今回はドイツ車と日本車の違いとか、現在のモビリティを取り巻く環境問題について私が感じていることをダラダラと書いてます。これってもともと、バイクのブログを書いてるときに、テキストが横に脱線して生み出されたものなんです。年末進行で疲れ切って夜テキスト打てないんで、お蔵入りさせたストック引っ張り出しました。なんでクルマが対象なのか?というと、ことバイクに関してはダイナを購入するまでずーっと国産一筋だったんで、海外製バイクを語れるほどの所有経験がないからですね。

でも、車に関しては人生のかなりの時間をドイツ車とすごしてきましたから、良い部分も悪い部分もある程度のことは理解してるつもり。今回ここに書いてることは私の雑感みたいなものです。

ちなみに「輸入車は高い」って誤解してる人も多いですけど、20年前ならともかく、今は国産車だって高いです。レクサスなんてメチャ高い。なんせ末期モデルでも値引きがないですからねぇ・・。私みたいなクルマの出来を重視する後期モデル好きは、レクサスはあらゆる面で高いな・・と正直思う。

表向きの価格に差があっても、ドイツ車って何台も乗り継いでると値引きがでかくなるし、モデル末期だとさらに引く。だから定価には差があっても「乗り出しでは、もはやどっちが高額だなんて言えなくなってる」んです。店舗サービスも良いし、「メルセデス以外なら、もはやレクサスの方がステータス高いんじゃない?」って私は感じてる。

電気自動車・鉛筆
(今回は掲載するような写真がないので、ビジュアルを保たせるために、イラストの制作過程を貼っていきます。鉛筆下書きです。)

ドイツ車って高級車のイメージあるけど、日本車に比べて快適性が高いのか?っていうと、そうでもない。若い頃無理して買った最初のBMW(E46)はランフラットタイヤの導入直後で、純正Mスポーツサスの低速の乗り心地なんて荷馬車同然でした。自動車評論家は絶賛してましたが、これを絶賛する感性ってなんなの?って思うと共に「オマエラ絶対にBMWからたんまり金もらってるだろ!」ってツッコみたかった。

「これのどこが高級車??走り屋仕様のシルビアじゃないんだから!こんな固い足回り乗ってられるかーーっ!!・・・もうビルシュタインでも入れるかなぁ・・」と検討していたところ、ディーラーから「へっちまんさん。それディーラーで購入できない社外サスだから保証が効かなくなりますよ!」って止められて、「じゃあ何なら入れられるの?」って聞いたら、「当社で購入できるアルピナのサスなら保証効きます。」っていうんで、しょうがないからポン付けできるアルピナB3のサス入れてみたんです。

そしたらこれがものッッッ凄く良かったわけですよ。乗り心地も良いし、踏ん張るし、「ええーーっ!?なにこれ、なにこれぇ!!Mスポのサスってなんだったの?これがドイツの上級国民仕様なの?けしからんゾォ!これこそ階級社会の弊害なのじゃぁあああ!!」なんて憤慨しつつも、その乗り味にいたく感動しちゃったんですね。

しかし、悲しいかなこのアルピナサスは3万㎞~4万㎞でガクッと味が落ちちゃうんです。味落ちたってオーリンズみたいにオバホなんてできないから、ブッシュとダンパーまるっと交換することになる。結局E46は6年16万㎞で手放すまで、アルピナの乗り味を維持するのに3回もダンパーとブッシュを取り替えることになったんです。「駆け抜ける喜び」「金抜ける悦び」を同時に味わえたわけですね。

私が思うに、これがドイツ車の高性能の正体です。性能は高いけど、それを維持するためにハードケアを要求し、消耗パーツは使い捨て。グレードが上がるほど、性能と快適性もあからさまに上がるけど、ケア度も上がる。製品ヒエラルキーもガチガチで、日本車みたいに「普通車より軽の方が乗り心地が良いんですがががが・・」なんて逆転の構図はありえない。

よく雑誌の記事で「欧州車のサスはコストかかってる!乗り味良い!!日本車はダメ!」って吠えて日本車をコキ下ろしてる評論家がいますが、欧州車だってユーザー目線でコキ下ろそうとすれば、なんぼだってやれますよ。でも良いところと悪いところって表裏一体であることがほとんどだから、普通は片面的な評価はしないし、そんな評論家よりも自腹切って血を流しながら車買ってる人の方が冷徹に見るとこ見てます。

日本車のダメなとこばかり掘りおこして、良いところは見ない。欧州車は良いところばかり掘って、ダメなところは見ない。そういうわかりやすい評論家っていますよね。昔「日本車のインターフェイスは低すぎて、操作するのに目線が下に動くからダメだ!これだから日本車は欧州車に勝てないんだ!クソだ!!」なんていっていた評論家は、今のメルセデスやテスラの操作系の低さには何にも言わず口をチャックしてる。こんなのタダのえこひいきでしょ?評価する立場の人が公正さがないってのは最低だし、仕事もらってる海外ブランドのために持論を曲げまくったり口を閉ざす人達の言うことなんて、私はまったく信用してない。だからある意味、日本のクルマ評論家の大多数は終わってるんですね。

話を戻しますが、ドイツ車は性能は高いしシャーシは丈夫だけど、足回りの賞味期限が日本車に比べて短い。日本車ではあまり意識してなかった「味落ち」ってのを、欧州車に乗ると意識するようになる。アルピナサス入れたBMWは1週間に1度は「おおぉおぅ・・はうぁぁああぁ・・気持ちぃぃいいいぃぃん・・」って瞬間があったんですが、ある一定距離数走るとスッと味がしなくなっちゃうんです。しかも腹立つことに「はいっ、美味しいとこ終わりましたっ!!」ってのを、乗り手に明確に伝えてくるんですよね・・。

こっちは一度旨みのあるとこたっぷり味わってるから、味がなくっちゃうともう耐えられないんですよ。味のないガムをずっと噛み続けられないのと同じ。この理屈はバイクでも同じで、後付けオーリンズ(メーカーOEMはそれなりに耐久性が重視されてると思う)みたいな高性能サスペンションでは同様の味落ち感覚がある。リアは味落ちしても我慢できるけど、フロントはやっぱ気になっちゃいますね。

私はこれまでドイツ車を無理して新車で買ってきましたが、それは中古を買っても「味が残ってる状態なのか、味落ちしてる状態なのかイマイチわかんない」ってのがあったからです。良い個体を味わっとかないと、悪い個体がわかんないですから。

「じゃあ新古車で良いでしょ?新古車凄く安いじゃん?」ってよく言われるけど、新車だと5年まで保証つけられるから、5年間は事故以外は何が起こってもタダなんです。中古は安いけど、デカい修理来るとお買い得感なんて一発でブッ飛びますからね。電子制御ステアリングが効かなくなって、いきなり超絶重ステ状態になったこともある。もうね。警告灯ついて操舵が「胸筋のトレーニング機器」みたいな重さになりましたからね。走ってるだけで筋肉がついちゃうというね。当然保証修理で直りましたけど、日本車じゃ考えられないトラブルですよ。突発的な故障考えると、安いという理由だけで中古選ぶのも怖いんです。

ドイツ車に良くあるオイル漏れも、日本車のように合成ゴムじゃなく天然ゴムで耐久性を重視してないからだと思う。当然ゴム交換すれば止まるけど、そもそもの素材の問題だからまた漏れる。「ヨーロッパと日本じゃ気候が違うから・・・」って擁護する人もいるけど、日本車を気候の違うヨーロッパに持っていってもオイル漏れなんかしないんだから、言い訳に全然なってない。

欧州車の実態を知ってるユーザーは、雑誌で言われてるほどバラ色の車ではないということは十二分に理解してるはず。ステータスで買うならいいんでしょうけど、日本車にない性能や乗り味を求めてる人達に「性能という一面だけを切り取って、味落ちや耐久性を語らない」のは消費者目線としてどうなのか?と思うんですよね。

電気自動車・ペン入れ+2
(ペン入れです。今回のモチーフはエレクトリックBMW子。)

日本車の美点は全方位的なバランスに優れることと、長期にわたって初期の味を維持すること、故障しないこと。本田宗一郎は「メーカーにとってはたった一つの故障でも、それを選んでくれたオーナーにとっては100%なんだ」っていう名言を残しましたが、故障を減らすって凄まじい努力がいりますよ。ある方面の性能を伸ばすと、当然負荷が増える。ありとあらゆる入力負荷に対して故障しないという車を作っていくには全ての設計強度を検証して、生産過程でも検証通りの部品クォリティを保たなきゃならないんです。そんなことやってると、性能とバーターでマイナスを許容するという考え方の欧州車に対し、日本車はどうしても不利になる。

でも、その一方で走行性能や速度域をある程度のところで明確に線引きし、頼れる製品をリーズナブルな価格で作らせると日本車の右に出るものはない。レクサスとか足回り柔らかいし、ハンドルセンターもあいまいだけど、日本の速度域ではそんな問題にならないし、レーンキープアシストという電制で右と左からサポートしてるから、車線を維持してなんとなく走っちゃう。ハンドルセンターがユルいってのは、シャキッとしてないって評価にもなるけど、別にシャキッとしてることだけが価値観じゃないんじゃない?って私は思う。

いっぱしのスーツ着て、ドレスコードを固め、格式高いホテルのゴージャスなインテリア眺めながらワイン片手にピーンとした高級感に浸るのが欧州車だとすると、木造で一輪挿しと掛け軸のある客間で極上の日本酒飲みながら浴衣の前はだけて、まったりできるのが日本のセダンなんです。この世にホテルと旅館が両方存在するように、快適性や高級感の解釈としては、どっちもアリだと思う。大事なのは、提案の筋の通し方と、それを顧客に受け入れてもらえるかどうかだけ。人は好き嫌いで、どちらかに傾くのはしょうがないと思うんですが、それを他者に評価として提案するときは、両方の価値観を理解して語るような広い目線って大事なんじゃないかと思うんですね。

どの国でも、環境と市場が製品を育てていくんだから、各国ごとに車作りが違うのは当然で、それは民族の文化でありDNAの違いです。ですから、エコやサスティナビリティが叫ばれる時代になると、ガソリンの一滴すら決して無駄にしない日本の質素倹約思想が具現化したような高燃費へのコダワリに、動的な貧乏くささ、みみっちさを排除してきた海外勢はまず勝てないんです。ガチでやっても絶対勝てないっていうプレッシャーがディーゼル不正に繋がっちゃったと思う。

内燃機の効率では勝てないから、ドイツ車は外から電気入れるPHEVやEVに無理矢理もっていこうとしてますけど、これは私から見れば「内燃機によるエコ技術でのギブアップ宣言」以外のなにものでもない。ドイツって重戦車作るのは上手いんだけど、零戦作ることができない。バイクでもBMWはリッターオーバー作れるけど、小型は外注。小排気量で圧倒的支配力のあるホンダと真逆ですよね。零戦は第二次大戦を代表する「究極のエコ戦闘機」ですが、これは資源がない日本の創意工夫が生んだエポックメイキングな戦略兵器です。それと同じ精神が日本の製品達には流れてる。

率直に行って、これからのドイツ車は大変だと思う。最終的な着地点は電気自動車であるにしろ、そこに簡単に到達することなど誰が見てもありえない。世界はいろんな意味で2極化していくのは明らかで、電気とガソリン地域の棲み分けも進んでいくことでしょう。電動ではテスラに先行を許し、内燃機関型のエコでは日本車に勝てる見込みがない欧州勢はこれからどうやっていくのか?トヨタはガソリンを使うエコ技術で「欧州車には絶対負けない」と自負してると思うし、その資産で当面商売ができると踏んでるでしょうから、EVに全面移行するわけないんですよ。

エコを叫ぶ一部意識高い系の人は怒るかもしれないけど、この人達の言うとおりに世の中が動くことなんてありませんから。彼らは物を売って生計を立ててないから、顧客の方を見てないし、賢いから散財して血を流すこともない。私みたいにバカな消費者の気持ちってわかんないんですよ。ある意味、消費者というものをどこかでナメてるし、コントロールできると思ってる。結局こういう人達に市場というリバイアサンの行く先を読むことなどできないんですね。

公正な競争を金科玉条にする資本主義社会では企業の勝ち負けを決めるのは国家ではなく消費者というバケモノなんです。だから「地球に利益になり、顧客に利益になってこそ、初めて消費者契約におけるエコが成立する」ってことになる。トヨタはEVを拒んでるんじゃなくて、商売人として「エコを徹底的にやっていきますが、世界中の顧客の利益も考えていきます。」っていってるだけ。

顧客の方を見なくなった企業は飛び方を忘れた鳥と同じです。国の施策がどうあろうが、私は最後まで顧客に寄り添う企業が正しいと思ってる。だってエネルギーが電気であろうが化石燃料であろうが、消費活動は人が自らのために身銭を切って行う尊いものなんだから。政治家や経済学者達は日本企業の生き残りを連呼するまえに一番大事なことを忘れてないか?って思う。顧客の方より国策の方を重視しろと企業に強要するのなら、中国のように全て国営会社にすればいい。

私から見るとカーボンニュートラルへの対応は「企業は誰のためにあるのか?」という間接的な問いかけになっているように感じるんです。「電力のない地域は車に乗るな」と解釈されかねない上から目線の経営アピールは、顧客第一主義のトヨタは絶対にしないし、従業員を放逐するようなことも受け入れない。それは環境云々を語る前に、企業として譲ることのできない当たり前の価値感だと思う。

今私はBMWのブラグインハイブリッドに乗ってますが、外部からドーピングしてるにもかかわらず、内燃機だけでやりくりするトヨタ自慢のシリーズ・パラレル・ハイブリッドにトータル燃費で全然勝てませんから。こりゃもうどうにもならんな・・と。欧州陣営がさっさとフルEVにして現状をリセットしたいのよくわかりますよ。

私は新しいもの好きなんで家に充電器つけてみたけど、これ絶対にエコじゃない。だってバッテリーのせいでクルマがクッソ重いもの。「電気だろうがガソリンだろうが、必要以上に重いモノを転がしてエコになんかなるわけないだろ!」って、根本的なところで心が叫んでる。人は感覚の動物だから、乗っててエコ感がないものをエコカーって言っても普及は難しいんじゃないだろうか。アメリカじゃ電気買った人の2割の人がまた内燃機に戻ってるようですが、それも当然かもしれない。

ただ電欠を気にせず充電渋滞にもハマらなくて良いPHEVってのは、電気自動車として一定の安心感があるし、バッテリーのせいでクソ重くて低重心で、電気のヒュイーンって音を封じ込めるために静粛性も上げてるから足回りさえ良ければメチャ高級感があるんですよね。電気自動車に乗ってエコに協力したいけど、デメリットは負いたくないという、中途半端な正義感もうまく突いてる割とあざとい系の商品です。欧州車は当面は電気自動車に移行するというポーズをとりながら、このクソ重いPHEV売ってくんでしょうけど、どうにも欺瞞だなぁ・・と感じる。自分が買っといて何ですけれども・・

電気自動車・完成+1+1
(ハイテク感を強調するグラデ塗りで完成。カラーはBMWのレーシングカラー。いつもヘッダーでやってる筆塗りより、お手軽グラデ塗りの方が楽で見栄え良いんじゃないの・・か・・?・・そこで私は考えるのをやめた・・

若い頃は飛ばして頼りになるドイツ車が素晴らしいなんて思ってたけど、いい齢になり商売がわかってくると、欧州メーカーの歪みや苦悩が理解できるようになる。自動車評論家がいかに欧州車を絶賛しようと、ガソリンのみをエネルギー源とし、内燃機と回生発電の制御連携を完璧にとることで燃費を稼ぎまくるシリーズ・パラレル・ハイブリッドを開発したトヨタの偉大さは揺るぎない。ハイブリッドの完成度ではトヨタの一人勝ちといってもいいかもしんない。

電気自動車に移行する過程の技術でトヨタに大きく差をつけられた(多分もう追いつくことはできないと思う)メルセデスやBMWは苦衷にあえぎながら、中間をできるだけ飛ばして最終到達点を目指していくしか選択肢がないわけです。売りもの見てれば、その苦悩が良くわかるんですが、お偉い評論家さん達はそんなこと書きませんから・・・。日本のもったいない精神、質素倹約精神が昇華したような和製ハイブリッドに日本人の精神性と日本企業の技術の凄みを見る今日この頃なんですね。