本日はHAWK11の心臓部にもなっているパラツイン・エンジンについて、少々思うところをお話ししたいと思います。今の私は徹頭徹尾、消費者側の立場ですので、好きなことを適当に言ってますけど、これは、あくまで私の個人的な意見なので、そこのところはご了承の上お読みください。
パラツイン=並列2気筒は、現代のバイクシーンにおいて、もはやメインストリームのエンジン形式といって差し支えないと思いますが、ちまたではV型やフラットツイン、4気筒に比べて「趣味性が低い」とか「つまんない」って言われてることが多いようです。そりゃね。こんだけ市場に溢れてるんだから、ありきたりなことは間違いないし、外観もシンプルを極めていて特段主張するようなことのない地味なエンジンってのはよくわかる。
そんなホンダが「これをリッタークラスの主力エンジンにしてやっていく」っていう覚悟を決めて爆誕させたのが、このエンジンなんですよ。そりゃね。パラツインっていうエンジン形式自体は、ちまたに大量発生してますよ。それ見て「ええー・・パラツインなの?それってモブ系エンジンじゃん?」っていうネガティブ意見もあるかもしれない。でもね。ワンパンマンと同様モブ顔が死ぬほど使えたときのインパクトってハンパない。そして、このパラツインは、たゆまぬ筋トレとスキルアップ就労支援によって、ホンダがこの世に生み出した「最強モブ系ハイパードカチン労働者」なのです。パワーモリモリで砂漠から舗装路まであらゆる環境に適応し、クレバーで躾もいいので、どこで働いても、そのお仕事能力たるやハンパない。
会社的に言うと、「見た目普通だったから、あんまり期待しないで雇ったら、社長より仕事できる奴がきちゃったでござる」感があってヤバい。ゴールドウィングがちょっと焦ってる(笑)
(私のホームコースでの※のじゃ子。ワインディングマシーンらしい1枚です。田舎の荒れた路面でも安定の走破力が光りますねぇ。)
パラツイン=並列2気筒は、現代のバイクシーンにおいて、もはやメインストリームのエンジン形式といって差し支えないと思いますが、ちまたではV型やフラットツイン、4気筒に比べて「趣味性が低い」とか「つまんない」って言われてることが多いようです。そりゃね。こんだけ市場に溢れてるんだから、ありきたりなことは間違いないし、外観もシンプルを極めていて特段主張するようなことのない地味なエンジンってのはよくわかる。
私も※のじゃ子を買うまで現代のパラツインっていうものに乗ったことがなくて、ネットでいろんな意見を読んでるだけでございましたから、いささかの偏見があったことは認めましょう。※のじゃ子の変態ロケットカウルに脳をやられてなかったら今でも未体験だったかもしれない。でも、実際に乗ってみたら
「とてもとても素晴らしいエンジンでした。ごちそうさまでした。」
もうね。つまんないどころか、アクセルレスポンスの解像度の高さと、トルクの出の良さと、扱いやすさと、気持ちよさが、渾然一体となっちまってますよ。乗っていても不快なところは一切なく、「ホンダの力の入れっぷりハンパないわ・・」って仕上がりを見せる。ホンダって、ことエンジンの世界では「自分達こそ王道なのである」っていう傲慢さに満ちていて、王道を踏破するために開発側がエンジンに過酷なエクササイズとシバキ上げを繰り返す。その結果、基礎代謝が高くて、力も強く、どんな現場でもグズらない柔軟性と耐久性があり、仕事も丁寧でメシ(燃費)も食わないという「プロフェッショナル・ハイパー・ドカチン労働者型エンジン」ができあがる。もうね。実を取るバイク便で使えるエンジンを作らせたらホンダの右に出るメーカーはありせん。
そんなホンダが「これをリッタークラスの主力エンジンにしてやっていく」っていう覚悟を決めて爆誕させたのが、このエンジンなんですよ。そりゃね。パラツインっていうエンジン形式自体は、ちまたに大量発生してますよ。それ見て「ええー・・パラツインなの?それってモブ系エンジンじゃん?」っていうネガティブ意見もあるかもしれない。でもね。ワンパンマンと同様モブ顔が死ぬほど使えたときのインパクトってハンパない。そして、このパラツインは、たゆまぬ筋トレとスキルアップ就労支援によって、ホンダがこの世に生み出した「最強モブ系ハイパードカチン労働者」なのです。パワーモリモリで砂漠から舗装路まであらゆる環境に適応し、クレバーで躾もいいので、どこで働いても、そのお仕事能力たるやハンパない。
会社的に言うと、「見た目普通だったから、あんまり期待しないで雇ったら、社長より仕事できる奴がきちゃったでござる」感があってヤバい。ゴールドウィングがちょっと焦ってる(笑)
「わたくし、世界のホンダが開発に力を入れているエリート労働者です。トライアスロンは大得意で、ペンチプレスで100㎏上げられます。」
って、「オィイイイイイ!!お前醤油顔なのに中身優秀すぎんじゃね?」って感じなんですよね。もうね。これだけお仕事能力が高いと、黙って給料払うだけ。個性的な特殊スキルに頼ることなく、純粋なフィジカルの底力で勝負してくるこの感覚は、その昔、覇権をとっていた4気筒エンジン達から受けた印象と同じで、「ああ・・これが今のメインストリームなんだな・・」って改めて感じてしまうわけです。
このエンジンは往年の4気筒とは違い、公道で使い切れない高出力に色気を出さず、実直に「開けた時のエンジンのパンチの良さと、トルクの美味しさと、パルスの気持ちよさ」を勝負どころにしています。要はカタログの見てくれより、公道環境で走らせたときにどれだけ味わいが深いか?どれだけ役に立つか?という実務能力特化型なんですね。アフリカツインは今年、エンジンに再び手を入れて、最高出力を変更することなくトルク特性を大幅に引き上げてますので、進化の方向性はもはや明確。それが「トルクフィール・フェチ」の私にブスブス刺さりまくってる。
実際のところ、リッターバイクを公道メインに使うのなら、使い切れない馬力に振るより、排気量を生かして開けた時の押し出し感を演出した方が日常的にパワーを感じられるし、扱いやすいんですよ。高トルク型エンジンを積んで、サスのストロークを確保したアドベンチャーが人気あるのも、その方が公道では快適で力強さを感じられるからですよね。ベテランになって、高出力の幻想から解き放たれ、公道における真の性能を模索し始めると「アドベンチャーって結構いいんじゃね?!」って感覚になるってわけです。
パラツインは、エンジン自体がコンパクトで、スペース効率が良いし、吸気と排気の流れも自然だし、低重心化やマスの集中化によりハンドリングも邪魔しない。そんなパラツインがちまたで評価が低くなってる一番の理由は、
「市場に溢れちゃってるから」
でしょう。そこにはユーザーの「市場支配的なモノを下げておけば安心」っていう心理も間違いなくあると思うんですよね。だって昔4気筒がラインナップにあふれていた頃は、「4気筒なんてありふれててつまらない」っていって、ドカへ行く人や、私みたいに6気筒に行った人も沢山いたわけだから。バイク乗りって、そういうヒネたところがあるんですよ。もうね。昔の私は成功している主流派を下げたくてしょうがなかった。主流になれない人間って、主流を認められないんですよ。でも、どんなに妬んだところで、いいものはいい。
「市場に溢れちゃってるから」
でしょう。そこにはユーザーの「市場支配的なモノを下げておけば安心」っていう心理も間違いなくあると思うんですよね。だって昔4気筒がラインナップにあふれていた頃は、「4気筒なんてありふれててつまらない」っていって、ドカへ行く人や、私みたいに6気筒に行った人も沢山いたわけだから。バイク乗りって、そういうヒネたところがあるんですよ。もうね。昔の私は成功している主流派を下げたくてしょうがなかった。主流になれない人間って、主流を認められないんですよ。でも、どんなに妬んだところで、いいものはいい。
いろんなエンジンに乗れば、視野も広がるし、いろんな気づきがあるわけですけど、マニアックなエンジンに乗れば乗るほど「大メーカーの力の入った基幹エンジンの実力に気づく」ってところも間違いなくあるんですよ。実際、今のパラツインって「現代のエンジン製造技術」をヒシヒシと感じるものになってて、一昔前の「パラツインは振動がね~・・」っていう感覚で乗るとかなりの衝撃を受けます。
(私のホームコースでの※のじゃ子。ワインディングマシーンらしい1枚です。田舎の荒れた路面でも安定の走破力が光りますねぇ。)
このエンジン、見た目はそんなに奇をてらったところがない弁当箱みたいな外観なんですけど、その中身は銀シャリの上に、桜でんぶでハートマーク書いた愛妻弁当のように、乗り手への思いやりに満ちている。もうね。次世代の主力エンジンらしく、地味だけど手の込んだ技術の塊になってますよ。特にホンダは化学調味料で表面的に味付けするのを嫌い、エンジン自体の素材を生かした地味な下味型の調理をしてくるから、一見普通なんだけど乗ると奥が深くて、地味にいい。こういうのって好みが違う人が食べてもハズしがないんですよね。
同じツインでもモトグッチのV7みたいに「イタリア職人が作った空冷縦置90°Vを、そのまま生でシンプルにお召し上がりくださ~い♡」という生食型ではなく、ハーレーのような「秘伝のタレで野外で豪快に肉を焼こうぜ!!」っていうイケイケ豪快調理型でもない。これはホンダの持つ最新の製造技術で素材にしっかり手を入れつつ、繊細かつ丁寧な仕込みでエンジンの旨みをナチュラルに引き出した料理人型です。
このエンジンは大排気量ツインでトルクもあるから、内部ではものっ凄い爆発力があるはずなんですけど、乗り手が感じるパルスは実にまろやかで角もトゲもない。パルス感に引っかかりや雑味も一切ない。かといってダルいわけでもない。そして、綺麗な燃焼から生まれる、なんともいえん気持ちよさがある。普段、ダイナのなんともあっけからんとしたIQ低そうな雑な爆発振動に脳を揺らされていると、「え?大排気量ツインって、こんなに知的に作れるもんなの?」ってビックリする。まるで、「ジャイアンの肉体に出木杉君の頭をのっけて、しずかちゃんの母性でコーティングした」みたいなエンジンなんですよね。
そんな知的で優しく力持ちなエンジンから生み出されるトルクの性質は、しっとりとした粘性で、スポーツユニットなのにツーリングエンジンのようにまろやかで粘り、リッターツインとは思えんくらい扱い易い。
そんな知的で優しく力持ちなエンジンから生み出されるトルクの性質は、しっとりとした粘性で、スポーツユニットなのにツーリングエンジンのようにまろやかで粘り、リッターツインとは思えんくらい扱い易い。
これはツインプラグの位相点火や理想的な燃焼室形状、徹底したフリクションの低減、精度の高い2軸バランサーなどによるものなんだと思うけど、私はメカのことは正直に言って良くわからない。ただ、メーカーがいろんな最新技術と知恵を絞って、地道な努力でフィーリング面を良くした成果であるというのはニブチンの私でもわかります。
「とは言っても1100ccの2気筒エンジンじゃ上まで回らないんじゃないっすかー?」
っていう人もいると思う。確かにバランサー付きエンジンはクランクと一緒に余計なオモリを回してるみたいなもんですから、高回転でスカッと抜けないんですけど、ホンダご自慢のユニカムバルブトレインとフリクションのなさで、中回転域からかなり上の方まで綺麗に回してきます。そりゃ1100ccのビックツインですからスポーツモードでは極低回転域は結構なしゃくりが出るし、てっぺんまで回せば振動も細かくなって「頑張ってます感」は出る。でも、それを許容するからこそ、「実用回転域のフィーリングがしっかり盛れる」んです。良いところをより良くするために、不得意なところはちゃんと不得意ですって乗り手に伝えるってのは、私は全然嫌いじゃない。逆にそれがエンジンのキャラを濃くし、乗り手との意思疎通を密にするからです。
※のじゃ子のエンジンは感触的に気持ちいい領域を中回転域にドカッと盛ってあるんですけど、その守備範囲がメチャ広くて、そこ使うだけでオートマ状態になっちゃうくらいだし、使える領域も公道速度域にマッチしてて、とっても楽しませてくれる。
以前の私はパラツインに対して「コスト安じゃん!」「こんなにちまたに溢れちゃって魅力ねぇっす」ってネガティブコメントしたこともあるんですけど、「乗りもせずに覇権をとってるものを下げると、自分の首が絞まる」ってことを今一度反省し、この場をお借りして、現在のパラツインの実力に素直に頭を垂れたいと思います。かしこ。
(※のじゃ子のパラツインは派手さはないけど、実用で地味~に効いてくるような技術を一つ一つ積み上げてる、ホンダっぽい仕込みの効いたエンジンです。)
というわけで、ここからはパラツイン全体について話題を広げていきますけど、このエンジン形式はコンパクトでリーズナブル、かつ公道速度域で必要十分な実力を発揮しますから、高額化していく現在のバイクシーンにおいては我が世の春状態になってます。価格競争力が重要になる400ccクラスなんてカワサキが唯一4気筒出してるくらいで、「ほぼ単気筒かパラツインの2択」状態ですからね。
大型クラスに目を向けますと、こっちは価格が青天井なだけあって、ありとあらゆるエンジンが生き残っております。単気筒、並列2気筒(パラツイン)、V型2気筒、水平対向2気筒、3気筒、4気筒、過給4気筒、V型4気筒、直列6気筒,水平対向6気筒と、もうね。酒池肉林状態ですよ。そんな中で、国内の大型クラスの販売動向に目を向けますと、販売面では、まだまだ4気筒勢が強い傾向にあります。でも、その一方で国産メーカーのラインナップ上では、パラツインがどんどん増えて、かなり支配的な状態になってきている。その理由は
今後の普及価格帯はパラツインの勝負になる
と多くのメーカーが判断しているからでしょう。現行モデルで、新車乗り出し200万円までのボリュームゾーンで買えるエンジンは、まずは何がなくともパラツインです。その他、KTMやドカのハイパーモタードが搭載する「ビックシングル」、ヤマハとトラの「3気筒」、各メーカーの「4気筒」、SV、ドカティ、モトグッチ、ハーレー(水冷モデル)の「V型2気筒」、BMWの「フラットツイン」です。ちなみにこの価格帯で空冷を選ぼうとすると、ドカティ、モトグッチのV型か、エンフィ、W800の並列2気筒しか選択肢がありません。
ここに挙げたエンジン以外の過給4発、V4、直6、水平対向6気筒は価格帯が200万円オーバーの「超高価格プレミアゾーンでしか買えないエンジン」になってるんですよね。
ここに挙げたエンジン以外の過給4発、V4、直6、水平対向6気筒は価格帯が200万円オーバーの「超高価格プレミアゾーンでしか買えないエンジン」になってるんですよね。
ここでもう一歩踏み込んで数年先の未来に目を向け、将来的なコスト増を見越しつつ、「ユーロ6の排ガス規制実施後も200万円以内にとどまれそうなエンジン」という見方をすると、最近のメーカーの動向から、環境に強いエンジンの傾向が少しずつ明確になってきてる気がするんですよ。
我が世の春のパラツインは排ガス適応力が高いから当然残るとして、4気筒はカワサキが中型で出してますし、「ホンダも今後400ccで新開発の4気筒バイクを出す」なんてまことしやかに言われてます。ホンダが新開発の4発をリーズナブルな価格設定が要求される中型で出してくるってことになると、ユーロ6の規制後も4気筒の存続可能性は極めて高いと思うんですよ。先日欧州で発表されたホーネット1000も、ユーロ5+に適合しながら、価格破壊状態で出てくるみたいだし、4気筒は環境対策をしても、そう大きくないコストアップで市場に投入できることが証明されつつあるといっていいんじゃないでしょうか。(ホーネット1000の驚きの価格予想は下記の記事で。もし、この価格で出てきたとしたら、ZX-4Rと10万円程度しか変わんない。これもうレブル1100を超える、とんでもない価格破壊マシンです。)
120万円台で発売?! ホンダが新型モデル「CB1000ホーネット/SP」を発表、SPはオーリンズ&ブレンボ装備【欧州】
もし4気筒がこの価格帯に踏みとどまれるなら、3気筒も当然イケるでしょう。この現状を見ると、
「直列形式のエンジンが排ガス規制に対しては圧倒的に有利なんじゃね?」
って推測ができると思うんですよ。国産各社のエンジンラインナップの選択と集中を見ていると、水平対向6気筒やH2のスパチャ付4気筒のような車種専用の特別エンジン以外は、明らかに単気筒、並列2気筒、直列3気筒、直列4気筒の4つに集約されつつある。世の中が全部パラツインになっても、それはそれで味気ないし、ラインナップに深みも出ないから各社2気筒以外に3気筒か4気筒は残すと思うんですよね。なお、イタリアンは石にかじりついても水冷Vをやっていくでしょうけど、モトグッチはマンデッロの一番安い奴が現状で220万円ですから、さらに上がっちゃうと日本人のお財布には厳しい。ドカも今のV型で環境乗り越えようとすると、吸気と排気の効率が異なる前後シリンダーで別々に環境対策しなきゃならないし、パワー出してナンボのメーカーだから、価格は爆上がりしちゃう気がする。それもあってか今年ハイパーモタードがデスモ搭載の単気筒を積んできました。そのうち普及価格帯のモンスターにもデスモ+単気筒が追加される可能性はあると思う。空冷は残念ながらサイボーグ化してるハーレー以外、全てディスコンでしょう。
そんな厳しい将来を見据え、国内では多くのメーカーが「直列形式で勝負をかける」という判断をしてるんだと思うんですよね。その中でも決戦場になりそうなパラツインでは、各メーカーがクランク角を変えたり、バランサーの振動特性を変えたりして、その枠内で味付けを競い、独自性を出そうと躍起になっています。
今の燃焼技術や製造技術のレベルなら2気筒でも昔の4気筒レベルの馬力が出せますから、そうなると2気筒のトルクの出の良さや、スリムさ、ハンドリングの軽快さが光ってくるんですよね。私自身、今の2気筒は「高回転の馬力以外は4気筒を超えてるなぁ・・・」って感じるところが多々あるし、資源高の昨今、価格競争力も高いってことになると、多くの量販メーカーが将来の基幹エンジンとしてパラツインを選択するのは当然だろうと思うわけです。
その光景は、国産メーカーがモアパワーの競争で勝利するため、空冷4気筒に勝負の軸足を移していった70年代となんとなく似てて、時代の大きな変わり目を感じざるを得ない。いずれにせよ、総合力に優れるパラツインは「環境規制下における過酷な生存競争で、最も優れたエンジン」であることは疑いようがないと思うんです。
120万円台で発売?! ホンダが新型モデル「CB1000ホーネット/SP」を発表、SPはオーリンズ&ブレンボ装備【欧州】
もし4気筒がこの価格帯に踏みとどまれるなら、3気筒も当然イケるでしょう。この現状を見ると、
「直列形式のエンジンが排ガス規制に対しては圧倒的に有利なんじゃね?」
って推測ができると思うんですよ。国産各社のエンジンラインナップの選択と集中を見ていると、水平対向6気筒やH2のスパチャ付4気筒のような車種専用の特別エンジン以外は、明らかに単気筒、並列2気筒、直列3気筒、直列4気筒の4つに集約されつつある。世の中が全部パラツインになっても、それはそれで味気ないし、ラインナップに深みも出ないから各社2気筒以外に3気筒か4気筒は残すと思うんですよね。なお、イタリアンは石にかじりついても水冷Vをやっていくでしょうけど、モトグッチはマンデッロの一番安い奴が現状で220万円ですから、さらに上がっちゃうと日本人のお財布には厳しい。ドカも今のV型で環境乗り越えようとすると、吸気と排気の効率が異なる前後シリンダーで別々に環境対策しなきゃならないし、パワー出してナンボのメーカーだから、価格は爆上がりしちゃう気がする。それもあってか今年ハイパーモタードがデスモ搭載の単気筒を積んできました。そのうち普及価格帯のモンスターにもデスモ+単気筒が追加される可能性はあると思う。空冷は残念ながらサイボーグ化してるハーレー以外、全てディスコンでしょう。
そんな厳しい将来を見据え、国内では多くのメーカーが「直列形式で勝負をかける」という判断をしてるんだと思うんですよね。その中でも決戦場になりそうなパラツインでは、各メーカーがクランク角を変えたり、バランサーの振動特性を変えたりして、その枠内で味付けを競い、独自性を出そうと躍起になっています。
今の燃焼技術や製造技術のレベルなら2気筒でも昔の4気筒レベルの馬力が出せますから、そうなると2気筒のトルクの出の良さや、スリムさ、ハンドリングの軽快さが光ってくるんですよね。私自身、今の2気筒は「高回転の馬力以外は4気筒を超えてるなぁ・・・」って感じるところが多々あるし、資源高の昨今、価格競争力も高いってことになると、多くの量販メーカーが将来の基幹エンジンとしてパラツインを選択するのは当然だろうと思うわけです。
その光景は、国産メーカーがモアパワーの競争で勝利するため、空冷4気筒に勝負の軸足を移していった70年代となんとなく似てて、時代の大きな変わり目を感じざるを得ない。いずれにせよ、総合力に優れるパラツインは「環境規制下における過酷な生存競争で、最も優れたエンジン」であることは疑いようがないと思うんです。
結局のところ、市場における戦闘力は、
「顧客に選ばれるか?選ばれないか?」
であり、選ばれた上で、企業が存続していくための
「利益が出せるか?出せないか?」
が重要なんです。売れるから利益が出る。利益が出るから進化できる。進化できるから環境問題に対する開発コストも吸収できる。そして進化の過程で、性能もフィーリングもどんどん良くなっていく。その好循環が回すために、エンジンにはコスト競争力が必要不可欠なんです。
国産勢の中でも、リッタークラスのフラッグシップに、あえてパラツインを選択したホンダと、基幹エンジンとして3気筒を押さえに行ったヤマハは量販メーカーとしてさすがだと思う。中型クラスで単気筒をやり、大型クラスでバーティカルツインと3気筒をやってるトライアンフは当然ながらメチャクチャにクレバー。欧州のメーカーで一番将来性があると思う。トラって経営陣の技術的なセンスがいいっていうか、バイクのことがマジで良くわかってると思うんですよ。だから打つ手が全部バイク乗りに刺さるし、とても上手くまわってる気がするんですよね。
商品って性能も大事ですけど、顧客視点で見ると「購入できる販売価格帯のボリュームゾーンに収まってる」ってのが、メチャ大事なんです。何でもかんでも高額化するんじゃなく、量販モデルは普及価格帯に、趣味性の高いプレミアモデルはしかるべき価格に・・ってしっかり分けていかないと景気によって業績が大幅に左右されることになってしまう。トライアンフの販売が爆伸びしてるのも、そこをしっかりやってるからだと思うんですよね。
国産勢の中でも、リッタークラスのフラッグシップに、あえてパラツインを選択したホンダと、基幹エンジンとして3気筒を押さえに行ったヤマハは量販メーカーとしてさすがだと思う。中型クラスで単気筒をやり、大型クラスでバーティカルツインと3気筒をやってるトライアンフは当然ながらメチャクチャにクレバー。欧州のメーカーで一番将来性があると思う。トラって経営陣の技術的なセンスがいいっていうか、バイクのことがマジで良くわかってると思うんですよ。だから打つ手が全部バイク乗りに刺さるし、とても上手くまわってる気がするんですよね。
商品って性能も大事ですけど、顧客視点で見ると「購入できる販売価格帯のボリュームゾーンに収まってる」ってのが、メチャ大事なんです。何でもかんでも高額化するんじゃなく、量販モデルは普及価格帯に、趣味性の高いプレミアモデルはしかるべき価格に・・ってしっかり分けていかないと景気によって業績が大幅に左右されることになってしまう。トライアンフの販売が爆伸びしてるのも、そこをしっかりやってるからだと思うんですよね。
海外勢の舵取りの難しさは、エンジンの個性を重視したブランド展開に自らが縛られ、方向転換ができないでいるうちに「日本勢に環境対応力に優れた直列2気筒で優位をとられ、そっちの出口を塞がれている」ってことです。この光景って70年代に、4気筒エンジンの登場というパラダイムシフトに対応できず、海外勢が進化の蛸壺に入って非常に苦しい立場に追い込まれていった過去となんとなく重なる様な気がするんですよね。
いずれにせよ、環境対策下の売れ筋バイクは「パラツインを主軸とした直列形式のエンジン」を中心に回っていくんじゃないかと思うんです。問題はそれ以外のエンジンで勝負しているメーカーがどんな生存戦略を提示してくるのか?ですけど、それは私にはわかりません。ただ、来年からユーロ5+、その後にユーロ6という大きな波が押し寄せてくることは既定路線なわけですから、そこでエンジンの淘汰の方向性が明確になると思うんですよ。消費者としては、それを想定して立ち回りをしていかなければならないな~って改めて感じてます。
まとめとしては、アフリカツインのパラツイン系は、いろんなエンジンを乗ってきた私から見ても、自信を持ってオススメできる非常に優秀なエンジンです。ホンダが将来を見据えてデリバリーした現代の公道におけるリッターエンジンの総合的な最適解だともいえる。純粋に公道での実力を問うなら、私の所有しているエンジンの中で、ハンドリングや車体とのマッチングも含めての総合的能力が一番高いまであるから、当然、買って損はまったくありません。それが私の現段階での、このエンジンの評価なのでございます。
(アミバ様ってアクが非常に強い怪しげな変態ヴィランなんですけど、私を含め一部で熱烈なファンがいるんです。そこがロケットカウルとよく似てますね(笑))
(はぁ~♡アミバ様・・この小物感・・素敵・・♡)
コメント
コメント一覧 (12)
メーカー側の都合は置いておくとして。
現代のエンジンはクランクと点火をイジれば如何様にも味付けできちゃうので
カタログスペックだけ見てエンジンフィールを推測するのは難しいです。
私の車歴でいえば、ストリートトリプルからアグスタのトリプへと
似たような排気量、出力のパラトリプルに乗り換えましたが、
かたや田舎の純朴な女の子のような素直なエンジン、かたやハーレイクインのような狂気のエンジンで全く性格が違います。
人それぞれに好みもあって、
大量生産でよく売れているエンジンが好きな人もいれば、マニアックで他人と被らない少量生産のエンジンを好む人もいる。
最新最先端の技術で作られたエンジンを好む人もいれば、伝統を重んじて長く作り続けているエンジンを好む人もいる。
趣味の世界なので当然と言えば当然ですが、それに応えるメーカーの人は大変でしょうね。
へっちまん
がしました
最近HAWK11の後方視認向上のためにドラレコを兼ねたスマートモニターを導入したのに結局変態ミラーと振り向いての肉眼確認でしか後方確認していない44バキシムです。
へっちまんさんのホームコース、記事から察するにここかなぁって所に行ったことがあります。しかし私ごときが気持ちよく走れるのは極一部でしかなく、あそこをスポーツモードでトラコンランプ光らせながら駆け抜けていくとは凄いの一言です。
そんなお館様に仕えている※のじゃ子さんはさぞ幸せでしょう、ちなみにうちの子のトラコンランプなる上級者判定装置は雨のマンホール上でしか光らせたことはありません。
私は正直、エンジンの形式はそんなにこだわりはありません。鼓動とか言われてもわからないしモード変更でどうとでもなるのでは?と思っているくらいのニブチンです。
モードと言えば以前、スポーツモードにずっと入れっぱなしと記事で書かれてましたが私は結構ころころモード変更します。理由は楽しいから。
スタンダードモードは
「総員(私だけ)第一種警戒体制に移行」(CV:三石琴乃)を脳内再生。
スポーツモードは
「加速装置!」と小さく呟いて奥歯の内側の何もないところを舌で押しています。
※なおエンジンレスポンスは向上するが操縦者技能のせいで特に速くはならない模様。
レインモードの時は
「ドップ(雨)多数接近!」
「トラコン薄いぞ、なにやってんの!」…ってごめんなさい、きんつばさんの記事見ていま考えましたw
レインモード時は特になにも呟いてません。
なんかいいのありますかね?
へっちまん
がしました
世界のメインストリームはもう完全にパラツインですね
欧州は免許制度や馬力による税金が…アジア圏なんかは交通事情が四気筒に適してなさそうですし
しかし良くも悪くもフットワークめっちゃ軽いですよねw
この見切りの良さは全方位的にどのエンジンも高水準で作れちゃうから出来る事なんでしょうけども
エンジンにフォーカス当てたらHAWK11が一番1100ccユニカムパラツインを一番堪能できそうに思えちゃいますね!トルクスポーツ本当に楽しそう!
それとは別に750cc版も非常に良さそうな感じがしますね〜
こっちは同クラス帯のライバルと比較して高回転型なんで、1100ccのイメージを引きずったままだとちょっと意外ですね
今回のユニカムパラツインもですけど
Hondaって完成品はナチュラルテイストだけど、調理手法で必要なら躊躇なく飛び道具かましてくる印象がありますw
へっちまん
がしました
へっちまん
がしました
このエンジン 病みつきになる刺激
「バイクが生きている」様な乗り味は他では感じられない醍醐味を乗り手に与えてくれます
日本人は見栄っ張りだからエンジンの気筒数が多い方が「偉い」なんて疑いもしないような宗教観が何処かにありますけど
オールドトライアンフのT120 や ヤマハXSー1のエンジン見ちゃうと
芸術的にはこっちの方が美しいと
時代は戻ってパラツインですが 見た目がもう少し芸術的になれば 支持するライダーも多くなりそう
へっちまん
がしました
冒頭、個人的な意見 と書いておきながらちゃんと背景まで読まれてますね!(怖)
エミッション規制に対応する為に気筒数が増えると対応コストが増大するので、
作る側は年々大変➡環境性能向上は作る側の義務で買う側の評価は価格なので、
適正な価格というより結果「この売価になります」が近いかも?苦労の末ですが。
綺麗な4-1集合管はキャタライザーにより分断、マフラーも一本になったり(涙)
各社色々頭を使って商品の維持を図る努力はしても残せるモノは何?とか、
残したいモノ、残さないとならないモノの篩の目が小さくて大変だと思います。
綺麗な燃焼状態を得ると味の部分が希薄になりますが、僅かなDNAを感じる位。
本口さんもエキパイ後端に2本のキャタライザーとその手前に2本のセンサー?
余程燃焼効率が良くて浄化性能が高い?と思えるサイズですね?ホンダさんには無理な仕様に見えますが、みんなこんな構造を夢見ていると思います。
へっちまん
がしました