年末になると雑誌やモトブログで「今年乗ったバイクベスト〇〇」とかやることが多いですね。でも私自身はそういうランク付けって、凄く面倒くさいし、意味がないし、弊害しかないんじゃないか?って思ってるんですよね。
「はぁ?毎回クソ長いテキスト書いてるのに、バイクのランキングは面倒くさいの?弊害しかないってどういうこと?」ってツッコミが入ると思うんですけど、なんで私がそう考えるかをこのブログでご説明します。
以前、私はムルティストラーダとR1250GSとパンアメリカのビックアドベンチャー対決ってのを4部作でブログにしたことがあるんです。(そのブログはこちら→三大怪獣・地球最大の決戦(前編))その時点でアドベンチャーは買うつもりはなかったんだけど、「乗り比べイベントあるから、ひやかしで比較試乗インプレしちゃおう、ひひひ」って、イベントに行ってみたんですよ。で、いろいろ苦悩しながらトータルで卒論くらいの長さのブログ書いたんですが、ああいう試みはあれ一回だけで終わりました。正直、やってみて違和感があったというか、「やっぱ、こういうのダメだな~、向いてないな~」って思いましたね。
(こちらが私が参加したイベント。乗り比べって言っても、足つき悪いビックアドベンチャーでタチゴケしたら即自腹。当日は晴天だったんですけど、予想より試乗希望者が少なかったのか、コースの設定など何もなく、好きなだけ乗れちゃうという非常にありがたいイベントでした。)
今だから言いますけど、その3台の試乗の間、私ってば、ひたすら舞い上がってただけなんですよ。でもしょうがないじゃないですか。各メーカーの300万円クラスのフラッグシップアドベンチャーなんて、酒で例えると、ドンペリ・プラチナとかロマネ・コンティとかそんなんですよ。一番高くて美味い酒をタダで飲めるなんて呑んべの夢でしょ?
絶対手が出ない高額バイクを目の前にして、それだけでドキドキワクワクしちゃってるし、乗ったら乗ったで、「せっかく借りてるんだから、今このときを目一杯楽しみましょー!!」って気分になっちゃう。その盛り上がり方はもはや白昼堂々の浮気に近いものがある。ときめいちゃって冷静で理知的なインプレなんて全然できないんですよ。どのバイク乗っても、「ブッハーーー!!!サイコーーーーっ!!」って脳汁出しまくったり、「アハーン、気持ちいいーーーんんん・・」、ってトロけちゃったり、乗ってる間ずっと、タリラリランな状態になっちゃってたんです。
買う気もないのに凄いバイク達にまとめて試乗なんて、とっても甘美で背徳的。「結婚する気もないのにセレブ女子の婚活イベントに紛れ込み、ホテルに誘い込んで体の相性だけ見て去って行く犯罪者」に近いものがある。だからせめてブログにして、この3台のアピールを・・・って考えたんですが、私の分析能力では全然上手くいきませんでしたね。各バイクのオーナーからしたら「何言ってんだコイツ」って感じだったでしょう。
結局のところ、私はソムリエじゃなくてタダの呑んべなんですよ。評論家や批評家みたいな深い知識もないし、ライテク磨いてサーキット走る求道者でもない。バイク菌が脳まで上がって病状末期になってるオッサンです。だからバイク試乗するたびに「ひー!たのちぃーっ」て、テンションメーターが簡単に「みみみみみみみーーーー」って振り切れちゃう。そんなクソバカにレビューなんてそもそも無理があるんですね。
批評家はバイクをネタに金を稼いでる人達だから、知識、技術、ライディングスキル、文章表現力なんかをベースにバイクに向かい合い、冷静で客観的な視点から、有益なコメントを発信して利益を得てるんです。高いスキルや実績、経験に基づく信憑性と信頼性が彼らのインプレの基礎になってるわけですよ。
一方、私みたいな単なるバイク好きは、そんなもんなーんにもない。発言に制約も一切ない。「審査しまーす!」っていえば、今日から審査員になれる。素人インプレはネガティブなことを忖度なく書くことが価値であるって考えてる人も多いから、いろんなバイクを試乗し、ネガティブなことを言いまくり、さらに順位づけまでしちゃうってことが簡単にできる。でも、もし、そんなランキングを、ちょっと専門的知識のある人が見たらこう言うと思うんです。
「ほほー、へっちまん君、ランキングトップ10を作っちゃったの?へー凄いねぇ。僕の好きなバイクが最下位に沈んでるんだけどぉ・・。なんでかな?」
「ははは、な、なんででしょうね・・・」
「あのさ。これ1位のバイクと10位のバイクで、なにが違うの?どんな基準で評価して、具体的にどれくらいの差が生じてるの?僅差なの?圧勝なの?評価の根拠ってなんなの?各バイクの評価部分と評価点数はどうなってるの?」
「いやー、うーーん。あはははーーー、そんなのないです。私の好き嫌いで並べちゃいましたぁ。てへっ♡」
「あのね、そういうのってタダの印象操作っていうんだよ?(ギロッ)」
「ひーーーーーっ、すいませんーーーー」(北北西に逃走)
完璧な論破からの逃走劇ですね。結局のところ、私みたいな地位も権威も能力もスキルもないバイク乗りが、適当に下したバイクの評価なんて参考になるどころか、ツッコミどころしかないんですよ。その一方で、評価の中で不用意になされちゃったバイクに対するネガティブ発言は、根拠のないディスりとして、そのバイクを愛する人達からの怒りを買う。もはやいいこと全然ないんですよね。
でも、そんなスカポンタンで無能な奴でも、バイクについて思う存分書ける方法が、この世に一つだけあるんです。それは
そのバイクを所有すること
オーナーがバイクに関して行うインプレやコメントには能力がまったくいりません。購入者のインプレは業界で「オーナーレビュー」と呼ばれ、メーカーに対して大きな訴求力がある。商品が高額になり購入者の数的な母体が減るにつれ、オーナーも減るから、一人あたりの言葉の重さはどんどん大きくなっていくんです。
また、所有者になればインプレの中身に対し、他人からどうこう言われることもほとんどない。だって、バイクはもはや購入者の所有物。ディスったり、イジったり、どう料理するかはオーナーの自由なんです。法律的にいっても、所有権を有する者はその対象に対して絶対的、排他的かつ支配的な権利が認められている。もうね。「やりたい放題できる権利」を日本国が法律で保証してくれてるんです。
私自身も商売人だから良くわかるんだけど、「そのバイクのために身銭を切った」という事実は、消費においてはメチャクチャ重いことなんです。特に原付二種でも30万円を軽々超えてくるバイクという高額消費の世界では、自分が汗水垂らし、血の滲むような思いで得た金を投入したという事実自体が「バイクへの愛」を証明してくれる。
批評家の多くはインプレで「このバイクはいいゾ」って大絶賛していたとしても、そのバイクのために自分の大事な金を張ったりはしません。それに対して、オーナーは資金調達や家族の説得などの制約を乗り越え、そのバイクのために腹をくくって三途の川を渡り、彼岸に到達した人達です。消費の世界ではそれに勝るものはない。市場に存在するバイク達や、それを作った開発者にとっては、購入という行為自体が「何にも勝る最高の賛辞」であり、それを実践してくれた人は、特別な存在になるんですね。
(今年初めてのきんつば嬢のセンターイラストですね。ディーラーは事業者ですし、バイク達は売り物。どんなに優しい対応だろうが、営利企業である以上、サービスは収益に結びつかなくてはならない。つまり、本音はこんなところですよね。)
私は何かを褒めたりけなしたりするときには、それが許される地位にいたいんです。その点でいうと、オーナーの地位でやる嫁バイクのインプレって絶対の安全圏なんですよ。この世の中の多くの試乗記は、一般に販売されているバイクをメーカーやディーラーに提供してもらって成立してる。つまり人様のものを批評し、語ってるわけです。でも、オーナーインプレは自分のバイクについて好き勝手書いてるだけ。同じバイクのインプレでも、所有者の地位がなければ批評になるけど、所有者の地位があれば単なるオーナーのお気持ち表明。自分のバイクについての私的な感想だから、主観の垂れ流しが可能になるわけですね。
オーナーになればそのバイクに対してネガティブなことも書きやすい。どんなにイジったりクサしたところで、身銭切って購入した時点で「愛の告白」は終わってる。批判の根っこにちゃんとした愛があるってのは、マイナス面を語る時にとても重要なことなんです。それがあるかないかで愛のムチか言葉の暴力かが決まるから、受け手の印象が180度変わっちゃうんですね。
哲学者ニーチェの言葉に
「汝が深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」
っていう有名な中二病セリフがあるんですが、批判とか評価って、それをやってる側も必ず値踏みされるんです。だから批評家はその深淵に飲み込まれないように、彼らと互角に対峙し、力負けしないような実績と能力と教養を身につけるわけですね。でも、私はちょっとのツッコミで木っ端微塵になるようなへちま野郎だから、何かを評価するときは、いろんな配慮をしないと、あっさり深淵に飲まれてしまう。
バイクインプレの深淵の向こう側にはそのバイクを自らの愛車として選択した沢山の人達がいる。その目が静かにこちらを見てるんです。それを意識するとテキストを叩く指が自ずと止まる。「インプレはあくまで自分を基準に書き綴るものだから、自己満足に任せて無双すればいいじゃねーか」なんてのは浅はかなる勘違い。それこそ正に中二病。忖度しないってのは、好き勝手ネガティブなことを書き殴るってことじゃないと思う。
ネットはちょっと偏ってるけど、それでも立派な社会でありコミュニティです。コミュニティで情報発信する以上、深淵の向こう側にいる存在をガン無視することはできません。どんなスタンスで深淵の目と向かい合うのか?世の中の多種多様な選択を尊重しつつ、どうやって自分の感じたことを正確に伝え、表現するのか?そんなことを考えながらテキスト打たなきゃならないハメになるんですよ。ね、面倒くさいでしょ?
何馬力出したところで、所詮バイクは人が作り、人が跨がり、人が味わうもの。だからこそ乗り手とバイクの相性はとても大事になる。そんな相性重視の乗り物に相対評価のランキングはまったくといっていいほど意味がない。いくらランキングしたところで、それが他人に当てはまるわけがないんですよ。そもそも、そんな簡単に優劣がつけられる単純なものなら、やたらこじれた消費豚の50オトコが30年間もバイク選びで沼ってるわけがない。
・・・というわけで、今後も私は自分のバイクのメインで細々と書いていくことになると思います。「バイク乗りとしてもボッチだけど、インプレだってヒキコモリだね!」って言われちゃうかもしれないけど、そっちの方が圧倒的に気楽ですからね。
私としては、何を題材にするかより、流れるような美しいテキストを書けるようになりたいんですけど、それはまだまだ遠い道のりですねぇ・・。
「はぁ?毎回クソ長いテキスト書いてるのに、バイクのランキングは面倒くさいの?弊害しかないってどういうこと?」ってツッコミが入ると思うんですけど、なんで私がそう考えるかをこのブログでご説明します。
以前、私はムルティストラーダとR1250GSとパンアメリカのビックアドベンチャー対決ってのを4部作でブログにしたことがあるんです。(そのブログはこちら→三大怪獣・地球最大の決戦(前編))その時点でアドベンチャーは買うつもりはなかったんだけど、「乗り比べイベントあるから、ひやかしで比較試乗インプレしちゃおう、ひひひ」って、イベントに行ってみたんですよ。で、いろいろ苦悩しながらトータルで卒論くらいの長さのブログ書いたんですが、ああいう試みはあれ一回だけで終わりました。正直、やってみて違和感があったというか、「やっぱ、こういうのダメだな~、向いてないな~」って思いましたね。

今だから言いますけど、その3台の試乗の間、私ってば、ひたすら舞い上がってただけなんですよ。でもしょうがないじゃないですか。各メーカーの300万円クラスのフラッグシップアドベンチャーなんて、酒で例えると、ドンペリ・プラチナとかロマネ・コンティとかそんなんですよ。一番高くて美味い酒をタダで飲めるなんて呑んべの夢でしょ?
絶対手が出ない高額バイクを目の前にして、それだけでドキドキワクワクしちゃってるし、乗ったら乗ったで、「せっかく借りてるんだから、今このときを目一杯楽しみましょー!!」って気分になっちゃう。その盛り上がり方はもはや白昼堂々の浮気に近いものがある。ときめいちゃって冷静で理知的なインプレなんて全然できないんですよ。どのバイク乗っても、「ブッハーーー!!!サイコーーーーっ!!」って脳汁出しまくったり、「アハーン、気持ちいいーーーんんん・・」、ってトロけちゃったり、乗ってる間ずっと、タリラリランな状態になっちゃってたんです。
買う気もないのに凄いバイク達にまとめて試乗なんて、とっても甘美で背徳的。「結婚する気もないのにセレブ女子の婚活イベントに紛れ込み、ホテルに誘い込んで体の相性だけ見て去って行く犯罪者」に近いものがある。だからせめてブログにして、この3台のアピールを・・・って考えたんですが、私の分析能力では全然上手くいきませんでしたね。各バイクのオーナーからしたら「何言ってんだコイツ」って感じだったでしょう。
結局のところ、私はソムリエじゃなくてタダの呑んべなんですよ。評論家や批評家みたいな深い知識もないし、ライテク磨いてサーキット走る求道者でもない。バイク菌が脳まで上がって病状末期になってるオッサンです。だからバイク試乗するたびに「ひー!たのちぃーっ」て、テンションメーターが簡単に「みみみみみみみーーーー」って振り切れちゃう。そんなクソバカにレビューなんてそもそも無理があるんですね。
批評家はバイクをネタに金を稼いでる人達だから、知識、技術、ライディングスキル、文章表現力なんかをベースにバイクに向かい合い、冷静で客観的な視点から、有益なコメントを発信して利益を得てるんです。高いスキルや実績、経験に基づく信憑性と信頼性が彼らのインプレの基礎になってるわけですよ。
一方、私みたいな単なるバイク好きは、そんなもんなーんにもない。発言に制約も一切ない。「審査しまーす!」っていえば、今日から審査員になれる。素人インプレはネガティブなことを忖度なく書くことが価値であるって考えてる人も多いから、いろんなバイクを試乗し、ネガティブなことを言いまくり、さらに順位づけまでしちゃうってことが簡単にできる。でも、もし、そんなランキングを、ちょっと専門的知識のある人が見たらこう言うと思うんです。
「ほほー、へっちまん君、ランキングトップ10を作っちゃったの?へー凄いねぇ。僕の好きなバイクが最下位に沈んでるんだけどぉ・・。なんでかな?」
「ははは、な、なんででしょうね・・・」
「あのさ。これ1位のバイクと10位のバイクで、なにが違うの?どんな基準で評価して、具体的にどれくらいの差が生じてるの?僅差なの?圧勝なの?評価の根拠ってなんなの?各バイクの評価部分と評価点数はどうなってるの?」
「いやー、うーーん。あはははーーー、そんなのないです。私の好き嫌いで並べちゃいましたぁ。てへっ♡」
「あのね、そういうのってタダの印象操作っていうんだよ?(ギロッ)」
「ひーーーーーっ、すいませんーーーー」(北北西に逃走)
完璧な論破からの逃走劇ですね。結局のところ、私みたいな地位も権威も能力もスキルもないバイク乗りが、適当に下したバイクの評価なんて参考になるどころか、ツッコミどころしかないんですよ。その一方で、評価の中で不用意になされちゃったバイクに対するネガティブ発言は、根拠のないディスりとして、そのバイクを愛する人達からの怒りを買う。もはやいいこと全然ないんですよね。
でも、そんなスカポンタンで無能な奴でも、バイクについて思う存分書ける方法が、この世に一つだけあるんです。それは
そのバイクを所有すること
オーナーがバイクに関して行うインプレやコメントには能力がまったくいりません。購入者のインプレは業界で「オーナーレビュー」と呼ばれ、メーカーに対して大きな訴求力がある。商品が高額になり購入者の数的な母体が減るにつれ、オーナーも減るから、一人あたりの言葉の重さはどんどん大きくなっていくんです。
また、所有者になればインプレの中身に対し、他人からどうこう言われることもほとんどない。だって、バイクはもはや購入者の所有物。ディスったり、イジったり、どう料理するかはオーナーの自由なんです。法律的にいっても、所有権を有する者はその対象に対して絶対的、排他的かつ支配的な権利が認められている。もうね。「やりたい放題できる権利」を日本国が法律で保証してくれてるんです。
私自身も商売人だから良くわかるんだけど、「そのバイクのために身銭を切った」という事実は、消費においてはメチャクチャ重いことなんです。特に原付二種でも30万円を軽々超えてくるバイクという高額消費の世界では、自分が汗水垂らし、血の滲むような思いで得た金を投入したという事実自体が「バイクへの愛」を証明してくれる。
批評家の多くはインプレで「このバイクはいいゾ」って大絶賛していたとしても、そのバイクのために自分の大事な金を張ったりはしません。それに対して、オーナーは資金調達や家族の説得などの制約を乗り越え、そのバイクのために腹をくくって三途の川を渡り、彼岸に到達した人達です。消費の世界ではそれに勝るものはない。市場に存在するバイク達や、それを作った開発者にとっては、購入という行為自体が「何にも勝る最高の賛辞」であり、それを実践してくれた人は、特別な存在になるんですね。
(今年初めてのきんつば嬢のセンターイラストですね。ディーラーは事業者ですし、バイク達は売り物。どんなに優しい対応だろうが、営利企業である以上、サービスは収益に結びつかなくてはならない。つまり、本音はこんなところですよね。)
私は何かを褒めたりけなしたりするときには、それが許される地位にいたいんです。その点でいうと、オーナーの地位でやる嫁バイクのインプレって絶対の安全圏なんですよ。この世の中の多くの試乗記は、一般に販売されているバイクをメーカーやディーラーに提供してもらって成立してる。つまり人様のものを批評し、語ってるわけです。でも、オーナーインプレは自分のバイクについて好き勝手書いてるだけ。同じバイクのインプレでも、所有者の地位がなければ批評になるけど、所有者の地位があれば単なるオーナーのお気持ち表明。自分のバイクについての私的な感想だから、主観の垂れ流しが可能になるわけですね。
オーナーになればそのバイクに対してネガティブなことも書きやすい。どんなにイジったりクサしたところで、身銭切って購入した時点で「愛の告白」は終わってる。批判の根っこにちゃんとした愛があるってのは、マイナス面を語る時にとても重要なことなんです。それがあるかないかで愛のムチか言葉の暴力かが決まるから、受け手の印象が180度変わっちゃうんですね。
哲学者ニーチェの言葉に
「汝が深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」
っていう有名な中二病セリフがあるんですが、批判とか評価って、それをやってる側も必ず値踏みされるんです。だから批評家はその深淵に飲み込まれないように、彼らと互角に対峙し、力負けしないような実績と能力と教養を身につけるわけですね。でも、私はちょっとのツッコミで木っ端微塵になるようなへちま野郎だから、何かを評価するときは、いろんな配慮をしないと、あっさり深淵に飲まれてしまう。
バイクインプレの深淵の向こう側にはそのバイクを自らの愛車として選択した沢山の人達がいる。その目が静かにこちらを見てるんです。それを意識するとテキストを叩く指が自ずと止まる。「インプレはあくまで自分を基準に書き綴るものだから、自己満足に任せて無双すればいいじゃねーか」なんてのは浅はかなる勘違い。それこそ正に中二病。忖度しないってのは、好き勝手ネガティブなことを書き殴るってことじゃないと思う。
ネットはちょっと偏ってるけど、それでも立派な社会でありコミュニティです。コミュニティで情報発信する以上、深淵の向こう側にいる存在をガン無視することはできません。どんなスタンスで深淵の目と向かい合うのか?世の中の多種多様な選択を尊重しつつ、どうやって自分の感じたことを正確に伝え、表現するのか?そんなことを考えながらテキスト打たなきゃならないハメになるんですよ。ね、面倒くさいでしょ?
何馬力出したところで、所詮バイクは人が作り、人が跨がり、人が味わうもの。だからこそ乗り手とバイクの相性はとても大事になる。そんな相性重視の乗り物に相対評価のランキングはまったくといっていいほど意味がない。いくらランキングしたところで、それが他人に当てはまるわけがないんですよ。そもそも、そんな簡単に優劣がつけられる単純なものなら、やたらこじれた消費豚の50オトコが30年間もバイク選びで沼ってるわけがない。
・・・というわけで、今後も私は自分のバイクのメインで細々と書いていくことになると思います。「バイク乗りとしてもボッチだけど、インプレだってヒキコモリだね!」って言われちゃうかもしれないけど、そっちの方が圧倒的に気楽ですからね。
私としては、何を題材にするかより、流れるような美しいテキストを書けるようになりたいんですけど、それはまだまだ遠い道のりですねぇ・・。
コメント
コメント一覧 (22)
ところで、友人でロケット2台持ちの還暦ド変態さん(最大級の褒め言葉ですから誤解なきように)がこの度、先着5名さま限定HAWK11オーナースペシャルミーティングに参加されることになったのです。開発陣との対話もあるようで、羨ましい限りでございます🤤。
へっちまん
が
しました
しかし、身銭切ったという免罪符があってもどこまで書いて良いものかのライン見極めるの難しいもんですよねぇ〜
なのでレンタルレビューとかって視聴者への忖度だとかでどうしても通り一遍な感想でこぢんまりしちゃう(仕方ないのだけども)
私自身もゴールドウイングについてディープなオーナーインプレ漁ってなきゃコチラのブログにに辿り着いてなかったわけですし
他人の相対評価をあてにするのは乱暴な事ですよね
私がバイク選ぶ時大体人にゲッ!とか正気か?みたいな顔されます…それでも失敗だと思ったことは一度も無いです
人気車種を手広くも良いですが、身銭をきったオーナーにしかわからない深海2万マイルのように深くて暗くて欲や私見が入りまじった悲喜交交なブログを私は待ち遠しく思っております
へっちまん
が
しました
まあ一番はこんなんどうでもいいってことDEATH!!!
へっちまん
が
しました
>オーナーは資金調達や家族の説得などの制約を乗り越え、そのバイクのために腹をくくって三途の川を渡り、彼岸に到達した人達です。消費の世界ではそれに勝るものはない。<
これは、中学校の教科書に載っても不思議じゃない名文です。
ちなみに”ドライカーボン化”という三途の川を”鉛筆の芯”という一言で撃沈され川の藻屑になったので、カーボン調のフィルム貼りに挑戦するつもりです!ガンプラやエアガンを仏像彫りの如く闇雲に作成した経験が活かせそうです。
旧ガンプラオタクのバイク馬鹿はただのバイク乗りと違うのだよ!というところを見せてやります!!
へっちまん
が
しました
そこから続けて「でもそんな読み捨てられる雑誌のヨイショ記事にもライターの本音って必ずどこかにはあるのヨ、いかにすくい取るかは読み手次第だけどナ」と言ってましたなぁ。所有してみて文句も言える、なるほど。
7弦ギターを所有してみて初めて「弦が高い!売ってるとこなかなか無い!」って文句言ってました(笑)
今は原材料高騰・物価高で普通の弦でも600円くらいだったのがいきなり900円以上に跳ね上がって右往左往しております。
へっちまん
が
しました
私見で申し訳ないのですが
見たぞ!聞いたぞ!翔んだぞ!!
フランカーー(*≧∀≦*)//
以上、茨城からでした。
へっちまん
が
しました
急いでテンダー接続で再起動かけましたが、テンダーではジャンプスターターほど力無いので無理でした。でもバッテリーアクセスポートは本当に良いですね♪
スポスタsのバッテリーアクセスは悪いので、そのままヘルメット置いて、ブーツ、皮パン、革ジャンで駅まで全力疾走です。コスプレの変態にしか見えません。おかげで両足とも靴擦れです。
またスポスタsと絆が深まった気がします。
折角だからカーボン除去剤を入れようと思います。今までずっとYAMAHAのケミカルでしたが今回はワコーズを試してみようと思います。
へっちまん
が
しました
天邪鬼でヘンコツな私は気に入ったバイクや車なら他人がどんなインプレしようが
全く気にせず購入できますw
と言うか雑誌やネットやらのインプレなんぞラーメンの評価と変わらんと
思ってますから(笑)
自分がうまいと思えばうまい まずいと思えばまずい
他人がどう思おうが他人の自由
遠慮せずにへっちまんさんが感じた通り書いてほしいですw
へっちまんさん程のの文章力と表現力があればとても面白いブログに
なると保証しますよwww
嗚呼 今日もへっちまんワールドに引き込まれましたw
へっちまん
が
しました
アドベンチャー対決、面白かったですよ。
へっちまんさまのインプレ、もし倒したらどうなるかとか、あんまり雑誌なんかのインプレじゃ触れないようなことに触れていて、楽しいです。
別に高いからって完璧なバイクなんてないと思いますし、“深淵”なんて考えないでこれからもお願いします。
あと、絶対手が出ない高額バイクなんておっしゃいますが、ゴールドウイングなんて同じくらいの価格じゃなかったでしたっけ。
へっちまん
が
しました
今回のブログは
なんか、すげぇ刺さりました。
なんかすげぇ
また寄らせてもらいます。
へっちまん
が
しました