えー、今回は量産型モブライダーのへっちまんが送る「みんなが気持ちよくなる」サービスブログです。

道の駅明宝2
(惨劇の舞台、巨大な道の駅「明宝」。明宝ハムが有名ですね。写真は公式サイトからの転載です。)

そう、表題の通りコケちゃったんですよ!!!!昨年の10月下旬に。奥様とタンデムしてたときにバッタリやらかしたんです!!F6Bから通算8年、ゴールドウィングで初めての

♡フルバンク停車♡

どんな気分かって?もうね。

「魂が木っ端微塵なのじゃあ!!」

フルバンク停車の舞台は岐阜県の誇る巨大道の駅「明宝」ですからね!道の駅の名にちなんで、この惨劇を私は「明宝の惨劇」と名付けました。

私も大型免許取ってかれこれ30年。これまで何回もフルバンク停車をかましてきましたよ(私の立ちゴケ遍歴はこちらのブログでどうぞ→「愛と悲しみのフルバンク停車」)。でもね。これまで一番ギャラリーが多かった時でも、せいぜい目撃者は15人くらいだったの!でも今度はスケールが違うからっ!もうね。秋晴れの10月、紅葉目当ての観光客でごった返す道の駅明宝の出口で横倒しですからね!ええ、ギャラリーはバイク乗りだけで300人はいましたよ。

「うぎゃぁああああ!恥ずかしいぃぃいぃいいいいい!!」

もうどれくらい恥ずかしいかって言うと「スーツの下に女性用下着つけてるのが社内でバレて辞職願!!」ってくらい恥ずかしい。

あらためて思うんですけど、こういうときデカいバイクって最低ですよね!相撲だってそうでしょ?結びの取り組みで横綱が負けると座布団舞うじゃないですか!まさにあれですよ!ゴールドウィングなんて誰でも知ってるホンダのフラッグシップですよ。新型は特に目を引いちゃう!しかもGIVIケースくっつけて、長髪で小柄な女性をちょこんと乗せてるんですよ。もうね。

ギャラリー全員「死ねばいいのに」って思ってますよ!

皆がこっち見て「ケッ!」って言ってるようなシュチュエーションの中でパタッとコケたんです。この状況がどういうことかわかりますか?もうね。「ザマミロォォオオ!!俺達の願いが通じたぞォォオオオオ!!」って外野は大盛り上がりですよ!背後で「ウォォオオオオオオ!!」って盛り上がってるのを肌で感じましたからね!こんなの完全無欠のメシウマですよ!

「ヒャッッハアアアアアアア!!あいつGLでコケよったぞぉオオオオ!!ザマァァアアア!!」

「立ちゴケをサカナに食うコロッケが超ウメェェエ!!オバハン!飛騨牛コロッケ10個追加ァァァアアアア!!!」


「ノンアル持ってこいやぁああああ!!ノンアルで酒盛りじゃぁあぁあああ!!」


って気分でしょ。私がコケたのがお昼時だったってのもあって、道の駅明宝の屋台の売り上げ跳ね上がったと思いますよ。これ125ccとかだったら、「めげずに頑張れ!!」って声援すら送られるのに、ゴールドウィングは「ルネッサーーーンス!」って乾杯されるんですよ!

ああーーーーっ思い出すだけで、パソコン放り投げて布団にくるまりたくなるぅううううう!!


しかもですね。自信満々でイキってただけにダメージは倍増。この頃奥様の気まぐれで人生初のタンデムツーリングに手を染めだした時期だったから、すっごく増長してたんですよね。

ウチの奥様はもう45で正面から見れば「オッス!オラババァ」なわけですが、メットかぶっちまえば年齢不詳。髪ソコソコ長いし、身長低いし、幼児体型だからシルエットだけならすっごく若く見えるんですよ。

「フフッ、フハハハッハハハハ!!・・!見ろ!チョンガー達がゴミのようだ!単為生殖のプラナリア共にいかほどの驚異があろうか?それはすでに形骸である!敢えて言おう!カスであると!!!」 

・・そう、自分が30年来のソロライダーなのを棚に上げ、デギンを焼き殺した後のギレン・ザビのように黒い高揚感に包まれていたんです。・・・これまで長きにわたってボッチを続けてきた反動が、ドス黒い情念となり私を支配していたのか?・・・それともタンデム童貞卒業の多幸感で頭がおかしくなってたのか?・・いやその全てか・・。いずれにしても私は忘れていたんです。バイクの神様は、そういう奢りや慢心を決して見逃さないということを。

実際今思いだしてもなんでコケたかわかんないんですよ。道の駅の出口で車がきてないか確認するために一次停止したときにパタンとやったんですけど、バランス崩すような入力した覚えもないし、もはや神罰としかいいようがないですね。多分2ケツのバランスのシビアさが予想以上だったんだと思う。ゴールドウィングってノーマル状態が低重心なだけに、2ケツして荷物満載して腰高になったときのバランスギャップが凄いんですよ。ソロなら当たり前のように支えられるところをあっという間に持っていかれちゃいました。

それにしても道の駅の満員の聴衆の前で、現行ゴールドウィングで女子乗せて立ちゴケって、「屈辱的要件が揃いすぎ」ですよね。庵野監督ならここで「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げぎゃダメだ」ってのを緒方声でひたすらブチ込んでくるんでしょうが、逃げるでしょこんなの。足が渦巻きになるくらいの全力逃走ですよ。

問題は、逃げたくても肝心のバイクは横倒しってこと。立ちゴケってバイクが重量級であればあるほど進退窮まるんですよね。もう大ピンチってやつですよ!逆境ですよ。

逆境といえば、日曜朝にやってる戦隊モノで「思いの強さが力に変わる!!」っていう使い古されたフレーズがあるじゃないですか。私は「ハハハ、思いが力に変わるって?バカジャナイノ?」ってハナで笑ってたんです。でもね。いざ自分がそんな状況になって、ようやくその言葉の意味を理解しましたよ。だって、荷物満載で400㎏を軽く超えるゴールドウィングが「フンガァァアアアーーーーー!!」の一発で起きたんです。「とにかくこの場から消えたいの!!」という強烈な願いが非力な私を人間ジャッキに変えたんですね。この10年で私の中に眠る「闇の力」が最も開放された瞬間だったかもしれない。

で、すぐさま奥さんを積載し、脱兎のごとく道の駅から逃げ出したんです。もう「シュタタタタタ!!」っていうメタルスライムの逃走音が聞こえるくらいの勢いだったと思います。

多くの皆さんに幸せと興奮を与えつつ、私は道の駅明宝から、逃げるように落ちのびていったわけです・・・。

道の駅明宝5
(バイク達も大盛り上がり。おかんむりのきんつば嬢と、大笑いのダイナ嬢。必死に笑いをこらえるザラブ嬢。三者三様のコントラストをお楽しみ下さい。)

以上がことの顛末の一部始終です。あらためてテキスト打っていてもまぁ酷いですね。何が酷いってスケールが酷い。ギャラリーの数がヤバヤバのヤバです。これまでずっとボッチで道の駅の端っこにいた私が、奥さんのタンデム許可でようやく日の当たる所に出たと思ったらこれですよ。スポットライトの下で初めて披露したネタが大観衆の前でのフルバンク停車って、もう大スターすぎて脳が溶けますな。ド陰キャが陽キャの皮を被っても恥をかくだけ。ヤメトキャヨカッタ。

ちなみにこれ、私にとっても久方ぶりのライディング中の立ちゴケでして、その後遺症はね。甚大だったですよ。ここ10年の立ちゴケは全てダイナで、車庫入れでバイク押してサイドスタンドかけるときにハーレー特有のサイドスタンドトラップに引っかかったやつなんで、バイク跨がってエンジンかかってる状態での立ちゴケは10年以上なかったんですよ・・。そんな私が今回の大惨事でどうなったかというと、

「メンタルが崩壊しました」

まず、大勢の目の前で醜態をさらしたという屈辱感で心を焼かれ、立ちゴケによる技術面の自信喪失で走りに大きな影響が出てしまったんですね。

きんつばってメチャメチャ重量級のバイクで、ハーレーと違って足つきもそこまで良くない。でもトルクがあって操安が良くって低重心だから、自信を持って乗ってる限り「重さは消える」バイクなんです。しかし、このバイクは自信を失っちゃうと途端に重くなる。この惨劇がトラウマになって、淫夢しか見たことのない私が悪夢にうなされるようになったんです。

「もう二度と繰り返したくない!」という切迫感から、「立ちゴケを防ぐためには、日頃から停止時にほぼ直立にする練習をしなきゃならないのではないカ?」などと余計なことを考えはじめ、もうソロライドでもおかしくなっちゃったんですよね。立ちゴケするまでは気持ちよく停止してたんですが、まったく問題ない状況でもドキドキしちゃうんです。ちょっと傾くとビクッと足を出すような感じ。

なーーんも考えてないときは、グイグイ乗れるのに、いろいろ考え出すとバイクって全然ダメ。自分でも乗れてないのがわかる。そうなると「ハンドルをアップすればもうちょっと乗りやすくなるんじゃないか?」とか、さらにいらんこと考え出したりして迷走していくんですよ。(その迷走の過程はまた後日書きます)「・・いつの間に、なんというメンタルザコになってしまったのか・・」と愕然としましたね。これじゃザコザコの実を食べたザコ人間ですよ。

昔はライディング技術がなくって転倒を繰り返してたんですが、とにかく前向きだったんですよね。どんなにコケても、転倒上等!で、全然めげなかったんです。でも、今はもう立ちゴケ一発で「心療内科に通おうかな・・」ってほど弱気になっちゃう。ホント自信って積み上げるのは長い時間がかかりますが、失うのは一瞬です。だからこそバイクって絶対に慢心しちゃダメなんですが、私って根っからのお調子者ですからねぇ。

ツーリング終わってホッとして自宅の前でバタッとやるのは立ちゴケの典型パターンですが、あれも「まだ、気を抜いちゃだぁめ♡」っていう神様からの贈り物だと思う。で、すっごい落ち込むんですけど、結局はバイクで失った自信って、バイクを乗り込んでいくことでしか戻せないんですね。乗り手の甘えや馴れ合いを許さない。バイクはそういう厳しい乗り物なんだ、とあらためて実感する今日この頃であります。

ということで、今回は10年ぶりの立ちゴケ「明宝の惨劇」の顛末と、その根深い後遺症について語ってまいりましたが、みなさま楽しんで頂けましたでしょうか?

次回は後編としてこの大惨事の被害報告をお楽しみ頂きたいと考えてます。