さて、前編の続きです。後編はMGEXストライク・フリーダムの実際の製作に入っていきますよぉ。製作過程の画像もたくさん貼っていきますね。

模型ブランクもそこそこ長いので、今回は製作の方はできるだけ「金かけず、手間かけず、最大効率」というゴジラ-1.0の特殊撮影のような低コスト製作を進めていきたいと思います。まぁこのレベルのキットはパチ組みでもある程度の仕上がりになりますからね。

mgex
(今回はいよいよコイツの製作に入ります。さぁ、一体どうなりますやら。)

製作終了した感想を申し上げますと、このMGEXストライク・フリーダムは「とてつもなく面倒くさいキット」ですが、基本に忠実に組めば素晴らしい仕上がりになります。メッキパーツとエッチングパーツをふんだんに使い「プラモながら、金属的表現を徹底追求いたしました」って胸を張ってますけど、このキットの真のヤバさは、1/100スケールの市販モデルのくせに、

プロモデラーがやるレベルのハイ・ディティールを所狭しと施してある

こと。

そのために大量にパーツが増えているんですよね。しかも、外部装甲のあらゆるところに穴を開け、ご自慢のメッキパーツを「強欲ババァの金歯のように、チラ見せしてくる」という、あざとい成金アピールにも余念がない。製作にあたっては、このキットご自慢のメッキパーツとハイディティールを最大限生かすのがキモだろうなって感じてます。

パーツ数も多いからしょうがないのかもしれないけど、ランナーがなんと20枚もある。「オィイイィィイイイ、いい加減にしろ」と。ちょっとパーツを分割しすぎだろと。私みたいに脳が死滅しかかってるロートルは、

「パーツ探すだけでも認知症テストを受けてる気分になってくるじゃあああないか!!」

総パーツ数はエッチングパーツやデカール、3Dシールを除いた組み上げパーツだけでも500個以上。その他諸々を入れたら600近い。これ100分の1のガンダムでしょ?狂ってるの?

1/100スケールというティンカーベル・サイズの模型を超細かく分割した結果、パーツは極めて小さく、老眼には非常に厳しいものがある。キラキラ光る3Dシールなんて「この丸シールはあまりにもミクロすぎないか?」ってのがあるし、水転写デカールだって2㎜四方のものが多数ある。精密ピンセット以外じゃ、つまむことすらできない。しかも、この手の細かい作業って最後は「よく見えるかどうか」ですから、老眼&近眼&乱視の私は製作の間中、眼鏡をつけたり外したり、焦点をあわせるのにヒジョーに苦労してます。目が超疲れるから、根詰めるにしても1日1時間~1時間半くらいが限界なんですよね。

ちなみにこの手のキットはピンセットで掴み損ねて「ピーーン」なんて、パーツがどっかに飛んで行ったらもう大変。私は極小のエッチングシールが「ピン飛び」で行方不明になり、「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」と泣き叫びながら5メートル四方を四つん這いで徘徊する「妖怪ゆかなめ」と化しています。(幸運にもパーツは見つかっていますが、見つからないこともあります。その場合はバンダイナムコから追加パーツを購入しなくてはなりません。)

内部フレーム+2
(こちら内部フレームです。最近のガンプラは内部フレーム作りからはじまりますけど、どう考えても凝りスギィィ!ほとんど見えなくなってしまうにもかかわらずこのディティール・・。ちなみに、ここまでに普通の模型を一つ仕上げる以上の時間がかかる。)

あと、パーツ数が500個を超えてくると、ゲート処理の量がヤバイ。1つのパーツをランナーから切り出すのに平均3箇所のゲートをカットするとしても、「単純計算で1500箇所のゲート処理が発生する」ということになる。今のガンプラって全部のパーツがハメ込み式になってて、ゲート処理をいい加減にやっちゃうと組んだときにパーツが浮いて精密感がガタ落ちになるんです。だから、より良い仕上がりを目指すなら、ゲート跡にヤスリ駆けをして、さらにペーパーをかけてツライチにしなきゃならない。このキットは「その作業を1500回以上やれ!!」って言ってきてる。ガンダムを組んでいるより、パーツのゲート処理をしている時間の方が圧倒的に長い。これは「ほぼ内職」といっていいでしょう。

「心を無にしてのゲート処理が作業の半分」

これがキットの本質ともいえる。

あと、特徴と言えば、どのパーツにも「耳なし芳一に描かれた般若心経」のようにびっしりモールドが彫られていること。特に組み上げるとまったく見えなくなる外部装甲裏に彫られているのは凄い。なにが開発陣をここまで駆り立てるのか?「全てにモールドを施さないと、ガンプラマニアの怨霊に殺される・・」って考えているのか?

確かにプレッシャーはわかるんですよ。ガンダムでも人気の極めて高いストライク・フリーダムですし、エクストリームなんて頭文字つけちゃったし、価格も普通のMGの約2倍~3倍なので、「ルウム戦役のシャアのような大戦果を上げなきゃいけない」と気負いが入っているのは理解する。しかし、これはあまりにも過剰ではないのか?まぁどこの世界でも成仏できないマニアほど恐ろしいものはないですから、その恐怖もわからんではないけど、そこまで根詰めなくても良いんじゃないかな?って思わなくもなかったり。

まぁ私としては開発陣の努力に敬意を表し、呪文めいた魔除けモールドは、しっかり仕上げてあげたいところではあります。しかし、尺の小さいガンプラ系はパーツが薄いんで、ミリタリー模型の墨入れでは王道テクニックといえるエナメル塗料の流し込みが使えません。シンナーはプラ素材を犯すから、ガンプラみたいな繊細で薄いプラじゃ脆くなりすぎちゃうんですよね。作った後も、いろいろとポージングして遊ぶんで、十分なパーツ強度を確保しなきゃならないから、墨入れはシンナーを使わず、0.3㎜のシャープペンシル(芯は2B)で、シコシコとモールド部分に影を入れていきました。これがまた面倒くせぇぇええ!!しかし、そこまで献身的に作業しても、ほとんどが自己満足ですよ。

「ウォオオオオ!外装つけたらほとんど隠れちまったぁぁああああ!!」(頭を抱える)

まさに虚無感と無常感がエクストリーム。「いやいや、外装パーツ外せば、また見えるでしょ?」っていう人もいるかもしれないけど、

「こんな細かいもん、二度と外すかぁぁあああ!!!」

ハメ込み式のパーツって一度組むと外すのに結構チカラがいるか、ポロっとすぐに落ちるかのどっちかです。少なくとも私は一度はめ込んだものをバラすのはあまりやりたくない。塗装も痛むし、単細胞な私じゃ、壊したり、爪やハメコミ部分を折るのがオチですんで。

外装取り付け
(内部フレームが完成したら、それにチマチマと外部装甲を取り付けていきます。)

あと、昨今のガンプラの塗装に関して、私見を申し上げますと、第一次ガンプラブームの頃は、色プラの質が低く、ほとんど色分けがされてませんでしたので、最低限見られるようにするためには塗装は必須でした。しかし、今のガンプラのMGやRGクラスは多色成形の色プラとパーツ分割を駆使してますから、「パチ組みでもそれなりに仕上がる」ように作られています。バンダイナムコはその点では間違いなく世界一の技術を持つ模型ブランド。昔は綺麗に作ってあるだけでも「スゲェ~」って感動したものですけど、最近では、色プラの質も上がり、パチ組みのクォリティが高くなった事もあって、いろんな搦め手を使わないとモデラー間の技術的な差別化ができなくなってきてます。

加えて、塗装ってそれなりに繊細だから「完成したら後は飾るだけ」のスケールモデルはともかく、完成した後にポーズつけてガシガシ遊ぶことを目的とするなら、凝った塗装するほど「気軽に触れなくなる」んですよね。加えて、このモデルのためだけに塗料を数種類買わなきゃいけないから当然その分高くつく。1体だけを製作するのなら、余った塗料は無駄になります。今回のMGEXのようにパーツの細分化による色分けの繊細さと、色プラの質、金属部分の表現力に金払ってるようなモデルなら、小細工せずに、高額キット特有の素性の良さを生かしていきたい。

ただ、どんな優秀なガンプラでも、パチ組みでは、どうしても乗り越えられない壁が一つだけあるんです。それはプラモデルが持つ特有の「プラ臭さが消せない」ってことです。例えば、ドイツ軍の戦車が色プラ成形できっちり作られ、タミヤから高額キットとして発売されたとして、「じゃあそれ塗装しなくてもいいの?」っていうと、そうはならないんですね。だって、ミリタリーモデルの世界はリアルさが全てだから。リアルさを出すには金属特有の「おちつき感」を出さなきゃならない。

プラ素材はパーツが大きくなるとヒケも目立つし、安っぽくテカっちゃうから、パチ組みだと、どうしてもプラスチックという素材からくる軽さ感が出ちゃうんですよね。仕上がりにこだわるのなら、この「金属とプラの質感ギャップ」をなんとかしなくちゃならない。

IMG_5131
(これ結構わかりやすい写真なんで、上げてみました。外部装甲は、つや消し仕上げにしてあるんですが、首の根っこの赤い部分だけが、本来のプラの質感になってます。後日エアブラシの細吹きで対処しましたが、比較するとここだけ異様に安っぽくテカリ入ってるのがわかるでしょうか?普通にパチ組すると全体が、このようなプラ臭い質感になっちゃうんです。)

そこでほとんどのモデラーが組み上げ完成後に、つや消しのクリアーを全体にざっと吹いて、プラ特有のテカリを抑えにいくんですよね。プラ特有のテカリを抑えるだけで見栄え質感がドーンと上がるし、クリアーは墨入れや水転写デカールを保護する効果もあるんで、「完成後につや消しクリアでまるっとコーティング」ってのは、ガンプラのお手軽な質感アップのお約束みたいになっています。

今回のMGEXはキットの質自体が極めて高いから、普通に組んで、上からざっとつや消しのトップコートをかけて「さぁ完成じゃぁあああ!フンスフンス(鼻息)!」といきたいところなんですが、このキットの一番の難点は、

その手法がとれない

ところなんですよ。

なぜかって?だって、キンピカのメッキ部分をチラ見せするのが、MGEXのゴージャスなところなのに、そこにつや消しトップコートをぶっかけちゃったらせっかくのキンピカメッキが曇っちゃう。パイロットのキラ・ヤマトのメンタルは曇っても、ストライク・フリーダムのメッキパーツは曇っちゃ困る。それじゃ何のために高い金払ってメッキパーツ入りの模型を買ったのかわかんなくなっちゃいますよ。

しょうがないから途中まで「もうこの際パチ組みで終わらせようかな・・」って思ってたんですけど、背中につく羽のようなドラグーンシステムを作ってる段階で、「こりゃダメだ・・」と思っちゃった。メッキ塗装部分の質感が高すぎて、パチ組みだとプラ部分がどうしても質感負けしちゃうんですね。質感というのは「一部が突出して良すぎても、悪すぎてもダメで、統一されていることが大事」なんですけど、このキットは内部フレームをキンキラキンにしたことにより、そのバランスが崩れちゃってるんですよ。これじゃあ私がこよなく愛する「中庸の美」にならないし、キット価格の1万5000円に見合う仕上がりにならなさそう。

「やっぱ価格なりの仕上がりにするには、外部装甲のツヤ消しをしっかりやって、メッキパーツとのコントラストを出すしかない・・」

って改めて思いなおした次第。

組んじゃった後ろの羽については、バラしたくなかったので、メッキ部分をマスキングして、この段階で私の切り札である「GXスーパースムースクリアーつや消し」をエアブラシで吹いていくことにしました。ガンプラ慣れした人ならマスキングなどせず、バラしてパーツごとに塗装すると思うんですけど、美少女フィギュアモデラーにとってはマスキングは当たり前のテクニック。人は馴染んだ手法の方に傾きがちなんですね。

つや消し(こちら羽部分。右はスムースクリアーつや消しを塗装済みで左は未塗装。テカリが消えることによる質感の差は歴然です。)

ちなみに、このEXスムースクリアーは実に良い塗料。どれくらい良いかというと、「死に際にキシリア様に届けたくなるくらい良い」です。成形色に吹きつければ、アラ不思議、美しくマットでしっとりした質感になるという、「色プラと相性抜群の塗料」といっていいでしょう。スプレー缶もありますが、小スケールのモデルならエアブラシで吹いた方が、このクリアーの良さが引き出せると思う。とにかくキメが細かくて、塗膜が固いし、強めに吹いたところで白ボケもしないから、艶の調整も自由自在。色プラの「原作に忠実な発色」という良い部分を残しながら、プラ素材の欠点を見事に消すことができる。

現在販売されているつや消し塗料の中では抜群のクォリティと使いやすさと底力がありますね。MGEXの成形色の見事な発色クォリティなら、このクリアーを吹いておくだけで質感的には十二分でしょう。いやー、凄いものが発売されたもんです。私が過去に買った塗料の中では、スーパークリアーⅢと並んで、最も優秀な塗料と認定したい。これは偉大すぎ。

sumu
(こちらがクレオスのスーパースムースクリアーつや消し。マジで凄い威力ですよ。これがあれば色プラの質感問題は全て解決ですわ。)

ということで、外部装甲については、時間はかかるけどパーツ一つ一つを個別に仕上げていく方針に変更しました。パーツを切り出し、指定箇所にデカールを貼った後、上からパーツ一つ一つにスムースクリアーをかけて、フレームに組み込んでいってます。ちなみに後ろに背負ってるドラグーンシステムはデカール貼りだけで30箇所もある。もうね。組上げだけでなく、ディティールアップでも作り手を虐めてきますからね。鼻息で吹っ飛びそうな、超小さいデカールを息を止めてチマチマ貼ってると

「んもぉおおおおお!!」

ってオカマの声色で腕を振り回したくなりますよ。なお、デカールは貼った後、スケール感を阻害しないように、マークソフターでじっくりと軟化させ、厚みを消しつつ完全密着させてますけど、この一手間は小スケールのガンプラのクォリティを上げる上で結構重要かなと。ただ、ガンプラのデカールはタミヤなどのスケールモデルについているデカールと比べて、脆い感じがするので、そこは要注意です。

IMG_5137(こちら、組み上がったドラグーンシステム。ドラグーンだけで30枚以上のデカールを貼らきゃならない。このデカール処理だけで数時間を要する。面倒くせぇぇええ!!)
IMG_5138
(昨年祖父の法事で塗装ブースを撤去してしまったので、簡易塗装スペースを確保。農家は広いから、部屋だけは余ってる。この点はありがたいですね。ちなみに大量にあった塗料は数年放置した結果、ほとんどがカチカチに固まってしまってます。)

この模型で唯一クリアー以外を塗装したのが、飾り台のベース。これだけ他のMGキットと共通なのか、「プラの質感が許せないほど低かった」んです。つや消しのクリアーかけたとしてもこれはカバーできないわ~ということで、黒のサーフェイサーかけてから、シルバーを吹いて、布で磨き出しをしてあります。「塗装で一番手間を掛けたのが飾り台」というのが笑えるオチですが、それくらい本体の色プラの質が高かったということですね。

これ以上凝りたい人は全パーツを「それぞれ個別に塗装」って方法もありますけど、塗料買うだけで何千円もかかりますし、クリアーと両方を吹くんであれば、エアブラシもクリアー用と通常塗装用の2つは欲しいし、結局なんだかんだ言ってビギナーの方は1万円以上の余分な出費になるんですよね。ベースクォリティが高いこのキットに関しては、そこまでしなくても十分だと思います。

ちなみに完成までに要した時間ですけど、毎日1時間~1時間半くらいは製作に充てて、まるまる1ヶ月はかかってますから、おそらく40時間前後じゃないかと思います。若い人はもっと早く作れるのかもしれないけど、高齢者はこれくらいはしょうがないんじゃないかな。

模型で一番大事なことって完成度を上げることじゃないんですよ。大事なのはどんな大作であろうと、どんな酷いデキであろうと、とにかく

「最後まで作りきること」

です。

「家を出て戻ってくるまでがツーリングである。」ってバイク乗りの金言がありますが、「模型は作り始めて完成するまでが模型製作」です。当然予期せぬトラブルがあったり、失敗したりすることもあるけど、完成して初めてそれが自分の経験になる。作る過程を楽しみ、完成した模型を眺めて、ムフーって喜ぶ。そして今以上に楽しく作れるように次回のプランを練っていく。模型ってのはそれ以上でも、それ以下でもないんですけど、いつしか「完成品のクォリティを上げなきゃいけない」という義務感から、どんどん自分を型にはめていくんですよね。そうなると趣味の模型に費やす時間が、生活を圧迫してくるという本末転倒なことになってくる。別にコンテストに出すんじゃないんだから、そんな凄い出来にする必要もないんですけど、その頃の自分には、何か目指す到達点みたいなのがあって、そこに向かって脇目も振らず一直線で、手を抜くのがとにかく嫌だったんですよね。それが若さか・・(遠い目)

「自分なりに手を動かして形にしていく」のが模型なんだから、手を抜こうが根を詰めようがその時の気分次第で本来は自由なはず。でもいろいろと背負い込んでいくうちに、「技術をフルに使わなきゃいけない」って自分で自分を縛っていって、自由さをなくしていくんです。その手の呪いはバイクもちょっと似てるところがある。

今回のキットを作っていて思ったのは、バイクと同様「自分の模型に対する憑きものは落ちてるな・・」ってことです。昔だったら全塗装してたと思うんですよね。なぜなら、昔の自分は模型製作に対して、自分の全てをぶつけないと許せなかったから。でも、このキットの製作にあたっては、そんな気負いもなく、「素材は良いんだから、とにかく丁寧に最後まで作ろうか」って自然体で向き合った感じでしたね。昔に比べて模型に対して過度に入れ込むことなく、一歩も二歩も引いていて、いつしか柳に風みたいな心境になっていたんです。というか、そんな心境になってる自分を許せるようになってました。(カッコいいこと言ってるけど、単に老眼になったからだと思う)

ということで、今回の私の完成品は「私だからこうなりましたっ!私はこう解釈しましたっ!!」っていう若さや個性や野望のある仕上がりじゃありません。

「このキットを組み立て説明書どおり、一つの過程も省略することなく、丁寧に丁寧に時間を掛けて組んでいけばこうなります。」

っていうキットのレビュー見本みたいな仕上がりなんですよ。色プラを生かす方向で、塗装もしておらず、プラの欠点をスムースクリアーをキッチリ吹いて潰しただけ。でも「これからこのキットに挑もう」っていう人には、私みたいな仕上げが一番参考になるんじゃないかな~と思うんですよ。やってることは、ほとんどガンプラの基礎というか初級編レベルなんですけど、組み立て中に目立ったミスは一度もなかったし、一つ一つの作業の丁寧さと精度に、自分のこれまで模型に対して積み上げてきたものが自然に出てるんじゃないかなと自負してます。

ということで、最後はまとめて完成写真をどうぞ~(クリックで拡大できます。)

DSC_33261
(お待たせしました。こちらが完成品でございます。1/100のノーマルキットでこれだけのハイディティールは、イカれてるといっていいと思います。)
153_705_s_l4m3nbn95f5qe1ce227l14c37fmo
(こちらがMGのストライク・フリーダム。バンダイのサイトから引っ張ってきました。プロポーション等、とても良くできたキットですけど、キットの持つ情報量の差は歴然。)
153_3859_s_fxnmhl45793pioe82adur92h9t57
(こちらもバンダイのサイトから引っ張ってきたPGのストライク・フリーダム。同じように撮影すると、もはやどっちがPGかわからなくなる。MGEXは1/100スケールでありながら、一部のディティールについては1/60の最上位グレードに完全に下剋上しているといっても華厳の滝ではありません。)
DSC_33181
(キットの組み上げに必要なのは、正確さと、精密さと、丁寧さ、そして、最後までそれを高いレベルで持続させる根気だけ。でもそれって模型の基本ですよね。)
IMG_51821+1
(この見事な発色を見れば、色プラの質の高さがわかるはず。これにスムースクリアを併用すれば、まさに塗装いらず。クリアの塗膜の厚みを調整することで、プラのテカリを利用して、半ツヤ~マット仕上げの調整すらできる。)
DSC_3325
(ちなみに一番塗装に手間を掛けてるのはディスプレイ台。黒立ち上げでシルバーを吹いたあと重金属っぽい質感が出るまでウェスでシコシコ磨いてます。)
IMG_5180
(製作は大変ですけど、このサイズの市販モデルにこれだけのディティールを入れちゃうなんて・・もうプロモデラー涙目ですよ。)
DSC_3313
(俯瞰画像です。フレームのゴールドも綺麗に発色してます。)
IMG_5172
(ちなみに多くの人はデカールを人気のアークエンジェル仕様にすると思いますが、私は今回あえてラクスの旗艦エターナル仕様にしてみました。)
DSC_33041
(飾り台は伸ばして固定し、本体を浮かせることも可能です。)
20240303153202_IMG_520721
(ストフリのお約束。ハイマットフルバースト。これ、必ずやるよね。)
20240310213843_IMG_52281
(ディティールが凄く細かいんで写真では大きく見えますけど、実際にはペットボトル程度の大きさしかありませんので、ディスプレイも場所をとらない。いかに老眼にお辛いかがおわかり頂けるかと・・)


で、完成しての感想は・・・

「はい!もうお腹いっぱいです!!」

いや~しばらくは模型製作は良いかなと。キット一つ組むのに時間かかりすぎなんですよね。ガンプラの複雑高額キットは「技術ではなく、根気だなぁ・・」ってのが素直な感想。やってもやっても終わりが見えない。そんな旅順攻略のようなキットでしたが、完成品のクォリティは、それに見合う素晴らしさがありました。MGEXの発売前に、このレベルのディティールアップを施したマスターグレードを個人が製作して、ヤフオクに出品したとしたら・・さてお幾らくらいついたか・・おそらく数十万円の価格がついたはずです。そのレベルのディティールアップをバンダイナムコは僅か1万5400円の市販キットでやってくれてるわけですよ。そう考えると、このキットは高いけど、まったく高くないと思えます。

あと最後にもう一つ、この世には「人が自らの手を動かし、40時間以上かけて格闘することによってしか得られないクォリティがある」ってことも言っておきたい。非常に高額な市販完成品が多い昨今ですが、18万円を超える解体匠機ですら、

この繊細なクォリティ感は絶対に出せません。

そういうものを自らが作って手に入れられる。しかも作る楽しみまである。それは模型に挑戦する人々が、挑戦しない人に対して持っている最大のアドバンテージなんだろうと思います。

ということで、皆さんも冬の夜長に、ガンプラなどお一ついかがでしょうか(笑)