美しい写真ではじまりましたが、内容はグダグダ。今回は「これからバイクのソロキャンプツーリングをやってみたいわぁ♡」とソロキャンに興味をお持ちの方に、私から赤裸々で夢も希望もないソロキャンプツーリングの真実をお伝えしていきましょう。

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(黄昏時、とびきり美しい夕日だったので思わず撮影。こんな綺麗なオレンジ色にお目にかかるのは珍しい。)

最初に言っておきたいのは、ソロキャンプツーリングにも種類がいろいろあるということ。ソロキャンプは全国一周や北海道一周を目指してる旅ライダーがよく行っています。私もキャンプ場でたまに彼らに出会いますが、彼らは旅のコストをできるだけ抑えるためにソロキャンプを行っているわけであり、まさにガチなソロキャンパーといえましょう。こういう人は私のような週末ソロキャンプとは一線を画している。

しかし、これらの方々の「必要だからやっている」ソロキャンと私のような「癒やされたい系のソロキャン」を一緒にすることはまったく意味がありません。彼らは全国一周や北海道制覇などの「明確な目的達成の手段として」にソロキャンプを行い、私は単に「自らの週末の満足のため」にソロキャンプを行っているわけです。たまにその目的をごっちゃにして、私のような軟弱系ソロキャンパーを激しく批判する人がいますが、これは批判自体がズレている。

一人で贅沢に楽しみたい「古都を旅する京都一泊旅行」と、人生を洗い直すための「四国八十八カ所お遍路巡り」「同じ旅である」と同一視して持参品や在り方を比較しているようなもんなんです。人はみな自由であり、達成したい目的も求めるものもまったく違うんですから、それを比較してもはじまらないし、どれが正しいというもんでもない。

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(軟弱キャンパーの必須アイテム。コット。これはヘリノックスのライトコットで1.2㎏と超軽量。要は簡易ベッドですが、テント張る前の荷物置きになったり、芝生の上に展開して、ゴロリと横になって空眺めたり、夜の安眠を支えてくれたりと、癒やされ型のキャンプでは獅子奮迅の活躍をする。ちなみに乗っかってるのは私のキャンプ用具一式。意外と少ない。一番でかいのが酒が入っているクーラーバックという・・。)

なんかバイクの世界ってガチの人やバイク歴の長いベテランが偉い的な感覚がある気がしますし、私も昔はそんな妄念に取り憑かれていたような気がしますが、今振り返ってみるとそれは完全な間違い。結局趣味というのは自分の中にしか満足がない世界。どんな形であれ、「楽しんだものが勝者」なんです。そこにガチとかベテランとかビギナーの境なんてないし、ビギナーの方がいろんなものを抱え込んでいないだけに感動が大きいまである。

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(コットで横になって空を眺めるとこの状態。抜けるような青空眺めつつホント何もしない。それが私のソロキャンプ。ボーッと雲眺めてりゃやがて一日が終わる。)

例えばソロキャンプツーリングってスナフキンのように風来坊的で、「なんか男らしくて格好いい」ようなイメージがありますよね。でも、そんな凄く良いものだったら、多くの人に爆発的に広がり、そこら中にソロキャンパーがいる状態になってしかるべきですが、そんなことには全然なってないわけですよ。私がタマーにキャンプする近場のキャンプ場でも周りはみんなでかいテントを展開するファミリーキャンプばっかり。

実際、ちまたで言われているほどソロキャンパーっていないんですよね。

DSC_0032(山間の余り人がいないキャンプ場。私以外はファミリーキャンプがポツポツ。みんな静かでマナーがいい。思い思いに癒やされてるんでしょう。)

なんでソロキャンパーがいないか?そりゃ普通仲間がいればみんなでキャンプしますから(笑)。ハーレーは大荷物を抱えて走っているライダーが多いですが、彼らは「絆」っていう言葉にあるように、仲間が集まる多人数キャンプが多い傾向にあります。

ソロキャンプツーリングってテント張る前は単なる「ソロツーリング」で、なおかつ目的地で宿に泊まらず「地べたで寝る」からソロキャンプツーリングなんですね。だからそもそもワイワイガヤガヤのマスツーリングが大好きで、ソロツーリング自体が好きじゃないという人は「ソロキャンプツーリングが向いているわけがない。」

「昼も寂しく夜も寂しいだけじゃねーか!なんだこれは!!うわーん(泣)!!」

ということになりかねない。こういう人は高額なキャンプ用具を購入して無理にソロキャンをする必要などないので、ソロキャンはやめましょう。向いてないことを無理にやる必要なんて全然ないし、良いことないですよと言いたい。

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(とにかく酒。日中から酒が回ってぐらぐらしている模様。グビリと一杯やればもうバイクには乗れないんで、後はひたすら飲むだけです。)

ちなみに私のブログってYahoo!ブログで始めたときから通算で、もう3年半以上書いてきてるわけですが、「誰かと一緒にツーリングしたという記事は一つとしてない。」それどころか、「友人と称するバイク乗りが出てきたことすらない(笑)」。徹頭徹尾、私の一人っきりのうらさみしいバイクライフが綴られているのです。

一体何が言いたいかというと、

「私がソロキャンをやってるのは私がひとりぼっちのライダーだから」

ということです。その理由はいろいろありますが、狂乱の時代を経て、今まで多くのライダーが自分の周りで不幸な事故に遭い、自身も無茶して多くの事故に遭いました。そうなると、他者との繋がりは自然に切れていくんです。

事故を繰り返すような危ない奴とは一緒に走りたくない。いつやっかい事に巻き込まれるかわかんないからです。そういう意味でもバイクはコケてはいけないんですね。残念ながら昔の私はそこをわかっていなかった。

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(旅先で遭遇したマスツーリング中の事故。避けられない事故もありますが、こうなってしまうと多くの人に迷惑がかかる。)

ですから、ソロキャンプツーリングは求めて行うようなものではなく、いろんな事情で、ソロライダーになり「結果的にソロキャンプツーリングになってしまってる」という、「ぼっちライダーの悲しき性癖に根ざしたものでもある」ということなのです。

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(夜は焚き火一択。寒くなってくる秋口に風流に酒を飲もうとすれば、焚き火の暖と揺らぐ炎は必須です。ちなみにこんな巨木を置いちゃうと燃やすのに苦労する。)

いろいろ格好つけたところで、私のソロキャンも望んでやってるわけではなく、そのような悲しい状況の下でやむなく行っているものなのかもしれない。(私は十分に楽しんでるのですが・・。)それを素晴らしいモノだと過度に賛美していいものだろうか?万人にお勧めして良いものだろうか?と私は感じる。

とりあえず、ソロキャンを企画する前に、それなりのソロツーリング歴があるべきではないか?と私は思う。近所を走るのではなく、泊まりのロングです。ソロツーリングが楽しくて楽しくて仕方ない!という人がその延長で行うのがソロキャンだと思うからです。

「一泊でがっつり一人旅したい。自分勝手にバイクにたっぷり乗るのが最高!」って人にはソロキャンはぴったりです。バイク乗るだけなら日帰りツーリングでいいんですが、日帰りだと旅って感じにならないんですね。旅っていう以上、出先で泊まりたい。

私も昔はソロツーで旅館とかに泊まってたんですが、ソロで旅館に泊まっても逆に寂しいんですよね。がらんとした広い部屋にぽつんと一人。料理を運んできて貰う中居さんに妙に気を遣ったりする一方で、寝るときに天井の木目が妙に気になったりして、結構クルものがある(笑)。要はバイク乗りは「バイクで旅ができればそれで幸せ」という単純な人種なわけで、旅館での宿泊って私の中では優先順位は高くなかったんですね。

そんなら逆に「コストかけない必要最低限のキャンプで良いんじゃね?」って思ってやってみたら、なんとなくそっちの方が性に合っていたというのが、私のソロキャンのはじまりなのです。

ここまでの悲しき事情を理解しつつ、なお「俺はソロキャン向いてる!ソロキャン行きたい!やってみたい!!ソロキャンいくぞいくぞいくぞ!」と松岡修造のような超絶ポジティブな方は、ソロキャンプの実態を赤裸々に語った次回のブログ(軟弱系ソロキャンプツーリング心得の条)にお進み下さい。



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(キャンプの相棒はダイナ。なんだかんだで使いやすいですし、ハーレーのVツインにはしんみりとした旅情がありますねぇ。)