ロケットカウル戦闘団、HAWK11部隊隊員のへっちまんです。まず最初に、全国のロケットカウル戦闘団の皆様に、6月3日付けで部隊復帰したことを、ご報告致します。

DSC_2744(復活した*のじゃ子の勇姿。ロケットカウル、タンク右側面、ラジエター&カバー、マフラー一式、ステップがまるっと新品です。もはやロケットカウルと右半分は傷一つないド新品といっていいでしょう。)

先般ご報告申し上げたとおり、我が麗しの戦闘機(愛称*のじゃ子)は本年度の4月26日、山中でのテスト飛行中に大型四輪多目的車の迎撃ミサイル攻撃を受け、あえなく撃墜されるという悲劇に見舞われております。ゴールデンウィークを前にして、同志戦闘員がHAWK11でロケットカウルの啓蒙活動に励む中、まさかの戦線離脱。「HAWK11開発部の精鋭の皆様」に到底顔向けできない事態になってしまったのです。

アフリカツインの頑丈なシャーシを継承した*のじゃ子も、SUVと激突した衝撃で、右側面があえなく中破。「麗しのロケットカウルに傷がついてしまう」という、戦闘団の一員として、アイデンティティ消失ともいえる未曾有の危機に直面してしまいました。

無論、この世を支配しようともくろむ鬼畜四輪車共の威力攻撃程度では、私の鋼の信仰心と不屈の革命精神に傷一つつけることはできません。ただ、不屈の精神というのは言うだけ番長ですから、そこらのラノベに溢れてるんです。その一方、「不屈のメカ」というのはなかなか存在しない。アニメでも美しいメカほど儚く壊れ、修理困難というのがお約束です。

HAWK11に搭載されたロケットカウルは、ホンダデザイン部と製造部の叡智が結集された稀代の名品であり、「東レ・カーボンマジック」という手品師のような胡散臭い社名企業の成型加工技術を駆使した特別設計。単なる風防にどどまらず、信仰の対象となりうる神々しさすら備えています。もしも、私が志半ばでこの世を去った暁には、バックミラーを遺体の耳に、カウルを頭頂部にセットして、「歴史上初のロケットカウル型遺体」として、地元の焼き場を恐怖のるつぼにおとし入れようと画策しているくらいです。

当然ですが、製造コストも尋常ではなく、カウルアッセンブリーで27万8300円と、「オーナーの預金口座も木っ端微塵」の驚異的打撃。さすがのベテランライダーも、これに耐えるには老人用オムツと定期預金の解約が必要になる。今回の事故でも、カウルアッセンブリーの価格>その他全ての交換部品の価格(マフラー、ミラー、ウインカー、ラジエター、カウルステー等々)ですから、その鬼畜ぶりは半端ではない。まさに事故即切腹の覚悟を持つ、選ばれし勇者達だけが搭乗を許されたバイクといえましょう。

そう、これはHAWK11開発陣が、ちょっとやそっとのインパクトでは心が動かなくなったベテラン修行僧達に与えた究極のスパイスなんです。こと修理費だけならBMWのK1600(タチゴケ30万円オーバー)やカワサキH2(アッパーカウル55万円)の300万円クラスのバイクとタメを張る。こんなリーズナブルな価格で300万円級のバイクと同様の緊張感を味わえるなんて、なんてお買い得なんでしょう。「自らを追い込むとはこういうことだ!」という熱きドグマを感じてしまいますね。

まぁ、その点は納車時から頭では理解していたつもりなのですが、改めて修理見積もりの金額を見た私は、「いきなりの試練あざーーーっす!!」と感極まって股間から感動の熱い涙が流れ出るのを止められなかったです。次コカしたら修理見積もりを見る前に、アテントを装着したいと思います。

でもこれはもはや銭金の問題ではないんですよ。*のじゃ子の修理は、私のロケットカウルに対する信仰心と、バイク乗りとしてのメンツの問題なんです。事故が解決しようがしまいが、キッチリ直すと腹をくくった以上、オーナーとしてはバイクの修理完了後に待ったなしで上がってくる請求に備えなくてはなりません。でもね。修理系のブログネタで皆さんを笑顔にできるのは20万くらいまでですからね。76万円は一般的なYouTubeやブログの常識の3倍を軽く超える。

「ば、ばかな、一機のバイクは通常の3倍の修理見積もりで接近します!!」

「HAWK11だ・・あのロケットカウルは・・赤い金型だ・・逃げろ・・」

どこかのブログでメチャメチャ金をかけてオールペンされたHAWK11を見ましたが、それと比べても、現時点では「HAWK11に掛けた金ダントツ1位」を爆走し、全てのバイク乗りにメシウマを提供しているという揺るぎない自信がある。

HAWK110011(あら楽し、想いははるる、金果つる。浮世の空にかかる雲なし・・。)

そんな経済的試練もさることながら、実は、私にはもう一つ解決しなくてはいけない重大な心配事がありました。そう「HAWK11購入隠蔽問題」です。先般ブログでご報告したとおり、私は聖帝様(奥方様です)にHAWK11購入を打ち明けないまま事故に遭い、これを誤魔化すため「ストリートトリプルRSで事故った」と嘘の重ねがけをしていたのです。それを既成事実化するために、ストリートトリプルを売却し、「事故ったトリプルの代わりに中古のHAWK11を購入した(当然前オーナーは私)という架空のシナリオをねつ造。今回の一件をなんとか乗り切ろうと考えていました。また聖帝様との「次事故を起こしたらバイクを降りる」という血の盟約にも違反してしまいましたが、それも棚上げにされたまま。

最初に言っておくと、それらの問題は「とてつもなく悲惨な結末」を迎えます。それがどのようなものだったのか?興味のある方はこちらをご覧下さい。


へちま家のリビング。向かい合う聖帝様とへちま。

「あの・・」

「なに?」

「いえ、今回ストリートトリプルで事故ってですね・・。ちょっと修理費が高額で・・直せないかなと・・これで3年乗ったし、ストリートトリプルを手放して、中古のバイクを購入したいな~・・なんて・・」

「ふぅん?で、どんなの買うの?」(興味なさそうに雑誌を見ている)

「こ、これです・・。」(恐る恐るHAWK11の写真を見せる。)

「はぁ?これもうバイク小屋にあるじゃない。」

「!!!!!!」

「冬にプラスドライバーを借りに行ったときに、これ中にあるの見たわよ。」

「!!!!!!!」

「え?バイク小屋の鍵?脱ぎ捨ててあったあなたのジーンズのポケットあさったら出てきたけど?」

「!!!!!!!!」

「で、アナタの口座ネットバンクで覗いたら11月末に150万円引き出されてたのよね。」

「!!!!!!!!!」

「単細胞はパソコンから何からID、パスワードが全部同じだからねぇ。セキュリティ意識のない奴の口座の出入りなんて見放題なのよ。バカが私に何かを隠しおおせるなんて思わないことね。」

「!!!!!!!!!!」

「で?なにがいいたいの?」

「・・・銃殺・・?」

「はぁ?あなたの貯金で何を買おうが私の知ったこっちゃないでしょ?それで怒るようなら2台とか3台になった時に、もう殺ってるって。」

「じゃあ、事故ったらバイクを降りなきゃならないってのは・・」

「・・・ナニソレ?」

(コイツ!!忘れてやがるーーー!!!!)

「そういえば。遙か昔に、そんなことも言ったかもねぇ・・・あの頃は改造バイクの雑誌ばっかり見てたし、飛ばして絶対どっかで大ケガすると思ってたから。でも、ま~最近は車だってエコ走行だし、二人乗りしてても大人しいし、別にケガしたわけでもないし。今回も相手が悪いってんならどうしようもないでしょ?」

私は、聖帝様との「次に事故れば、バイクを降りる」という血の盟約に長らく縛られてきましたが、アラフィフとなり、ついにその言霊から解放される時が来たのだろうか?これは私が今後のバイクライフにおいて、聖帝様からの自由を手に入れたと解釈して良いのだろうか・・。長年にわたる環境大臣としての食器洗い&ゴミ捨て活動が認められたということなのか・・。

そんな妄想で、しみじみと感動の余韻に浸っていた私に、聖帝様のこの一言が突き刺さりました。

「あ、口座引落しになってた、あなたのアダルト動画サイトの請求、全部割れてるからね。そっちのIDとパスワードはさすがに変えといた方がいいと思うわよ。(ニッコリ)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?

はぁあああああああああああああああぁぁああ!!ちょっとまって!!うぁぁああああああああああああああ・・なにこれ?なんなの?得体の知れない方向から照射されたコロニー砲にメチャ焼かれてるんだが?なんで性的に丸裸にされてんの?これが罰なの?どうしてこうなった?あああああ・・無理無理無理無理!僕の魂はこれからハビタット世界に旅立ちます!二度とこの穢れた肉体に戻ることはないでしょう!皆さんさようなら!!

あまりの衝撃に脳が心肺停止の状態に陥り、魂は体育座りのまま固まって、まさに「タナトスの権化」になってしまった私ですが、そんな壊死した脳波を復活させる電話があったのはそれから数日後のことでした。

「ピロピロピロピロ(着信がホンダドリーム!!!)

「は・・はい!へっちまんです!」

「へっちまんさん。長らくお待たせ致しました。HAWK11の修理が無事完了致しました。」

「ふぉぉおおおおおおお!!」

この一報を受け、パンツを被った変態仮面のようにメンタルが一気にリビドー方向に振り切れた私は、電話から10分も経たないうちに、ホンダドリームに向かっていました。そして閉店間際の店に飛び込み、修理説明もロクに聞かず、カードで支払いを済ませ、店の前に出されていた*のじゃ子を目の前にしたら・・・もう全然ダメでしたね。

なんかね。意識しまくって、バイクの方をよく見られないんですよ。久しぶりの再会に、*のじゃ子のバックに花とか星が見える・・。もうね。やたらモジモジしてしまうんですね。いや少女マンガか!キモッ!「こんな衆目の多いところにいちゃダメだ!早く二人だけの世界に行かなくてはっ!!」って、サカった犬のようにバイクに跨がって、一目散に帰路につきました。変質者のように興奮し、バイク乗るときのルーティンもメチャクチャ。あごひもを締める余裕すらなかったです。

なんというか・・最初の納車の時より、2回目の納車の方がやたら興奮しちゃうのはなぜなのか。多分バイクの修理が終わってはじめて「お互いが死地から生還した」って実感が湧いたんでしょう。事故った瞬間の衝撃ってまだ体に残ってるし、そのときは、「これで*のじゃ子とのバイクライフは終わったかも・・」ってマジで思ったんですけど、修理されたバイクが私の手元に戻ってきて、ようやく今回の事故をバイクと一緒に乗り越えた気がしたんですよね。

バイク乗りって単純だから、事故のあと、自分の体が大丈夫なら「またバイクに乗りたい」っていう願いだけが残るんです。だから、それがかなった時、なんとも言えない感慨があったんですよね。

バイク小屋に戻り、走行中に付着した大量の虫を綺麗に拭き取りつつ、*のじゃ子とじっくりご対面。

「ううぅ・・当たり前だけど、ロケットカウルまわりが新品だよぉぉおお・・(感涙)・・はぁ~~~・・・好き♡」

改めて思いますけど、このバイクのスタイリングは格好いいとかそういうレベルのものじゃない。このロケットカウルは普通のロケットカウルとも違うんですよ。アルコールとかニコチンとか、カフェインとかそんなのと同じ。なくなると禁断症状が起きる「中毒性の何か」です。私の所有するバイク達とデザインの文法や造形美が違うから存在感が凄いんですね。

その日はバイクをマジマジ眺めたあと、ミラーがよく見え、かつ操作に違和感のないブレーキとクラッチの角度を入念に微調整し、その翌日には300kmほど遠征してやまびこロードのワインディングに持ち込んでみました。んーーーーー、乗り味、ハンドリング、挙動に一切の違和感なし!!いろいろとご心配をおかけしましたが、

*のじゃ子完全復活

です。

これで、心置きなくエンジンやシャーシのインプレをはじめられます。このバイクがなんでベテランのためのバイクなのか?私なりの謎解きはいよいよこれからですね。

ニュー*のじゃ子5-1+1(ザラブ売却によって下ネタ美女路線から、お色気スポ女路線にキャラ変です。イメージを軽くするため、髪はバッサリ切りました。シゴいてみたら中身は明るく楽しい大猿でしたから、こっちの方がバイクの性格的には馴染んでると思う。ヘッダーと全然あわないけど、来週ヘッダー夏用にするから気にしない。ちなみにコスチュームが最後まで決まらず超苦悩しました・・)