今回はヘルメットを題材にしたブログです。私は現状ヘルメットを6つ持ってます。所有モデルは下記の通り。

① シンプソン M10 スモールサイズ  イエロー
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② シンプソン M30 ラージサイズ   ガンメタ
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③ ハリソン コルセア  STELLAR   レッド×ブラック
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④ ショウエイ Z-7 フィロソファー  レッド×ブラック
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⑤ ショウエイ Jクルーズ        ブラック
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⑥ 半ヘル       無銘          ブラック× シルバー
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ネットとかではオススメのヘルメットは?なんていう記事が結構ありますが、私の書くブログですんで、そう簡単な結論は出ないし、これが最高!って決め打ちできるヘルメットがあるんなら6個持ちなんていうことにはなってない。古くても気に入ったら使い続けますんで、耐用年数超えてるものも結構ある。長いことバイクに乗ってればヘルメットなんて捨てなきゃ自然に増えていきますからね。

コケてずる剥けになったり、古くなってスゲぇ臭くなったり、カビ生えたりして捨てたもの、人にあげたりしたものも含め、これまでのバイク人生で20個以上買ってると思います。

で、今所有してる中で性能が一番いいヘルメットはどれですか?って問われれば、もう躊躇なく「Zー7」。防音性能、フィット感、軽さ、視界の広さとクリアーさ、製品クォリティ、耐久性等あらゆる項目で、この中では総合性能でZ-7が頭1つ抜けている。昔はアライファンでアライばっかり使ってた頃もありましたが、アライとショーエイは甲乙つけ難い。

これに比べたらシンプソンなんか実にヒドい。内装に合皮をつかってて高級感あるのはいいんですが、1ヶ月も経たないうちに内装の合皮部分がババァの厚化粧のように、ポロポロ落ちて来ちゃいますからねぇ・・。

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(剥がれ落ちたシンプソンの合皮、これ古くなって落ちたんじゃないですからね。Amazonで交換用の内装購入して1週間も経たないうちにこうなった。長期在庫だったんじゃないの?っていう意見もあるかもしれませんが、そんなの言い訳にはならない。耐久性判断は消費者の元に届いた時がスタートラインです。)

最近は、剥がれ落ちる合皮を止めて全部化繊にしたようですが、発売から8年間もダメ内装を売り続けてきた罪は重い。こっちにしたら「今更かよ?」って感じ。

ということで、「オススメのヘルメットメーカーは?」って人に聞かれたら、どこの記事でも書かれてるように「アライかショーエイですぅ~!」って答える。好みもクソもない、クォリティが違うんだもの。もう鉄板ですよ。後日「ひでぇメットつかませやがって!」と恨まれたくなかったらアライかショーエイを勧めとくのが無難なんです。

じゃあ、私が皆さんにオススメのショーエイを積極的に使用しているか?っていったら、まったくそうじゃないところがヘルメットの沼なところ。逆にショーエイ使ってる方が少ないんですよ。なぜかっていうと私の場合、バイクごとに使うヘルメットがほぼ固定されてる状態になってるからです。で、バイクごとのヘルメットの使用状況がこちらです。

半ヘルDIO(バイク小屋への移動で町内を走るのみ)

改造モンキー・グロムJクルーズ

ダイナ
主にシンプソン、ごくたまにJクルーズ

F6B
ハリソン=コルセア

ザラブちゃん(ストリートトリプル)
Z-7

「ええ??なんでそうなっちゃうの?」「モンキーやグロムはともかく、大型バイクは一番性能の良いZ-7かぶっとけばいいんじゃないの?!」と思われるかもしれませんが、そんな簡単なもんじゃないんですね・・。

ヘルメット選びもバイク選びと同じで「性能だけでは良し悪しを語れない」ところがある。性能もさることながらバイクとの相性を考えないといけないわけですよ。

ショウエイのZ-7は、メット単体で見ると確かに高性能なんですが、バイクにあわせたときに高性能すぎてアダになるケースがあるんです。

例えば、ハーレーのダイナにあわせた場合は、密閉性と遮音性が高すぎて、ハーレーの良さが消えちゃうっていう弊害がある。ハーレーってメカノイズと排気音、吸気音、ロードノイズ、振動、走行風が渾然一体となって「ガサツな交響楽団」みたいになってるんです。この得体の知れないガサツ・シンフォニーが低い速度域での体感情報量を豊富にして、ワケのわからん牧歌的な満足感に繋がってるんですよね。

でもZ-7は高性能すぎて、ハーレーの奏でる素敵な雑ノイズを「騒音死すべし!」とばかりにシャットアウトしちゃうんです。だから、Z-7被ってハーレー乗ると、もの凄いお上品なバイクになっちゃう。「静かなのは良いことじゃないか」っていう人も当然いるんでしょうが、私的には雑さを失ったハーレーはもうハーレーじゃない。

「乗り手のストレスになるようなメカノイズはカットするべき。」というZ-7のまっとうな設計思想が「私の求めてやまないハーレー像」と全然マッチしないんです。だから、私の中ではダイナとZ-7は梅干しとウナギ並みに食い合わせが悪い。

一方、ダイナ専用になってるシンプソンはどうかというと、メット自体が、もうなんともガサツ。価格詐欺といえるほどの雑さ(笑)。遮音性低いし、内装のフィット感適当だし、隙間風はどんどん入ってくるし、シールドなんて一円玉でマイナスネジ回して止めるんですよ。「なんでやねん!!」って地獄突きしたくなりますよ。もうどう考えても利益抜きすぎだよ!!ボッタクリだよ!!!ショーエイの快適空間と比較したらアバラ屋みたいなメットですよ。しかし、ハーレーはそれでこそ刺激が得られるという快感クソバイクです

「ぶっはははは!!!雑ーー!!」って大笑いしながら愉快に走れるんですよ。

ベンチレーション機能なんて気の利いたモノはないけど、シールドを無段階で上げ下げできるんで、2ミリくらいシールドを浮かせておくと、風が正面から入ってきて涼しいし、季節毎に香る空気を思いっきり吸い込むことができて、野趣溢れる体験が可能。デザインは完全に世紀末覇者ですから、北斗の拳、マッドマックス世代の私に刺さりまくってる。同様にジェットで情報量の多いJクルーズもハーレーとの相性は悪くない。やっぱハーレーはオープンにバイクや大自然と戯れてナンボのところがありますからね。

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(このブログ書いたの四連休なんですが、何にもすることがなかったんで、イラスト3枚使いにしてみました。まずは、ダイナから。とにかくガサツでバカで口が悪いですが、裏表のない直情型で、オーナーを裏切らない律儀さが持ち味。本気を出すことなく、だらしなく生きるのが信条。武器はエロいボディと豊富な大人知識。)

また、意外かもしれませんが、Z-7はF6Bとも極めて相性悪いんです。F6Bはショートカウルが走行風を完璧にコントロールし、顔に当たる風を気持ちいいそよ風くらいに減殺してくれるんですが、これが高性能フルフェイスと相性良くないんですよ。Z-7は帽体の密閉性が高くて隙間風など一切入ってこないので、ヘルメット内の冷却と換気は基本ベンチレーションシステムで行うことになる。しかし、このベンチレーションは「ある程度の走行風が前方からあたる」ことを前提として設計されているんです。

そこにそよ風レベルに走行風をカットしちゃうF6Bをあてがった場合、どうなっちゃうでしょう?そよ風じゃベンチレーションは全然効かない。つまり「顔が蒸し釜の中に閉じ込められた状態」になるんです。メット内は男の汗の香りと顔のアブラと臭い息で満ち満ちて、極楽ツアラーによる快適空間は一転「超兄貴が集うハッテン場」に変わる。臭いおっさんを密閉すると地獄が降臨するわけです。

よって、F6Bに乗るときは私はハリソンのコルセアを選択してます。このヘルメット、ジェットなんですが、シールドがヘルメット内に収納できるようになってるのがいい。一見シールドがついてないように見えますが、いざとなったらシールドを簡単に出せる。

加えて、このメット超軽いんです。帽体にファイバーグラスを採用して安全性を確保しつつも1000gしかない。Z-7もクソ軽いと言われていますが、Mサイズで1370gありますからね。コルセアに慣れちゃうと他のヘルメットは「クソ重」ですよ。

まぁメットとしてのクォリティはZ-7と比べるべくもないんですが、ノーヘルでもいけそうな平和なライディング環境を提供してくれるF6Bは高い快適性能をメットに求めないんで、シールドが出し入れ可能な軽量ジェッペルのコルセアはとっても重宝するワケですね。

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(続いてF6B。毒を吐かせるとコイツが一番酷い。気が利いてて頭も良く、万能で頼りになるけど、「バックギアなしの超車重という強いコンプレックスで性格に深い闇を宿してしまった」マイナーバイク。能力は全方位的に高く、ジジィを喜ばせるテクニックに長ける。)

なお、このコルセア、ジェットですが、ハーレーには向かない。ハーレーみたいに走行風直撃の過酷な環境になると、当然シールドを下げて乗ることになるんですが、このシールドの作りが華奢で、チンガードとの合いも悪く、シールドを下げたときの質感がイマイチっつーか、イマサンくらいのヘルメットなんです。やっぱ丈夫さってパーツの厚みみたいなところがあるから、軽量に特化したヘルメットは剛性感が不足するのはしょうがない。で、その剛性不足が一番風の直撃する前面に集中してるから、結構キツイんです。そこら辺、フルフェ並みの剛性感を持つJクルーズと一緒にしてはいけないメットです。

ということで、F6B乗るときは、チンガードつけたコルセアのシールドを全開にして、ホニャーっと走ってます。F6Bは適度な風を最大限味わいつつ、シールド無用で景色をダイレクトに眺めていく感じが一番合うように思いますね。

ここまで、「なになに??どうなってんの??最高性能のZ-7って、ほとんど活躍してないじゃん!?」ってことになってますが、そうなんですよ~。実際に買ってみたはいいけど、今までほとんど出番がなかったんですよね。わざわざダイナとF6Bに合わせた色にしたのに、マッチングが悪くて長らく「お蔵入り」になってました。Z-7が高性能を生かして本領を発揮するにはウチのガレージには特殊な価値観の「ネタバイク」が多すぎたんです。

ところが、そんなZ-7にようやく救世主が現れました。それがストリートトリプルの「ザラブちゃん」です。この組み合わせ、メチャメチャ相性が良いんですね。やっぱり高性能なメットは正統派高性能バイクと実によく合うんですよ。このメットのもつ密閉性と遮音性の高さはスポーツライディングに集中してるときこそ生きてくる。

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(今回、マトモ枠で参入したストリートトリプルのザラブ嬢。名前のネタ感は凄いですが、バイク自体は正統派。ブクブク太った前述の2台と異なり、ダイエットし、鍛え上げたスポーツ女子の爽やかさがある。こういうキャラは「犬のように主人に従うも、ひたすらイジられ酷い目に遭う」というポジションになりますね。)

ロードノイズ、メカニカルノイズをはじめ、ほとんどの雑ノイズをカットするにもかかわらず、中回転から高回転域で猛り狂う熱いエンジン音は綺麗に入ってくる。トンデモない速度域でバイクを右に左に振り回しても極めて快適だしフィット感抜群の内装で風圧に対しても1ミリたりともメットがズレることがない。

シールドの視界も上下左右に広くって、前傾姿勢なのに目線上げると青空が見える。歪みもなく剛性感も申し分ない。これが日本製品だよ!!日本の誇りだよ!!!シンプソンだとヘルメットが風圧で持ち上がっちゃって、外部情報もガンガン入ってきて、情報ストレスで心臓バクバクいうんでしょうが、Z-7は高級車の中にいるように平和そのものですよ。

ぶっちゃけ、ハーレーのウルトラに半ヘルで乗るより、レブル250にZ-7で乗ってる方が高級感あると思う。絶対。

ベンチレーションも強烈に効くし、ライディング環境が快適すぎて、いけないカリオストロ伯爵と化してしまうわけですよ。湖畔のワインディングで前を行くカワサキの可愛いお尻を視姦しながら、

「ふぁああぁあぁああーーー!これこそ最高のメットですねーーー!!さぁ捕まえますよォォオオ!クラリィイイイイイイィィイス!!!」

なんてニヤついてる。私は人格自体がネタ枠ですから、イキって飛ばしてても思考回路は「少女を追いかけ回す通貨偽造罪の変態中年」と変わんない。これだから私はダメなんでしょうね・・・。

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(中年の星、カリオストロ伯爵。滲み出る変態性と心の闇が人気の秘密か?通貨を偽造し大富豪となり、やりたい放題。コイツを性格変えて正義側に反転させるとバットマンのブルース・ウェインになるんですが、私はバットマンよりネタ枠の伯爵を断固支持する。)

ということで、今回も支離滅裂に長くなってしまいましたが、何が言いたかったかというと、ヘルメットも選ぶバイクや乗り手の人の好みによって評価が大幅に変わるってことです。適切なヘルメットを選択することは、変なカスタムするよりよっぽど重要だし、体感に猛烈に効くっつーか、メットでバイクの印象が180度変わったりするくらいの重要アイテムです。

でも、ヘルメットってバイクでいうところの試乗ができませんよね。ショップで被ってみるっていうのはバイクでいうと展示車に跨がってみました!ってことだと思うんですが、実際にそのヘルメットが自分の望んでるモノなのか?っていう点を検証するには、いろんな速度で走った時のフィーリングを体感してみないとわからない。

「バイクは乗ってみなければわからない」っていいますが、ヘルメットも「自分のバイクで走ってみないとわからない」という非常にやっかいなシロモノなんです。

さらに、頭の痛いことに「バイクと同じで、あらゆるシュチュエーションに適合する万能ヘルメット」なんてのは、この世には存在しない。こんなものをどう選んでいくの?っていうと、結局いきつくところは、他の消費と同じ。「迷いながら失敗を繰り返し正解に辿り着くという力押し」になる。だから、私みたいにメットが6個とかいう大惨事になっちゃうんですよ。失敗するとホント、シャレにならない金額ですから、バイクギアの中で一番悩ましいものかもしれないですね。