古くから私のブログを呼んでくださっている人は、ちょっと前まで私のブログに広告が一切掲載されてなかったことをご存じのことと思います。これはライブドアブログが、ブログタイトルに広告を紐付ける仕様になっていて、ブログタイトルを外してしまえば、うっとうしい広告が表示されなかったんですよね。そこで私はそれを逆手にとって、ブログタイトルの位置に「ブログタイトルを描いたイラスト」を挿入することで、合法的に広告表示を逃れていたんです。

ところがある時から、この私の広告非掲載テクニックに対してライブドアブログの方で対策がなされ、広告が表示されるようになっちゃった。




・・・・・そして、ついに、ついに私の恐れていたことが起こってしまったんです!

そう、最近、ライブドアに強制的に入れられてる広告枠にやたらエッチな画像が挿入されてくるんですよ。これだよ!まさにこれを恐れていたの!!もうね。私の場合、

「ドンキで完売。アソコドーピング絶対ヤって」

って意味不明なテキストと女性の尻しか見えない画像が常に広告枠に表示されているんですよ。あのね。バイクのブログにこんなのが出てくるって一体どういう基準なの?俺のブログがバイブスになっちまってるんだが?

これはですね。スマホを見ている私自身が「アソコドーピングが必要不可欠な人間である」ということをAIが判断してくれているのかもしれないし、はたまた、このブログで、あまりにも品のないイラストとワードを連発してるから、「このブログの閲覧者は不純なアイテムのコア購買層に違いない。」と判断されているのかもしれない。しかし、いずれにせよ、「お前は救いようがない不純でEDな奴である」とAIに判定されていることだけは間違いないんですよね。

最初の頃はKindleの広告とか、もっとマシな広告が入っていた気がするけど、最近はもう肌色の広告一色でまったくブレがない(笑)これは、完全に私自身が「エッチで底辺の50代」と認定されたってことなんですよ。

まぁね。表示されている理由が「プラウザの閲覧履歴的に私がそういう奴だから」っていうのなら、まだ許せるんですよ。「さすがAIは賢いのぅ・・アソコドーピング・・考えてみるか・・」って遠くを見ながら悲しい思索にふけるだけでいい。だって、そのパターンなら「健全な閲覧者の方々の画面には、そんな不純な広告は出てこない」ってことになる。

でも、この私めの「品のないテキストによって表示広告が決まっている」のなら、皆さんのスマホにも同様の肌色広告が表示されてるってことになっちゃう。ヤバい。もしそうだとすると、それは私の不徳の致すところなので、誠に申し訳なく、ここに謝罪する次第です。かといってブログの方針を変更するつもりはさらさらないんですけど(笑)

とにかく私のブログは現状「見るにたえない広告」が多数掲示されているので、私は私のブログを閲覧するときだけBraveという広告ブロッカープラウザを使うようにしています。これを使うと、プラウザ側で「不純で不潔よ!」な広告を全て排除してくれるので、桃色吐息に満ちた画面が一気に健やかになるんですよね。やっぱ健全な精神は健全な画面に宿る。たとえ、女性用下着を装着してる変態であっても「見てくれだけは三つ揃えで整えたい」というのが社会人の世間体というものでしょう。

うーん、それにしてもまさか自分のブログを広告ブロッカープラウザで見ることになるとは、この海のリハクをもってしても・・。

・・・ということで、相変わらず救いようのない話題ではじまっておりますが、今回は前回飛ばされちゃったヴィーセことモトグッチV7の話題です。時事ネタのせいで毎回飛ばされちゃって実に不憫。

20240803_145936214 (1)(夏のヴィーセ。リアのシートバックはコーヒーセット入り。川沿いは涼しいんですけど、コーヒー休憩に丁度いい日陰を探すのが一苦労です。)

いやー、しっかし、このV7って、ホントマジでいろんな面でおっさん殺しなんですよ。特にスペシャルは完全なオッサン向けというか、若者らしさがないですな~。クロームの使い方といい、フロントのチューブタイヤといい、バックに回春剤の広告があっても、まったく違和感がありません。

こういうバイクって、良さの説明がしにくいんですよね。しかも、私にとって、この特別な縦置V型エンジンが、とりたてて特殊なものでもなかったりするから、なお難しい。

「え?この液晶テレビの時代にブラウン管をナナメに叩いてるような空冷縦置90°V型OHVが特殊じゃないとか?バカなの?死ぬの?」

っていう人はいると思う。確かに、フツーの人にとってはこのエンジンってかなり特殊で、味わったことのないものだと思うんですよ。だって多くの人が憧れる「高回転型水冷多気筒DOHCハイパワーエンジン」と全てが真逆ですからね。そりゃ馬力を重視して進化した世界線からみたら、その部分をごっそり捨て去ったこの調律型エンジンは「ナニコレ珍百景」もんの違和感でしょう。

でも私自身は納車時からV7を「特殊なバイクだ」と思って乗ってきたわけじゃないんです。だって同じ空冷OHV2気筒のダイナに15年、エンジン縦置き+シャフトドライブのGLに10年乗ってますからねぇ。

私がモトグッチ選んだとき、「なんで?」って思った方もいると思うんですけど、私的にはV7はずっと狙ってたバイクで、買わないのは単に「現物が見れてないだけ」って理由でした。V7って「空冷OHVエンジンを縦置きしてシャフトドライブで駆動する」っていう、ダイナ嬢ときんつば嬢の特徴を合体させて軽量化し、気軽に乗れるようにした、合成怪獣みたいなバイクなんです。

実際、V7はシャフトドライブ機構で21Lの燃料タンクを積んで、220㎏台(Stoneは218㎏)って、縦置きの中では一番軽いんですよ。しかも重心がそれなりに高いから、ヒラヒラ舞うのは明らか。とはいっても、快適機構や便利機構がないし、フロントシングルディスクだし、フォークも正立で細いし、「軽いの当たり前じゃん!!」ってところはありますけど、このエンジンなら、「この車体で十分かな」って思わなくもない。重くハードになっちゃうと良さが消えそうな気もするし、落とし所としては、それなりにいいと思うんですよ。大事なのはそこそこの性能で、そこそこの車体で、過剰でもなく、かといって足りなくもなく、ちゃんとバランスが取れているということです。

ちょっと物足りないなってくらいのバイクをコスりまくるってのが、「一番楽しいかも・・」って最近は思ってるんですよね。

あとは、やっぱエンジンですね。この世にエンジンは色々ありますが、古くさい空冷エンジン自体が少なくなってる昨今、さらに古くさいOHVをラインナップするのは、今やハーレーとインディアンとモトグッチくらいしかない。(アメリカではヤマハもある。)でもね。不思議なことに、このローテクな空冷OHVが、気がつけば空冷エンジンの一大勢力じゃないですか。しかも、ハーレーとモトグッチはそのローテクなエンジンをいまだにメインエンジンとして、ドヤ顔で使い続けてるというイカレた状況です。サブじゃないですよ?メインですよ?「なにこれ?なんなの?」ってなるじゃないですか。


エンジン
(とても綺麗に回ってくれる、V7の空冷90°V型OHV2バルブエンジン。信号待ちで下を見れば、タンクからはみ出したシリンダーヘッドに刻まれたモトグッチの文字が目に入る。これがたまんない。)

ハーレーとモトグッチは共に歴史がハンパないんですけど、長きに渡って、この空冷OHV2バルブのV型2気筒エンジンを前面に出して戦ってるんです。この2社は創業から100年を越える歴史があるわけですが、歴史が長いってことは「どんなに時代が変わっても常に一定数の支持がある」ってことなんですよ。これってまさに「虎屋の羊羹」状態なんです。市場ってのは残酷で、売れなきゃ即潰れるわけだから、そんな過酷な市場の中で、「もっともローテクな空冷OHVが支持され続けて、残ってる」ってことは、その理由と秘密がちゃんとあるってことなんですよね。

で、その秘密って何かっていうと、それは「ベテラン層にやたらめったら懐かれる」ってことにつきるでしょう。この空冷OHV2バルブは長い歴史の中で、「時代は変われども、おっさん支持が絶大」なエンジン形式で、もはや「完全なるおっさんホイホイ」といっていいと思う。かく言う私もこの世界観につかまって身動き取れなくなっている一人なんですから、間違いない。まぁ、ハーレーはまだわかるんですよ。基本クルーザーなんだから。最高出力より実用回転域でガッツリとしたトルクが出てりゃいい。そもそもアメリカ人は炸裂する低速トルク特化型の大排気量OHVがソウルフードならぬソウルエンジンですから。OHVが大好きっていう国民なんですよね。OHVこそアメリカだ!って思っているフシすらある。実際アメリカで売るために意図的にOHV積んでるモデルがあるくらい。バルカン2000とかヤマハのスターベンチャーとかがその代表例です。

しかし、モトグッチは、どっちかというとレース活動を出自とし、イタリア空軍のアクイラ(鷹)をエンブレムに頂く誇り高きスポーツ系メーカーです。つまり、スポーツバイクとして勝負できなければモトグッチの歴史は終わる。そんなメーカーが80年代のエンジン開発競争の中で、高回転をビュンビュン回して馬力出してくる国産多気筒エンジン勢と戦っていくことになったんです。この時代を空冷OHVの2気筒1本足で生き残っていくってマジ大変だったはず。だって私を含めて血の気の多い大型ライダーは根こそぎ最高速が出る国産ハイパワーエンジンに行きましたからね。

基本的にプッシュロッド式の空冷OHVってのは高回転で勝負できるシロモノじゃありません。水冷のオーバーヘッドカムのエンジンに出力的には勝ち目がない。だってV7なんて、80年代から約30年以上を経た今でも850ccで65馬力しか出てねーんですから、馬力的には息の根止まってます。今時の水冷4気筒エンジンなら600ccで120馬力オーバー出しますからね。

私はモトグッチがやたらおっさん臭い理由は、この80年代のパワー競争に原因があると思ってるんです。この開発費をかけまくった狂乱のパワー競争の中を小さな家内制生産方式のメーカーが乗り切るには一体どうしたらいいのか?同じイタリア製のドカティがデスモでツインを軽快に上までブン回し、高回転型ツインスポーツの先頭を走る中、モトグッチもどこかに生き残る道を探さなくてはならない。そこで、モトグッチの出した結論は、

「ニッチなベテラン層向け」

という方向性だったんだと思うんですよ。多くのバイクが馬力競争に舵を切る中、忘れ去られつつあった2気筒の美点を「わかる人にだけ売っていく」という、想定顧客層を絞ったバイク作りに舵を切ったことが、今までモトグッチがしぶとく生き残ってる理由だと思う。

まったく倒産しないモトグッチと、倒産しまくるMVアグスタって、イタリア系小規模メーカーでは対照的構図なんですけど、これはバイクがどうこうということより、「顧客層をガッチリ固めてるかどうか?」なんじゃないかと思うんです。モトグッチって乗ってる人が明確にイメージできるじゃないですか。ええ、脇汗が濃そうなおっさん層です。勝負する顧客層を明確に定めて、そこの枠に入ってきた顧客層を地味ながら確実に拾っていくモトグッチは、常連客、固定客囲い込み型の典型的な老舗経営やってんですよね。

モトグッチに関してはそれを裏付ける象徴的な出来事が1990年代にありました。この頃、モトグッチは高性能化を志向して、SOHC4バルブを採用したデイトナを世に送り出すわけですけど、オーバーヘッドカムで高回転化したことによって、実用域でOHV2バルブ独特のトルク感がなくなっちゃったんですよね。で、ベテランユーザーから「おぃぃいいい!!これじゃないんだよ!!」って、総ツッコミされちゃうんですよ。で、同じシャーシに従来のOHV2バルブを乗せた1100スポルトを出したら、「そうだよ!こんなんでいいんだよ!!」ってことになっちゃって、結局またOHV2バルブ1本勝負に戻るわけです。

つまり、モトグッチって「顧客層も大概」なんですね(笑)

「モトグッチの良さはこうだ」「モトグッチはかくあるべし」っていうコダワリを、支持する顧客層がしっかり持っていて、カタログスペックや実馬力には全然こだわってないんですよ。そういう層に土台を支えられ、その層を裏切らないバイク作りをしてきたのが、モトグッチの最大の強みともいえる。顧客層がしっかりしてるから、ヘンな方向に行きそうになると、顧客が修正する。そして、メーカーが顧客を育て、その声をしっかりフィードバックして熟成する。モトグッチは顧客とのキャッチボールがちゃんとできているんですよね。だからこそ、本質を見失わずに、これまで生きながらえてこれたと思うんです。そういう伝統のバトンを、メーカーと顧客達がずっと後世に繋いでいるのがわかるから、年を取れば取るほど、モトグッチというメーカーに乗ってみたくなるんですよ。小さいながらもそこには強固なファンダムが構成されているんです。

実際、私はこの空冷OHV2バルブV型2気筒を、「パワー競争から降りたベテラン層が公道で楽しむには最良のエンジンの一つである」と評価してます。私は懐古趣味で空冷OHVを選んでるんではなくって、「これこそがいいんだよ!これなんだよ!!」っていう感覚で選んでるんですよね。

モトグッチのエンジンの何がいいかっていうと、ぶっちゃけ「脚色のないトルクの出と、フィーリングがいい」んです。大排気量OHVの重量級クランクから産まれる原始的でのどかな回転感、豊かなトルク、乗り手を置いていかない優しさ、大空に伸びていくような吹け上がり、そのどれもが気持ちいい。とにかく実用域でいいんですよね。なんというか、情緒的というか、人間味があるといいますか・・。

サーキットではそういうものは1ミリもいらんのでしょうけど、その手の人間味って、肩の力を抜いて楽しむには結構大事だと思うんですよ。

実際、今の私は素敵な景色の中でコーヒー湧かして飲んでりゃ、それで十分満足なんです。で、ちょっとばかし元気に走りたいときはホームコースのワインディングを流す。そんな楽しみ方をするようになってから、飄々としている空冷OHVの在り方に自然と共感するようになっていた。なんせ、MOTO2のベースエンジンである直列3気筒DOHC12バルブに3年乗って、次に買ったエンジンが、2台目の空冷OHV2バルブだったんだから、私はこのローテクエンジンの魅力に相当やられてるんだろうと思います。

馬力は回転とスピード上げないと楽しめないけど、トルクってスピード出さなくても楽しめる。だから、公道でスピードを捨てたら、自然とトルク重視になってたんですよね。で、肩の力がどんどん抜けていった結果が、私の場合は空冷OHVだったってことなのかもしれない。

このエンジンと古くさいシャーシで、いつものコースを走ってると「ああ・・バイクって、多分こんなのでいいんだろうな・・」って思うんです。そういう感覚になること自体、モトグッチの思うツボにハマってる。でも、それはこのメーカーが長年かけて、スピードに疲れたライダーのために用意周到に掘ってきた落とし穴ですから、私レベルでは、回避は不可能。もう落ちるしかないんですよね。そんな風にして、多くのライダーを首まで埋めて、このメーカーは生き残ってきたんだろうな・・って、ヴィーセに乗る度にそんな風に感じるんです。




(オマケ漫画「邪教の館とイタリアン詐欺師」)
悪魔合体

貴兄・ペン入れ41

悪魔合体3P3
(今回も全員が登場する漫画。イタリア人って、バイクでも車でもアパレルでも、「感性の罠」を仕掛けるのが凄くうまい。モトグッチは機構的には古くさくて、「なんでこんな高いの?」って思うけど、プライスレスな価値と独自の哲学でパンパンになってるから、割とお買い得な気がします。)