今回はストリートトリプル、通称「ザラブちゃん」のインプレッションの2回目です。

もう購入してから既に1ヶ月。1000㎞点検も終わってんのに、ようやく2回目のインプレ・・。ブログ自体、1週間に1度くらいしか更新しないっつーのに、ダイナとF6Bのブログも挟まってますから、トライアンフのインプレが亀の歩みのよう・・初期の印象を全部ブログにするまでに半年くらいかかりそうですなー。いや、実際、トラのインプレって需要あるんでしょうか??

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(ニセウルトラマンそっくり=ザラブ星人→「ザラブちゃん」というフザケた愛称のストリートトリプル。一言でいうとクッソ軽くて、クッソ速い。走行インプレは後日ボチボチと。)

インプレ書くにあたって、皆さんどんなことに興味あるのかなぁ・・あんまり人が書いてなくって皆さんが興味ある事って何かしら?・・って考えて、今回は地方在住のライダーのトライアンフ購入事情について書いてみることにしました。

そもそもトライアンフの正規代理店は都市部に集中しちゃってるんで、地方在住だと正規店からの購入が困難なんですよね。

だからでしょうか、私の住んでいるエリアではトライアンフはほとんど見ない。輸入車は圧倒的にBMW、ドカ、ハーレーです。理由は明確、ハーレー、ドカ、BMWは石川県内に正規代理店があり、トライアンフはないからです。

私は、ストリートトリプルがニセウルトラマンにあまりに似てるからって理由で購入を決めたクチですから、

「正規ではなく、裏ルートで侵入してこその悪質宇宙人ではないか?」

という割り切りがあって、並行かどうかって全然気にならなかったんですよね。私がバイク店勤務の頃は、悪辣免許制度のおかげで大型乗りは希少種で、大型免許が必要な輸入車の販売網自体がほとんど存在しなかった。洋モノは「最悪自分でなんとかするわ」的な感覚も必要な時代だったんですよね。今は大型乗りも増えて正規ディーラー網も整備されてきてるんで昔に比べると環境は劇的に良くなってます。

それでもなお地方在住の人が正規でトライアンフを購入しようとすると大変。だって全国でトラの正規代理店は24店舗しかない。トライアンフのホームページで石川県周辺で検索すると一番近いとこはなんと滋賀ですよ。次は名古屋。ギャグで言ってんのか?一番近い滋賀ですら私の自宅から120㎞以上離れておるわ。

正規購入にこだわるのは、それに伴う様々なサービスを期待してるからなのに、サービスの恩恵を享受できる距離じゃないので、正規で購入するメリットゼロです。
大人の事情2
(今回の挿絵の下描き。慣らしで乗ってるうちにキャラづけも固まってきました。イメージは従順な「ヤマネコ系ケモキャラ」かな・・)

隣町のレッドバロンにバイク預けるだけでも面倒くさいのに、120㎞も離れた地なんて、イスカンダルにコスモクリーナー取りに行くくらいのガッツがいる。

で、結局は赤男爵様での平行購入を選択することになるんですが、これがまた奇妙なんですな~。レッドバロンの販売情報サイトには「並行輸入品とも正規輸入品とも記載してない。」しかもですよ。表示価格が正規代理店の価格とまったく横並びなんです。

通常、並行輸入品だと正規代理店や輸入元のマージンのっからないから、正規品よりお安いわけですよ。だから並行輸入はアフターサービスは劣っても、その分新車購入時のバリューがあるわけです。それなのに正規代理店モノと並行モノが価格横並びって、並行で購入するメリットなくない?

「いやいや、ここから値引きあるでしょ!10万引き?20万引き??」って思うじゃないですか、なんと値引きゼロ提示ですよ。初めは「そりゃないんじゃないの??」って食い下がりましたが、店長から「いやーー、大人の事情がありまして・・」といなされました。

でたよ。キラーワード「大人の事情」。これ出されたらもうどうしようもない。大人の事情って詳細は言えません。ってことですからね。

おっかしいなぁ~と思ってるうちに、バイクが納車され、ついてきた備品がこれでした。

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・・・んーー・・・ますます怪しいデスよぉ・・・。

だってこれ、あきらかにトライアンフジャパンが作った正規の日本語マニュアルと整備手帳なんですよ。

昔のレッドバロン知ってる人ならわかると思うんですが、並行の頃のレッドバロンって、英語のマニュアルにレッドバロンが独自で作った日本語訳の取扱説明書がついてましたよね。今回もそのパターンだとと思ってたら、完全に正規品のトリセツですよこれ。

しかも、「へっちまんさん。これオマケでぇーっす♡」ってキーホルダーと書類カバーと、シングルシート、トライアンフのリュックサックがついてきた!!

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「はぁああああああ???これどう考えても正規代理店の成約特典のサービス品じゃない??」正規販売の商売敵である並行輸入業者に正規の取扱説明書と販促品を差し出すアホな元売りなんて聞いたことがない。

試しに「修理パーツってどうやって入れてんの??」と納車時にレッドバロン店長に問い合わせたところ、「うふふふ、正規ルートでちゃんと入りますから~」と即答されてるんですよ。

そろそろ皆さんにも真相が匂ってきてるんじゃないでしょうか

①価格が正規販売価格と同一

②取扱説明書や整備手帳等がトライアンフ・ジャパンのもの

③契約時にトライアンフのサービス品が諸々ついてくる

④修理パーツは正規ルートで入る

これらのヒントから推理すれば、名探偵でなくても、おおよそがわかりますよね。レッドバロンが販売してるのは「トライアンフ正規輸入品の業販モノ」ですよ。

業販というのは別のバイクショップにある売り物を引っ張ってきて、自分のショップのお客さんに販売することです。ショップ同士で利益を折半するんで、応じてくれない業者もありますが、商慣習として割と頻繁に行われてる。

近年トライアンフは好調で、ハーレー、BMWに続いて販売台数3位に躍り出てる。でもハーレーやBMW、ドカティよりまだ正規ディーラーの店舗数は少ないし、専用誌も存在しておらず、そこまでの知名度もないはず。基本、商売は販売力ですから、脆弱な販売体制だけで読み解くと「輸入車売上げ3位になってる根拠がない」わけですよ。

トライアンフ・ジャパンとしては、正規販売網のない空白地帯で誰かに売ってもらわないと、トライアンフを検討している層が他社に流れるだけ。全国誌に広告を打って記事依頼する意味がなくなっちゃう。それならレッドバロンに売ってもらって、台数と利益を稼ぎ、その間に正規販売網の構築計画にいそしむのが効率的。

一方のレッドバロンも、以前は並行輸入で商売してたわけですが、トライアンフ・ジャパンからの業販購入に鞍替えした可能性が高い。毎年一定数をトライアンフ・ジャパンから仕入れ、それを「自社ルートで調達したもの」として販売しているというシナリオは十分ありえます。

最近は輸入車も好事家の道楽ではなくなって、一般のライダーも普通に手を出すようになっており、顧客も価格より整備や修理等のサービス体制を重視してる傾向です。レッドバロンも正規ルートでパーツ確保できた方が安心だし、正規品ならリコール情報も入り、コンピューターのアップデートもできる。

トライアンフの正規代理店がない地方では競合も起きないから、正規価格でも問題なくサバけるし、新車を売れば、やがてそれが買い取りで入ってくるわけですよ。

店や設備にコストをかけて、トライアンフの販売体制を整えている正規販売店との折り合いもあるでしょうから、おおやけになってないし、レッドバロンは「正規輸入品です!」と大々的にアナウンスもできないけど、諸々の背景事情から考えると私の推理はいい線いってると思うんですよね。

裏付けを取るために、2019年の販売実績を調べてみたんですが、

ハーレー 正規販売店 140店舗前後  8790台

BMW 正規販売店 70店舗前後 2468台

ドカティ 正規販売店 50店舗前後 1877台

これに対してトライアンフは正規販売店が24店舗で1958台です。ドカやBMWより圧倒的に販売効率がいい。これ正規の店舗数で割ると、1店舗あたりドカやBMWの倍、ハーレー以上の効率で売ってることになるんですが、ハハハ・・んなことありえないでしょ?

道の駅で見る限り、圧倒的なハーレー人口に比べてトライアンフ人口なんてカスみたいなもん。全国の愛好家かき集めてようやくこの数字ってのが実態でしょう。どう見ても。

都市部中心に点在する正規代理店だけが販売してこの数字なら、正規店が存在する所ではドカティやBMWを超え、ハーレーと互角以上の台数を売り上げる「大人気車」ってことになって、「トライアンフが掃いて捨てるほどいることになる」けど、「そんなことはまったくもってない」わけです。

そうなると正規販売店がないところでも、何らかの方法で台数稼いでるって考えざるを得ない。じゃあどうやって地方で台数稼いでるの?っていうとレッドバロンに売ってもらって台数稼いでる以外にないわけですよ。だいたい整合性がとれない変な数字が出るときって、裏舞台もそれに応じたカラクリがある。それが「大人の事情」って奴ですよね。

トライアンフの本来の商売敵はドカティであり、BMWであり、ハーレーなんです。こいつらと戦いながら日本で認知度を上げ、台数をサバき、販売拠点を整備していかなくてはならない。そんな状況で、レッドバロンと正規販売店がトライアンフ同士で内輪もめしてる場合じゃない。

ということで、お互いの戦略的判断でレッドバロンとトライアンフ・ジャパンは裏で手を結んでると思う。販売力がないのに綺麗事いってても、シェアは伸びない。そんな中、昨日の敵と同盟し、より大きな敵に立ち向かうってのは、少年ジャンプでもよくある王道勝ちパターンです。

で、それが功を奏したのが近年の販売台数であると。

大人の事情・ペン入れ2
(ザラブちゃんの難しいところは健康的で締まったボディにしなくちゃならないところ。そんな描き分けの技術は微塵もない。)

ということですので、私の結論としては、地方の人は正規代理店がないからとトライアンフを諦めずに「赤男爵様で買えば良いんじゃないの?」ってことです。正規店のようなツーリングやイベントなどのサービスはないかもしれないけど、モノ自体は正規で購入するのと変わらないはず。レッドバロンにトライアンフの整備ノウハウがないかと言えば、ずーーっと昔っから平行輸入してたんで、昔からいるベテランメカさんなら、下手な正規店より整備ノウハウあるかも。

いささか長くなりましたが、今回は、トライアンフの地方販売事情の裏を読んでみました。なんで私が嬉しげにこんなブログを書いてるのかっていうと、そりゃやっぱり消費者に「できる限りの情報を伝えたい」っていうのがある。

メーカー側でおおっぴらに出来ない大人の事情があるのなら、消費者側でそれをネチネチと解析する以外ない。私はそういう販売側の裏事情を読むのが大好物な人間なんで、とってもタチの悪い客かもしれません(笑)。

でも、私は売る側の味方じゃないし、隠されてる情報を明らかにするのは、大概消費者の利益になるんです。私はこれまで消費という霧の中でさまよい、躓いてきたんで、不透明なのが気持ち悪くてイヤなんです。モザイクの向こうにあるものは誰もが見たい、男なら。

それを目を細めつつ想像するのが趣味になっちゃってるんですね。