昨日スマホのページを見たら、突然広告が入っていてビックリ。これまではブログタイトルに広告表示システムがくっついていたから、システム上のブログタイトルを外し、こっちでタイトルを入れたイラストを貼ることで、「スマホ画面に自動的に広告が表示される」というライブドアブログの糞仕様を合法的に回避していたんですが、このパターンが6月18日から通用しなくなったみたい。「プライベートで書いている自分のブログが誰かの広告に利用される」ってのはとてつもなく不本意で、メディアの視聴率のためにプライベートを勝手に利用されてブチ切れた大谷翔平様の気持ちがよくわかる。
「独自ドメインでやってるんだし、ライブドアから他へ移ろうかな?」って考えたりもするけど、それもまた面倒くさい。まぁライブドアも無料ブログを慈善事業でやるわけにはいかないでしょうから、これはもうしょうがないでしょう。皆さん、広告が入ってうざいでしょうけど、私には一銭も入ってきておりませんので。当然、収益無視で今後も好き勝手に書いていきます。ブログが下品すぎて広告がアダルト系になったとしても、なにとぞご容赦いただきますようお願い申し上げます。
それではブログ本文をどうぞ。
2024年6月15日をもって、定例のヘッダー更新をいたしました。毎回バイクを描いて余白を埋めるってのも芸がないので、今回は
「文字で埋め尽くしてみよう!手抜きできるし!ぐふふ・・」
と思っていたんですけど、テキストの選定とか文字の縁取りとかに結構手間がかかり、全然楽ができなかった・・。
なお、ヘッダーの文字は、私の中での歴代1位アニメ、天元突破グレンラガンのカミナの名口上をもじったモノです。
(カミナの男っぷりはアニメ前半部の華。人は消えても、誰かがそれを受け継ぎ前に進む。多くの人の生き様が、やがて一点に集約され、分厚い壁を突破していく。それをドリルで表現したのが、グレンラガンというアニメです。)
なお元ネタはこちら ↓
そんな怠惰な私が夏場の炎天下で、このヘッダーのように、若者らしい覇気を纏って走っているわけがないわけでしょう。そう、現実は首から濡れタオル垂らしつつ、半分白目のアヘ顔という不気味さ。ホラー映画なら出てきた瞬間、即火炎放射器で焼き殺される生物です。つまり、このヘッダーの口上は私の熱き魂の発露ではなく、
「あくまで背景の飾り」
とお考えください。完全にハッタリです。ええ。
なお、このヘッダーの製作途中に、大きな環境の変化がありました。
お絵描きのための液晶タブレットをワコムのシンティック13HDから、シンティックPro16という上位モデルに変更したんです。わーすごい!パチパチパチ!
(こちらが現在のお絵描き環境。ついにプロ用の液タブを手に入れたぞ!気分は悪魔の力を手に入れた不動明のようだ!16インチで画面が広くなり、色再現度も筆圧検知も圧倒的です。)
液タブを変更した理由は、液タブとパソコンに繋ぐケーブルが断線してしまったからです。断線させた犯人は、へちま家在住の無職、通称モコットル君(4歳・ネザーランドドワーフ雄)。とにかく奴は配線を囓る。ケーブルはこれまでも、このキラー・ラビットの度重なる噛みつき攻撃を受けており、損傷部をマスキングテープでグルグル巻きにして「ケーブル界の綾波レイ」みたいな姿になりつつ耐えしのいできましたが、ついにとどめを刺されてしまいました。
(こちら、撫で待ちのモコットル君です。)
しょうがないので、ワコムストアで新たなケーブルを購入しようとしたんですが、「モデルが古すぎて生産中止!!」という衝撃の事実。家電量販店のネット通販でも販売してないし、ヤフオクでもケーブルだけの出品はない。なんだこの立ちゴケした旧車のクランクケースカバーを探してるような絶望的欠品状態は!!もう目ん玉ビヨヨンです。
私が使用していたシンティック13HDは、購入した時点で既に型落ち品で、そこからもう6年近く使ってるから、パーツがなくても致し方ないといえばそうなんです。当時は「良いもの買ったところでうまく使えるかどうかはわからないじゃん💀」ってことで、投資費用をセコくケチって、お安くなってた型落ちで妥協したんですよね。
しかし、それからはや6年。この間、毎週のようにブログ用のイラストを製作してきた私にとって、今や液タブはなくてはならないツールになっている。その一方で、近年の液晶タブレットの価格上昇はちょっとヤバいものがあり、ニューモデルが出る度にドカンと値上げを繰り返しているという状況。もはやワコムの液タブは「気楽にお絵描きを楽しもう♡」という感覚では買えないような金額になっちまってるんですよね。こんな状況の中で、北陸地方のコスイネンを自称する私が定価で購入するわけがありません。状況確認後すぐ新たな液晶タブレットをゲットすべく、ヤフオク巡りを開始したというわけです。
(こちら下絵。イラストの8割は作画の魅力だと考えてますんで、下書きは超大事です。)
この手の液タブって新品がお高い割に中古が充実してるっていうか、「イラスト制作に夢を見て買ったはいいけど、描くのに挫折し、短期で売りに出された」ものがヤフオクにそこそこ出てくるんですよね。ほとんど新古品といってもいいような状態で、バイクでいうと試乗車おちみたいな感じ。
いろいろと検討した結果、シンティック13HDの後継で、より性能を追い込んだシンティックPro16の、新同品をお安く落札しました。誰かの屍の上でダンスを踊るようで申し訳ないけど、こうでもしないと、ワコムの液タブはメチャ高くて買えない。ヤフオク使っても痛い出費ですよ。安い中華製もあるんだけど、価格より安心感と安定性と品質を取りました。なお、シンティック16というプロがつかない素のモデルは半額以下で買えますけど、Proはダイレクトポンディングという「視差を限りなくゼロに近づける機能」が搭載されていて、ペンを置いた位置と、描画位置が寸分違わず一致するし、筆圧の検知能力は13HDの3倍、ペンの応答速度も20%程度上昇、色域カバー率が75%から90%と、プロの名に恥じないハイスペックがてんこ盛り。
この強まった液タブを手に入れたことにより「ふぉぉぉぉおお・・産まれる・・これは名作が産まれるゾォォオ・・・」ってラマーズ法でヒーヒーフーかと思ったんですけど、描いているうちに、大きな落とし穴があることに気づいたんです。
そう・・液タブが変わっても私の画力が上がるわけではないということに・・
おお、なんと恐ろしい事実なのか?大枚はたいてツールを変えても、なんら仕上がりに差が出ないとは・・こんな悲しいことがあっていいのか?
(こちらペン入れ。フルカラーにするので、線はできるだけ少なくしています。塗り絵のベースみたいなもんですね。)
まぁバイクだってメチャ性能の良い機体を購入しても、それだけで自分のライディング技術や能力が上がるわけじゃありませんからね。ザクからガンダムに乗り換えれば、そりゃ戦闘力は上がるに決まってますけど、「貴様が勝ったのではない! そのモビルスーツの性能のおかげだということを忘れるなぁああ!! 」(by ランバ・ラル)ってことなんですよ。まぁそんな負け惜しみを言ったところで、趣味の世界は「は?ずるい?何言ってんの?負けたくなければ同じモビルスーツ買えば?え?買えない、ぶぁははは!!死ね!貧乏人!!ええーい、くぬっ!くぬっ!」ってことになり、「ぎゃああああー!!悔しいですっっっっ!!」で戦闘は終わってしまう。資本主義社会では戦闘力=マウント力ってところがあるので、エースの前ではザクに乗ってる一般兵は実にミジメなんですね。だからこそ誰しもが一度はマウントを取れるガンダム乗りを目指すんですよ。しかし、いざ高性能のガンダムに乗ってみると気づくんです。
自分はアムロでもシャアでもなく、カマセの代名詞、デニム、ジーン、スレンダーと同じ枠であった
という残酷な現実に・・・。そしてやがて主人公を諦め、画面端の見切れたところでモブやカマセの美学を追求するようになる。私のバイクラインナップ見りゃわかるでしょ?乗ってる機体はガンダムでいうと、ゾックとか、ビグロとか、ギャンとか、旧ザクの類いですよ。どれ乗って出撃しても「なんじゃぁあぁ!こりゃぁああ?」って松田優作みたいな反応される機体が揃ってる。もうね。局地戦でマニアックな存在感をひたすら狙う、一話登場、即退場という奴らです。でもそれがいい。
高性能なものは確かに素晴らしいです。しかし、乗り手である私は決して高性能じゃない。その差がだんだん重荷になるし、私のような頭の弱いバカに過剰性能は劇薬。「自信は過信に変わり、やがて慢心へと至る」という約束された黄金ルートが確定するからです。要はヒャッハーですよ。でもね。しょうがなくないですか?ガンダムやジオングに乗れば、アムロやシャアのように無双したくなるのは当たり前じゃないですか?シン・アスカみたいに「ディスティニーならあんな奴らなんかに・・」「分身はこうやるんだ!」って言ってみたいですよね?それは、その人が悪いというより、そういう流れに乗っちゃっただけなんですよ。我々は正義のために戦うニチアサのヒーローとは違うんです。意志だってそんなに強くないヨワニンゲンだし、バイク乗りのメンタルなんてどうみても怪人側ですよ。それがリターンして大型とった人達の事故に繋がってると思うし、私が公道で10回も事故をやらかしてしまった理由でもある。
このように市販バイクの高性能って、その目的は「ガンダム無双、マウント無双」という実にわかりやすいものなんですけど、液タブの高性能は真逆。その高性能の行き着く先ってクソ地味で「デジタルでひたすらアナログ感を目指す」ことなんです。デジタルに感じる違和感を全て取り去り、入力を限りなく忠実に画面に再現することにハイスペックの大半を使っているんですよね。
シンティックPro16は、これまで使っていたエントリー用の液タブと比べると、書き味の自然さが格段に増してます。描いていてより違和感がなく、限りなく普通。描き手の個性も正確に拾い、嘘偽りなくパソコン画面に記録する。2回前くらいのブログイラストから、液タブを新型に変えてるんですけど、皆さんは「は?どこが変わったの?」って思うはず。そう、その高性能は内にこもり、理解できるのは描き手だけ。しかし、何枚か描いた後では「もう前の奴には戻れないな・・」ってシミジミ思う。ちょっとしたところの反応の正確さや細かな使い勝手の良さが、描いているうちにジワジワと大きな差になっていくんですね。
ここまで、液タブのことを延々書いていますけど、バイクだって走るツールの一つである以上、同様の側面はあると思うんですよ。
(肌を塗ってみました。イラストもバイクも実践に勝る学習はない。)
よく旧車乗りの人が「今のバイクはつまんない」っていうじゃないですか。それは別に良いんです、旧車は確かに楽しいし、そういうのって人の好みだし。でもその面白さと引き換えに昔のバイクは乗り手に一定の負荷をかけていました。普通にコーナリングするだけでも、立ちが強くて鼻入れるのにコツがあったり、操作系に雑味やユルさがあったりで、それが個性になってたり、乗りこなす面白さに繋がっていた部分もある。
でも、今のバイクはツールとしてもの凄く進化してて、乗り手の思い通りに動いてくれるし、雑味もなく、あまつさえ乗り手の操作をリカバリーしたり、トラコンがタイヤを限界まで使い切ったりしてくれる。ツールとして優れているものをつまんなく感じるってのは、「乗り手がつまんない入力をしてるからアウトプットもつまんない」ってだけかもしれないんですよね。
バイクってとても複雑で、性能や乗り味だけでなく、趣味性、デザイン、ヒーロー要素、人の感情の器になるか?など、いろんな要素がごった煮のように入っているものだから、そのうちの何を重視するかは悩ましくも難しい問題です。でも、人が操るものである以上、「走るツールとして、使いやすいか?優れているか?」っていう視点は、外すことはできない重要な評価軸の一つだと思うんです。特にスポーツバイクにおいては。
バイクをツールとして考えたときの理想は、液タブが目指しているように人の操作と一体化することなんでしょう。いわゆる人馬一体ですね。少なくともプロ用の液タブは、自然な描き味を実現するための技術と手間を惜しんでいない。それは「入力に対して正しくアウトプットがなされることこそが、優れたツールの本質」であるからで、その点は今やデジタルデバイスに変貌しつつあるバイクも基本的には変わんないと思うんです。
電子制御によってアナログ入力にはできなかったいろいろなことができるようになったわけですけど、その一方でインジェクションや電制スロットルの制御が未熟な頃は、「キャブやワイヤースロットルの方が自然で違和感がない」って感じることが多かったことも事実です。
しかし、制御するコンピューターの演算能力の向上、マッピングの解像度の向上、ノウハウの蓄積と熟成などにより、今やよくできた電子制御系は、アナログ入力以上に繊細で違和感のない乗り味を実現しつつあります。例えば、HAWK11のスポーツモードのスロットルレスポンスなんて、入力に対する反応がナチュラルかつダイレクトで解像度が高い。まるで乗り手のスロットル操作の丁寧さをバイクが試しているような味付けです。キャブ時代を含め、これまでのバイクで一番好みかもしれないなぁ・・って思うくらい。
私は元モデラーで絵も描くから、「人が操るツールとしてどうか?」という目線で、車やバイクを見てるところが大いにあります。人が使うものである以上、そっち方面の完成度は高いにこしたことはない。「それがバイクの価値の全てなんですか?」って問われると、他の選択要素も沢山あるわけですけど、高い金とってるスポーツバイクは、カテゴリー的に突き抜けた速さ以上に、ツールとしての基礎的部分に力を入れてしかるべきだと思うんです。でも、操作に対して「ん?」って感じるバイクや車はそれなりにあるんですよね。
それはバイク側が乗り手の意図を勝手に解釈した演出だったり、エンジンの欠点の補正だったり、ハイパワーを公道に落とし込むための苦悩の産物だったり、単に煮詰め不足だったりするんだろうけど、いずれにせよ乗り手に不自然さを感じさせてしまうようだと、スペック上の性能は高くても、ツールとしての性能は低いと判断することなっちゃう。
その点、枯れたモデルはスペック的には劣ってるけど、長年にわたって熟成されているから、操作感にハズレはないという安心感があったりするから侮れないんですよね。
今回プロ用の液タブを購入してみて、あらためて
良いツールってやっぱこういうことだよな・・
って実感した次第なのであります。
(ダイナの色塗りが完成。相変わらず最後まで気合が続かず、この程度で良いかなって妥協してます。)
なお、今回液タブを変えて得られた一番の収穫は、落札した液タブにおまけでついてきた「CLIP STUDIO PAINT PRO 公式ガイドブック」かもしれない。これは私の使っているお絵かきソフトでより良い絵を描くためにメーカーが出している公式の指南書です。わざわざ金出して買う気にはならないけど、タダでついてくる分にはありがたい。
私ってこれまで、こういうノウハウ本を読まずに、人のイラストを見ながら、我流でカラーを描いてきたんですけど、今回のヘッダーは、この公式本をじっくり読みながら描きました。ほんの些細なノウハウなんですけど、書いてあることが的確で、仕上がりも良くなった気がする。さすが公式が作った本だな~ってちょっと感動したかも。
ということで、今回も長々と書いちゃいましたけど、そろそろここら辺で締めたいと思います。それでは皆さん。今年の夏も、へっちまんのモーターサイコルをお楽しみください。
(今回もなんとかヘッダーイラストが完成。こちらはスマホ版です。)
「独自ドメインでやってるんだし、ライブドアから他へ移ろうかな?」って考えたりもするけど、それもまた面倒くさい。まぁライブドアも無料ブログを慈善事業でやるわけにはいかないでしょうから、これはもうしょうがないでしょう。皆さん、広告が入ってうざいでしょうけど、私には一銭も入ってきておりませんので。当然、収益無視で今後も好き勝手に書いていきます。ブログが下品すぎて広告がアダルト系になったとしても、なにとぞご容赦いただきますようお願い申し上げます。
それではブログ本文をどうぞ。
2024年6月15日をもって、定例のヘッダー更新をいたしました。毎回バイクを描いて余白を埋めるってのも芸がないので、今回は
「文字で埋め尽くしてみよう!手抜きできるし!ぐふふ・・」
と思っていたんですけど、テキストの選定とか文字の縁取りとかに結構手間がかかり、全然楽ができなかった・・。
なお、ヘッダーの文字は、私の中での歴代1位アニメ、天元突破グレンラガンのカミナの名口上をもじったモノです。
(カミナの男っぷりはアニメ前半部の華。人は消えても、誰かがそれを受け継ぎ前に進む。多くの人の生き様が、やがて一点に集約され、分厚い壁を突破していく。それをドリルで表現したのが、グレンラガンというアニメです。)
なお元ネタはこちら ↓
「一度故郷を離れたからにゃあ、負けねぇ、引かねぇ、悔やまねぇ、前しか向かねぇ、振り向かねぇ、ないない尽くしの男意地!!グレン団のカミナ様が相手になってやっから、そう思えっ!!!」
「無茶で無謀と笑われようと、意地が支えの喧嘩道。壁があったら殴って壊す!道がなければこの手で作る!心のマグマが炎と燃えるっ!超絶合体!グレンラガン!!!」
この2つの名口上の合体変形版です。これは前にしか進めないバイクにピッタリのセリフですよね。
なお、アニメは有言実行で凄く格好いいんですけど、現実にこういうことをのたまう奴に限って、たいがい口八丁手八丁で中身はグダグダっていうのはお約束。当然私もそちらのたぐい。どれほどグダグダかというと、現在、最高気温が30度を超えてる日があるにもかかわらず、
まだリビングにコタツがありますからね
片付けるのが面倒くさくて放置されておりますけど、冷静に見ると絵ヅラはヤバイ。しかも「ふぅうう・・エアコンが寒すぎるわ」といいつつ、エアコン温度を上げることなく、コタツの電源を入れてたりする。これが、プチ罪悪感を伴い、とてつもなく気持ちがいいという、エコに逆行する極悪非道ぶりを見せています。
そんな怠惰な私が夏場の炎天下で、このヘッダーのように、若者らしい覇気を纏って走っているわけがないわけでしょう。そう、現実は首から濡れタオル垂らしつつ、半分白目のアヘ顔という不気味さ。ホラー映画なら出てきた瞬間、即火炎放射器で焼き殺される生物です。つまり、このヘッダーの口上は私の熱き魂の発露ではなく、
「あくまで背景の飾り」
とお考えください。完全にハッタリです。ええ。
なお、このヘッダーの製作途中に、大きな環境の変化がありました。
お絵描きのための液晶タブレットをワコムのシンティック13HDから、シンティックPro16という上位モデルに変更したんです。わーすごい!パチパチパチ!
(こちらが現在のお絵描き環境。ついにプロ用の液タブを手に入れたぞ!気分は悪魔の力を手に入れた不動明のようだ!16インチで画面が広くなり、色再現度も筆圧検知も圧倒的です。)
液タブを変更した理由は、液タブとパソコンに繋ぐケーブルが断線してしまったからです。断線させた犯人は、へちま家在住の無職、通称モコットル君(4歳・ネザーランドドワーフ雄)。とにかく奴は配線を囓る。ケーブルはこれまでも、このキラー・ラビットの度重なる噛みつき攻撃を受けており、損傷部をマスキングテープでグルグル巻きにして「ケーブル界の綾波レイ」みたいな姿になりつつ耐えしのいできましたが、ついにとどめを刺されてしまいました。
(こちら、撫で待ちのモコットル君です。)
しょうがないので、ワコムストアで新たなケーブルを購入しようとしたんですが、「モデルが古すぎて生産中止!!」という衝撃の事実。家電量販店のネット通販でも販売してないし、ヤフオクでもケーブルだけの出品はない。なんだこの立ちゴケした旧車のクランクケースカバーを探してるような絶望的欠品状態は!!もう目ん玉ビヨヨンです。
私が使用していたシンティック13HDは、購入した時点で既に型落ち品で、そこからもう6年近く使ってるから、パーツがなくても致し方ないといえばそうなんです。当時は「良いもの買ったところでうまく使えるかどうかはわからないじゃん💀」ってことで、投資費用をセコくケチって、お安くなってた型落ちで妥協したんですよね。
しかし、それからはや6年。この間、毎週のようにブログ用のイラストを製作してきた私にとって、今や液タブはなくてはならないツールになっている。その一方で、近年の液晶タブレットの価格上昇はちょっとヤバいものがあり、ニューモデルが出る度にドカンと値上げを繰り返しているという状況。もはやワコムの液タブは「気楽にお絵描きを楽しもう♡」という感覚では買えないような金額になっちまってるんですよね。こんな状況の中で、北陸地方のコスイネンを自称する私が定価で購入するわけがありません。状況確認後すぐ新たな液晶タブレットをゲットすべく、ヤフオク巡りを開始したというわけです。
(こちら下絵。イラストの8割は作画の魅力だと考えてますんで、下書きは超大事です。)
この手の液タブって新品がお高い割に中古が充実してるっていうか、「イラスト制作に夢を見て買ったはいいけど、描くのに挫折し、短期で売りに出された」ものがヤフオクにそこそこ出てくるんですよね。ほとんど新古品といってもいいような状態で、バイクでいうと試乗車おちみたいな感じ。
いろいろと検討した結果、シンティック13HDの後継で、より性能を追い込んだシンティックPro16の、新同品をお安く落札しました。誰かの屍の上でダンスを踊るようで申し訳ないけど、こうでもしないと、ワコムの液タブはメチャ高くて買えない。ヤフオク使っても痛い出費ですよ。安い中華製もあるんだけど、価格より安心感と安定性と品質を取りました。なお、シンティック16というプロがつかない素のモデルは半額以下で買えますけど、Proはダイレクトポンディングという「視差を限りなくゼロに近づける機能」が搭載されていて、ペンを置いた位置と、描画位置が寸分違わず一致するし、筆圧の検知能力は13HDの3倍、ペンの応答速度も20%程度上昇、色域カバー率が75%から90%と、プロの名に恥じないハイスペックがてんこ盛り。
この強まった液タブを手に入れたことにより「ふぉぉぉぉおお・・産まれる・・これは名作が産まれるゾォォオ・・・」ってラマーズ法でヒーヒーフーかと思ったんですけど、描いているうちに、大きな落とし穴があることに気づいたんです。
そう・・液タブが変わっても私の画力が上がるわけではないということに・・
おお、なんと恐ろしい事実なのか?大枚はたいてツールを変えても、なんら仕上がりに差が出ないとは・・こんな悲しいことがあっていいのか?
(こちらペン入れ。フルカラーにするので、線はできるだけ少なくしています。塗り絵のベースみたいなもんですね。)
まぁバイクだってメチャ性能の良い機体を購入しても、それだけで自分のライディング技術や能力が上がるわけじゃありませんからね。ザクからガンダムに乗り換えれば、そりゃ戦闘力は上がるに決まってますけど、「貴様が勝ったのではない! そのモビルスーツの性能のおかげだということを忘れるなぁああ!! 」(by ランバ・ラル)ってことなんですよ。まぁそんな負け惜しみを言ったところで、趣味の世界は「は?ずるい?何言ってんの?負けたくなければ同じモビルスーツ買えば?え?買えない、ぶぁははは!!死ね!貧乏人!!ええーい、くぬっ!くぬっ!」ってことになり、「ぎゃああああー!!悔しいですっっっっ!!」で戦闘は終わってしまう。資本主義社会では戦闘力=マウント力ってところがあるので、エースの前ではザクに乗ってる一般兵は実にミジメなんですね。だからこそ誰しもが一度はマウントを取れるガンダム乗りを目指すんですよ。しかし、いざ高性能のガンダムに乗ってみると気づくんです。
自分はアムロでもシャアでもなく、カマセの代名詞、デニム、ジーン、スレンダーと同じ枠であった
という残酷な現実に・・・。そしてやがて主人公を諦め、画面端の見切れたところでモブやカマセの美学を追求するようになる。私のバイクラインナップ見りゃわかるでしょ?乗ってる機体はガンダムでいうと、ゾックとか、ビグロとか、ギャンとか、旧ザクの類いですよ。どれ乗って出撃しても「なんじゃぁあぁ!こりゃぁああ?」って松田優作みたいな反応される機体が揃ってる。もうね。局地戦でマニアックな存在感をひたすら狙う、一話登場、即退場という奴らです。でもそれがいい。
高性能なものは確かに素晴らしいです。しかし、乗り手である私は決して高性能じゃない。その差がだんだん重荷になるし、私のような頭の弱いバカに過剰性能は劇薬。「自信は過信に変わり、やがて慢心へと至る」という約束された黄金ルートが確定するからです。要はヒャッハーですよ。でもね。しょうがなくないですか?ガンダムやジオングに乗れば、アムロやシャアのように無双したくなるのは当たり前じゃないですか?シン・アスカみたいに「ディスティニーならあんな奴らなんかに・・」「分身はこうやるんだ!」って言ってみたいですよね?それは、その人が悪いというより、そういう流れに乗っちゃっただけなんですよ。我々は正義のために戦うニチアサのヒーローとは違うんです。意志だってそんなに強くないヨワニンゲンだし、バイク乗りのメンタルなんてどうみても怪人側ですよ。それがリターンして大型とった人達の事故に繋がってると思うし、私が公道で10回も事故をやらかしてしまった理由でもある。
このように市販バイクの高性能って、その目的は「ガンダム無双、マウント無双」という実にわかりやすいものなんですけど、液タブの高性能は真逆。その高性能の行き着く先ってクソ地味で「デジタルでひたすらアナログ感を目指す」ことなんです。デジタルに感じる違和感を全て取り去り、入力を限りなく忠実に画面に再現することにハイスペックの大半を使っているんですよね。
シンティックPro16は、これまで使っていたエントリー用の液タブと比べると、書き味の自然さが格段に増してます。描いていてより違和感がなく、限りなく普通。描き手の個性も正確に拾い、嘘偽りなくパソコン画面に記録する。2回前くらいのブログイラストから、液タブを新型に変えてるんですけど、皆さんは「は?どこが変わったの?」って思うはず。そう、その高性能は内にこもり、理解できるのは描き手だけ。しかし、何枚か描いた後では「もう前の奴には戻れないな・・」ってシミジミ思う。ちょっとしたところの反応の正確さや細かな使い勝手の良さが、描いているうちにジワジワと大きな差になっていくんですね。
ここまで、液タブのことを延々書いていますけど、バイクだって走るツールの一つである以上、同様の側面はあると思うんですよ。
(肌を塗ってみました。イラストもバイクも実践に勝る学習はない。)
よく旧車乗りの人が「今のバイクはつまんない」っていうじゃないですか。それは別に良いんです、旧車は確かに楽しいし、そういうのって人の好みだし。でもその面白さと引き換えに昔のバイクは乗り手に一定の負荷をかけていました。普通にコーナリングするだけでも、立ちが強くて鼻入れるのにコツがあったり、操作系に雑味やユルさがあったりで、それが個性になってたり、乗りこなす面白さに繋がっていた部分もある。
でも、今のバイクはツールとしてもの凄く進化してて、乗り手の思い通りに動いてくれるし、雑味もなく、あまつさえ乗り手の操作をリカバリーしたり、トラコンがタイヤを限界まで使い切ったりしてくれる。ツールとして優れているものをつまんなく感じるってのは、「乗り手がつまんない入力をしてるからアウトプットもつまんない」ってだけかもしれないんですよね。
バイクってとても複雑で、性能や乗り味だけでなく、趣味性、デザイン、ヒーロー要素、人の感情の器になるか?など、いろんな要素がごった煮のように入っているものだから、そのうちの何を重視するかは悩ましくも難しい問題です。でも、人が操るものである以上、「走るツールとして、使いやすいか?優れているか?」っていう視点は、外すことはできない重要な評価軸の一つだと思うんです。特にスポーツバイクにおいては。
バイクをツールとして考えたときの理想は、液タブが目指しているように人の操作と一体化することなんでしょう。いわゆる人馬一体ですね。少なくともプロ用の液タブは、自然な描き味を実現するための技術と手間を惜しんでいない。それは「入力に対して正しくアウトプットがなされることこそが、優れたツールの本質」であるからで、その点は今やデジタルデバイスに変貌しつつあるバイクも基本的には変わんないと思うんです。
電子制御によってアナログ入力にはできなかったいろいろなことができるようになったわけですけど、その一方でインジェクションや電制スロットルの制御が未熟な頃は、「キャブやワイヤースロットルの方が自然で違和感がない」って感じることが多かったことも事実です。
しかし、制御するコンピューターの演算能力の向上、マッピングの解像度の向上、ノウハウの蓄積と熟成などにより、今やよくできた電子制御系は、アナログ入力以上に繊細で違和感のない乗り味を実現しつつあります。例えば、HAWK11のスポーツモードのスロットルレスポンスなんて、入力に対する反応がナチュラルかつダイレクトで解像度が高い。まるで乗り手のスロットル操作の丁寧さをバイクが試しているような味付けです。キャブ時代を含め、これまでのバイクで一番好みかもしれないなぁ・・って思うくらい。
私は元モデラーで絵も描くから、「人が操るツールとしてどうか?」という目線で、車やバイクを見てるところが大いにあります。人が使うものである以上、そっち方面の完成度は高いにこしたことはない。「それがバイクの価値の全てなんですか?」って問われると、他の選択要素も沢山あるわけですけど、高い金とってるスポーツバイクは、カテゴリー的に突き抜けた速さ以上に、ツールとしての基礎的部分に力を入れてしかるべきだと思うんです。でも、操作に対して「ん?」って感じるバイクや車はそれなりにあるんですよね。
それはバイク側が乗り手の意図を勝手に解釈した演出だったり、エンジンの欠点の補正だったり、ハイパワーを公道に落とし込むための苦悩の産物だったり、単に煮詰め不足だったりするんだろうけど、いずれにせよ乗り手に不自然さを感じさせてしまうようだと、スペック上の性能は高くても、ツールとしての性能は低いと判断することなっちゃう。
その点、枯れたモデルはスペック的には劣ってるけど、長年にわたって熟成されているから、操作感にハズレはないという安心感があったりするから侮れないんですよね。
今回プロ用の液タブを購入してみて、あらためて
良いツールってやっぱこういうことだよな・・
って実感した次第なのであります。
(ダイナの色塗りが完成。相変わらず最後まで気合が続かず、この程度で良いかなって妥協してます。)
なお、今回液タブを変えて得られた一番の収穫は、落札した液タブにおまけでついてきた「CLIP STUDIO PAINT PRO 公式ガイドブック」かもしれない。これは私の使っているお絵かきソフトでより良い絵を描くためにメーカーが出している公式の指南書です。わざわざ金出して買う気にはならないけど、タダでついてくる分にはありがたい。
私ってこれまで、こういうノウハウ本を読まずに、人のイラストを見ながら、我流でカラーを描いてきたんですけど、今回のヘッダーは、この公式本をじっくり読みながら描きました。ほんの些細なノウハウなんですけど、書いてあることが的確で、仕上がりも良くなった気がする。さすが公式が作った本だな~ってちょっと感動したかも。
ということで、今回も長々と書いちゃいましたけど、そろそろここら辺で締めたいと思います。それでは皆さん。今年の夏も、へっちまんのモーターサイコルをお楽しみください。
(今回もなんとかヘッダーイラストが完成。こちらはスマホ版です。)
コメント
コメント一覧 (18)
迷えるバイク馬鹿に意見をください。
お願いいたします。
上がりのバイクが決まりました。国産メーカーのフラッグシップバイクです。
今年のモデルの新車は近くのディーラーになく、他店舗取り寄せです。
店舗にあるのは2年落ちで中古販売目的のためにメカニックが若干弱乗ったバイクです。
①多店舗から取り寄せると利益が減って店舗としては避けたいのでしょうか?
②若干の走行距離で2年も店舗に置いてあるって、販売店として裏事情があるのでしょうか?
いくら調べてお答えがないし、今後色々とお世話になるディーラーにも聞きにくいし、何よりも妻の機嫌が変わる前に答えを出さないといけません。
悶々と時間が過ぎていくばかりです。
へっちまん
がしました
そうですね。後悔しないためにもディーラーに疑問なところは全部聞きます。
迷いは無くなりました!!妻の上機嫌という奇跡を必ずものにして上がりのバイク手に入れますね。
本当にありがとうございました。
へっちまん
がしました
そうですね、しょせん私もNC700Sのケツを叩いているくらいが関の山、最新S/Sなど手を出そうものなら自分はアムロでもシャアでも無いことに気づかされるのでしょう。
優れたツールと言えば、ベッセルの「メガドラ」はお気に入りです。まるで手の延長・拡張です。
あと、「通称モコットル君」の御尊顔を拝したく写真掲載をリクエストします。笑
へっちまん
がしました
”モコットル君”は綺麗な毛並みがモフモフしてて、耳も短めでキャワイイじゃあないですか!
これは、ケーブル齧ろうが親の脛を齧ろうが許しちゃいますね。
フロシャイム川崎支部のウサコッツ並みの破壊力です💖
へっちまん
がしました
デバイスの進化…って意味ではヨーヨーなんかのスキルトイはまさに…ですかねー。97〜99年に超高額だったボールベアリング内蔵や金属製のヨーヨーは10年前からのベアリング価格破壊やアジア圏での製造により…
ってのをスッ飛ばして、現在のヨーヨーは「安い入門機を買ったまんまでも腕さえあれば世界チャンピオンになれる」時代になりました。ガンダムがジムになってそれでも無双できるというか…「超速スピナー」なんかの漫画の世界を現実が超越した唯一のホビーとまで呼ばれてる、コカコーラヨーヨーなんかの固定軸の時代からすると宇宙世紀なら旧ザクとV2ガンダムくらい時代の開きがあります。
旧車をありがたがるのと似てるなーと思うのは我々97ハイパー世代がその頃最新と呼ばれたモデルや海外版を懐かしんでコレクションやまったり振るためだけに買い漁る感覚に似てるかもしれません。
現在世界を戦う10代20代のプレイヤー達が使うのは最新機種だけです、その頃のヨーヨーに目もくれません。「現行機と消耗品に回したほうがいいじゃないですか」ってこないだバッサリ言われましたw それはごもっともなんですけどw
もちろん我々老兵も普段使うのは最新機種です。スペックがダンチですから、今更コカコーラヨーヨーなんて使う人いませんからね…最先端機種を使いながらもただ懐かしむだけに古いものを集める・手に取るとは今の子にはコスパ・タイパの無駄遣いなんでしょうがねー。
しかしヨーヨーとかニッチな世界で言い換えても…ですねw(猛暑に脳ミソ半煮えで…)そういえばバンダイ様の7月にハイパーヨーヨー第4期が始まるとのアナウンスを聞き…
「俺達の黄金時代(オウゴン)が帰って来る!!」
すいません、コレ言いたかっただけです(笑)
へっちまん
がしました
モノクロのイメージでいつも読んでるんで星条旗カラーだと、そういえばアメリカンだったぜぇ〜と我に返ります
一気に気温が上がってきましたねぇ〜
出発時が寒かったので革ジャン着てたんですが、昼過ぎには31℃と外気温計!
へへっ…ちったぁ暖まってきたじゃあないの(フラフラ)
帰宅後、速攻でメッシュジャケットの用意始めましたよ
私のドリルは発泡スチロール製です
いかついケーブルカバーだと思えば…黒くて丸くてフワフワしてる彼がモコットル君なのですね!
良い!ディ モールト良いです!
小動物のいる家庭だとケーブルや壁紙、木製家具がストレス解消先になるんで、気を遣いますよね
優れたツールとは?についてのアレコレ、興味深く読ませてもらいました
実用品にしても嗜好の物であっても基本は使い手に対して忠実であって欲しいし、そこにコストを掛けて欲しいと思うタイプです(+αはその後)
マイナー趣向、ニッチ需要、心の逆張り患っててもまず使い手ありきこの部分は譲れないです
行き着く先は入力に対して誤差なくどころか、技量関係なく思い描いた通り(しかも脳波コントロールできる!)状態なんでしょうかねぇ
バイクと私をコネクターで繋いで!う〜ん賛否分かれそうだけどアリだと思えちゃう派だなぁ〜
へっちまん
がしました
中古で格安に出回りだしてならのコスパも素晴らしかった名機なんですけどねぇ
へっちまん
がしました