣り合っていますか?

ドンツキになったりバイクが勝手に走っていったりしませんか?

柔らかくもしっかり踏ん張りますか?

毎日乗っても腰が健康でいられる優しさはありますか?

どんなときでも安全ですか?

ハンドリングは適当に作って美味しいと思って貰えるほど甘くないんですの。アレンジなんてオーナーのような基礎もロクにできないヘッポコが語るようなものじゃありませんのよ。それは、まっとうな味が作れる料理人になってから挑むものっ!まずは正しい味を作りなさい!味覚に自信がないのなら、分量計ってちゃんとレシピ通りに作るっ!愛情込めたから大丈夫?これで他メーカーに勝てる?速い?格好いい?はぁ?そんなくだらないメンツで、食べる側の安全を無視した料理を出すのは片腹痛いですわ。

なぜCBが教習車であり白バイなのかわかりますか?初心者がライディングを学ぶ入り口として、クセのない素直な挙動が求められるからです。そして、そこから巣立って、ベテランになれば、やがて基礎が徹底的に作り込まれているバイクの価値とありがたさがわかるようになるんですのよ。基礎をつまらないと言う人に限って自分勝手なライディングしかできない。習い事は基礎からはじまり基礎に終わる。あちらを立てればこちらが立たず。コントロール性と操縦安定性と運動性と乗り心地。その究極のバランスを追求し、基礎を磨いて悟りに至る。CB1100やCB1300はそんなハイバランスでシンプルな良さを目指しているのですわ!
(握りこぶしで力説)

・・・・・・・・(勢いに圧倒されて何も言えない)


とまぁ、私のCB1100、CB1300評を会話形式にするとこういうことなんです。バイクをベースに語ると専門的でわかりにくくなっちゃうので、あえて料理談義風にしてみました。いろいろ書きましたけど、私は、CB1100EXをつまんないとも優等生とも思わないんですよ。「よくこれだけのバランスが作れたな」って素直に感動してる。直進安定性とハンドルの座りの良さ、乗り心地と舵の入りと姿勢の安定性、それを可能にするエンジンの出力バランスとあえて出してる雑味やフィーリング、気持ちの良い排気音、そういう要素が高いレベルで溶け合って、渾然一体となっている。そのかわりアベレージは低くて速くない。クソ速いバイクでこれがやれれば、宇宙大魔神になれますけど、そんなのは無理だと思う。

CB1100のバランス感は速度とか加速とかいろいろなものを割り切ったことで得られた結果だと思うから、このバイクは決して万能ではないんですよ。でも、ハーレーと同様にある特定周波数帯で「バイクとして一つの完成形に至っている」と思うんですよね。だから、乗ってる時はそんなグイグイこないけど、しばらく経つとまた乗りたくなる。乗り味にそういう穏やかな気持ちよさと滋味があるんです。それが日本の公道によく馴染んでて、作り込みにもブレがない。

顧客や市場に媚びることなく「日本の道をベテランが走るにはこんなバイクがいいのだ!」とバカボンのパパのように言い切る様は、良く言えば求道的、悪く言えば頑固。美学を表に出さない点では、それをわかりやすい形で提供してるハーレーよりもストイックで、市場の隅っこで縦置Vのあるべき姿を追求し続けるモトグッチに近い。その頑固さは、まさに昭和の町工場の親父を彷彿とさせるものがある。私はバイクから立ち上るそんな昭和の世界観を重視して、あえてEXを選択してるところがありますね。

だから、空冷四発という要素だけに過度な憧れを抱いて、このバイクを選ぶときっと後悔すると思うんですよ。空冷でもガンガン走るバイクはあるけど、このバイクはそうじゃない。CB1100が難しいバイクだなって思うのは、刺激的要素が溢れるリッター市場において、多くの人は「高い金払って普通を求めてない」ってことなんです。

だってこのエンジンって高性能エンジンがお家芸の天下のホンダが作った1100cc空冷DOHC4気筒じゃないですか。いくら普通っていったって、1100ccもあるんだからそれなりにドカーンと出るでしょ!って淡い期待を抱くとホント普通でビビりますよ。

これは「リッターバイクから刺激を取り去り、空冷4発の独特のナチュラルな優しさと風流感に振り切ったバイク」ですから、他にはちょっとないバイクであることは間違いない。でもそれって、乗り出し150万円払って、超豪華一流ホテルのロイヤルスイートでフレンチのフルコース・ディナー食べて豪遊するんじゃなく、携帯電話も繋がらない山奥の禅寺で「枯山水を見ながら、地元の食材で作った一汁一菜を食べて静かに過ごしましょう」ってことなんですよ。前者は誰もが感動するけど、後者は感動できる人は限られる。本当の贅沢って実は後者だったりするんですけど、人はなかなかその境地には至れない。だからこそ、敷居が低いようで、想定顧客層は超狭そうっていうのが私のこのバイクに対する感想ですね。まぁいろんな意味で道楽者のためのバイクって気がしてます(笑)




あ、そうそう、そういえば先日大阪モーターショーにおいて、CB1000Fコンセプトが発表されました。

2250321_001H+1(ホンダ公式様から画像を拝借。こいつは市販前提できましたね。)

このCB1000Fについて、私がユーザーとして要望したいのは、「吸排気はホーネットそのままでは出して欲しくないなぁ・・」ってことです。Z900RSは110馬力程度ですけど、日本で走るにはあれでいいんですよ。200㎞オーバーを常用できない日本に150馬力はいらんでしょ?第三京浜時代に戻るの?馬力で張り倒すようなパワーウォーズを今の時代にまたするの?ってことです。

私的には最高出力を110馬力~120馬力あたりに落し、Z900RSより実用トルクを盛って、日頃使う実用域でコントローラブルな、使えるバイクを作り込んでほしい。高速高負荷領域をバッサリ切ってでも、これぞ新時代のホンダ!っていう乗り味が欲しいですね。

前にも書きましたけど、CBやZはそれぞれの時代における「バイクに対する美学」を背負って走るものだと私は思ってるんですよね。令和時代にカワサキ流の美学を我々に提示したからZ900RSは売れたのですよ。ホンダにとって、昭和日本のオマージュがCB1100、平成を背負い、令和につなげたのがCB1300であるのなら、令和日本のフラッグシップCBとは一体何なのか?どんな乗り味であるべきなのか?そこを提示してほしい。デザインは現代的に再構築すれば良いけど、乗り味は市場にとらわれず「正しさと夢を追求したもの」でないと新時代は開けない。そういうものを期待したいですね。



(オマケ漫画「穴談義」)
※しび江さん※2.1
こういう熟女系キャラに艶話はつきもの。バイクにおける穴談義といえばこういうものかなと。馬力を求めて排気量に対してポート径を広くとると、低中回転で空気の流速が上がらず、そこのコントロール性が甘くなるんですよね。私みたいな偏屈ライダーはエンジンの排気量に対して馬力を無理してないほど「実用域でいいトルク出そう!」って逆にそそられちゃうんです。)