みなさん、こんにちは。低レベル絵師のへっちまんです。

夏至も終わり随分と暑くなってきましたね。私も今年ついに50の大台に乗ってしまったのですが、あらゆるところに無理が利かなくなり、頭も体のキレも落ちてきて、生命体としての盛りは過ぎたことをシミジミと実感しております。しかし、未だ枯れ木にもなりきれず、非常に中途半端なお年頃。

体から出る油も若い頃の10w-30ではなく、20w-50くらいのまとわりつくような高粘度となり、成分も長年の不摂生を内臓が処理しきれず、かなりヤバイものが混ざりはじめてまいりますので、湿度が上がってくるこの季節はねっとり艶々と非常になまめかしいものがあります。若い女子達が「加齢臭クサイ!」といいながら、高齢者を忌み嫌っているのを見て「コレハヒドイ・・」と昔は思っていましたが、いざ自分がその対象たる年齢に足を踏み入れてみると、「自分でも気持ち悪くて厭なんだから、他人はそりゃたまらぬであろう・・」と正直思う。この季節はゴキブリの外皮のようなぬらぬら感にさいなまれ、改めて「自分は害虫である。」という認識に至りつつある今日この頃です。

湿気と熱さにうだりながら、ふと記憶を遡ると、前回のヘッダーは3月中旬頃に更新してるような気がする・・。年4回季節ごとに変更することを考えると、「夏用ヘッダーは6月半ばに更新しなきゃならなかったんじゃね?」ってことに気づいて慌ててヘッダーを描き下ろしたんです。
夏ヘッダー21
(こちらヘッダー下絵。この時点では、アイス咥えてたんですよね。)


慌てて描いただけあって、今回のヘッダーにはヒネリが全然ないですね。

「バイクの尻と女性の尻を並べておけば、とりあえず男性バイク乗りの8割は満足するであろう」

という、多くの男子の劣情に媚びるのみのヘッダーデザインとなってます。また、「仮面ライダーの変身ポーズをやる」という当初のスタンスも見事に吹っ飛んでいます。自分で宣言しておきながら早くも挫折とは片腹が刺すように痛いんですが、理由はちゃんとあるんです。何回か描いてて気づいたんですが、「仮面ライダーの変身ポーズって基本正面立ち姿で絵になるように作ってある」んですよね。だから視点のアレンジが難しいんですよ。ヘッダーってマンネリ化しないようにいろんなアレンジをしなきゃいけないと思うんですが、基本棒立ちで、動きもないんですよ。脳死状態でヘッダーを描くために設定した条件だったんですが、前回あたりから構図が行き詰まってきたんで、この際やめましょうと。

ミもフタもない方針変更ですが、私の過去発言など政治家の公約並に軽いので、まったく後悔も痛みも感じません。1年続いただけでも奇跡。座右の銘は

「朝礼暮改(ちょうれいぼかい)
「面従腹背(めんじゅうふくはい)
「御家断絶(おいえだんぜつ)
「甕棺墓(かめかんぼ)

の4つです。

じゃあ、キャラは縛りはどうなのか?敬愛する永井豪のヒロイン「豪キャラ」縛りはやめたのか?っていうと、実はまだしぶとくやめてないんですよ。今回のヘッダー女子は私的にグレンダイザーのグレース・マリア・フリードなんです。でも自分で言うのも何ですが

「全然似てねぇぇええぇぇえええええ!!!!」

千代の富士じゃないですが、「画力の限界!ペン先もなくなり、もう引退じゃぁああ!!」って感じです。挑戦してはみたけどハードル高すぎたんですよね。「まったく似てないキャラ縛りって何?何の意味があるの?バカなの?死ぬの??」ってツッコまれるとこっちの方が深刻かもしれない。だって必死に公約守ってるのに、「ウソつき」と呼ばれるわけですよ。

自暴自棄になって「もう!こんな世界は消えちゃえ!!」っていじけてみたって、この世の全て消し去っちゃうと自分しか残んないんですよ!一番ダメでしょ!これは我が身にとっても「最悪オブ最悪」なんです。「じゃあ何残そうか?」って考えて、コンビニとゲーセンは残さなきゃ・・、あ・・バイク屋とガソリンスタンドも・・なんて考えてるうちに小一時間ほど経つわけですよ。で、検討の結果、実にこじんまりとして、煮え切らない世界消滅計画になる。

マリア (2)
(DVDパッケージから。見てください、このマリアちゃんの凜々しい目、こんなの私にはハードル高すぎましたね。)

話があらぬ方向に脱線しましたが、このグレース・マリア・フリードのキャラデザは荒木伸吾氏です。なんと「ベルサイユのばら」の作画の人と同じ方。だから、マリアは顔の中身半分「ベルばら入っちゃってる」んですよ・・。もう古き良き少女漫画風の作画なんですね。そんなのマネできるわけないだろと。こっちは昭和のオタク系少年漫画絵ですよ。

加えて、もう一つどうにもならない理由があります。それはモミアゲ。永井豪は一部キャラに「とんでもないモミアゲを採用する」っていう恐ろしい描き分けをするんですね。その影響をこのマリアちゃんは受けちゃってるんです。ちなみに、永井の恐怖のモミアゲの代表格がこちら ↓↓↓。

飛鳥了+3+1
(驚天動地のモミアゲをもつ男。その名も飛鳥了。このナイフのようなモミアゲは現代の漫画だったら「何ごとなの!」とネット上で事案にもなりかねないですが、永井豪だと「豪ちゃん。今回もちょっとやり過ぎちゃったかな?」的反応で収まるところが人徳です。)

あのね。モミアゲがこの状態で固まることってある?アゴに沿うように尖るってのならわかりますけど、これ髪自体が自立してますよね。このカタマリ感は新日本プロレスで試合中も髪型がまったく崩れないんで「得意技が脇固めと髪固め」とまで言われた木戸修と双璧ですよ!!これでコントができますよ!

(場面設定は、都内の理髪店。椅子に座る飛鳥了。その隣にカリスマ美容師。)

「お客様、モミアゲはいかが致しましょうか?普通でよろしいですか?」

「フッ・・90度曲げて、先を尖らせてくれ・・」

「は??」

「先を尖らせて、90度曲げるんだ!!」

「あんたバカですか?そんなの無理でしょ?ダンボールにでも色塗って貼っといてくださいよ。」

「・・・サイコジェニー。洗脳だ!」

「はい、サタンさま!」(目キラーン!)

「うあぁあぁああああああああああ!!」

ね?散髪時のやりとりが完全にコントでしょ?これはヒドイ。

でも黎明期の少年誌には同系列の髪型が多かったんですよね。髪が「一筆書き」だったから。髪を毛髪の集合体ではなくて、一つの領域と捉えていた。それでも多くの漫画家はその良心に基づいて、できるだけ人の髪に近づけようと努力はしていました。しかし、豪ちゃんは、モミアゲに意志を宿らせてしまうからややこしくなる。アレンジ度合いが、常識を越えているんです。

私がガチのデビルマン崇拝者なのはこれまでのブログで書いてきたとおりであり、古来より多くの信者が原作のデビルマンの世界をいかに表現するのか?に腐心し、屍をさらしてきました。この物語は天使・飛鳥了と、人間・不動明の愛憎の物語でもあるんで、どうしても飛鳥了と不動明のカラミが描きたくなる。

でも、不動明はともかく、この飛鳥了を現代の絵柄で再現するのは困難を極める。だって上手く描けば描くほど、このモミアゲが最後にボスキャラのように立ちはだかるんです。しかもこだわる人ほど可能な限り原作に忠実であろうとするから、その苦悩は相当なものなんです。私にとってはこのモミアゲが「飛鳥了の異常性」というか、「凝り固まった妄念の象徴」みたいになってるから、このモミアゲの剛性感をとっちゃうと、途端に了がただの優男になっちゃうんですよね。
夏ヘッダー下書き2(ペン入れです。完成稿と口が違いますね。この時点で、もう似せることを完全に諦めてます。)

飛鳥了はこのモミアゲで大損してますが、竹宮恵子の名作「風と木の詩」のジルベール・コクトーに匹敵するBL系の原点ともいえる存在です。不動明への愛がこじれてデーモンも人間も破滅しちゃう。救いがない。人間・碇シンジと使徒・渚カオルの元ネタみたいなもんですよね。

しかも現代の絵柄ではその本質が再現困難なキャラの筆頭でもある。だからいつもいつも不動明は不本意ながらシレーヌとからむことになっちゃうんですよね。でもデビルマンはそんなノーマルスケールの物語じゃありません。私はシレーヌとデビルマンは「男と女の闘争の象徴」であり、人類という枠を超えた「友情と愛情の葛藤の象徴」はやっぱり飛鳥了と不動明だと思うんですよね。

devilman10
(以前描かせてもらったシレーヌ様とデビルマン。デビルマンを描くときだけは異様に気合いが入る。アモンはデーモン時代はシレーヌ様の「最推しキャラ」だったんですが、あろうことか頭の中を不動明に乗っ取られ、牧村美樹にメロメロで、シレーヌ様は逆上状態。「推しキャラ殺して私も死ぬ!」的な攻撃性が爆発です。人間もデーモンも女性はあまり変わらないんじゃないかな・・。)

話を戻してマリアですが、モミアゲ王・飛鳥了とまではいかないものの、もう相当なもんです。飛鳥了ほど髪質が剛直じゃないけど、90度入っちゃってるのは同じ。普通はこの手のパターンって頬に張り付く形で、ウルフカットみたいに曲がるんですけど、これもう完全に顔から自立してますからね。普通に考えて台風並みの強風でも吹かないと、ここまで髪が反り返ることはありません。

描く側からすると、これ凄くツライんですよ。長髪の女性って前からの風で後ろに髪が自然になびいてるところ描くのが美しいんです。今回も絵ヅラ的に後ろに髪流そうとするじゃないですか。そうするとこのモミアゲは台風時のニュースキャスターみたいに「風に逆らって直立してる」形になっちゃうんですね。さらに剛直感が増しちゃうんですよ。

だから、自然界の摂理とつじつまが合うように、モミアゲをおとなしくすると今度は全然マリアに似なくなっちゃう。こういう明確な身体的特徴を持つキャラはその特徴を取り去った時点で別人になっちゃうんですね。

そうなるともう後は服とか小物で寄せていくしかない。基本アニメや漫画のキャラは、デッサンが全然似てなくても、髪型とか小物、着てる服でキャラに寄せてくことができるんです。だからいろんな人が個性的な絵柄でパロディをやれてるってのがある。

しかし、グレンダイザーは昔のヒーローロボットものなんで、ボディースーツのデザインが80年代のコーリン革ツナギみたいなんです・・。これね。定価6万円くらいの赤白のツナギでパンチングも一切ないってシロモノでしたよ。貧乏だった私はこの激安コーリンツナギの愛用者だったんですが、真夏は耐えられんほど暑くて臭かった・・まるで剣道の胴着みたいでしたよ。しかも2ストオイルで燻製されて、「男の汗のかほり+2ストオイルフレーバーのフルパワー状態」。すっぱ!くっさ!!トラウマが甦りますな!こんな暑苦しいツナギを夏のヘッダーにするなんて悪夢です!

しょうがないので、「シャツの配色だけマリアのスーツに寄せてみた」んですが、この程度では到底ダメですねぇ・・。

夏ヘッダー10
(色を塗ってみました。今回は結構突貫工事だったんで、いろいろとアラがあるかもしれない。)

もうヤケクソでお空にグレンダイザー飛ばしてやろうかと思ったりもしたんですが、描いたらあまりにも違和感があったのでやめました。

ということで、今回のヘッダーは夏らしい抜けるような青空と、「ストリートトリプルRS」と全く似てない「グレース・マリア・フリード」のようなものという倒れ込みになっております。

今年も相当暑くなりそうですが、2021の夏も、へっちまんの素人模型&モーターサイクルをよろしくお願い申し上げます。

夏ヘッダー75(ということで、ヘッダーが完成です。昨年よりオーバーレイとかスクリーン等の効果を多用してます。クリアーカラーを重ねるような着色法はフィギュアの塗装法に似てる。少しずつカラーも慣れてきた気がします。)

夏 ヘッダー・スマホ2
(こちら昨年の夏のヘッダー、牧村美樹でオーズのポーズ。懐かしいですね。)