昨年10月中頃にゴールドウィングが納車されてから、既に11ヶ月が過ぎ、距離にして8500㎞ほど走りました。

インプレもほとんど終了し、これまで違和感のあった部分についても、ハイオクを投入することによって解消され、きんつば嬢がようやく本領を発揮した今日この頃。これで心置きなく乗り換えの総括ができると判断してます。私は旧型であるF6Bを気に入って長く乗っていましたから、F6Bとの比較は避けられないところ。実績のある旧型は新型にとって乗り越えなければならない高い壁ですからね。

でも、その乗り換え総括をする前に、まず「クルーザーというカテゴリーを私がどう理解し、何を重要視してるのか?」ということに言及しておきたいんです。私のブログは完全なる主観の押しつけで成り立っていますから、少なくとも、私が何をもって優劣を判断しているのかの判断基準が明確でなければ単なる贔屓の引き倒しになってしまいます。バイクの判断基準って乗り手の個性によって大きく違いますから、まずは私が「クルーザーをどのように捉え、何が大事だと考えているのか」をお伝えしておきたいんですよね。

それでは最初に各メーカーの誇るメガクルーザー達を列挙してみましょう。

エンジン2

まーどいつもこいつもトンデモないエンジン積んでますし、価格もトンデモございません。

メガクルーザーはたまの休みに、バイクに荷物を放り込み、遠く地平線を目指し旅立っていくという、遙かなる旅路への夢をかきたてる存在です。実際は仕事の関係やペットのお世話で、連泊の旅なんてなかなか実現困難なわけですが、「いつかは俺もコイツで・・」って夢だけは見放題。豪華なタンデムシートは、この世のオジサマ達が下心満載で行う奥様や愛人へのご奉仕以外のなにものでもないわけです。

いやね。若くてアツアツのカップルなら、GB350のリアシートでもいいんですよ。惚れた男のリアシートなら女の子は我慢してくれるし、肉欲の関係を求める下心があるうちは密着度高い方が喜ばれる。若いからお互い体力も精力もあるでしょう。

でもこれが加齢臭漂う中年世代になるとどうなるか?

今リア充の若い方に言っておきたい。あのね。結婚(同棲)してから長い月日が経つとトキメキなんてゼロですよ。子供なんて産まれた日にゃ、奥さんにまったく逆らえなくなりますよ!私なんかある時期から妻に「環境大臣」って呼ばれてるんですよ。もう凄い権限のように思えるかもしれない。でもね、その実態は「ゴミ捨てと皿洗いとペットのウンコ処理」なんですよ!そのために特別に設置された大臣職ですよ!昔は妻も「一生懸命稼いでるんだから、何もしなくて良いんだからね♡」なんて言ってくれてたような気もしますが、今はもう完全に下忍扱いですよ。「おい!」の一言で呼び出されてご下命を賜るだけ!ご下命絶対!しかも給料もらえるわけじゃないですからね!逆に給料を奪われるんですよ!!エナジードレインですよ!鵜飼いの鵜だよ!労働待遇が下忍以下ですよ!無給で無休のホストクラブですよ!こんなのある??酷くない?ネットニュースのパワハラなんて問題じゃないですよ!ニンジャ250がタマに「下忍」と呼ばれてるでしょ?凄く親近感を感じちゃいますからね!まさにお前と俺は同類じゃねぇかと!ニンジャ250仲間じゃねえかと!そんな女帝化したババァを後部座席に乗せてみなさいよ!それもう人力車夫と奥様の構図なんですよ!病院坂の首縊りの家ですよ!金田一さんタスケテ!!もうね。寡黙な人力車夫に徹しなきゃイケない。運転は美術運送業者みたいにデリケートに慎重に。じゃないと散弾銃のように吐き出されるお小言で蜂の巣ですよ!バイオハザードのザコゾンビ状態ですよ!!「なんでタンデムシートの方が運転席より豪華なの?ほとんど使わないシートに金払うって馬鹿じゃん?」って若い人は疑問に思うかもしれないけど、そんな台詞吐けるうちは幸せですよ!私どもは「そこに誰が乗るか」を考えた瞬間、選択肢なんてないんですよ!年取るとそれは当たり前の絶対真理なんですよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

ああ、また心の闇があふれ出しましたね。今回はなんとか1000字以下に抑えましたが、内容のリアルさは過去に例のないものとなっていますね。リアルなだけに切ないですね。あのね。人の幸せなんてどんなバイク持ってるかとかじゃないんです。重要なのは「配偶者による精神支配」を受けているか否かですよ。精神支配下にある世帯主は、小さなバイク小屋でささやかなユートピアを夢を見るくらいしか救いがないんです・・。

このままでは私のメンタルがマントル層まで落ちていきそうなので、強引に話を元に戻しますが、メガクルーザーは、先のように厳しい環境下にある40代から60代くらいのバイク乗りを購買対象にしています。高齢のバイク乗りはライディングに円熟味はあっても、若き日のようなキレはない。そんなバイク乗りに必要なのは現実の強さではなく「強さ感」なんです。殴り合いじゃなくて、レイモンドチャンドラーのセリフのように
「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」的な背中で語るような概念の強さなんですね。

私の解釈ではメガクルーザーって「強い男の象徴」なんですよ。ミもフタもない言い方をすれば「男の自己アピールのためのツール」なんです。エンジンの最強感や、巨大な体躯そのものが、バイク乗りとして「俺ツェェェェエェエエエ」を演出してるところがあると思う。また、プライスも破滅的に高いんで、「バイクに生活を捧げてますっ」的なアピール度も高い。コカしたらコカしたでトンデモない出費になるから、ライディングにそれなりの自信と度胸も必要になる。乗ってると天下人みたいな気分になるから、それに酔ぱらっちゃうと人に対して上から目線で「俺ちゃん最強♡」をアピールする非常にイタイ乗り手になっちゃうという罠も待っているわけですね。オンラインRPGの超レア最強課金装備に近いかもしれません。

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(道の駅にいたR18。初めて見たんで思わず写真を撮っちゃいました。しかしシリンダーがここまで怒張しちゃうとは・・横方向に巨大なピストンが前後してるところを想像するとエロすぎです。ある意味、男の中の男のバイクと言えましょう。

このように、自分というものに限界を感じて、夢を見られなくなった男達が、バイクを通して強い男を演出しようとするわけですが、私にとって、その夢日記ランキングの東の横綱が200馬力級のリッターSSであり、西の横綱がメガクルーザーってことなんですよ。違いは天下一武道界か大怪獣バトルかです。磨き抜かれた力と技での戦闘力勝負と巨体と大重量での威嚇勝負の差ですよね。どちらにしても公道バイクとしては不自然なほどの過剰能力、過剰装備にハイプライスを支払う。そんなバイク達です。

大怪獣バトルを地で行ってるメガクルーザー同士の比較勝負は必然ゴジラVSコングVSギドラみたいになってくる。クルーザーは大怪獣っぷりを競ってるんですから、回転で稼ぐ馬力じゃだめ。風神雷神図みたいに全力疾走で走るゴジラなんて誰も見たくない。常用域のパワーとトルクであらゆる困難を鼻であしらうかのように押し通っていくのが真骨頂です。バイクなんて基本何選んでもいいわけですけど、特にこのレベルになると全員バカみたいな強者なんで、重量とエンジンの排熱以外、どれ選んでも不満はでないと思う。選択基準は「貴方はどれが一番カッコいいと思う?どいつのファン??」ってことだけじゃないかと。

ただメガクルーザーは価格が価格ですから、大排気量エンジンと巨大な車体の威嚇力だけでは説得力がちと足りない。価格を納得させる高級感の演出も必要不可欠です。この手のことはバイク業界だけじゃなくて、他の世界でも一緒ですよね。オトナの隠れ処、「高級クラブと、ラウンジ、スナック、キャバクラって何が違うの?」って言われると、女の子がいて酒が出てくるところは同じなんです。つまり腹に入るものは変わらない。でも支払いには天と地ほどの差がありますよね。ハイプライスの違いはズバリ、おもてなしの質、接待度です。

高級クラブなんてそもそも指名がありませんからね。永久指名制で、最初に接客した人がずーーーっとお世話するんです。最初にホステスさんを選ぶとその人がずっと俺の嫁状態。質の高いサービスを提供するには客を知らなきゃいけないから必然担当者は一人になる。数時間で価格に見合う満足度を提供しなきゃならないホステスさんは、プロ中のプロですよ。しゃべり方、物腰、知識など、サービスの質が全然違う。こちらの求めること全てに先回りするし、こっちを立ててくれるし、優雅だし、知的だし、世間知ってるし、所作が美しいし、雰囲気女優さんみたいだし「気持ちいい接客ってこういうことなんだー」ってあたらめて感動させられる。平気で放屁する嫁に煮え湯を飲まされ続けてる男性ほど、さりげない気遣いと思いやりに心が震えちゃうから、どんどんハマっちゃうんです。

こういうのって一度味わう程度なら人生経験として大きなプラスになるんだけど、人は一度背伸びしてレベルの高いものを知り、その素晴らしさを理解しちゃうと、見得や世間体やプライドが邪魔してそこからなかなかレベルが落とせなくなるという悪い習性があるんですよ。

「自分はそういうランクの人間ではないのだ・・」っていうことを理解し、うなだれて鬼嫁が運営する奴隷房に戻るまでに、もうヤバイくらい散財してしまうんです。そのまま浪費を続けると兵站が枯渇するのは目に見えてるのに、それでも突撃してしまうんですね。その後に待っているのは戦略的敗走と軍事裁判です。でも、そういう精神状態を作り、無謀な突撃の決断をさせる磁場を作るのが高級品販売のキモなんですよ。ハーレーが店舗や接客を大事にしてるのも、各メーカーがバイクの価格高騰に伴い、専売制に移行してるのも、高額商品は人の習性をうまく利用して売るのが一番で、そのためには高いレベルの接客が不可欠だってのがわかってきたからなのでしょう。

でも、こういうものへの対策って特にないんですよねぇ・・・。だって問題なのは、購入者の経験不足と心の弱さなんです。消費って消費者と販売側が数千年続けてきた果てのない戦いだから、どんなに頭で理解しても、実戦経験がないとどうしようもない。実際に金を使い、後悔と敗走を繰り返し、痛い目をみないと消費者としての強さって手に入れられないですからね。しかも頭が良くって研究する人ほど販売側の戦略にハマるようにできてるんです。蟻地獄ですね。

高級感や顧客満足度を高める商品の本質って、その商品を取り巻く歴史や背景を含めて醸成されるフェロモン的な部分なんです。だからバイクに対するバックボーンが膨大なハーレーが日本じゃ強い。高級商品は実際に所有してみて、気分がアガるかどうかっていう、感覚的なところがすごく大事になるから、商品単体だけでは計れないところもありますね。

ということで、私の独善的人生経験と価値観でメガクルーザーを商品として解析すると、その構成要件は

①大怪獣のような威嚇力

②他のバイクにはない個性とオリジナリティ

③湧き上がるような大馬力と巡航時の走りの質感

あたりに落ち着くんじゃないかと考えてます。これらの要素を高レベルで満たしているバイクが、メガクルーザーとして優れているんだと思うんですよ。後は接客や店舗を含むメーカーの販売力の部分ですが、これは機械的なバイクの価値とは切り離して論じるべきでしょう。

ふてくされる5
(せっかく順番が回ってきたのに、自分の話題が全くなく、おかんむりのきんつば嬢。次回はちゃんとF6Bとの比較を書くからね。)

で、これらのうち私の優先順位はというと、①の「威嚇力」はそんなに重視してない。そもそも箱なしのゴールドウィング選んでる時点でお察しですよね。でも実際にはこの部分がメガクルーザーにはもの凄く大事だと思うし、そこ重視する人の方が絶対数としては多いんだと思う。ただ、私としては「威嚇力についてはもういいかな・・」って思ってる。なぜかっていうと自分自身がモブキャラであるとある時期に自覚したからです。

モブでいいやと思うようになると、最強感にこだわらなくなるんですね。まぁ自分を知り、人として、消費者として枯れたともいえるかもしれない。でもその一方で③の「走りの質感」に対する欲求はどんどん大きくなってきてるんです。しかもそれが全部自分基準。まぁ消費者としては変態道に入ってるってことなんでしょうね。

今回はSC68からSC79への乗り換え総括の前提として、私の「メガクルーザー観」と、その選択の優先順位をつらつらと述べてみました。次回はいよいよゴールドウィングの乗り換えの総括をします。ただ、このブログ、ハーレーとゴールドウィングとストリートトリプルネタを均等に回しながら書いてるんで、次の総括記事はちょっと先になるかもしれません・・・。