今回のタイトルはイタリア語。日本語に訳すと、「初めまして!ニューバイク!!」って感じの意味になります。皆さん私の新入りバイク、もう何かお分かりになりましたね。え?わからない?そんな貴方の目はズバリ節穴!!

「ヘッダー見てくれぇええええ!!」

つーことで、6月末から私のバイク小屋にはモトグッチのV7があります。モトグッチって書くと、マニアの中には「ゴラァァアアア!!モトグッチじゃない!モトグッツィなんじゃあああ!!」っていう人もいると思うんですが、私にはイタリア語の「ツィ」の発音がムリなんです。申し訳ないですが、田舎住まいのダサ男にこんなオシャレな発音を求めちゃダメ。

例えばですよ。田舎のコンビニにお爺ちゃんが入ってきて、開口一番巻き舌でピッツァまんください」なんて言ったら、「ブーーーーー!!」って、イートインにいる人、全員コーヒー吹きますよ。田舎で巻き舌は、もはやスマッシュギャグ。田舎住まいには「モトグッツィ」「ツィ」は、大阪人が「~じゃん♡」の語尾を受け入れられないのと同じくらいハードル高いです。

実際のところ、ブランド名に気を遣って「モトグッツィ」なんて発音している人は、広報ビデオに出てるケニー佐川さんくらいでしょう。あの人はダンディだから違和感ないですけど、私は田吾作ですから、このブログでもあえて未開人らしく「モトグッチ」って表記をしていきたいと思います。

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(納車最初のロングツーリングはパワースポットの能登めぐり、ド定番の「千里浜なぎさドライブウェイ」です。)

「そんなマイナーバイクで・・コイツ、ブログ閲覧数上げる気あるのか・・」って唖然としている人もいると思いますが、私は、バイク購入にあたってちまたの人気はまったく気にしてないですから。私独自の選択基準と購入理由がちゃんとありますし、そもそも私が金を出すんだから、私にハマるかハマらないか?ただそれだけ。

多くの人にウケるバイクは良いバイクなのは間違いないんだけど、基本的に王道ヒロインタイプになる。でも、私は王道じゃもうダメなんです。エヴァで言うと、好みはアスカでも、レイでも、ミサトさんでもなく、薄幸すぎるけど、闇オチして悪役にもなれない赤木リツコ先生なんですね。マニアックだけど長く愛されるものって、狭いけど深く、流行に乗れないけど、流行に左右されることもない。そういうものは上書きされないし、旬もないから、自分だけの世界にこもって長い付き合いができるんです。

赤木リツコ
(ナディアのネモ船長でも事案となった、庵野作品特有の「健全なアニメの裏にあるオッサンのただれた肉体関係」、その犠牲となった赤木リツコ博士。有能美人薄幸の法則が発動している彼女こそ私の補完対象です。)

このブログにしたって、トップガン・マーヴェリックみたいな低空隠密飛行7年半ですよ。もはや特段の戦果を上げようという欲すらなく、徘徊飛行自体が目的になっている。

そんなヒキコモリの私にとって、モトグッチはマイナーどころか押しも押されぬメジャーブランド。なにしろ一番最初に知った海外製バイクがモトグッチなんだから。今となっては幼少期の古い記憶でおぼろげなんですが、確かこち亀の初期に白バイ警官の本田と一緒に同僚のバイク仲間がほんのちょっとだけ(2コマくらい?)出てきたんですよね。そのメンバーは、ホンダ乗りの本田、カワサキ乗りの川崎、ヤマハ乗りの山葉、スズキ乗りの鈴木という定番の4人。しかし、なんとそれに加えて唯一外国製バイクに乗ってる奴がいたんです。それが

「モトグッチ乗りの本口」です。

確か眼鏡かけたオタクっぽい顔してたと思いますが、その語呂合わせが私の記憶に焼き付いた。それ以降、私のささやかな夢は「本口家の養子に入ってモトグッチを買う!」になったんですよね。




(道の駅にモトグッチで颯爽と乗りつける。)

「へぇ~珍しいバイク乗ってますねぇ。」

「フフフ・・ありがとうございます。わたくし、モトグッチ乗りの本口と申します。(眼鏡クイッ、レンズキラーン☆)

「な、なんだってーーー!!!!!!!(ギャラリー後ずさり)

そんなシュチュエーションにずっーーーとあこがれていたんです。(この実に下らない願望は、3年前に書いた「遊星から来た兄弟」(←クリックで飛びます。)いうブログにもチラッと書いてあります。)

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(こちらはレッドバロンにおいてあった個体。2021年モデル。シックでステキなパールホワイトでした。)

このように長年思いをこじらせ続けていたモトグッチを未だ購入してない理由は2つ。1つ目は、残念ながらまだ「本口家に養子に入れていない」ということ。そして2つ目は、「モトグッチ自体が謎バイクで、見たり触れたりする機会がほぼなかった」ということです。バイクって胸に秘めた欲望はあっても現物を見ないと踏ん切れないところがありますよね。HAWK11みたいにロケットカウルのクォリティを画像で見ただけで脳ミソ振り切れるバイクもタマにあるけど、それは例外中の例外で、やっぱ「現物見るまでは買えないよね」っていうのが普通だと思う。で、買うかどうかわかんないのに取り寄せてもらうこともできないから、今までズルズルと引きずってきてたんです。

しかし、しかーーし、何の因果か今そのモトグッチが目の前にあるんですよ。しかも、私が狙ってたV7の新車。いわゆるレッドバロンが在庫してる型落ち新車って奴なんですが、なんで、このタイミングでこんなの入れたの?って問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。

モトグッチ下絵
(ヘッダー下絵。バイクの大きさは大型というより中型バイクに限りなく近いにもかかわらず、排気量は850cc。私のイラストは排気量=バストサイズなので、V7の見た目設定は「小柄な割には乳がデカい」というビジュアルになります。)




「はぁぁぁああああ(ウットリ)

「どうですか?モトグッチ」

「いい・・・すごく・・・V7初めて見たけど、さすがイタリア・・デザインがいい・・シンプルでトラディショナルだけどカジュアルで・・一見すると普通なんだけど、細身のタンクから脱腸みたいにシリンダーヘッドがはみ出してる異常な感じがたまんない・・完全にイカれてる・・普通じゃない・・」

「でしょ?HAWK11を買うような到ってしまった人にはピッタリです!」

「あ゛?いまなんつった??」

「いえ、なんでもないです。(目をそらす)

「で、これいくらなの?」

「えーっと、新車価格143万円ですから、乗り出しで155万円くらいですね~。」

「はぁぁぁぁああああ?!高いわ!高いよ!高すぎ!100万円くらいじゃないの?」

「あの~、いつの時代の話してんすか?近年は排ガスとか診断装置の義務づけとかで新車価格は上がる一方ですよ。ちなみにV7は2021年にフルモデルチェンジしてまして、その時の価格は127万円でした。でもここ数年でバタバタと値上がりして、今年の2月の価格改定で143万円になってます。」

「酷くない?」

「カワサキのW800ベースのメグロが140万円するご時世ですから。イタリアから遠路はるばる船便で入れてりゃしょうがないんじゃないですかねぇ?」

「ほえー・・・・」

「そもそも日本のモトグッチは、好き者が一点買いする骨董品みたいなバイクになっちゃってますから、価格なんてあってないようなもんですよ。」

「にしても高いなぁ・・中古で出物ないの?」

「ネットワークで在庫調べてみましょうか。う~ん。10年落ちくらいのばっかりですねぇ・・。ぶっちゃけ中古のタマが全然ないです。グッチは流通少ないし、皆手放さないんで、中古はこうなっちゃいますね~。しかも年式古いのに価格が軒並み80万円とかしてますね。この年式のイタ車にこの価格出すんなら、信頼性の面からも保証がある新車の方がオススメですねぇ・・。」

「そりゃ新車がいいのはわかるよ?でも、おかしくない?これ2年前は127万円だったんでしょ?新車といっても年式2年も落ちてるんだから、価格下げなきゃいけないじゃん。それが逆に143万円に上がってるってどう考えてもおかしくない?」

「ま~確かに理屈はへっちまんさんのおっしゃるとおりなんですが・・モトグッチに関しては、レッドバロンの方では価格を自由に決められないんですよ~。」

「へぇーー・・それひょっとして大人の事情?」

「ええ、大人の事情」

「ふぅーーーん(目を細める)・・・ちなみに2023年モデルは、もう買えるの?」

「買えますよ~。まだ日本にモノはないですけどね~。」

「納期は?」

「はっはっはっ、モトグッチに納期など、、あってないようなもの(キメ顔)

「そっ・・そうなのか~・・(呆然)

「2021年モデルが2022年に入庫なんて悲劇が平気でありますから。いまだにマンデッロの石造りの工場で人力で作ってますし、イタリア人の気質として、作るのも運ぶのもルーズで遅いんですよ。」

「カラーリングは?」

「えーっと、昨年は変更なかったですけど、今年は変更あるみたいですね。ホワイトに赤とグレーの華やかなモデルと、黒にシルバーの落ち着いたモデルです。モノはありませんが、グッチのホームページで見られますよ。」

「納期未定かぁ・・」

「目の前にあるこれだったら2週間で納車ですよ。これ買いますよね?」

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」


・・・買う・・・・」

「あざーーーっす♡」

「ちょっとまって!ただし、今委託で出してるストリートトリプルRSを委託の値段で下取ってくれるってのが条件。それOKなら今日サインする。」

「えっ?え?ええーーっ?!・・う・・うーん・・・それは・・・・」

「ムリなら別にいいんだけど~」

「・・くっ・・・わかりました。頑張らせていただきます!それでいきましょう!」

ということで、商談僅か30分弱。とりあえず店にあった2021年モデルを契約して家に帰ったんです。で、その日の夜、HAWK11と同じ轍を踏まないよう聖帝様にことの顛末を詳細に報告したわけですよ。そしたら黙って話を聞いた聖帝様がブチキレた。

モトグッチ・ペン入れ3
(ペン入れです。縦置きVツインを強調するために、ポーズはモエモエ指ハート。)


「はぁぁあああ?なにそれ!ちょっと!何考えてんの??」

「ひぃぃいいいい!やっぱ怒られたぁ~!ひょっとして、オラオラですかぁ~?・・・」

「違う!!いい加減カビの生えたジョジョネタやめろ!それより、あんた、なんで2年前に127万円だったものを143万円で買ってんの?」

「え?そこ??」

「そこよ!!!」

「いや・・だって・・価格改定でそうなってるんだし・・いつ来るかもわからない2023年モデル待つってのもなんだし・・これだったら即納だし・・」

「はぁあああ?バカなの?死ぬの?売るときの査定は当初価格の127万円が基準でしょ!しかも納車された瞬間2年落ちなのよ!もうこの時点で30万円~40万円損してるじゃないっ!!」

「でも・・今年の奴は現物見られないし・・これメチャ綺麗なパール・ホワイトなんだよ・・(必死の抵抗)

「はぁぁああ?バカなの!こんなピュアピュアな色、あなたに似合うわけないでしょ!これは王子様の色なの!ガッチャマンでいうと大鷲のケンなの!アンタはね!ケンにもジョーにもなれないの!ミミズクの竜とツバクロの甚平を混ぜて煮詰めたような冴えない男なのよ!」

・・聖帝様・・そのネタは・・年齢が・・・・」

「やかましい!アンタはどーせ、今すぐ即乗りたいって欲だけで型落ち買ったんでしょ?バイクのことになると頭が沸いちゃうからダメなのよっ!待ちゃいいだけでしょ!待ちなさい!明日すぐ電話して、2023年モデルに変更しなさい!!中古ならともかく、新車なんだからできるでしょ!!」

聖帝様のガッチャマンならぬチェホンマンのような怒濤の突き押しにあい、私はまったく反論ができないままいつしか土俵下に叩き出されていました。軍配は東の横綱、聖帝様、決まり手は正論電車道からの突き落とし。レッドバロンでの2021年モデルとの運命の出会いは、ここではやくも別れを迎えることになってしまったのです・・。

(翌日)

トルルルルルル・・・

「はいレッドバロン〇〇店です。」

「あの~、店長。ごめん。契約しちゃってからなんだけど、昨日これこれこういう事情で、奥さんにボッコボコにされちゃって・・今から2023年モデルに変えてもいい?」

「ははぁ~、まぁ~奥さんの言うこともわかりますよね~。どっちも新車ですからウチはかまわないですよ。それじゃ2023年モデルに変えときます(笑)入庫状況みてまた連絡します~。」

「申し訳ない・・・」

(しばらくして電話がある)

「確認したところ、今年モデルはまだ全然押さえられますね。納期は船便次第になりますが、白赤グレーのやつと黒銀のやつどちらにします?」

「・・私はミミズクの甚平らしいんで、地味で目立たない黒銀でお願いします・・。」

「なんですかそれ(笑)わかりました。来るまでじっくりお待ちください。」

モトグッチ・カラー・笑い2
(色を入れました。素人ペイントなので雑なんですが、それがAIでない証でもある。上手すぎると逆に疑われる・・そんな時代がこようとは・・)

以上が、モトグッチ購入に到る顛末です。

オプションはスポークホイール磨きとメンテナンスのためのセンタースタンドのみ。「納期はあってないようなものです。」といっていた割には、6月の前半には店に入ってきたようです。ま~ピアッジオジャパンとしても一番売れる夏に向けて売りものを揃えなくちゃならないですから、6月の船便にはそこそこの数のロットが乗ってきたんでしょうね。それをタイミング良くつかめたってことだと思います。納車は6月24日だったんですけど、これに凄~くデジャブを感じるんですよ。だって3年前、ザラブ嬢がやってきたのも6月下旬だったし、今年モトグッチが価格改定した結果、車両価格も143万円と当時のザラブ嬢とまったく同じになったんです。こっちも偶然にしては出来すぎな気がするなぁ・・・。

まぁそんなこんなで憧れのモトグッチV7が私のバイク小屋にやってきました。なんで納車から今まで3か月近くご紹介しなかったかというと、HAWK11を買ったとき、あまりに早い段階でブログネタにした関係で、インプレにとーーっても難儀したからなんです。納車からしっかりナラシをし、ある程度自分との馴染みができるまで、バイクの印象ってどんどん変わっていきますから、どうしても初期段階でインプレ書くと後日ブレるんですよね。

それなら落ち着いてインプレできるようになるまで乗り込んでからブログに登場させようってことで、今まで引っ張ってまいりました。丁度、秋になりヘッダーも切り替える時期でしたし、走行距離も伸びてきたんで、満を持してお披露目となったわけです。

ということで、今後は、当ブログのネタにモトグッチのV7が加わります。今までのバイク達も当然ブログネタにしていきますから、モトグッチの紹介もユルユルとしたものになると思いますが、全国の数少ないグッチスタの皆様、今後とも、よろしくお願い申し上げます。


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(私にとってここまでプレーンなネイキッドバイクは久しぶり。ド変態6気筒のZ1300を除外すれば、1994年に購入したXJR1200以来かも・・。)