今回はトライアンフネタ回なんですが、まぁ正直書くことないんですよねぇ・・。うちのザラブ嬢はトリクル充電器繋いで完全に冬眠してますし、冬場はバイクのネタなんてないですって。 

ちょっと前なら、冬になったら気温1度くらいのときに連れ出して、「気温0度近くでスパコルがどんだけグリップ抜けるか試してみるのもアリかなぁ~」なんて思ってたんですが、ゴールドウィングで立ちゴケした後遺症でメンタルが落ちてる今「我が身をリスクにさらしてのインプレッション」なんてやる気がおきようはずもない。もし、そんなことして再度ずっこけたら、超高速回転のロボコンパンチで、自宅の外壁を破壊する自信があります。

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(トリクル充電器の定番、オプティメイト4をつけて冬眠中。バッテリーはシート下。)

まぁザラブ嬢は2ケツしないし、車重もダイナやきんつばに比べると羽のように軽いんで、「足でも吊らない限り立ちゴケはないんじゃないかなぁ・・」って思ってはいますが、今回の立ちゴケであらためて、「ザラブのお嬢でコケたらどの程度のことになるんじゃろ?・・」って、目を細めながら思案している今日この頃。

「で、不安になったご主人は立ちゴケ対策で私にスライダーつけるんですか?」

っていうとまぁないんですよね。転ばぬ先のスライダーってのはわかるけど、やっぱり私はザラブ嬢みたいなバイクにこれつけるってのは考えられないんです。今回は、なんでこの定番アイテムの取り付けを私の心が拒んでいるのか?っていうお話しです。

当然、人によってスライダーへの向き合い方って違うと思いますから、あくまで「カビの生えたバイク乗りのスライダー観ってこうなのか?ほんとコジれたジジィってどうしようもないな・・」って感じで読んで頂ければと思います。

12年ほど前にスピードの世界から足を洗い、重量級クルーザーにばかり乗ってた私にはスライダーって割と縁遠いアイテムだったんですよね。このアイテムを意識するようになったのはストリートトリプルRSを購入する際に、とあるディーラーで、店員さんとこんな会話をしたときからなんです。

「へっちまんさんはどういう用途でこのバイクを使いますか?」

「まー峠ですね。ワインディングです。」

「じゃあ、転倒したときのダメージを軽くするために、スライダーをオススメしときます。」

って、エンジンガードとかスライダーとか、なんかいろんなオプションを見積もりに追加しだしたんですよね。「あー、新車だからパーツサービスあるのね。乗り出しは値引き込みで165万円位になるのかにゃー」って注文書覗いたら184万円って書いてあって、ハナノアみたいにコーヒー吹きそうになったんですよ。

ハナノア
(今田耕司の最高傑作、ハナノアの販促ポスター。マジなのかネタなのか?その境界線で強烈に笑わせにくる。もの凄いインパクトです。)

だって、オプション合計金額がなんと20万円オーバー。サービス品ならともかく真水でそんだけ乗せられたら、そりゃハナノア状態なりますよ。

「いやいや全部いらないです!!転倒すること考えてたら、この手のバイクは買えないんで!!!」

って全力で遠慮したら、店員さんが「えっ!?」って腰が30㎝ほど引けた感じになって怪訝な目で私の方を見つめたんですよ。それがもう人類進化前のネアンデルタール人を相手にしてるみたいな、なんかこう「ホント何もつけないの?・・この御仁・・正気か??」って感じだったんですよね。

その店員さんの反応を見て、「スライダーつけない俺が異常なの?」なんて思ったけど、私にとってスライダーは「ほとんど意味のない」パーツなんですよ。クルーザーがエンジンガードつけるってんならともかく、走り重視のバイクにそんなもんいらんだろ?って考えてる。

「スライダーはコケたときに摩擦係数減らして、バイクをコースアウトさせてくれるから重要なパーツなんだぜ」っていう意見もあるようだけど、サーキットやジムカーナやってる人にとってはスライダーはコースからバイクを離脱させ、虎の子のバイク守ってくれるとても有用なものだと思いますよ。でも公道で「コケたバイクが滑る」ってのは必ずしもいいことじゃないと私は思ってる。

転倒でライダーが大けがするパターンの多くが転倒した後に障害物に激突ってやつですよ。これバイクでも理屈一緒のはずなんですよね。スライダーつけて滑りが良くなると200㎏近い重量物がコケた勢いを殺せぬまま路肩に向かってすっ飛んでいくってことになるんだから、いろんな所に激突してボロボロになったり、歩行者巻き込んでガードレールに直撃大破なんてことも想定されるわけです。だから、サーキットや、ジムカーナ競技場みたいなオープンスペースと違い、障害物だらけの公道でバイクを滑らせるスライダーは不確定リスクの方が大きい。

そもそも軽量なスポーツバイクは走りのために設計者が血のにじむような努力でグラム単位の軽量化して戦闘力を上げています。空力だって徹底的にやってるはず。そこに走りに関係のない重量のある突起物を追加するってどうなのか。ハナから軽量化や空力を捨ててるクソ重いクルーザーは電飾しようが、ドレスアップしようが、ガードつけようがいいんだけど、スポーツバイクはとにかく軽さと小型化が命で、それに金払ってるところがありますからね・・・バックステップとかステアリングダンパーをつけるんならともかく、走りに関係のない異物を取り付けるってことにまず抵抗がある。

あと、スライダーって私がバイクに向き合う姿勢的にもツジツマがあわないんですよ。これ表現が難しいんだけど、例えば、もしキリンのカタナにスライダーついてたらどうですか?ほとんどの読者が「は?」ってなると思うんですよね。なんで似合わないのか?そりゃ超高速で車すり抜けながらバトルする破滅男と、「もしもの保険にスライダー」っていう堅実思考がキャラ設定として相容れないからです。

「公道で超高速の板野サーカスしてるのに、もしもの時のバイクのダメージ気にすんの?」
ってことなんですよね。

キリンの第一部の副題は「ポイント・オブ・ノーリターン」ですが、私はノーリターンじゃなくてノータリーンだと思ってる。東名高速から海に落下する「ノーリターンおじさん」ノータリーンでないわけがない。どんなにカッコつけたって、美人とエッチしたってスピードにやられて脳ミソ溶けてるって事実は変わんないんです。キリンより歳食ちゃった私の分析では、あの人は単なる同類の頭イカレたオヤジなんですよ。私的には第一部は歳食って社会に溶け込み、ステゴロがするにも理由がなく、くすぶってたオッサン二人がポルシェとカタナの勝負にかこつけてやりたい放題やりましたって話なんです。

そんな人達はどんなに格好よく取り繕ったって、シナプスの組成からしてバカなんだからコケた後のことなんて絶対に考えてない。そんなの考えてたら怖すぎてバイク乗れないんですよ。私も三京を走ってた頃は頭がお花畑のバカでした。一定以上のスピード出すって基本バカじゃないとやれない。この世の中はスピードを美化し、カッコよくしすぎなんです。

例えば、私がザラブ嬢でコケるパターンって、

「はれぇ、ブラインドコーナー先の路面がお水で真っ黒じゃなーい♡今日に限ってなんでこんなところにお漏らしなのーってギャァァアアアアアアア!」とか、

「フワァア!カーブでセンターラインを対向車が割ってきて、ビックリした拍子にフロントかけちゃって車体がハイサイド気味に飛び起きて、対向車に一直線でギャァアアアアアアアアア!車のリアバンパーをギリかすめて\(^O^)/と思ったら、今度は側溝に突進しちゃってギャァァァアアアアアアア!!」とかです。

「なんか異様にリアルなんだが・・」と感じた人は正解。実は納車から今までにザラブ嬢との「危機的状況」が2回あって、それをそのまま書いたからリアルなんですね。前者はウェット路面にナムサンで突入してズリズリ~ってスライドして心臓が口からぴよんと出そうになったけど、やれることなんて何もないからバイク任せにしてたらグリップ回復してコケなかったという、ゴッドセーブ。

後者はバイクが飛び起きて制御不能になった瞬間、轟沈覚悟で耐ショック姿勢とったけど、はみ出してきた対向車がアクセル踏んだからギリギリお尻の方を抜けたというミラクル。車と右足の隙間はほぼなかったから、助かったのは運以外のなにものでもない。その後コースアウトしそうになるザラブ嬢をフルブレーキングで側溝落ちる前に止めることができたのはブレンボM50の超高性能のおかげで、これまた私の能力じゃない。場合によっちゃ止まりきれず前輪が側溝にハマって、ザラブ嬢と一緒に犬神家のスケキヨさんやるはめになっていたかもしれない。

なんでこんなことになるのか?理由は簡単、以前もこちらのブログ→(コケないための領域論「ストリートトリプルRSは上級者向けバイクか?」)で書きましたが、自分の領域超えて走っちゃったから、突発的な問題に対応できなかったんです。

自分のケアできる領域超えは非常にリスクが高い行為であることはわかっているんですが、納車されて慣らしが終わったらバイクのポテンシャルどのくらいか試したくなるじゃないですか。ムラムラと深夜4時頃に高速へ出張って全開走行をやったり、ホームコースも目を尖らせて攻めていく。まだお付き合いして間もないから、熱い火遊びをやるわけなんですよね。

で、その火遊びで焼死しそうになって、「ようやく走りが8分目になる」というのが、私という救えない生き物の生態なんです。これだからバカにスポコン系のバイクを与えちゃダメなんですよ。

スライダー2(私の漫画では、ひたすらイジられる宿命のザラブ嬢。マイナーバイクってイジりやすいんですよね。)

現在はストリートトリプルRSがどんなバイクでどの程度の実力かもある程度わかったし、私とバイクの関係も安定期に入ったんで、安全領域内でマージン取って楽しく走れてますが、バイクって購入して、お互いの距離を探ってる時期が一番不安定で危険ですね。まあ私のバイク歴で「もう廃車なの?!」てのは大体この時期にブッ飛んでます。こうなっちゃうのは、私の頭があり得ないくらいお花畑だから。過去の反省もどこへやら。改心したと見せかけて、田代まさしのように同じこと繰り返してきたんですね。

領域外のスピードでブッ飛んでんですから、やらかしたときは転倒対策もクソもない。ホームコースのクッソ狭い山道で、ドカンと一発吹っ飛んだ日にゃスライダーなんて屁のツッパリにもならんですよ。手首折ったり、肩の骨折ったり、おそらくこれまで派手にコケ倒してきた人ほど、スライダーってあまり興味ないんじゃないかと思う。ハイスピードで一旦コケたら、そこにあるのはもはやバイクの問題じゃなくて生死の問題なんですね。

私はスライダーって、こと公道で使う分には立ちゴケとか低速取り回しでの転倒とか、常識的な範囲で機能するアイテムだと思うんですよ。だからストリートトリプルRSでツーリングしたり街中まったり走ろうって人には良いパーツ。でも、私みたいに峠専用の戦闘機として使うとか、高速持ち込んで一定ラインを超えたところでの使用を想定してる人は、イマイチ刺さらないアイテムじゃないかなぁと。転ばぬ先の杖って歩く速度で使うから役に立つんで、疾走してるバカに杖持たせても、どうしようもないんですよね。

「いやいやお前もいい歳なんだからコケたときのためにちゃんと対策しろよ!もっと賢くなれよ!!」って言われたら、私の場合はスライダーつけるんじゃなくて、公正証書遺言作るほうが賢いんじゃないか?って思う。

非常にシニカルな話ですけど、MOTO2エンジン積んでるザラブ嬢や200馬力級のSSって根っこのところで、そういうバイクだと思うんです。スペックが殺意に満ちてるんですよ。購入して普段はトラコンかけて乗るにしても、トラコンなしのフルパワーやってみたいから外すでしょ?で、そのときに「やらかしちゃった」ら再起不能ですよ。スライダーとかそんな問題で到底収まるものではない。SSやハイパワーなストリートファイターは、転倒したときの保険などという、一切の甘えや逃げを自分の中で否定すべきではないか?って考えちゃう。そういう意味では、ザラブのお嬢って、ヘラヘラしながら乗れるダイナやきんつばとは全然違うんです。

転倒しても、その後のことを考えてるスポーツライクなスライダーと、私の中にあるスーサイド(自滅的)な転倒認識をすりあわせることができないでいるってのがこの問題の根っこなんでしょう。そして、それは私のどうにもならんバイク人生に起因して生まれてる考え方だから、今更変えようがないんですね。