最初に言っておきますが、最近ホンダのことばっかり書いているんで、「ホンダの強火オタ」みたいに見られてる気がするんですけど、私はホンダびいきではありませんからね。誰も信じてくれないかもしれないけど、あくまでオーナーとして「所有バイクを推している」だけであって、メーカーの箱推しはしておりません。ホンダが3台あるので結果的にホンダ好きに見えちゃうかもしれませんが、私は基本ダボハゼですので、そこは誤解のなきようお願い致します。

今回の宇都宮行きは1泊2日で、初日はコレクションホール探訪がメイン。初日の模様は前回までにガッツリ書きましたんで、今回報告するのは2日目です。私は午後2時58分の新幹線に乗って石川県に戻る予定でしたから、それなら時間まで宇都宮周辺で遊んだり飲んだりしましょうってことで、まずは雪のしんしん降る中、朝9時頃にホテルを出て、大前(おおさき)神社を参拝いたしました。ここはバイク神社発祥の地で、バイク乗りの参拝も非常に多いらしい。

建築物は国の重要文化財に指定されていますから、本殿には荘厳な雰囲気が漂っております。境内の中には、本殿以外に結構な数の内宮があり、その一つに二輪を守護する猿田彦大神を祭る神社が存在しているのですよ。

ではご紹介いたしましょう!日本初のバイクのための神社がこちらです!パンパカパーン!!






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「オィィィイイイ!!完全なるカオスじゃねーか!!」

一番目立つところに猿田彦大神(天狗)が天鈿女命(あまのうずめのみこと)をタンデムしてる絵があるんですけど、ここからもうツッコミどころ満載。まず絵が、超懐かしさに溢れるイラストでビビる。同世代の同族の香りが濃厚に漂ってきて、「うっ・・頭が・・」ってなる。

私の見立てでは、この絵柄は80代初め頃のアニメや漫画に大きな影響を受けてますな。80年代初期って、書店に行くと、ジ・アニメ、マイアニメ、アニメディア、アニメージュ、アニメック、月刊OUT、ファンロードという7つものアニメ誌がずらっーーと並んでいたというアニメ全盛期です。

そのうち、投稿ギャグ雑誌だった月刊OUTの読者は「アウシタン」、ファンイラストの投稿誌だったファンロードの読者は「ローディスト」って呼称されていたわけですけど、アウシタンとローディストは犬猿の仲で、互いに激しくディスりあっていたんですよね。

しかし、私はアウシタンでありながら、ファンロードも読んでいるという二重スパイで、品のないテキストをこの月刊OUTから、オタクなイラストはファンロードから吸収しているんです。

モコちゃん、ラビ君
(これが80年代のオタク達が好んだ典型的な絵柄。その代表例として田宮模型のイメージキャラクター「模型のモ子ちゃん」を引っぱってきました。

つまり、私のブログは月刊OUTとファンロードが生みだした「ハイブリッド・オタクの脳内夢コラボ、バイク版」といってもいいかもしれない。

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(この絵がね~。なんか私と同世代のものを感じるんですよね。)

とりあえず猿田彦様、カタナにノーヘル・ヨコ乗りは危なすぎるから止めてください!二輪守護の神様が、安全運転からかけ離れているのはいかがなものか?しかもノボリに描いてあるドカはあろうことかベベルの900SSで「交通安全なんて微塵も考えてない奴」が選ぶバイクの筆頭じゃねぇか・・・(呆然)。免許センターの講師のオッサンならキレ散らかすこと間違いなし。もうね。あらゆるところが、大いに矛盾してて、頭の悪さに満ちている。

あまりのことに、私は心の中で、こう問いかけたんです。

「猿田彦様、二輪をお守り頂けるのはありがたいんですけど、この神社はあまりにも自由すぎませんか?」

でも猿田彦様は顔色を一つも変えずにこう言い放ったんですよ。

「でもさぁ、お前らバイク乗りは、こんなんが好きなんだろ?」

ええ、そうですよ!こんなん好きですけどね!!でもね!神社にいらんネタ仕込みすぎて、雰囲気が完全に屋台みたいになってんですよ!ほこらで絵馬の宣伝までしちゃってるし(笑)しかも自宅用と祈願用の二つ買えと?商魂丸出しじゃん!恵比寿さん入ってるじゃん!

「バイクに大枚はたけるなら、絵馬買えよ♡」

って耳元でイケボの神様がささやいてくる気がする。くっそ・・

あのね。この売ってる絵馬にもいいたいことがありますよ。

絵馬(こちら販売していた絵馬。500円。CB1100乗りの私は当然CBを購入いたしました。)

ホンダはCB750Four、カワサキはZ2、スズキはカタナ、まぁ、そこまでは目をつぶってもいいですよ。でもね。ヤマハのRZはさすがにダメじゃないですか?こいつはヤマハ史上、「最もドピーキーでガラの悪いバイクの筆頭格」じゃないですか。交通安全の神様が2スト推しはヤバくない?もうね。荒神がすぎますって。せめてもうちょっと落ち着きのあるXJとか、SRとかじゃダメだったの?たしかにヤマハの名車っていえばRZなのかもしれないけどさぁ、絵馬にするならSRなんじゃないかなぁ。

まぁとにかく、あらゆるところがカオスです。一番荘厳さを感じたのが、神社脇に静かに鎮座するホンダとヤマハのネコグルマだったという凄み。思わずこっちにお参りしちゃいそうになりましたよ。

20250202_093623701(これがご神体か・・と一瞬勘違いしてしまった、ホンダカラーとヤマハカラーのネコグルマ。)

で、このはっちゃけた足尾山神社に参拝し、大前神社の販売所で絵馬や安全運転のお守りを買っていたら、もう昼食時間です。じゃあ昼は何食べようか?そう、ここはなんせ宇都宮、悩むことは一切ない。

「うまい餃子の店に行きましょう!そうしましょう!」

ってことになるわけですよ。もう一直線にJR宇都宮駅の地下にある有名餃子店「餃子といえば芭莉龍(ばりろん)になだれ込んだんです。

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(こちら、餃子といえば芭莉龍の餃子、宇都宮餃子会のホームページから転載。)

いや~、この店が活気があって凄かった。駅地下にあるからか、客の回転が速くて常時満杯。で、その活気に押されて、こっちも大盛り上がりになりました。新幹線の出発時間まで約3時間近く、ずーーっと餃子食って酒飲んでましたから。とにかく餃子が超美味くって、しかも、いろんなアレンジがあるんですよ~。パクチー餃子最高ォォオオ!!それをつまみに地ビールなどをガバガバ飲みまくり、「ガッハハハハ!!」ってテンションが上がっていったわけです。

いや~楽しいぞぉぉおお!!

今回ご一緒させて頂いたガイドの方々は、知る人ぞ知る、ホンダの広報や車両開発の重要ポジションにおられる方々ですけど、ホンダって組織内で上下関係がまったくないみたいなんですよ。役職や入社時期の差はあっても、敬語使うとかビジネスライクな感じはまったくない。久しぶりに集まった大学の同期の飲み会みたいなんですよね。だから、居酒屋で酒が入ると、無礼講でわいわい盛り上がるってことになる。ホンダの企業文化をあらためて肌で感じる瞬間ですね。

こんなことを書くと、

「酒が入って、さぞや凄い話を聞けたんでしょうね~」

「今回のブログは大暴露大会ですか?」

って、多くの方が迷惑系YouTuberのような期待を私に抱くのかもしれませんけど、

「おだまり!丸裸の脇甘ブロガーに、そんなネタあるわけないでしょ!」

あのね。基本私はオタク風味の日常系テキストブロガーで、業者でもなければ、技術系でもなく、ヤングマシンのようなスクープネタ勝負でもない。そんな面倒くさいブログ内容だったら、そもそもホンダの人とこんな風に遊べているわけがないですよ。

秘密を扱う仕事において何が怖いって、私みたいなアホなんです。だって、アホってコントロールができないでしょ?多くの人は他人を縛ってコントロールしようとするけど、そんなの無理ですから。海外には、「馬を水辺に連れて行くことは出来るが、水を飲ませることはできない」って格言がありますけど、人は自分以外の他者に対しては、促したりすることはできても、思うように動かすことなどできんわけですよ。

だから、私みたいなアホに情報を与えると、「おいしい水を飲ませてあげようと穴場の水辺に連れて行ったら、あろうことか脱糞して水質を汚染しはじめた」ってことになりかねない。

「いやいやいや、そんなことはない!へっちまんは何か隠しているはずだぁあああ!!」っていう人もいると思うけど、ちょっと待ちなさい。アニメやドラマの世界には、その手の陰謀が溢れていますし、ネットにもそれに影響を受けたかのような陰謀ストーリーを語る方が多数いらっしゃいますけど、あえて言おう!!

アホの世界にそんなものはない!

そもそも私の行動原理は「自分のバイクのことをもっともっとよく理解したい」ってシンプルな個人的欲求で、今回のゴールドウイング50周年記念展示を訪れたのもその一環。好きな子ができると、その子の過去とか、成長過程とか、そういうの知りたくなってストーカーになるのと同じですね。

あと、私は消費者側なんで、バイクに乗ったときの感触とか、コストバランスを含めた商品のデキは、メーカーにキッチリ申し上げたいし、情報発信していきたいけど、その裏にある専門技術的要素には、深入りするつもりはありません。だって聞いてもよくわからないし、中途半端な知識が消費者としてプラスになったことってあんまりないんですよ。

知識って広い視野で完璧に入れないと、それが中途半端であればあるほど、「知識や情報に誘導されやすくなる」んですよね。ちなみに時計の世界では、メーカーアナウンスや専門誌の理論上では凄い時計が、いざ普段使いしてみると「全然精度が出ない」なんてケースが当たり前のようにあるわけですよ。

そんなものを沢山買わされると、やがて時計の精度ってのは、「派手で複雑な設計理論より、製造技術という地味なところに依存している」ってことがおぼろげながらわかってくるんです。華やかで複雑な時計理論は、機械が見せてくれる夢であって、時計にハクを付けるためのマーケティングなんですよ。でも、それを赤裸々にしちゃうと、計器としては「ロレックスとかオメガとかSEIKOが最高」って結論になっちゃって、お高い雲上時計が売れなくなるから、誰も言わないってことになってるんですよね。

消費財っていうのは、生産数が積み上がれば積み上がるほど、製造面の安定性が高まる。つまりロットが多い量産品ほど製品安定性は高いんです。そういうことを理解した上で、あえて個性を重視し、尖った少量生産品を選択するのなら、それはそれで凄く素敵なことだし、「高額な割に、なぜか製品ムラが多くて手間がかかっちゃう」という矛盾も可愛げとして受け入れられるようになるでしょう。

でも、そんな知識もない初心者が過剰な夢を見て購入してしまうと、小ロットで手作りに近い生産体制であるが故につきまとう故障に面食らうだろうし、それを受け入れようとはしないでしょう。また、ステータスを重視する人ほど、量産機を小馬鹿にする傾向にあるんですけど、それは大きな勘違い。ロレックスやSEIKOを馬鹿にしてるのは得てしてそういう人達です。でも時計もぐるっと回ると、「時計なんて一長一短。オメガとかSEIKOあたりが一番バランスがいいんじゃね?」になるんですよね。

バイクの世界も、スピードを競うのではなく、バイクそのもののステータスを競うようになった頃から、なんとなく似たような傾向があるように感じてます。

だから我々消費者にとってはコストと実益のバランス感覚が一番大事だと思う。技術論に引っぱられて日常で苦労するくらいなら、地味だけど日常メンテを勉強し、やれることはしっかりやって、バイクの維持コストを浮かしたり、とにかく乗りまくって、自分のバイクに対する向き合い方や、価値観みたいなものを固めた方が、消費者として利益になると思うんですよ。

超凡人のオールドタイプを自負する私においては、「自分の生活フィールドでそのバイクが楽しく乗れるか?気持ちよく乗れるか?」が最優先事項です。そこで大事になるのは自分とのマッチング。私のさしてレベルの高くないライディング技術や田舎の下道環境を大きく超える性能は逆にフラストレーションが溜まるんですね。

ニュータイプの素養がないコテコテのオールドタイプが超コストの高いユニコーン・ガンダムに乗ったって、絶対ツノ割れしないんですよ。乗り手がガンダムに拒絶されてるんだから。そんな奴はノーマルのリックドムにでも乗って、戦場の隅っこでボールをイジめてた方が爽快感を得られるってことですよ。

(ユニコーンガンダムはニュータイプが乗ることで、シロモノ家電から真のガンダムに変形する。この変形を通称「ツノ割れ」と呼称しています。ガンダムは性能を求めるあまり「MSが乗り手を選ぶ」ようになっちまったわけですけど、最近の超高性能バイクも似たようなものかもしれない。)

そもそも消費者がどんなに知識をつけたって、メーカー開発者の方にとっちゃ赤子も同然。素人ってものごとを単純化しがちですけど、どの業界もプロになるほど、視点が多角的で視野も広いんです。開発者の方々は、もう360°全部見えてるから、壁の穴から女風呂を覗いてるような視界の私が雑談の中で、その真意を理解することはまぁ不可能ですよ。

実際、飲みの席でも、私と広報の自称灰色さんはともかく、死神博士とA枝さんの間のやりとりって、私から見ると「あれでコレで、こうだから、アアだよね」「うんうん、そうそう」っていう、もはや熟年夫婦みたいな会話になってる。さすが怪人製造部。バイクの構造とそれによって生じるバイクの動きが全部頭に入ってて、あうんの呼吸で、要点だけをやりとりしておられるのですよ。まぁアルコールを一定以上摂取すれば、わかんなくても、わかったような気になって盛り上がることはできるので、まったく問題ないわけですが。

そんなわけですから、私は話の内容の2割もわかっていないし、酒が回ってロクに記憶もありません。でも、そんなおぼろげなバイク雑談の中にも、「これは今後のバイクライフのためになるかも~」って感じたネタ話がいくつか脳の海馬に引っかかっておりましたので、それについては、一般論としてこのブログに書いておきたいって思ってます。でも、それを今回のブログ内で書いちゃうと、軽く1万字を超えて、また勧進帳ブログになってしまうので、次のブログで「特別編」として、私の私見も交えつつご紹介したいと考えておる次第です。

ということで、今回のホンダコレクションホール探訪の旅の報告はここで終了。みなさん、長らくお付き合いいただきまして、本当に有り難うございました~~。


(オマケ漫画「バリロン迷宮のサバト」)
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(ガイドの皆様。私はあなた方のメンツより、笑いを取りました。申し訳ありません。)