皆さんおはようございます。どこかの県の知事様によると野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりする人は、頭脳・知能が低いらしい。

う~ん。それ、うちの実家ですね(笑)

うちの家系の知能がサイバイマン並かどうかは別として、まるでフリーザ様が現代に甦ったような煽りっぷり。全国の皆様から「それはクリリンのことかぁあああああ!!」って総突っ込みを浴びて辞任するようですけど、その基準だと、私みたいにアニソン聴きながらバイクに乗って萌え絵描いてるオタクは、虫以下って認定になるのだろうなと、アゴに手を当てて妙に納得している今日この頃です。

まぁ春になって暖かくなれば、こういう変わった言動も出てきたりするわけで、私もブログでおかしなことを書き出すかもしれませんけど、それは春の陽気と寒暖差がもたらす精神の異常、脳の誤作動ですので、「こいつ・・頭が・・もう・・」って感じてもあまり気にせず読み進めてください。

割と長かった今年のウィンターシーズンも終わってみれば、きんつば嬢の無双状態となりました。耐寒性能だけでいえば、※のじゃ子(HAWK11)も、ビックリするほど寒さに強いわけですけど、極寒の中で一番気持ちよく乗れるのは間違いなくゴールドウイングです。そう、この世には、前方にゴリアテの盾のような巨大カウルを展開した重量級バイクでしか得られない栄養素がある。

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(荒涼とした無人の野に一人が大好きな私としては、どこにいっても人が少ない冬のツーリングが一番落ち着ける。)

バイクのポジションの中で、もっともダレた極楽ポジションの代表が「殿様乗り」であることは、もはや議論の余地がありませんが、殿様乗りってのは上体が起きてますから、最も風が直撃する姿勢でもあるんです。このため「冬場はクッソ寒い」というのが一般常識になってます。しかし、そんな過酷な冬でも、快適さを維持したまま殿様乗りができるバイクがある。それが巨大カウルを前方に展開し、圧倒的防風能力を有するメガクルーザーなんですね。

「バイクは倍、苦しむから、倍苦なんだ!寒さを耐えて忍んだその先に、素晴らしい世界が見えるんだ!!」

冬山を走り、朝日を眺めつつそんな台詞を語る漫画がどこかにありましたが、そんなのを読むと「・・なんて若いんだ・・まぶしくて目がぁ~目がぁ~・・」ってグネグネしてしまう。薄汚れた大人の世界を知らないピュアピュアな人達は、朝日を見てても面構えが違う。

でも人はね。一度コタツに入ったら二度と出られないの。一度メガクルーザーに乗っちゃうと、寒さに負けてフラフラとそっちに逃げちゃう堕落した大人になるの。フレームマウントの巨大カウルはね。アヘンか麻薬みたいなもんなの。

「いやいや、堕落なんてことはない!!ゴールドウィングは速い人が乗れば、凄く速いんだぞ!ダレてるなんて風評被害だ!!」

っていう人もいるかもしれませんが、でもね。これは速いとか遅いとか、そういう問題じゃないんですよ。

重量級のメガツアラーは「我慢したくない、オールシーズン走りたい。風がキツイのイヤ、寒いのもイヤ、荷物のパッケージングしたくない、なんでもかんでも放り込んでいきたい、音楽聴きたい、有能メイドにガッツリ介護して貰いたい」っていう乗り手のワガママなメンタルがどんどん膨張して巨大伽藍になったものなんです。膨らんだ欲望を全部取り込もうとすると車体も巨大にならざるを得ないんですね。衆生の願いを全て取り込まんと巨大化した奈良の大仏みたいなもんですよ。

乗り手に逆境に耐える肉体や、熱き血潮や根性やマメさがあれば知恵と工夫で全てを乗り越えていけるから、バイクなんて何だって良いんです。カブで全国一周してる猛者もいるわけだし。しかし、脳死、無策、無気力が三つ揃えになってる私は、完全にきんつば嬢の介護に身を委ねてる。

そんなヘタレな私でも、若かりし頃はバイクに対して愚痴や不満なんて一切なかったんですよ。その頃は全ての刺激がヨロコビや快感に変わっていたと言ってもいいかもしれない。

しかし、悲しいかな5年、10年とバイクに乗ってるとそんな刺激にも慣れてきて、さらなる刺激や快楽を求めて亡者のように彷徨う哀れなる存在になっていく。そんな中で、快楽に全振りしたカテゴリーであるメガツアラーは、バイクにおける終末思想に行き着いてしまった人達の乗り物だといえるかもしれない。

ストロングスタイルに撤していた20代の私には、メガツアラーなど「完全に腐敗した乗り物」であり、それに乗るような奴らは「大事なモノを失ってフォースの暗黒面に堕ちた人」のように見えておりました。そう、一般的にスポーツバイクとメガツアラーでは、第三者から見たとき、戦う姿勢に大きな差がある。それは子供のヒーロー、仮面ライダーを例に取るとよくわかります。

バイク乗りの誰もが一度は憧れた1号ライダーはサイクロン号に乗ってましたけど、そのサイクロン号のベースはスズキのT20だったといわれています。T20っていえば、空冷2ストローク並列2気筒エンジンを積んだ、1960年代当時のガチ系スポーツバイクですよ。仮面ライダーはそれに乗って爆音を上げ、リアを激しく滑らせながら、ショッカーに襲われている人達を助けにやってきた。「うぉぉおお!!これこそ魂の全開走行だぜぇぇええ!!」ってバイク乗りなら涙を流して喜ぶシュチュエーションになっていたんですね。

でもね。これが仮面ライダー・スーパー1だとそうはいきません。だって見てくださいよ、こいつのバイク。

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「・・・超重量級ツアラーなんじゃが(笑)」


「よりにもよって、ハーレーの中で一番重くて遅くて、ラグジュアリーな旦那バイクなんじゃが(笑)」

「オマェェエエ!!パニアとトップに焚き火台と酒盛りセット入れとるんちゃうんか、クォラァァアアア!!!!」


ってなる。しかもこれ公式設定で最高速は地上で600km/h、飛ぶと音速超えの1340km/hらしいんですよ。

「そんな電飾ビカビカのイカ釣り漁船が音速超えられるか!アホぉおおお!!」

「もう空力が完全に終わっとるやろ!」

「ボンネビルでいっぺん死んでこい!!!」


ってなるじゃないですか。そもそも最高速の1340km/hってショベルの排気量の数字を適当にもってきたのが丸わかりなんだから、詐欺臭が凄い。

あのね。熱き魂を燃やすには、身を削る必死さが必要なわけ。必死さとは全てをそぎ落とし、自らの体を張るってことですよ。1号ライダーはピーキーなT20ベースのサイクロンに乗って、道なき道を爆走したから熱かったんですよ。そんな捨て身の必死さに、我々は真のヒーロー像を感じとったわけなんです。

それに対してスーパー1。アナタは一体何を考えているのか?庶民の皆様が怪人に襲われているっていうのに、グランドアメリカンツーリングの電飾仕様に殿様乗りですか?空気読めなさすぎじゃないですか?バイクが諸国漫遊仕様だから、危機感が1ミリも感じられませんね。

まぁ人助けにあたって快適性てんこ盛りのハーレーFLHを選択した時点で、ヒーロー失格の烙印を押されてもしょうがないと思う。しかもね。腹立つことに、スクリーンに「KAMENRIDER SUPER-1」って書いてあるんですよ。

はぁぁぁあああ?もうね。アホかバカかと。まだこのマシンのネーミングであるVジェットとかハーレーダビッドソンとか書いてあるんならわかりますよ。でもそこに自分の名前とか(笑)間違いなく即逮捕ですよ。

「公道を時速600㎞で走って、マッハで飛んでく違法改造バイクに自分の名前を書くアホがいるか??」

「盗難防止なのか?」

「名入れして経費で落とすのか?会計士の入れ知恵なのか?」

もうね。疑問が止めどなく湧いてくる。

仮面ライダーですらこれくらい容赦なくツッコまれるんだから、メガクルーザーってのはいろいろ大変なんですよ。乗り手が何か間違った選民意識みたいなものをを出しちゃうと某知事みたいにメチャクチャツッコまれることになっちゃう。それは恐らくメガクルーザーが「人の原罪の頂点」みたいな存在だからだと思うんです。

キリスト教によると人には七つの大きな原罪があり、それは「傲慢」「貪欲」「嫉妬」「憤怒」「暴食」「色欲」「怠惰」らしいですけど、私のバイク人生を振り返ってみると、色欲以外は全てやらかしてますね。

スポーツバイクの頂点であるリッターSSがそのうちの「貪欲、憤怒、暴食」の頂点だとすると、メガクルーザーってのは「傲慢、強欲、嫉妬、怠惰、色欲」を全部固めたような存在で、まさに対極なんです。え?色欲ってなに?ってそりゃ綺麗なオネーちゃんとの下心満載のタンデムライドでしょうが!私には無縁ですがね!!(怒)

私は、これらの罪にどっぷりハマってきたんでわかるんですけど、ぶっちゃけ罪の味って甘くて蜜のようなんですよね~。多少肝の毒が入っていた方がフグは美味いってのと同じです。

軽量化が必要ないビック・アドベンチャーやメガクルーザーは、欲を盛るのにうってつけ。排気量や車体を大きくし(傲慢)、電子装備や快適装備を山盛りにし(強欲)、高額設定で買える階層を差別化する(嫉妬)。立ち居振る舞いに品行方正が要求される現代で、消費の世界だけは、色欲以外の全ての原罪がほぼ合法なんだから、盛りたい放題になるのは当然ですよ。そうした方がわかりやすくて売りやすいし、買う方の満足度も高くなる。メガクルーザーはそういう側面が特に強いカテゴリーですから、そこを攻めるのは商売の王道といえます。

ただ、私はメガクルーザーに対する受け止め方が少々違う。レプリカ世代だった私は「マウントはバイクではなく、走りでするものじゃあああ!!」っていらん刷り込みをされている。私がバイクに乗りだした頃は、バイクなんてズタボロでも乗り手が速けりゃヒーローでしたから、ヒナ鳥への刷り込みのようにその頃の常識が呪いのように染みついてるんですよね。そんな私にとってメガクルーザーというカテゴリーは「強欲と怠惰の象徴」なんです。

で、今やそれに喜々として乗っている私は「強欲かつ怠惰であることを受け入れたダメニンゲン」であるといえます。でも、ヘタレ強欲ダメニンゲンの汚名を受けて、あえてメガクルーザーに乗るのであれば、開き直って、怠惰の極みを前面に出していきたいじゃないですか。なんの恥じらいもなく、壁が陥没するくらいの勢いで

「有能メイド募集!!」

の張り紙を叩きつけていきたいんです。

巨大クルーザーの素晴らしさは、パンツのゴム紐が切れたようなユルさを存分に味わえて、周りの走り屋さんから、「ああこれはそういうバイクだよね。乗ってるのはもうリタイヤして枯れた人達だよね(笑)」って思ってもらえるところにある。走りに関して無害なんですよ。F6Bに乗ってる頃は、「リタイヤ組なのは間違いないけど、せめて押し出し感は欲しいなぁ・・」ってスケベ心も少しあったけど、きんつば嬢に3年乗った今、そんな心も消え失せてます。

私が見る限りクルーザーは、傲慢路線と怠惰路線に分かれる気がする。よりソフトに言うなら、スタイル勢か?エンジョイ勢か?といってもいいかもしれない。私の中ではダイナが前者担当で、きんつば嬢が後者担当になってますね。私は聖人どころか、悪性を煮て固めたような人間で、バイク全ての罪を味わいたいけど、1台じゃ薄まるから、小分けに分割して「より高濃度なものを吸いに行ってるだけ」っていうトンデモない馬鹿だと思う。

そんな罪人達に大事になるのは、何やるにしても悪性を周囲に振りまかないことと、やり過ぎないことでしょう。SSでもクルーザーでも同じですが、バイクが高額になり、その性能を突き詰めていくほど罪の度合いも大きくなるんですよ。それを欲望のままに時と場所を選ばず開放すれば、一般の罪なき人々からの「何やってんだ!!迷惑!!」ってツッコミは覚悟しなくてはなりません。しかもそれが集団でやってきた!ということになると怒りや反発も強まる。王蟲が1匹で現れたのなら虫笛で誘導する気にもなりますが、それが大海嘯になったら巨神兵呼んでお口レーザーで迎撃しなきゃならない。

メガクルーザーって普通にしてても「傲慢の罪の香り」が滲み出ているから、一般の人達と集団で接触しようとするときは、それをうまく消臭しなきゃならないと思うんです。にもかかわらずアウトロースタイルで上から下まで固めちゃうと、村を襲う牙一族にしか見えないから、普通のアプローチじゃかなり難しくなる。

でもね。軍師であるこのへちまめには、それを一発で解決できる策がありますよ。それはね。

アンパンマンマーチを大音量でかけつつ道の駅に突撃。

これですね~。アンパンマンマーチは、どんな凶悪な人相も、まとわりつく罪の香りも、全て中和、消臭してくれますから。悪逆非道バイオレンスモヒカンスタイル野郎でも、せいぜい「バイキンマンのお友達」くらいにしか思われない。それほど曲の浄化パワーが凄まじい。罪が消えたハーレーはギャップ萌えでギャラリーからとても暖かい目で迎えられることでしょう。

「流石にアンパンマンマーチは無理です!もっとハードル低いのないの?!」

っていう人、その気持ちよーーくわかりますよ。アンパンマンマーチはハードル高すぎだと私も思う。自分ができないことを人に薦めるのはフェアじゃないですね。そんな人に、お勧めは混声四部合唱曲です。これも歌声が天に召される感じで、浄化作用は素晴らしい。

私はきんつば嬢のオーディオファイルに、合唱曲を結構入れてるんですけど、一人静かに無人の山道を走っているとき、目の前に見える雄大な風景に混声合唱のハーモニーがメチャ合うんですよね~。ボーッと聞いてられるし、心も穏やかになってアクセル開けないし、最近は唱歌みたいなのばかりじゃなくて、メロディも馴染みやすいものが多い。ちなみに一度音楽切り忘れて合唱曲鳴らしたまま道の駅に入っていったら、バイク止めたときに周辺にいた人達が「うぉぉおお!この曲知ってるぅぅうう!!」って感じの目で、一斉にこっちを見たんですよ。もうね。反応が入れ食い状態でとても面白かったです。

いろいろと消臭に苦労するくらいなら、ハナからガラにもない格好しなきゃいいんですけど、罪を求める人の業って抑えるのが難しい。自分の好きな香りや音をバイクにつけるのは自由。でもそれがキツくなりすぎると、それを浴びたくない人も出てくるってのはタバコの副流煙と同じですよね。

そうであるなら、発生源である我々が知恵を絞ってその消臭方法も考えていくしかないわけで、そういう配慮があるかないかで、乗り手のイメージって随分変わるんですよね。

私にみたいにハナから誰にも相手にされない怠惰でだらけたモブ野郎の方が、その点は楽なのかもしれないですね(笑)



(オマケ漫画「メガクルーザーの目指すもの」)
アヘ顔2
(※これはあくまで、いちクルーザー乗りの個人的な見解を記したものであり、メーカーの公式見解ではありません。)


最後に戦い疲れたバイク乗りが好きそうな合唱曲をお一つ。このブログのキモい読後感を洗い流し、何か中身があったかのように感じさせてくれる浄化作用が素晴らしい。(ちなみに歌っている人は中学生コスプレしているプロの方々です。)